0から学ぶWeb会議システム!メリットやツール、注意点を徹底解説
今や多くの企業が導入している「Web会議システム」。昨今の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、「今までは対面の会議のみだったが、Web会議の導入を検討せざるを得ない」という企業も多いのではないでしょうか。
Web会議は場所を選ばないため、テレワークやオンライン研修など、さまざまなシチュエーションで活用でき、災害時の事業存続にも大いに貢献します。
しかし、一言でWeb会議システムといっても通信方法や接続型、運用タイプなどによってさまざまな違いがあります。ただ「世界中で使われているから」「何となく良さそうだから」といった理由からWeb会議システムを選んでしまうと、もし自社に合わなかった場合、思わぬコストの無駄につながりかねません。
そのため、Web会議システムを導入して生産性の向上や組織全体のコスト削減を実現させるためには、ツールの特徴や価格など、自社のニーズに合ったサービスを選ぶ必要があります。
この記事では、Web会議システムの概要から、おすすめのITツール5選、また導入までのステップや注意点まで分かりやすく解説していきます。
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Web会議システムとは
Web会議システムとは、パソコンやタブレット、スマートフォン端末などを通してインターネットを使い、遠隔地にいる相手とコミュニケーションを取ることができるITツールです。
端末に内蔵されたマイクやカメラの映像・音声を、インターネットを使ってサーバーに送り込むことで、遠隔地にいる相手に情報が共有され、まるで実際に対面しているかのような臨場感のある通信が行える仕組みになっています。
もともとWeb会議システムは、日本全国における慢性的な労働人口の減少や働き方改革の推進の影響を受け、テレワークなどオフィスへの出社を必要としない多様な働き方の拡大によって注目を集め始めました。
インターネット環境さえあれば時間や場所を選ばない会議形態のため、テレワークで働く社員との打ち合わせや、遠方に居るため直接には会えない顧客との商談、また社員へのオンライン研修・面談など、多様なビジネスシーンで柔軟に活用できます。
5分でわかる『テレワーク』とは?導入検討する方に事例を元に解説
ICT環境が整備され、どこでも仕事ができるようになった現在。昨今では感染症対策のために、Web会議とともにテレワークを導入する企業も目立ちます。関連記事「5分でわかる『テレワーク』とは?導入検討する方に事例を元に解説」は、テレワーク導入に必要な基礎事項を全てまとめているので、宜しければご覧ください。
Web会議システムの機能にはどんなものがある?
無料版と有料版で利用できる機能は異なりますが、Web会議システムには、映像と音声を届けること以外にもさまざまなお役立ち機能があります。下記では一般的なWeb会議システムに備わっている機能を簡単に紹介します。
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画面共有、ファイル共有機能 ・自分のデバイス画面を、他の会議参加者にも共有できる ・PNG、JPEGなど、さまざまな画像形式のファイルを会議中に送信できる ▶︎詳細はこちら |
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録音、録画機能 ・Web会議を録画し、その時に参加できなかった人でも後から見返すことができる ・会議の議事録になる ▶︎詳細はこちら |
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チャット機能 ・外出中や移動中など、声を出しづらい状況や周りに声を聞かれたくない状況にある人でも、会議に参加できる ・発言者を遮ることなく資料などを共有できる
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招待機能 ・ツールを所有していない人でも、招待用のURLを送信することで、簡単に会議に参加することができる |
画面越しとはいえ、Web会議も対面で行う会議と行うことは同じです。そのため、実際に紙の資料を共有するのと同様に、自身のパソコン画面を相手に共有して、画面にメモを入れながら説明することも可能です。
また、チャット機能は相手の音声が聞こえづらくなった時の呼びかけや、相手の発言中に意見を述べたい時などに役立つといえるでしょう。
録画機能が搭載されているツールを導入すれば、それが会議の議事録になるため、全員が会議に集中することができます。多機能を駆使することで、さらに臨場感のある会議を行うことが期待できるのではないでしょうか。
Web会議システムを活用する際に知っておきたい7つの基本
Web会議は、対面でのコミュニケーションを長い間当たり前としていた企業にとっては未知のもの。そのため、Web会議システムのツールを選ぼうとする前に、知っておくべき基本事項を7つ説明します。
テレビ会議との違いは?
