ブイキューブのはたらく研究部

“暑さリスク”が現場に与える影響とは?——3つの視点で見る対策の勘所

作成者: 山本脩太郎|2025.08.21

夏の猛暑が年々厳しさを増す中、現場で働く人々にとって“暑さ”は単なる不快感では済まされません。熱中症や体調不良による労災、作業効率の低下、判断ミスや品質トラブルなど、企業活動の根幹を揺るがす深刻なリスクとなっています。

特に2024年の法改正により、暑熱環境への対策は「努力義務」から「実質的な義務」へと変わり、対応の遅れは法令違反にもつながりかねません。この記事では、“暑さリスク”を安全・稼働・品質の3つの視点から整理し、現場に即した実効性ある対策のヒントを探ります。

また、当社では個室ブースとエアコンを組み合わせたクーリングシェルターをご提供しています。クーリングシェルターの概要や特徴についてはPDF資料「 職場の熱中症対策に!エアコン付き個室ブースのクーリングシェルター活用でも詳しくご紹介しています。合わせてご覧ください。

なぜ“暑さ”が企業にとってリスクになるのか?

近年の気温上昇により、夏場の現場環境はかつてないほど過酷になっています。特に2024年の法改正によって、熱中症対策は企業の「努力義務」から「実質的な義務」へと位置づけが変化しました。これにより、WBGT(暑さ指数)値が28℃を超えるような現場では、適切な暑熱対策を講じていない場合、労災発生時に企業側の責任が問われる可能性が高まっています。

さらに、多くの現場では空調が届かないエリアや、共用休憩室だけでは対応しきれない“暑さの空白地帯”が存在します。こうした対応の不備は、単に従業員の体調不良を招くだけでなく、事故の発生や作業の遅延、品質トラブルといった波及的なリスクに直結します。暑さへの対応は、今や労務管理の一環として優先課題となっているのです。

3つの視点で見る“暑さリスク”

“暑さリスク”は単に従業員の体調を脅かすだけではありません。現場全体の安全性、稼働率、そして製品やサービスの品質にも大きな影響を及ぼします。ここでは、企業が見落としがちな「安全」「稼働」「品質」の3つの視点から、それぞれのリスクとその具体的な実態を整理してみましょう。

1. 安全リスク:熱中症・体調不良による労災と健康被害

高温下での作業は、熱中症や脱水症状などの健康被害を引き起こすリスクが高まります。特に問題となるのは、単独作業の場面です。異変に気づける同僚がいないため、体調悪化に気づかずに倒れるケースもあり、重大事故につながる可能性があります。万が一の事態が発生すれば、労災として企業の責任が問われることになり、法的リスクも無視できません。

2. 稼働リスク:作業中断・人員不足による納期遅延・稼働低下

体調不良者が出るたびに作業が中断され、生産性が著しく低下します。特に人手不足が常態化している現場では、1人の離脱が即戦力の欠如を意味し、納期の遅延や稼働計画の見直しが必要になる場合も。加えて、十分な休憩スペースが確保されていない現場では、こまめな休憩が取りにくく、さらにパフォーマンスの低下を招く悪循環に陥ります。

3. 品質リスク:判断ミスや集中力低下による事故・品質劣化

暑さは作業員の認知機能や判断力にも影響を与えます。集中力が切れることで、確認ミスや手順違反が起こりやすくなり、その結果、製品やサービスの品質が不安定になります。品質トラブルが顧客からのクレームや再作業に発展すれば、コスト増加や信頼低下にもつながり、企業全体の評価にも影響を与えかねません。

ピンポイントで暑さを解消するエアコン付き個室ブース

暑熱対策において重要なのは、「現場の実態」に即した具体策を講じることです。多くの企業では、大型の空調設備や共用休憩所の整備が進んでいますが、現実には空調の効かない作業エリアや、移動に時間がかかる場所など、“暑さの空白地帯”が残されたままのケースが少なくありません。

こうした課題に対して有効なのが、省スペースかつ工事不要で導入できるエアコン付き個室ブースです。倉庫、工場、仮設事務所など、空調の届きにくい現場にも柔軟に設置可能で、作業員がこまめに休憩を取れる場所として活用できます。さらに、防音・換気・遮音といった機能も備えており、Web会議や集中作業の場としても利用可能です。

現場の暑熱環境に“点”で対処するこのようなソリューションは、大掛かりな設備投資が難しい企業にとっても、現実的かつ即効性のある選択肢となります。

実際の導入事例や製品の詳しい特長については、PDF資料「 職場の熱中症対策に!エアコン付き個室ブースのクーリングシェルター活用で詳しくご紹介しています。合わせてご覧ください。

現場を守るために、暑さリスクを“点”で断つ発想を

“暑さリスク”は、作業現場の安全性だけでなく、稼働効率や製品・サービスの品質にも影響を及ぼす、企業にとって見過ごせない経営課題です。2024年の法改正により、熱中症対策はもはや“努力義務”ではなく、適切な対応を怠れば労災や法令違反のリスクに直結する“実質的な義務”となりました。

だからこそ、現場ごとの暑熱環境を正しく把握し、ピンポイントで有効な対策を講じることが重要です。空調の届かない“暑さの空白地帯”には、エアコン付き個室ブースといった柔軟性の高いソリューションを活用することで、安全とパフォーマンスを両立した現場づくりが実現できます。

実際の導入事例や製品の詳しい特長については、PDF資料「 職場の熱中症対策に!エアコン付き個室ブースのクーリングシェルター活用で詳しくご紹介しています。合わせてご覧ください。