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近年、情報通信技術(ICT)を活用して、会社の外で働く「テレワーク」と呼ばれる働き方が徐々に広まってきています。

その動きは一般企業だけでなく、政府もテレワーク推進に積極的です。2012年に安倍政権が発足し、国の成長戦略の中にも「テレワーク」という言葉が盛り込まれました。具体的な施策として、在宅勤務を導入する企業への助成金やPR支援などの取り組みも始まっています。

 

直近の動きでは、2020年東京五輪・パラリンピックにおける混雑緩和策として、国がテレワーク普及に力を入れています。

一方で、「そもそもテレワークがどのような働き方なのか分からない」「メリットとデメリットを知りたい」「導入方法や事例などを知りたい」と思われている方も多いのではないでしょうか。

 

それもそのはず。2018年3月に国土交通省が発表した「テレワーク人口実態調査」によれば、回答者の中で「テレワーク」という言葉の認知度は、全体の6割以下でした。

 

そこで今回の記事では、「テレワーク」の基本的な知識や注目される社会背景、メリット・デメリットなどについて解説します。文末にはテレワーク導入好事例も記載してありますので、ぜひ最後までご覧ください。

テレワークとは、ICTを活用した場所と時間にとらわれない柔軟な働き方のこと

まずはじめに、テレワークの言葉の定義から解説します。一般社団法人日本テレワーク協会によれば、テレワークとは、「情報通信技術(ICT=Information and Communication Technology)を活用した、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のこと」です。

 

英語の「tele=離れた所」と「work=働く」を組み合わせた造語になります。

テレワークには大きく分けて、3つのタイプがあります。その3つとは、「自宅利用型テレワーク(在宅勤務)」「モバイルワーク」「施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務など)」のことを指します。

 

 

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それぞれ見ていきましょう。

自宅利用型テレワーク(在宅勤務)

在宅勤務とも呼ばれます。自宅にいて、会社とはパソコンとインターネット、電話、ファックスなどで連絡をとって働く、働き方です。

モバイルワーク

モバイルワークは、顧客先や移動中に、パソコンや携帯電話などを使う働き方のことです。

施設利用型テレワーク(サテライトオフィス勤務)

勤務先以外のオフィススペースでパソコンなどを利用した働き方です。一社専用で社内LANがつながるスポットオフィス、専用サテライト、数社の共同サテライト、レンタルオフィスなどの施設が利用され、都市企業は郊外に、地方企業は都心部にサテライトオフィスを置く傾向にあります。

テレワークに向いている人の特徴

テレワークに適しているのは、以下のような状況の人たちです。

  • 妊娠や育児、介護などの理由、身体障害、あるいはケガなどにより、恒常的もしくは一時的に通勤が困難な人。
  • 企画や総務、人事、経理などのバックオフィス系の仕事をしている人。
  • 営業やシステムエンジニア、サポートサービスなどの顧客対応業務が中心の人。

テレワークとリモートワークはほぼ同義

Web業界などでは「リモートワーク」と呼ばれることもありますが、基本的に「オフィス以外の場所で働く」といった意味においては、「テレワーク」と同じ意味になります。ちなみに、リモートワークの言葉自体には、どのような働き方を指すのかについて、具体的な定義はなされていません。

テレワークが注目される社会的背景

2019年には厚生労働省が「テレワーク宣言企業」を公募したこともあり、国内におけるテレワークを取り入れようとする企業は増えてきています。

 

総務省の「平成29年通信利用動向調査」によると、日本企業におけるテレワークの導入率は13.9%です。また、テレワーク導入企業のうち在宅勤務の導入率は29.9%、モバイルワークの導入率は56.4%、サテライトオフィスの導入率は12.1%となっています。

 

通信利用動向調査によると、テレワーク導入企業はここ数年で、ゆるやかな増加傾向にあります。

blog_telework_11(出典:総務省「平成29年通信利用動向調査」)

 

今後も増えていくと予想されているテレワークですが、なぜ、中小企業のみならず大企業までも新しい働き方に注目しているのでしょうか。それには、このような社会的な背景の存在が考えられます。

労働人口の減少対策が急務

テレワークを導入するか否かの議論が活発になった大きな社会的背景の一つに、「人口減少」、つまり労働人口減少の問題があります。

 

どの規模の企業も口を揃えたように嘆く人材不足の課題。さらに近年では、働く人の生活環境や状況も多様になってきています。結婚や妊娠、育児や介護、これまでの日本社会ならば、会社を辞めるか休職するかの選択肢しかありませんでした。