テレビ会議とWeb会議は、どちらも遠隔コミュニケーションを行うためのテレワークツールです。しかし、規模感や利用場所、必要なデバイスなどが異なります。
Web会議|普段使用しているパソコンやスマートフォンで手軽に会議に参加できる
Web会議とは映像(ビデオ)と音声を送信することで遠方の相手とのコミュニケーションを可能にするツールです。この点はテレビ会議と同様ですが、Web会議の最大の特徴は、手持ちのパソコンやスマートフォンでいつでもどこでも会話に参加できること。1対1のミーティングや社内会議、面接には最適でしょう。
有名なツールでは、SkypeやZoom、Wherebyが代表的なサービスです。
具体的な利用シーンとしては、下記のようなものが考えられます。
- 移動中の打ち合わせ(社内確認)
- 少人数での会議
- 上司や部下との1 on 1
- 採用面接
- 取引先との会議
一方で、ファイルサイズの大きな画像を共有できなかったり、複数拠点での通信には弱かったりといったデメリットもあります。
テレビ会議|会議室に据え置き型の専用機材を用いて高画質・高音質の会議を実現できる
テレビ会議は専用機器・専用回線を利用するため、より高画質でクリアな音声・映像をリアルタイムで配信することができます。そのため、遠く離れていても、まるで一つの同じ部屋にいるかのような臨場感を出すことが可能です。
一方で、利用場所が専用機材(スピーカー、マイク、リモコンなど)の置いてある会議室などに限定されてしまうため、移動中に気軽に使うことはできません。
利用シーンとしては、以下のようなものが考えられます。
- 大人数での会議
- 社員研修
- 表彰式・周年記念式などの社内イベント
- 国際会議・フォーラムなどの社外イベント(海外拠点含む)
- 現場(建設現場、病院、コンサート会場など)の状況共有
このように、Web会議とテレビ会議では、そもそも利用目的が異なることがわかります。
「スマートフォンやモバイル端末からいつでも会議を行える」という手軽さが、テレビ会議システムにはないWeb会議システムの魅力といえるでしょう。
テレビ会議とは?Web会議との違いやよくある疑問を徹底解説
テレビ会議とWeb会議のより詳細な違いや活用事例については、「テレビ会議とは? Web会議との違いやよくある疑問を徹底解説」でお伝えしています。ぜひ合わせてご覧ください。
接続形態は?(クラウド型vsオンプレミス型)
Web会議システムは、パソコンもしくはモバイル端末やタブレットなど、インターネットに接続可能なデバイスから、情報を蓄積するサーバーへアクセスすることで、情報のやり取りを行なっています。
接続形態としては、「サーバーを自社内と自社外のどちらに置いておくか」で分けられます。サービス提供元が管理するサーバーへアクセスする「クラウド型」と、自社のネットワーク内に設定したサーバーへアクセスする「オンプレミス型」の2種類です。
自社の規則やニーズによって、どちらのタイプを導入すべきかも異なってきます。関連ページ「『クラウド型』と『オンプレミス型』の違いについて」で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
無料版と有料版は何が違うの?
Web会議システムには、無料版と有料版があり、主にサポートの種類や使い勝手が異なります。
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無料版 |
有料版 |
利用ニーズ |
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想定利用人数 |
1 対 1〜少人数 |
〜十数名程度 |
コスト |
安 |
高 |
安全性 |
低 |
高 |
サポート体制 |
時間制限あり、もしくは日本語対応NGの場合がある |
24時間対応・日本語OKな場合がほとんど |
多拠点の利用ではなく、1対1のコミュニケーションにだけ利用したいケースや、とにかくお金をかけたくない場合は、無料版のWeb会議システムが適しているでしょう。
対して、セキュリティ面で不安を抱えたくない人や、遠隔会議の環境を導入していない相手とも会議を行いたい人、またサポートが充実しているサービスを選びたいといった場合には、有料版のWeb会議システムをおすすめします。
導入予算はどのくらい?
無料版のWeb会議ツールであれば、導入予算はかかりません。ただし、無料である分、通信速度や参加人数に上限があったり、セキュリティレベルが低かったりという欠点もあるので注意しましょう。
有料版の場合は、サービスにより導入費用が大きく異なります。
「有料のツールを導入したいが、コスト面に不安がある」という企業は少なくないでしょう。
そこで、中小企業を対象として、ITツールを新しく取り入れようとしている企業の導入費用を援助するために、経済産業省による「IT導入補助金」も実施されています。
感染症対策にも役立つ、テレワーク助成金制度をわかりやすく解説
詳しくは公式サイト、もしくは中小企業向けにテレワークの助成金・補助金制度を解説した関連記事「感染症対策にも役立つ、テレワーク助成金制度をわかりやすく解説」をご覧ください。
ライセンスのタイプ「ポート制」と 「ID制」の違いは?
