感染症対策にも役立つ、テレワーク助成金制度を分かりやすく解説

「テレワークを導入したいが、コスト面が不安」
「そもそも何から始めればいいのか分からない」

このような悩みを抱えている企業担当者の方は、少なくないのではないでしょうか。

現在、働き方改革の推進や東京オリンピックの渋滞緩和に向けた「テレワーク・デイズ2020」の実施によって、テレワークに注目が集まっています。しかし、年々導入する企業が徐々に増加しているとはいっても、導入企業の数は2019年の時点では19.1%に留まっています。

テレワークには「人材確保」「生産性の向上」「社員のストレス軽減」など多くのメリットがあるものの、自社に導入するにあたり、通信環境の整備やITツールの準備、テレワークのための新しい制度づくりなど、さまざまな初期コストがかかってしまいます。

そのため、中小企業にとっては「導入のハードルが高い」のが現状です。企業のそういった悩みを解決してくれるものに、国や地方自治体が行っている「助成金」や「補助金」制度があります。

本記事では、テレワーク導入に活用したい助成金・補助金、また資金以外に受けられる無料のサポートについて徹底的に解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。

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知っておかないと損をする?テレワーク導入に活用したい助成金と補助金

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厚生労働省や経済産業省、総務省といった国の機関や地方自治体による助成金・補助金制度を活用すれば、「コスト面に不安があるのでテレワーク導入は難しい」と感じている企業でも、効率的にテレワーク導入が実現できるでしょう。そのため、この支援制度を活用しない手はありません。

選択する制度によりますが、最大で250万円もの助成金の交付を期待できるものも中にはあります。制度にはいくつかの種類があるため、これらの中から自社に合ったものをいかに選択し、社内全体の功績向上や社員の満足度向上に役立てていけるかは、テレワーク推進担当者の腕の見せどころです。

それでは、具体的に助成金・補助金制度について見ていきましょう。

現在、実施されている助成金制度の多くは中小企業、あるいは地方企業が対象になっています。 

理由の一つには「大企業と比べ、中小企業ではテレワークの導入があまり進んでいない」ことが考えられます。

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出典:総務省「平成29年通信利用動向調査

上に示したグラフは、総務省による「平成29年度通信利用動向調査」で判明した従業員規模別テレワークの導入状況の推移です。この調査結果によると、従業員の少ない企業ほどテレワーク導入が進んでいないことが分かります。

このような大企業と中小企業のギャップを埋めるべく、国や地方自治体が助成金、あるいは補助金制度を実施することで、テレワークの推進を図っているのです。

これらの助成金を使えるものには、以下で詳しく触れていきますが、例えば「テレワーク用の通信機器の購入やIT環境の整備費用」「外部の専門家による、自社に合ったテレワークのコンサルティング費用」などが一般的です。テレワーク用の通信機器、とは主にパソコン・タブレット・スマートフォンなどの端末を指します。

また、制度にエントリーするまでの手続きはそれほど複雑ではありません。大半の制度はインターネット上で丁寧に手順が説明されており、インターネットや電話を通してエントリーできるものがほとんどです。

▶テレワークを導入するメリット・デメリットなど、さらに詳しくテレワークそのものを知りたい方は、あわせてこちらの2つの記事もご一読ください。「テレワークとは?取り組みの背景と目的を分かりやすく解説」「ゼロから学べる、テレワーク導入のパーフェクトガイド【最新版】」テレワークについて、初心者の方にも分かりやすく徹底的に解説しています。

国が行っている助成金・補助金制度には何があるの?

この章では、冒頭でも少し触れた「厚生労働省」「経済産業省」「総務省」の3つの機関が実施している助成金・補助金制度について説明していきます。

ここで、制度について理解を深めるために「助成金」と「補助金」の違いに関して軽く触れておきます。「単に名前の違いでは?」と考える方も多いかもしれませんが、厳密には明確な違いがあります。

まず、助成金と補助金の両方に共通しているのは「返済義務がない」ということです。

しかし、助成金は応募時点で一定の条件を満たしていれば「必ず」支給されるものである一方、補助金には必要書類を提出した後に「審査」があり、それを通過しなければ支給されません。つまり、条件を満たしさえすれば誰でも受け取れるのが助成金、審査で採択されなければ受け取れないのが補助金だといえるでしょう。