 

しかし、インターネット技術の登場によって、そうした働けない事情を持つ人もオフィスに居なくても働ける選択肢を持つことができるようになりました。「仕事さえしてくれれば、従業員の働く場所は問わない」と考える経営者が増えてきたことも、テレワーク導入が進んでいる要因の一つでしょう。

通勤に対するコストやデメリットの見直し

オフィスで働くことと、テレワークで働くことの最も大きな違いは何かと言えば、通勤があるかないかです。

 

特に首都圏では通勤時の公共交通機関の混雑や、それに伴うストレスの心理的負担が問題視されています。これを解決する策として、出社日を減らしたり・なくすことで、従業員の体力的・精神的な負担を軽くし、仕事に取り組みやすい環境をつくることが可能です。

 

また、普段からテレワークを活用できていれば、台風や大雨、地震などの災害時にも従業員の安全を迅速に確認・確保することができます。

 

日本人の平均通勤時間は約34分と言われています。それが毎日となると膨大な時間です。電車に乗っているだけの無駄な時間を、業務にあてることができれば、従業員のリソースを労働生産性向上のために有効活用できるでしょう。

国全体でICT環境が整ってきた

先ほども述べたように、インターネット(もしくはICT)環境が国全体で整ってきたことも、テレワーク普及の背景として考えられるでしょう。

 

具体的には、テレワークを可能にしたテレビ会議システムやWeb会議システムなどのツールの普及、また従来よりも高性能・低価格で利用できるようになってきました。

 

働き方改革の文脈において、ICT技術は必要不可欠な存在です。これらをいかに使いこなすことができるかが、テレワークの推進が上手くいくかどうかの分かれ道になるでしょう。

テレワークのメリット

上記のような背景から、テレワークを推進したい企業が増えてきているわけですが、具体的にはどのようなメリットがあるのでしょうか。解説します。

労働生産性向上に役立つ

労働人口が減少し続け、人材不足が加速する日本の企業において、自社従業員の労働生産性をいかに向上させられるか、というのは喫緊の課題でしょう。

 

2016年に総務省が発表した「平成28年度 通信利用動向調査」によれば、ICTツールを活用している企業の方が、利用していない企業と比較して、約1.6倍労働生産性が高くなるという結果が出ています。

 

オフィスに行くこと自体ではなく、仕事で成果や実績を出すことこそが重要である、という考え方が広がっていけば、無駄なコストを減らせるテレワークの働き方が注目されるのも自然な流れでしょう。

人材確保・採用PR(広報)効果がある

テレワークに向いている人の特徴でも述べたように、テレワークでは、オフィスで働きたくても働けない人たちが最大限に制度の恩恵を受けます。

 

つまり、これまで採用が難しかった人材の幅が広がることを意味します。そのため、単純に採用可能な人材の母数が何倍にもなれば、人材不足に悩んでいる企業にとってはプラスになります。

 

また、柔軟な働き方をしている、ということを対外にアピールする材料にもなります。若者は働き方の選択肢を持っている企業に就職したいと思っています。そうした学生に対して、自分たちの会社でのテレワーク実績について語ることができれば、良いアピールになるでしょう。

賃料などのコスト削減につながる

在宅勤務の導入によって出社する社員が減れば、広いオフィスをわざわざ借りる必要はありません。フリーアドレス制を導入することで、1人1席を確保する必要もなくなります。

 

例えば、全従業員が出社義務のない「株式会社キャスター」では、業務委託を含めて在籍する従業員の数が200名以上にも関わらず、オフィスは15名程度しか入れない広さだといいます(2019年12月時点)。

そのほか、以下のような効果があると思われます。

 

(企業側)

  • ・資料の電子化や業務改善の機会となる
  • ・顧客との連携強化、従業員の連携強化になる
  • ・離職率が改善し、従業員の定着率向上が図れる

 

(従業員側)

  • ・家族と過ごす時間や趣味の時間が増える
  • ・集中力が増して、仕事の効率が良くなる
  • ・自律的に仕事を進めることができる能力が強化される
  • ・仕事の満足度が上がり、仕事に対する意欲が増す