ライセンスとは、Web会議に接続する拠点数を指します。
例えば東京本社の会議室で、3人が一つのデバイスから会議に参加している場合は、1ライセンスの計算となります。
一般的なWeb会議システムでは、この同時接続する最大拠点数分の契約がタイプ毎に異なります。
ポート制
ポート制は、同時接続数によるライセンス体系です。参加人数は関係なく、同じタイミングで繋ぐ端末数(パソコン、スマートフォン、タブレット、テレビ会議端末からの接続)でライセンス数が決まります。
ID制
ID制は、個人IDによるライセンス体系です。会議主催者がIDを契約することにより、IDに紐づく個人のWeb会議室が付与され、会議主催者が招待URLを送ることによって利用が可能となります。
例えば、社員AがWeb会議に参加するためのURLを発行し、それを50人に配ったとしましょう。この場合のライセンスのカウントは「1」になります。会議に何人参加していようとも、会議のオーナー権限がある個人のみがライセンス対象となるからです。
少人数や小規模でのWeb会議システムの利用を検討している場合や、外出の多い営業職など、一部の社員のみで利用をするケースにおすすめです。
セキュリティ対策はどうなっているの?
Web会議システムには、ネットワークを通じて手軽に会議が行えるメリットがある一方で、セキュリティ対策がしっかりしていないと、ネットワーク上での情報漏えいやウイルス感染といった問題が生じるリスクと背中合わせでもあります。
そのためWeb会議システムには、カメラやマイクから取り込んだ音声・映像の会議データを暗号化させ、通信帯域を圧迫しないように圧縮した状態にして、送受信する仕組みが備わっています。
自社でWeb会議システムの導入を検討する際は、下記のポイントが備わっているか必ずチェックしましょう。
・接続の暗号化(SSLやAES)がなされているか
・IPアドレスの指定による接続制限がなされているか
参加者のデバイスを特定するIPアドレスを開催者側で指定することで、自社とは関係のない第三者による不正アクセスを防ぐことができます。
なお、基本的にはシステム側だけではなく、使用端末自体のセキュリティを担保することが運用の前提となります。社員それぞれが持ち歩くデバイスに、セキュリティソフトのダウンロードやウイルス対策を施すよう、社内で管理を徹底しましょう。また、情報遵守のルール決めなど、社員一人ひとりの意識向上も必要です。
絶対に漏えいしてはならない機密事項を扱うのであれば、そもそもインターネットを介すWeb会議そのものの利用を諦めた方が懸命かもしれません。
テレワークのセキュリティ対策に必要な7つの施策とツールを解説
特に、Web会議システムをテレワーカーとの連絡や打ち合わせに使う場合、よりセキュリティ対策を意識する必要があります。関連記事「テレワークのセキュリティ対策に必要な7つの施策とツールを解説」で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
自社で導入を検討したい、おすすめのWeb会議システム4選
以下では、実際に導入を検討したいおすすめのWeb会議システムを5つ紹介します。紹介しているツールはどれも高品質で、国内外に多くのユーザーを持つものを厳選しています。
「Web会議システム選びに迷っている」という方は、ぜひご参考にしてください。
完璧なビデオ、クリアな音声。インスタント共有「zoom ミーティング」
対象企業:個人〜大企業まで幅広く利用可能
Zoom ミーティングは、世界各国75万以上の企業や組織で利用されているWeb会議サービスです。
通信速度が比較的低速なネットワーク回線でも途切れにくく、音声の途切れがほとんどありません。
Web会議の開催にライセンスを取得する必要があるのは主催者のみで、参加者は会議アドレスへ招待されることで、ブラウザから誰でもWeb会議へ参加できます。
▼ライセンス別の主な比較表
Basic (無料版) |
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契約ID数と価格(年間) |
1ID /無料 |
1〜9ID /26,400円 |
10〜49ID /要見積もり |
50ID以上 /要見積もり |
グループ会議(3人以上)可能時間 |
40分まで |
無制限 |
無制限 |
無制限 |
ホスト可能な参加者人数 詳細 |
100人まで |
100人まで (アドオン可能) |
300人まで (アドオン可能) |
500人まで |
録画 |
ローカル保存のみ |
ローカル /クラウド保存 (1GB/ ID) |
ローカル /クラウド保存 (1GB/ ID) |
ローカル /クラウド保存 (無制限) |
ブイキューブが提供するZoom ミーティングの有料版では、ミーティングの映像や音声を録画・録音してクラウド保存しておくことが可能です。
投票機能やユーザー管理機能もついており、ビジネスシーンでも快適に利用することができるでしょう。
また、プランに問わずメールでのサポート体制を提供しています。エンタープライズプランでは企業に合わせて導入・運用を支援してくれるなど、利用者に最適なサポートが充実しています。
Zoomの有料版を使うべきメリットとは?