国が行っているテレワーク導入の支援制度には、大きく分けて3つあります。以下で順番に紹介していきます。

1.時間外労働等改善助成金(テレワークコース):厚生労働省
2.IT導入補助金:経済産業省
3.情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)

※なお、本記事で掲載している情報はいずれも2020年2月初旬時点のものです。最新情報は変更される可能性があるため、エントリーを検討される際は必ず特設サイトを参照してください。

時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

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※令和元年度(2019年)の受付は12月2日(月)で締め切られており、令和二年度(2020年)の実施期間はまだ発表されていません。

厚生労働省が実施している「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」とは、「長時間労働の改善や、ワークライフバランス推進のためにテレワーク実施に取り組む中小企業事業主に対して、その活動に使った費用の一部を負担する」というものです。働き方改革に積極的な中小企業は活用すべきでしょう。

支給対象は、テレワークを新規で導入・あるいは継続して活用しており、さらにテレワーク導入の成果が期待できる中小企業の事業主です。

また、業種によって資本金(出資額)と常時雇用の労働者の数が以下の表のいずれかに該当していなければなりません。

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まとめると、この制度はテレワーク導入に積極的に取り組む中小企業を対象にして、IT環境の整備費や制度づくりの費用など諸々のコストを支給する制度です。

無料で受けられるものですが、あくまで「助成金」であるため、達成を目指さなければならない成果目標は当然存在します。定められているのは以下の3つです。

1.評価期間に1回以上、対象労働者全員に、在宅又はサテライトオフィスにおいて就業するテレワークを実施させる。
2.評価期間において、対象労働者が在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークを実施した日数の週間平均を、1日以上とする。
3.年次有給休暇の取得促進について、労働者の年次有給休暇の年間平均取得日数を前年と比較して4日以上増加させる。
  又は
  所定外労働の削減について、労働者の月間平均所定外労働時間数を前年と比較して5時間以上削減させる。

「評価機関」とは、「成果目標をどこまで達成できたか」という判断をするための期間です。令和元年度の実施では、事業実施期間(交付決定日から平成32年2月15日まで)の中の、1か月から6か月の間で設定する「評価期間」で行われています。この評価機関は申請者自らが設定します。

助成金の支給対象となる取り組みは6つあり、以下のいずれかを1つ以上実施する必要があります。

○テレワーク用通信機器の導入・運用(※)
○保守サポートの導入
○クラウドサービスの導入
○就業規則・労使協定等の作成・変更
○労務管理担当者や労働者に対する研修、周知・啓発
○外部専門家(社会保険労務士など)によるコンサルティング

ここでいう「テレワーク用通信機器」は、パソコン・タブレット・スマートフォンのことを指しますが、この制度ではこれらの端末は支給対象にはなりません。

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上記の支給対象の中で企業が行った取り組みに対し、その経費の一部が成果目標の達成状況に応じて支給されるシステムです。助成額は対象経費の合計額×補助率で算出されます。

例えば、労働者100人の企業で、総務・経理部門5人に1人あたり30万円の機器を導入する場合、所要額は30万円×5人=150万円です。成果を達成した場合は20万円×5人=100万円の助成、未達成の場合は10万円×5任=50万円の助成、という計算になります。

詳しくは、「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」をご覧ください。

IT導入補助金

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※令和元年度の募集は終了しています。また、令和二年度における詳しい事業計画や期間は設定されていませんが、こちらの資料で今年度の情報が公開されています。

経済産業省が実施するIT導入補助金は、テレワークに限らず、幅広い中小企業や小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援するためにあります。補助対象になるのは経済産業省が定めたソフトウェアの購入費、あるいは導入に関連した費用などです。

つまり、この補助金は、自社で独自に選んだITツールではなく経済産業省が指定するITツールを導入することで得られるものだといえます。サテライトオフィスの設立などではなくビジネスに使うITツールの導入に資金がほしい、という企業におすすめです。

補助金を受けられる対象となるのは、前述したように中小企業・小規模事業者です。資本金や従業員の規模によってかなり細かく区分されているため、詳しくは特設ページの「補助対象について」をご覧ください。

補助対象経費区分

ソフトウェア費、導入関連費

補助率

2分の1

類型及び補助上限額・(下限額)

A類型:150万円(30万円)

B類型:450万円(150万円)