テレワークのデメリット

ここまではテレワークのメリットについてお話しました。では、テレワークのデメリットとは何でしょうか。この項目では、テレワークのデメリットについてご紹介します。

労災の範囲が曖昧になる可能性がある

一般的に、従業員が業務中に起こった災害については、労災保険が給付されます。テレワークで在宅勤務となっている場合、業務の時間とそうでない時間が混在するため、給付条件を見極めるのが難しくなる可能性があります。

 

厚生労働省が公表している「テレワーク導入ための労務管理等Q&A集」には、このように記されています。

 

業務災害と認められるためには、業務と傷病等との間に一定の因果関係があることが必要であるため、労働者が、私用(私的行為)または業務を逸脱する恣意的行為を行ったこと等による傷病等は、業務災害とは認められません。

 

つまり、保険給付の条件である労働災害として認められるためには、被ったケガや病気と、業務に関連性があることが必要です。

 

また厚生労働省では、実際に労災として認められたケースとして以下を紹介しています。つまり保険給付の条件である労働災害として認められるためには、被ったケガや病気と、業務に関連性があることが必須といえます。 厚生労働省では、実際に労災として認められたケースとして以下紹介しています。

 

自宅で所定労働時間にパソコン業務を行っていたが、トイレに行くため作業場所を離席した後、作業場所に戻 り椅子に座ろうとして転倒した事案

 

労災に認定されるかどうかは、労働基準監督署の判断に委ねられます。

テレワークができる社員が限られる

テレワークでは、自宅などの自由な環境で仕事を行うため、公私の区別がつきにくくなり、人によってはパフォーマンスが落ちてしまうこともあります。

 

そうなってしまうと、一般従業員はオフィスにいて、管理職のみテレワークが許されるといったことになりかねません。

 

それを防ぐためには、常時接続可能なWebカメラや、会議用カメラを活用するなどして、仕組み化をしていく必要があります。

コミュニケーションが希薄になってしまう可能性がある

テレワークではオフィスと離れた場所で仕事を行うため、メンバーとのコミュニケーション手段が限られてしまいます。そのため、これまでオフィスに出社して、同僚や上司とのコミュニケーションが希薄になってしまう可能性があります。

 

そうした際には、自社やチームに合ったチャットツールなどを活用して、認識の齟齬が起きないような仕組み作りが重要になってきます。例えば、チャットワークやSlackなどのツールが挙げられます。

テレワーク導入のポイント

ここまでテレワークのメリット・デメリットを確認してきた上で、「テレワークを導入してみたい」、とご興味を持たれている方も多いと思います。また、「どのような手順ではじめてみたらいいか分からない」、という方もいらっしゃるでしょう。

 

そこで本項では、テレワークを導入する際に大切になるであろうポイントについて、かいつまんでご紹介します。

テレワーク導入の目的を明確にする

まずは、なぜ自社でテレワークをする必要があるのか、について考えることが大切です。つまり、導入する目的を明確にする、ということです。

 

具体的には、事業面においては、「人材の確保・育成」「業務プロセスの革新」「事業継続」など。雇用面においては、「育児・介護等の家庭責任を担う人材の離職抑制」「働き方の変革による生産性向上」「従業員のワーク・ライフ・バランスの向上」といったテーマなどが挙げられるでしょう。

 

テレワーク導入の際には、こうした目的を参考にしつつ、「テレワークを導入することでどのような効果を得たいか」という視点に立って考えることも大切です。

 

ポイントとしては、目的を必ずしも1つに絞る必要はないということです。そして、周囲のメンバーにも目的の共有は必ず行うようにしましょう。

 

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(出典:厚生労働省「テレワーク導入のためのQ&A」)

 

テレワーク導入にあたり合意しておくべき4つのこと

テレワーク導入にあたっては、以下の4つのポイントを周囲のメンバーと合意しておけば、プロジェクトが円滑に早く進むでしょう。

 

①導入の全体像を把握し、導入のプロセスを理解すること

②テレワーク導入は、まずはできるところから始め、少しずつ範囲を拡大していくこと

③全社横断的な部門や推進担当者によって推進体制を構築すること

④全体方針の決定、推進にあたっては、経営トップ自らがテレワーク導入の意思を明確に示すこと

 

また、社内の制度やルールを維持したまま、できるところから対象者を決めて、トライアルを行い、少しずつ範囲を拡大していくと良いでしょう。

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(出典:厚生労働省「テレワーク導入のためのQ&A」)

テレワーク導入のプロセス例

テレワークの導入や運用を円滑に進めるためには、次のようなプロセスを参考にしてみてください。

 

blog_telework_03(出典:厚生労働省「テレワーク導入のためのQ&A」)