Web会議ツールZoomの有料版を使うべきメリットについては、「Zoomの有料版を使うべきメリットとは?無料プランとの違いや決済方法を解説」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。
無料で使える機能が充実、グローバルに利用できる「Skype(Skype for Business)」
対象企業:個人~中小企業
価格帯:
・無料版
・Skype for Business Plan1 220円/月・ユーザー(税抜)
・Skype for Business Plan2 600円/月・ユーザー(税抜)
・Business Essentials 540円/月・ユーザー(税抜)
「Skype」はMicrosoftが提供するインターネット通話サービスです。普段使っているパソコンやタブレット・スマートフォンに、専用アプリケーションをダウンロードして使います。
会議参加者全員がSkypeのアカウントを持っている必要がありますが、無料版のSkypeでも、画面共有機能やチャット機能などを利用できるのが嬉しい点。しかしあくまで個人向けの設計なので、ビジネスシーンへの多様な応用はしにくいといえます。
なお、ビジネス向けの有料版「Skype for Business」では、一度に最大で250人がWeb会議に参加できたり、強固なセキュリティ機能を確保できたりといったメリットがあります。1対1で行うのがメインなのか、複数人対複数人で行うのがメインなのか、自社のニーズに合わせて選ぶようにしましょう。
少人数・小規模な会議を行うには最適「Whereby(旧:appear.in)」
出典:Whereby公式サイト
対象企業:小規模・中規模チーム向け
価格帯:無料版と有料版あり
・Pro(フリーランス向け): $9.99/month
・Business(企業向け) :$99.99/month
「Whereby(旧:Appear.in)」は、中小企業の社内会議や研修、取引先との打ち合わせなどに適したWeb会議システム。無料版では4人まで、有料版では12人まで同時に会議に参加可能、という小規模チームで打ち合わせをするのに最適なツールです。
参加者は、会議の担当者が送ったURLをクリックするだけでWeb会議に参加できます。URLを送信する側はアカウントを作成する必要がありますが、ゲスト(参加者)は不要。無料版でも有料版でも、Wherebyは小~中規模のチームに最適であるといえます。
Googleアカウントさえあれば誰でも利用できる「GoogleハングアウトMeet」
対象企業:個人~
価格帯:基本利用は無料
無料から利用可能だが機能制限あり。(G Suiteに有料で登録することで解除可能。)
「GoogleハングアウトMeet」は、Googleアカウントさえ持っていれば利用できるビデオチャットツールです。Googleのあらゆるツールは既に幅広い年齢層が利用しているため、導入しやすいといった汎用性も大きなメリットといえます。
搭載されているチャット機能では、豊富なステッカーを無料で使えるため、より親しみやすいコミュニケーションを取ることができます。
パーソナルミーティングでは無料版でも充分でしょう。しかし、やはりビジネス向けになると、有料版を活用する方が使い勝手が良くなるのではないでしょうか。
Web会議システムの導入ステップ
それではWeb会議システムの概要がわかったところで、自社で導入するまでのSTEPについて確認していきましょう。
前章でご紹介したWeb会議システムなど、実際にツールの導入を検討される方は、ぜひ参考にしてみてください。
STEP1:自社ニーズを洗い出す
まずは、自社のニーズを整理しましょう。自社において本当にWeb会議システムが必要なのか、また必要だとすれば、無料版か有料版含めどういったサービスが必須となるのかを判断する基準となります。
何の職種が、どのシチュエーションで、何のデバイスから、何人体制で、どの頻度で使うのか、自社にとってのマストポイントを確認していきましょう。
例えば営業職であれば、下記のようなニーズが考えられます。
①移動が多いため会議場所を固定しない方が良い
②個人にIDを割振れた方が良い
③資料共有機能が必須
また外資系企業に在籍中である在宅勤務のデザイナーの場合は、ニーズが変わってきます。
①全画面共有機能が必須
②デザインの細かい部分を確認するため解像度が高い方が望ましい
