優秀な営業マンの特徴と営業スキルとは。ナレッジ共有で現場と組織で活躍する営業マンを育てる

「優秀な営業マンがチームに一人しかいない」「営業スキルをどのように共有すればいいのか分からない」

そのように悩んでいる営業企画や営業の管理職の方もいるのではないでしょうか?

優秀な営業マンは一朝一夕に登場するわけでもなく、他の営業マンの育成も営業スキルの共有も時間がかかるものです。だからこそ、営業マンが評価される基準、現場や組織で活躍している営業マンの特徴、営業スキルを把握しておくことは大切です。

今回は、現場と組織で活躍する優秀な営業マンが持つ特徴と営業スキルをご紹介し、優秀な営業マンを育てる方法についても解説します。

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評価基準から見る「優秀な営業マン」とは

評価基準から見る「優秀な営業マン」とは

一口に「優秀な営業マン」と言っても、人によって定義は異なります。しかし一般的に営業マンとして「優秀」と評価される際の「評価基準」は存在します。

営業マンが評価されるポイントは、定量評価と定性評価に分かれます。それぞれどのような基準なのか、見ていきましょう。

営業マンの定量評価は「売上粗利・受注件数の達成度」

営業マンの定量評価といえば、「売上・粗利金額目標の達成度」「受注件数目標の達成度」などの指標で判断される業績評価です。ただし「業績」とは、売上や粗利などの目に見える数字となって表れる定量的な結果の他、業務効率がどれだけ改善されたか、自社の強みが確立されたか等の「重点戦略の達成度」も含まれます。

また、営業チームや組織貢献度なども重視する場合は、営業マン個人の業績だけでなく、部署や全社の業績達成度を加味する場合もあります。

営業マンの定性評価は「あるべき姿・貢献度合い」

定性評価でいえば、「営業マンとしてのあるべき姿が明確になっている」「売上評価以外にも貢献できている」等の基準で評価されます。

企業としてブレない評価を続けるためにも、営業マンが自社にとってあるべき姿であるかどうかが重要です。経営理念やサービス理念に沿った立ち居振る舞いができているかが見られます。

また「貢献」という基準も大切です。仮に強引な営業手法で売上を上げている営業マンがいるとしたときに、定量目標を達成していたとしても、返品やクレーム、売掛金未回収などのトラブルが多発していては、会社に悪影響を与えます。後輩の育成にも手をかけないといった面も、会社への貢献度が低いと評価されます。

こうした定量評価と定性評価、どちらも高評価を得られるような営業マンが「優秀」だと言えます。

現場で活躍する優秀な営業マンの「特徴」とは

現場で活躍する優秀な営業マンの「特徴」とは

評価基準を押さえたところで、ここからは優秀な営業マンの現場レベルでの特徴を見ていきましょう。

将来的なスケジュール管理まで徹底できる

できる営業マンは、タスクに追われてどんなに多忙でも、先を見通したスケジュール管理を完璧にこなしています。

今期の営業目標を達成しようと思うと、日々のアポイントや提案資料作成に必死になり、目先の数字ばかりを追うようになってしまいます。この状態になると、一年後の目標や将来的な見込み顧客の育成などが後回しになります。

しかし優秀な営業マンは、毎日行う営業活動をこなしながら、見込み顧客の創出活動を行ったり、自己研鑽として勉強会に参加したりと、先を見通して逆算し、スケジュールに落とし込み、今できることを着実に実行しています。

とにかく早さ(速さ)を意識している

メールが来たら、すぐに返信する。質問されたら、素早く要点を得て的確に回答をする。こうした「はやさ」を意識して行動できている営業マンは優秀です。

「質より量」として行動量が数字を左右する営業マンだからこそ、頭の回転の速さは重要。他の営業マンとずば抜けて速いことによって、受注までの試行錯誤や改善活動が誰よりも速く、成果を上げやすい状態にあるわけです。

ニーズを引き出すヒアリング力がある

ヒアリングのうまさ、傾聴力があることは、営業マンの必須スキルです。いくら商品やサービスが優れていたとしても、お客様のニーズを正確に引き出せなかったり、警戒心を解くことができないままに提案してしまったり等、ヒアリングの深さによってはその先に進むことができません。

営業は「話し上手よりも聞き上手が良い」と言われることも多いですが、ビジネスにおける「聞き上手」は、相手がどのような人物なのか、何を欲しているのかを聞き出す「質問力」と、聞き出したことを正しく把握・理解する「理解力」が備わっている必要があります。

顧客への深い理解、勘所がある

優秀な営業マンは、お客様よりも企業のことを理解していると言われます。企業理念や社史、創業者の想いまでも話すことができるレベルの営業マンもいるようです。

これはなにも、企業理念などを話せるようにならなければいけない、ということではありません。それほどまでに企業のことを調べ、気にかけ、情報をチェックしているという営業マンの姿勢に、お客様の心が揺れ動かされることがあるのです。

こまめな情報収集やコミュニケーションによって、お客様が抱える不安な点を察知して、自然と解決策を提示できるようにもなります。勘所がいい営業マンだと言えます。

あとから見ても分かる資料作成ができる

提案書の資料作成がうまい優秀な営業マンも多いです。見た目だけでなく、中身の整理や伝える順序を考えるところも含まれています。

提案資料は、提案後にメールで送付してお客様にお渡しすることがほとんどでしょう。それを受け取ったお客様は、検討するために資料に再度目を通します。その際、読んだだけでは内容が理解できないような資料では、意味をなしません。