 

テレワーク導入を実現するためには、テレワークの推進体制を構築することが必要です。理想としては、経営のトップがテレワークを社内に根付かせるためのチームリーダーとなることです。

 

社内の各部署のリーダーが新しい制度導入の意義を理解し、トップがその意思を説明することが大切です。

 

また、テレワークは一つの部署で完結するものではありません。経営企画部門や人事・総務部門、情報システム部門など、テレワークに関わるであろう部署が横断的に協力できる体制をつくらなければなりません。

 

そのためのセキュリティルールや、検討すべき項目を洗い出すと良いでしょう。企業の規模別に役割を大まかに分けた図が以下です。

(出典:厚生労働省「テレワーク導入のためのQ&A」)

 

ぜひ、自社の状況と照らし合わせて参考にしてみてください。

テレワーク活用企業の好事例5選

ここからは実際にテレワークを自社に導入して、成果を出せている企業の事例を、「平成27年度 テレワークモデル実証事業 テレワーク活用の好事例集」から5つご紹介します。

好事例1:トヨタ自動車株式会社(製造業)

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(出典:トヨタ自動車株式会社

会社概要

  • ・設立:1937年
  • ・本社所在地:愛知県豊田市
  • ・主たる事業:輸送用機器の生産・販売
  • ・従業員数:344,109人(連結)(取材時点)

要約

育児期の従業員のキャリア形成のために「在宅勤務制度」を拡充

テレワーク導入の目的

育児期の女性従業員の継続就業、及びさらなる活躍促進を主な目的としている。

テレワーク導入形態

入社から一定年数を経過した育児・介護を行う事務職及び技術職の従業員等を対象として、「部分的在宅勤務制度」(小学4年生以下の子を育てる者、又は介護に従事する者が対象)、「終日在宅勤務制度」(1才未満の子を育てる者が対象)を導入している。

 

  • ・利用者が勤務する事業所:全事業所
  • ・テレワーク時の作業場所:自宅
  • ・テレワーク実施のプロセス:テレワーク時の作業予定は、スケジュール管理ツール等に事前に記入する。当日は、始業・終業時に電話等で上司に連絡する。
  • ・テレワーク時の条件:最低限の対面でのコミュニケーションは必要と考えているため、「部分的在宅勤務」では1日に4時間以上、「終日在宅勤務」では週2時間以上の出社を義務づけている。

 

所定外労働は上司の許可により認めているが、休日労働は原則として禁止している。

テレワーク導入のメリット

育児・介護をしながら働き続けることができるようになった。

 

また、特に育児については、より働きやすい環境を提供することにより、早期復職を躊躇していた層も安心して仕事に復帰でき、キャリアブランクの縮小・継続的育成にも寄与していると考えている。

 

こういったことにより、適用者の周囲の上司・同僚からも概ね好評。

テレワーク導入の経緯、導入までのプロセス

育児期の女性従業員の継続就業を主な目的として、2002年に「部分的在宅勤務制度」を導入した。

 

その後、2015年からは、子どもが1歳になるまでに復職した者については、週1回2時間以上出社すれば、「終日在宅勤務制度」を利用できるよう制度を拡大した。

好事例2:東京急行電鉄株式会社(運輸業)

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(出典元:東京急行電鉄株式会社

会社概要

  • ・設立:1922年
  • ・本社所在地:東京都渋谷区
  • ・主たる事業:鉄軌道事業、不動産事業
  • ・従業員数:4,267人(単体)(取材時点)

要約

多様な働き方を支える制度の一環として、妊娠・育児・介護等、社員のさまざまなライフイベントに応じてテレワークを導入

テレワーク導入の目的

育児、介護による時間制約社員が増加してきていることから、妊娠・介護者の負担軽減及び育児世代の支援を行うことで、持続的な成長に寄与していくことを目的としている。

テレワーク導入形態

  • ・利用者が勤務する事業所:本社
  • ・テレワーク時の作業場所:原則自宅であるが、勤務ができる環境であればその他の場所も認めている。
  • ・テレワーク実施の対象者:本社勤務のうち以下を対象としている。
  •   ①妊娠者
  •   ②育児休業者のうち早期復職者
  •   ③介護休業者のうち早期復職者
  • ・テレワーク時の条件:上長の承認があれば、テレワークの制限なし(日数、時間制限なし)。ただし、時間外労働及び休日勤務は命じない。