③海外アウトソース先とのやり取りが多いのでグローバル対応が良い
このように、どの部署の誰がいつWeb会議システムをどのように使うのかを確認し、必要だと思われる具体的な機能やサービスを特定しましょう。
STEP2:必要なツールを確認する
Web会議システム自体の契約以外に、必要なものがあるか確認しましょう。
大人数でのWeb会議が見込まれる場合は、全員分の声を滞りなく収集するためのマイクやスピーカー、また高解像度で全員の表情が映せるカメラが別途必要となるかもしれません。
また、社外の公共スペースでのWeb会議が想定される場合は、PCの覗き見防止シートやイヤフォンなどの備品が求められることもあるでしょう。
Web会議におすすめのマイクスピーカー・カメラ
ビジネスシーンに適したスムーズなWeb会議を実現するためには、内蔵のものではなく、高品質なマイクやスピーカーを用意するべきであるといえます。関連記事「おすすめのWeb会議用マイクスピーカー7選|製品選びのポイントとは?」「Web会議におすすめのカメラ6選!抑えておきたい3つのポイントと選び方を解説」もあわせてご覧ください。
STEP3:見積もりを取る
自社にとっての条件や必要なツールが明確になり、有料版が望ましいとの判断が下された場合は、ここで相見積もりをとっていきます。
既存の会議頻度・大きさや今後の事業計画から、利用人数(ID拠点数)と月あたりの総利用時間を想定して算出してもらいましょう。おおよそ3年以上のスパンで考えることをおすすめします。
また、初期費用が安くても運用費が高くなる可能性があるので注意しましょう。一定期間、無料トライアルの実施を行っているツールも多いので、導入を検討しているツールはいちど試験運用を行ってみることをおすすめします。
STEP4:社内での告知・運用マニュアル作成
最後に、社内へWeb会議システム導入の告知をし、運用マニュアルを作成しましょう。
チェックで比較!正しいWeb会議ツールの選び方
「チェックで比較!正しいWeb会議ツールの選び方」では、Web会議システムを導入する際に企業担当者がぜひ知っておきたいポイントをまとめています。本資料のダウンロードはどなたでも無料で行えますので、こちらもあわせてお読みください。
Web会議システムを運用する際の2つの注意点
Web会議システムは、導入したら終わりではなく、その後の正しい運用が極めて重要となります。そのために企業担当者が注意しておくべき点もあります。
注意点①:セキュリティ問題
Web会議システム導入によるセキュリティ対策は念入りに行いましょう。対策は、企業機密情報の漏えいやウイルス感染といった、ネット上の問題だけに留まりません。公共の場で会議に参加するときは、フリーWi-Fiの不安定性や、覗き見のリスクも考えておく必要があります。
可能であれば、社外からWeb会議に参加する必要のある社員には、持ち運べるWi-Fiルーターや、使用デバイスに装着できる覗き見防止シートの使用を徹底すると良いでしょう。
また、上記のようなセキュリティ対策を常に最新のものへと進化させ続けることも必要です。例えば、ウイルス対策ソフトなどはアップデートを怠らないようにしましょう。
注意点②:社員の評価方法
次に注意すべきが、社外でリモートワークする社員の評価です。オフィスで働く社員とリモートワーカーとの間では、評価方法が異なってくることもあります。
オフィスで作業をしていれば、アウトプットや社内コミュニケーションが比較的明確にわかっても、一旦社外に出てしまうと、その様子を全て把握するのは困難です。
リモートワーカーが働いている様子はWeb会議など映像でしか確認できないため、オフィスの社員と同様の評価方法を取る場合、しっかりとリモートワーカーの業務進捗や稼働状況をリアルタイムで確認しておく必要があります。
そのため、勤怠管理システムなどを併用することで、社員の稼働タイミングや進捗を可視化しておく工夫が必須になるでしょう。以下の記事で詳しく解説しているので、あわせてご覧ください。
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テレワークで従業員の勤怠管理をするには?管理のポイント、おすすめツールなどを紹介
以上が、Web会議システム導入の基本的な注意点となりますが、正しい運用のためには、PDCAサイクルを回し続け、適宜調整を怠らないようにしましょう。