上記の表は、令和二年度に実施予定の情報をまとめたものです。支給される金額は上記の表のように、「A類型」と「B類型」という2つの申請類型によって分かれます。

これらは、自社が導入したいITツールのもつ「合計プロセス数」と「補助額」によって決定されます。よく確認の上で選択するといいでしょう。詳しくは、以下に示した表を見てください。

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これはA類型についてですが、こちらの①~⑩(赤枠内)から合計2つ以上になるようにITツールを選択する必要があります。

以下に示したのはB類型です。

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B類型ではA類型とは違い、赤枠内で5つ以上のITツールを選択する必要があります。A類型よりもB類型の方が補助金額が高い分、条件も厳しくなっています。

IT補助金の申請に関しては、経済産業省による「交付申請の手引き」にて詳しく解説されているので、令和元年版ではありますが参考にしてみてください。

情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業):総務省

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※令和元年度の募集は終了しており、令和二年度の情報はまだ発表されていません。

ふるさとテレワーク」の全国的な普及を図るため、総務省はふるさとテレワークを導入する企業や地方自治体に対し、環境整備にかかる助成金を支給しています。

そもそも「ふるさとテレワーク」とは、地方のサテライトオフィスにおいて、テレワークを通して都市部の仕事を行う勤務形態のことをいいます。ふるさとテレワークの推進により、都市部から地方に人や仕事の流れを創出し、東京への人材の一極集中を防ぎ、地方創生に導くことができるのです。

令和元年度から、「情報通信技術利活用事業費補助金(地域IoT実装推進事業)」が新しく実施されました。補助金の支給対象は都道府県及び指定都市を除いた地方公共団体、民間企業などです。補助率は事業にかかった費用の2分の1で、補助額の上限は2000万円になっています。

地方の人材確保や地方創生に取り組む中小企業におすすめといえるでしょう。

詳しくは令和元年度の地域IoT実装推進事業実施要領をご覧ください。

地方自治体が行っている助成金・補助金制度には何があるの?

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以上で紹介したような国からの制度だけではなく、東京都をはじめとして、他の都道府県の地方自治体でも助成金・補助金制度が実施されています。

この章では、地方で実施されているそれらの制度について5つ順番に紹介していきます。

  • テレワーク活用 働く女性応援助成金:東京都
  • はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金):東京都
  • 働き方改革宣言奨励金:東京都
  • 松山市テレワーク在宅就労促進事業:愛媛県松山市
  • 中小企業職場環境向上支援助成金:神奈川県横浜市

テレワーク活用・働く女性応援助成金(テレワーク活用推進コース):東京都

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※令和元年度の受付は、電話では令和元年4月22日(月)~令和2年3月24日(火)まで、書類を直接持参して提出するのは令和元年4月22日(月)~令和2年3月31日(火)までとなっています。

テレワーク活用・働く女性応援助成金(テレワーク活用推進コース)」は、都内の中堅・中小企業を中心に、テレワーク通信機器の導入やサテライトオフィスの利用を助成する助成金制度です。

この制度は、東京都と(公財)東京しごと財団が連携して創設されました。働き方改革の推進に向けたテレワークの導入支援や、女性の人材確保に積極的に取り組む企業に対して開かれています。

この制度にはコースが2つ用意されており、「女性の活躍推進コース」と「テレワーク活用推進コース」があります。以下では「テレワーク活用推進コース」について説明します。

前者のコースでは女性限定ですが、このコースに関しては男女どちらも対象です。常時雇用する労働者が2名以上999名以下の企業であり、都内に本社または事業所を置く中小企業であることが条件です。

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テレワーク環境の整備やサテライトオフィス設立に向けた事業に助成金が支給されるようになっており、限度額はいずれも250万円。助成率は2分の1、と事業費の半分を負担してくれるため、かなりのコスト削減を望めるでしょう。

詳しくは(公財)東京しごと財団のページをご覧ください。

はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金):東京都

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※令和元年度の受付は、5月29日から令和2年3月31日までです。企業の応募数が予算の上限に達したとき終了されます。最新情報は(公財)東京しごと財団のページをご覧ください。

東京都が実施している「はじめてテレワーク」は中小企業を対象に、効果的なテレワークを行うための環境構築費、およびテレワークの制度整備費を補助する制度です。

この制度は後で紹介するワークスタイル変革コンサルティング」のプログラムを終了したあとに申請可能な制度のため、まずはこのコンサルティングを受けていることが必須です。