テレワーク導入のメリット

従来、妊娠中に体調不良により出勤が困難な従業員や有給休暇を使い果たす従業員が多かったので、テレワークにより、当該者の負担を軽減できる環境を整備している。

 

また、育児休業者及び介護休業者については、各制度において満了期間まで休業することもできる一方で、ライフプランによっては、早期復職を希望する従業員もいる。テレワークの導入は、こうした早期復帰を支援するための勤務形態として大きな役割を果たしている。

テレワーク導入の経緯、導入までのプロセス

2013年から部門を横断した「ダイバーシティ推進ワーキンググループ」を発足させた。本グループでさまざまなアイデア出しや従業員ニーズの吸収を行い、テレワークを導入した。

 

従業員への周知については、労働組合との連携や全部門の総括担当課長に説明を行い、目的や期待する効果の理解を得た。

好事例3:株式会社ローソン(商業)

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(出典元:株式会社ローソン

会社概要

  • ・設立:1975年
  • ・本社所在地:東京都品川区
  • ・主たる事業:コンビニエンスストアのフランチャイズチェーンの展開
  • ・従業員数:7,606人(連結)(取材時点)

要約

人材の活用を図り、社内を活性化するための子育て支援策の一環として、テレワークを導入

テレワーク導入の目的

従業員の子育てを支援する目的で導入した。短時間勤務や、半日休暇等と併用することもできる。

育児休業明けの復職面談において、人事担当者からテレワークについて説明を行い、テレワークの利用を確認している。

テレワーク導入形態

小学3年生までの子どもを持つ従業員を対象としている。

  • ・利用者が勤務する事業所:全事業所
    ・テレワーク時の作業場所:自宅
  • ・テレワーク実施のプロセス:利用希望者は事前に申請書を提出しておく。実施時は、前日までに上司に口頭で連絡すると同時に、実施時間、業務内容、必要書類の持ち出し等について相談の上、承認を得る。 始業・終業については、メールで上司に連絡する。
  • ・テレワーク時の条件:週2日、かつ月10日まで利用可能。当日の急な利用の申請は許可していない。

テレワーク導入のメリット

周囲の電話等に邪魔されないため、作業に集中できる、通勤にかかっていた時間を有効活用できる等の理由で好評である。

 

また、上司との信頼関係を大切にして実施しているため、評価等に対する不満の声もない。利用者や上司が制度の利用に慣れてきたことで、業務量の調整等も問題なく行っている。

テレワーク導入の経緯、導入までのプロセス

多様な人材の活用を図り、社内を活性化するための子育て支援策の1つとして導入してきた。

2008年のトライアルに基づき、対象者や利用頻度等を検討したほか、導入後もアンケートを行い、申請手続や業務報告の形式を簡略化する等の工夫を続けている。

 

今後は介護中の従業員にも対象範囲を拡大することを検討している。また、テレワーク制度の推進と同時に、男性が育児休業を取得しやすい職場づくりにも取り組んでいる。

好事例4:アズテック株式会社(サービス業)

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(出典元:アズテック株式会社

会社概要

  • ・設立:1990年
  • ・本社所在地:東京都中央区
  • ・主たる事業:特許・技術文献の調査の受託
  • ・従業員数:36人(取材時点)

要約

結婚、妊娠・出産、子育てや介護等で退職や長期離脱を余儀なくされる従業員が、テレワークを利用することで継続就業が可能

テレワーク導入の目的

「完全在宅勤務」「部分在宅勤務」を問わず、テレワークの時間、場所、期間も柔軟であるとともに、テレワークをする理由も育児・介護をはじめ幅広であり、多様なテレワークが実施されている。

 

また、住居を問わないため全国から採用することができる(1年間本社勤務の条件あり)。

テレワーク導入形態

従業員は、会社と1年間の「在宅勤務に関する覚書」(業務内容、実施日、作業場所の見取り図、社外持ち出しリスト等)を締結した上でテレワークを実施している。

 

  • ・利用者が勤務(所属)する事業所:本社
  • ・テレワーク時の作業場所:自宅(介護先等を含む)
  • ・テレワーク実施のプロセス:サーバに保管しているエクセルの出勤簿に入力(テレワーク日は備考欄に記載)するとともに、始業・終業についてはグループウェアで共有している。
  • ・テレワーク時の条件:「自己完結できる」スキルを保有し、時間のコントロールが自身でできることを条件としている。そのため、経験者を採用しても1年間は会社で勤務することが必要である(進捗によっては、6~8か月の場合もある)。