サービスの概要、解決できる課題、検討ポイントや価格など、相手が検討に必要になる情報を項目ごとに整理して、目を通すだけで意味が理解できる分かりやすい資料を作れると、優秀な営業マンに一歩近づくはずです。

相手の理解度に合わせて分かりやすく伝えられる

どんな知識レベルのお客様であっても、分かりやすく伝えることができるのが優秀な営業マンです。常にお客様視点に立ち、聞き馴染みのない専門用語を並べずに、お客様の理解度に合わせて丁寧に分かりやすく伝えます。

その他にも、「結論から述べる」「具体例を用いる」「相手の理解を都度確認する」といったポイントを、何度も繰り返し意識することで、次第に営業トークのレベルが上がっていきます。

さらに活躍する優秀な営業マンの「スキル」とは

さらに活躍する優秀な営業マンの「スキル」とは

これまでに紹介してきた以外に、さらに活躍している優秀な営業マンはどのような「スキル」を持ち合わせているのでしょうか。それぞれ共通するのは、冒頭でご紹介した評価基準のうち「貢献度」と関連したスキルであるということです。

「実務経験」と「営業直感」を標準化させる

優秀な営業マンはかなりの場数を踏んできています。そのため、豊富な実務経験のもとに「営業直感」を持ち合わせている場合があります。

営業直感とは、いわゆる「勘」とも言い換えられるもので、「なんとなく売れそう」「なんとなくクレームになりそう」といった感覚的に案件の行く末を把握できるスキルです。しかし、たとえ豊富な実務経験と営業直感があったとしても、本人にしか分からない状態であれば、組織としての成長は期待できません。

優秀な営業マンは、豊富な実務経験から成功する営業活動のプロセスを明確化し、営業直感を言語化してプロセスに落とし込むことができます。これにより、他の営業マンも「標準化されたスキル」を真似し、営業プロセスに則って着実に実務経験を積み重ねることが可能になります。

「リーダーシップ」と「管理スキル」を発揮する

「リーダーシップ」と「管理スキル」という相反するスキルを発揮できるのが優秀な営業マン。

営業チーム全体を引っ張っていくリーダーシップには、チーム全体の目標を明確に伝え浸透させ、個々人の行動目標にまで落とし込む力と、チームの営業マンに自信を与えるような鼓舞するメッセージを届ける力が含まれています。

そして管理スキルは、チーム全体の目標数値の進捗を管理したり、各営業マンの案件や行動を管理したりするマネジメントスキルです。

両者を持ち合わせることで、営業チーム全体の目標達成に近づくための組織づくりや地道な数値管理ができ、結果として優秀な営業成績をチームとして残すことができるようになります。

「コミュニケーション」と「コーチング」を使い分ける

お客様や部下と接する優秀な営業マンは、コミュニケーションとコーチングを使い分けています。

コミュニケーションは「話す」「聴く」に大別される能力で、分かりやすくセールストークができたり、相手のニーズを深く聞き出せたりするスキルです。
一方で、コーチングは「相手に気付きを与える」能力で、聞き出したニーズや課題に対して、どのようにすれば解決できるのかを、教えるのではなく気付きとして与えるのです。これは、部下の育成だけでなく、お客様に対しても使う場合があります。

コミュニケーションとコーチングをうまく意識的に使い分け、相手のニーズや課題を解決し成功へ導くことは、お客様への課題解決や営業チームの活性化にも活かされるのです。

「勝ちパターン」のナレッジ共有で、優秀な営業マンへと育成

「勝ちパターン」のナレッジ共有で、優秀な営業マンへと育成

さて、優秀な営業マンは、お客様の課題解決だけでなく営業チーム全体の業績向上も担っていることが分かりました。しかし、優秀な営業マンにいくら管理スキルやコーチングスキルがあったとしても、うまく「勝ちパターン」をチーム全体に共有できなければ、営業チーム全体の業績向上には繋がりにくくなります。

そこで優秀な営業マンの勝ちパターンのナレッジ共有には、ロールプレイングが有効です。営業同行の際に、部下が優秀な営業マンの営業プロセスを間近で見たり、直接フィードバックを受けたりすることでスキルを伸ばしていくことができます。

営業同行では人数が足りない場合は、オンライン商談ツールを活用すると便利になります。オンライン商談ツールを活用すれば簡単に録音・録画できます。商談後に優秀な営業マンから指導する際にも、録画された映像を見ながらより具体的な改善ポイントの把握が可能です。

さらには優秀な営業マンのオンライン商談を録画しておき、成功している営業の勝ちパターンを全営業マンに展開。その録画内容を繰り返し見聞きすることも、優秀な営業マンへの近道になります。

まとめ|動画でナレッジ共有して優秀な営業マンへ

優秀な営業マンは、現場で活躍するためのスキルと、チームを育成していくスキルの両方を兼ね備えています。一朝一夕に身につくものではありませんが、どちらにも共通するスキルは「先を見通して行動する」スキルです。

また、営業チーム内で優秀な営業マンを増やし育てていくためには、営業プロセスや勝ちパターン等のナレッジ共有が大切。営業同行だけでは補えない部分は、動画共有サービスやオンライン商談ツールを活用して、何度も繰り返しインプットできる状態をつくってみてください。

山田 陽一
著者情報山田 陽一

デザイン制作会社、広告代理店、フリーランスを経てブイキューブへ入社。社会の働き方の変化を実感し、ブイキューブの活動に共感。ブイキューブサービスを世の中に広く伝えるため、マーケティング プロモーション周りのディレクション・デザインを担当。

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