さらにこの制度に特有の条件ですが、東京オリンピックの渋滞緩和に向けたプロジェクトである「2020TDM推進プロジェクト」に参加している企業であることも必要になります。

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補助金の上限は企業規模ごとによって異なっています。補助率は上限金額までであれば、企業が負担した全ての事業費を負担してくれるようになっています。

ワークスタイル変革コンサルティングを受けてさえいれば、その延長線上でこの補助金も受けることができるため、テレワーク導入にあたって1から外部のサポートを受けたい企業には適しているでしょう。

働き方改革宣言奨励金:東京都

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※令和元年度の募集は終了しています。令和二年度のスケジュールはまだ発表されていませんが、これからの最新情報はTOKYOはたらくネットのページをご覧ください。

東京都が実施する「働き方改革宣言奨励金」は、都内で事業を営む常時雇用の労働者が300人以下の中小企業に対し、「働き方・休み方の改善(長時間労働の削減や有給休暇の取得促進)」にかかる経費を助成することで、企業の効果的な働き方改革を後押しする制度です。

具体的には、企業は以下の「AかB」、あるいは「AとB両方」のどちらかに取り組むことを宣言(約束)し、申請することができます。

A : 働き方改革宣言事業【必須】➡雇用する正社員の働き方・休み方について、以下全ての取り組みを実施する。
支給額:30万円
  1. 長時間労働の削減、年次有給休暇等の取得促進に向けた問題点の抽出
  2. 原因分析及び対策の方向の検討
  3. 目標及び取組内容の設定(働き方改革宣言書の作成)
  4. 社内周知
B : 制度整備事業➡①と②の両方とも実施する。
支給額:
  1. ①における「働き方の改善」に対する制度を1つ以上整備=10万円
     (テレワークを導入した場合には10万円加算)
  2. ①における「休み方の改善」に対する制度を1つ以上整備 =10万円
  3. 上記の両方を達成し、さらに5つ以上整備=10万円

 ①「働き方の改善」または「休み方の改善」に定める制度について労使協定を締結す る。
 ②締結した協定を踏まえ、制度内容を就業規則等に明文化する。

出典:TOKYOはたらくネット『働き方改革宣言奨励金

以上示した項目を全てまとめると、以下の表のようになります。働き方改革を自社で積極的に推進している企業、あるいは、この制度を導入してみると良いかもしれません。

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出典:TOKYOはたらくネット:働き方改革宣言奨励金『募集要項

松山市テレワーク在宅就労促進事業:愛媛県

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※令和元年度は募集を終了しています。令和二年の最新情報はまだ公開されていませんが、これからの最新情報は松山市ホームページをご覧ください。

この制度は愛媛県松山市で実施されているテレワーク助成金制度です。テレワークを導入、推進しようとしている松山市内の企業を対象に、テレワークそのものにかかる事業費を支援するために創設されました。

つまりテレワーク用通信機器の購入費等だけではなく、例えば、テレワークで働く就労者の人件費もこの制度で賄えるということです。

大きく分けて「就労奨励金」と「発注奨励金」の2つに分かれており、就労奨励金の場合は常用雇用者だけでなくパート・アルバイトも支給額の計算に入れることができるのが特徴だといえます。企業のメリットだけでなく、松山市内で仕事を行う就労者のワークライフバランスも考えた制度といえるでしょう。

支給内容については、以下の表で詳しく説明されています。

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これは松山市内にある企業向けの制度ではありますが、「発注奨励金」に関しては、松山市内でテレワークを行っている人を雇う指定事業所(松山市が指定)に業務を発注した、「全国の」事業所へ交付されるようになっています。

つまり就労奨励金は市内限定ですが、発注奨励金は市内限らず全国どこでもということです。公式サイトでは実際に奨励金を交付した企業によるテレワーク事業の概要が記載されているので、参考にしてみてください。

中小企業職場環境向上支援助成金:神奈川県

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※令和元年度は募集を終了しています。令和二年度の情報はまだ公開されていませんが、これからの最新情報は横浜市ホームページをご覧ください。

神奈川県横浜市で実施されているこの制度は、横浜市内で事業を行う中小企業の多様な人材確保・定着を目指した柔軟な働き方への環境整備に向けて、社内規則や設備整備、テレワーク通信機器の整備などに取り組む費用の一部を助成する制度です。