ビジネスシーンでのWeb会議システム活用シーン
それでは最後に、実際にテレビ会議システムが導入されているビジネスシーンをご紹介します。
一口に「テレビ会議システム」といっても、その導入目的や使い道は非常に多様であることがわかると思います。
ぜひ、自社の参考にしてみてください。
全国47都道府県に拠点拡大で採用も急ピッチに 採用から人材育成までWeb会議をフル活用|株式会社あしたのチーム様
出典:あしたのチーム
人事評価のためのクラウドサービスを提供する人事コンサルティング企業、株式会社あしたのチームは、Web面接を活用した地方の人材採用に積極的に取り組んでいます。
同社のクラウドサービスは、人事を専任とした部門を持たない中小企業でのニーズが高く、そうした企業は地方に拠点を構えていることが多いという特徴がありました。そこで、よりきめ細かなサービス提供を行うため、2014年から急ピッチで拠点展開を始め、2018年には全47都道府県での開設を果たしました。
そこで同社に求められたのが、スピーディーな人材確保です。
従来のように対面での面接が継続されていたならば、1日の就業時間(8時間)内で実施できる面接数は限られてしまいます。しかしWeb会議システムの導入によって、多い時には、なんと1日12名もの応募者(各30分)との面接が行われたそうです。
時間やコストを可能な限り削減できるWeb面接システムだからこそ、数多くの採用面接を滞りなく進めることができた好例と言えるでしょう。
今では、社歴の浅い社員に対し、上長が遠隔で“営業同行”を行う目的でも使用されているそうです。
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“働き方改革をリードする企業”でWeb会議が浸透|株式会社ワーク・ライフバランス様
「仕事」(Work)と「家庭」(Life)の両立を体現するワークスタイルの実現のために、コンサルティングやセミナーなどを幅広く手掛けているワーク・ライフバランス社。
同社では、自らの業務を改革するために、遠隔コミュニケーションツールとしてWeb会議システムを導入しました。
例えば同社が企画・運営しているコンサルタント養成講座は、以前は東京の会場を手配し、コンサルタント2名が出向いて行っていました。会場費やコンサルタントの交通費、準備にかかる工数なども考慮しつつ、最小開催は5名といった小規模に止まっていましたが、当時から「地方でも開催してほしい」という声は多数あったといいます。
そこで、養成講座にWeb会議を導入。実地の本会場と地方会場を結ぶことで、同時に4会場での開催実績があり、同じ回に参加できる受講生は3倍に増加しました。また、養成講座のアドバンス編ではV-CUBE セミナーを用いた1対多数での講座も実施しています。
▼事例詳細
“働き方改革をリードする企業”でWeb会議が浸透 コンサルタント養成講座や育休女性向けセミナーなど活用の幅が拡大中|株式会社ワーク・ライフバランス様
3つのキャンパスをつないだ遠隔授業を毎週開催 教授会や判定会議でも活用し移動時間やコストを削減|日本経済大学 様
出典:日本経済大学
日本経済大学は、福岡キャンパス・東京渋谷キャンパス・神戸三宮キャンパスと3つのキャンパスを有する私立大学です。
また上記3キャンパスのほか、運営母体となる都築学園グループに属する大学、専門学校、高校などの姉妹校を多数有するため、教育の充実のための遠隔授業を開催し、キャンパス・学生間のコミュニケーション活性化やインターラクティブな授業を実現しています。
以前は、東京を主拠点とする教職員の福岡・神戸でへの長距離の移動が負担となっていましたが、Web会議システムの導入がなされたことで、コスト削減だけでなく、教授不在による休講も大幅に減るといった効果も得られました。
▼事例詳細
3つのキャンパスをつないだ遠隔授業を毎週開催 教授会や判定会議でも活用し移動時間やコストを削減
まとめ|自社に合ったWeb会議システムで快適なワークライフを
Web会議システムの基本機能を確認しましたが、Web会議システムの製品・サービスによっては、ニーズに合わせて特徴的な機能を提供しています。
システム選定の際には、利用シーンに合わせて個別の機能の有無が重要な選定ポイントになるでしょう。
また運用の際には、しっかりとセキュリティ対策を行うことも重要です。
本記事が自社のWeb会議システム選びに、少しでもお役に立てましたら幸いです。