テレワーク導入のメリット

従業員は結婚、妊娠・出産、育児で退職や長期離脱を余儀なくされるような場合や介護が必要な家族と同居する、又は要介護者が遠方である場合や看取り等の場合も、介護休業をすることなく、テレワークを利用することで継続就業が可能である。

 

また、会社にとっても新たな採用や育成が不要であり、退職による“損失”を回避できるほか、事業戦略上必要な地域で人材を採用することや全国どこからでも優秀な人材を採用できる。

テレワーク導入の経緯、導入までのプロセス

テレワークは、結婚により転居を余儀なくされた従業員の継続就業のために導入した。

 

就業規則等を社会保険労務士に相談しながら整備した結果、従業員が育児や介護等のライフステージにあわせてテレワークを利用している。

 

今後は海外でもテレワークが可能と考えている。

好事例5:株式会社ユイディア(サービス業)

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(出典元:株式会社ユイディア

会社概要

  • ・設立:1995年
  • ・本社所在地:東京都文京区
  • ・主たる事業:ダイレクト・コミュニケーションに関する戦略立案、企画・制作
  • ・従業員数:203人(取材時点)

要約

全従業員を対象に、生産性向上、優秀な人材の確保を目的にテレワークを試行し、特に育児・介護期の従業員に効果

テレワーク導入の目的

生産性向上と優秀な人材の確保・雇用継続が目的である。導入時には、従業員のワーク・ライフ・バランスの向上だけでなく、導入の目的を丁寧に説明し、福利厚生が主目的の制度として認識されないよう工夫している。

テレワーク導入形態

  • ・利用者が勤務する事業所:本社及び分室
  • ・テレワーク時の作業場所:自宅
  • ・テレワーク実施のプロセス:テレワーク当日、業務の開始と実施する予定の業務、業務の終了と実際に実施した業務を通常勤務時にも利用するグループウェアに入力。テレワークの頻度については、申請時に各部門で定めた内規の範囲内で設定している。
  • ・テレワーク時の条件:自律的に業務を遂行できる社員が対象(一定以上の役割と勤続年数)。最低月4回の出社。

 

業務に集中できる環境の整備(保育園に預ける等)。残業は通常勤務と同じ手続により許可(前日までに上長に連絡)。健康管理上の理由により、深夜残業は禁止。

テレワーク導入のメリット

利用者からは、「ワーク・ライフ・バランスが向上した」「災害時にすぐに子どものもとに駆けつけられた」「子育てしながらでも繁忙期を乗り越えられた」「業務フローの見直しができた」、マネジメントサイドにおいても「コミュニケーションを見直す機会となった」「業務内容の整理が進んだ」等の声が挙がっている。

テレワーク導入の経緯、導入までのプロセス

組織全体の生産性向上と優秀な人材の確保・雇用継続を目的に、多様な働き方の1つとしてテレワークの導入を検討し、トライアルを実施した。

 

1回目:2014年2月。客先常駐の編集部署で対象者を公募。育児中社員を含む6名に実施した。通常勤務の社員の負荷、システムや顧客とのコミュニケーション等の課題を抽出した。

2回目:2014年9月~ 2015年3月。本社のデザイン部門にて実施。介護を控えた従業員も含む5名が参加。導入した新たなシステムが業務との相性がよく、「終日在宅勤務」のトライアルも数多く実施できた。

3回目:2015年3、4月に、育児休業中の人を対象にテレワークを実施。スムーズな職場復帰と人材の補充なく休業期間を乗り切ることを目的とした。

 

上記、5つ以外にも様々な事例が紹介されていますので、ぜひご参考にしてみてください。

まとめ|テレワークの活用で、より柔軟な働き方・職場を実現しよう

日本の労働人口減少の加速は留まるところを知りません。ということはつまり、いつどこでも働くことができるテレワークの需要はますます増えていき、あらゆる企業にとって重要なトピックとなってゆくでしょう。

 

テレワークは、生産性の向上による企業競争力の強化はもちろん、従業員一人ひとりの生活状況に柔軟に合わせた働き方や職場を実現することができます。また、地方での採用や、災害への対策など、さまざまな活用方法を秘めています。

 

自社の従業員満足度と労働生産性を向上させるためにも、テレワーク導入に向けた取り組みを検討してみてください。

 

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