助成金を交付する対象にはいくつか種類がありますが、テレワークの導入に関してだけ言えば「コンサルティング委託料」「委託費」「備品購入費」「賃借料」「使用料」の5つがあります。以下は横浜市による「令和元年度 横浜市中小企業職場環境向上支援助成金」のページを参考にしたものです。

助成対象

助成率

上限支給額

内容

コンサルティング委託料

2分の1

50万円

テレワーク導入に関する専門家への相談費用

委託費

システム設計・構築費や機器の購入費、保守委託などの委託費、運用サポート費など

備品購入費

賃借料

テレワーク通信機器のリース料

使用料

テレワークのためのソフトウェア使用料

令和元年度の募集期間は5月15日(水曜日)~令和2年2月14日でした。予算額は600万円で、今回は応募数が予算枠に達したためその時点で募集が終了しています。

もし横浜市内の中小企業担当者様で、この制度を導入したいと考えている方は、早めに申請するのが良いかもしれません。

助成金以外にも!テレワーク導入のお役立ち制度とは?

以上で国や地方自治体が実施する助成金・補助金の制度を紹介しましたが、資金面以外でもテレワークの導入を助けてくれる制度はいくつかあります。

例えば、テレワーク導入にあたって専門家のアドバイスを無料で受けられたり、コンサルタントを派遣してくれたりする制度があるのです。

この章では、金銭面以外でテレワーク導入に役立つものを3つ紹介していきます。

ワークスタイル変革コンサルティング:東京都

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ワークスタイル変革コンサルティング」は、東京都が実施している支援制度の1つです。都内の中小企業を対象に、テレワーク導入を推進するため専用のコンサルタントが企業に実際に訪問し、課題解決の相談やプランの提案などを無料で行ってくれます。

最大で5回(1回につき約2時間)のコンサルティングを受けることができるので、「まず何を始めたらよいのか分からない」と考えている方にはうってつけだといえるでしょう。

一般的なワークフローは、「方針策定」(1回目)➡「現場の実態調査」(2回目)➡「解決策提案・試行」(3回目)➡「試行の検証」(4回目)➡「改善策提案」(5回目)というプロセス。こちらは助成金の制度とは違って特に決められた期間がないため、まずは相談窓口へ電話してみてはいかがでしょうか。

また、この制度は前の章で紹介した「はじめてテレワーク」と関連しています。ワークスタイル変革コンサルティングを受けた企業を対象として、テレワークのトライアル導入費用を補助しています。

テレワーク活用促進モデル実証事業:東京都

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東京都テレワーク活用促進モデル実証事業」では、東京都内でテレワークの導入や拡大を目指すモデル企業を募集し、導入準備から運用まで親切に支援を行っています。対象になるのは都内の中小企業です。

モデルに選出された企業は、「在宅勤務」「モバイルワーク」「サテライトオフィス勤務」のいずれか1つ以上に取り組みます。また、この制度の最大のポイントはテレワークにかかるITツールが無償で貸し出されることと、サテライトオフィスを無料で利用できることです。

コンサルタントによって手厚くサポートが受けられるため、テレワーク導入の壁はぐっと下がるのではないでしょうか。

この事業は平成30年度に実施されて以来、令和元年には行われていません。しかし、この事業に参加した全ての企業によるテレワーク導入の効果や変化を詳しく記載した実践事例集は、似たような企業事例を見つけることで自社のテレワーク導入に役立つといえるでしょう。

テレワーク相談センターの活用

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知らない場所へ行くときには道案内があった方が良いのと同じで、テレワーク導入にも自社の悩みを相談できる窓口があれば間違いなく役に立つといえます。

厚生労働省が管轄している「テレワーク相談センター」では、無料でテレワークに関するあらゆる相談を電話、あるいはメールで受け付けています。

相談してみることで、新たな解決策が見出せるかもしれません。

まとめ|自社に合った助成金・補助金を利用し、賢くテレワークの導入を

国や地方自治体が行う助成金・補助金制度、そしてコンサルタントによる支援など、テレワーク導入のためのさまざまなお役立ち情報を解説しました。

冒頭でも述べた通り、テレワークは今までの日本にはない新しい働き方であり、さらに導入するためには専用の機器を用意しなければいけないため、予想以上にコストがかかってしまうことがあります。

そのため、自社が受給できる制度を探して申請し、助成金・補助金をしっかり受け取ることが重要なのです。

テレワークをうまく導入すれば、自社の生産性が向上することが大きく期待できるでしょう。

ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。

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