ビジネスフォンの交換に迷ったら|最適な交換時と注意点について解説

ビジネスフォンには、ただ電話をするだけではなく、複数の電話を同じ電話番号で受電できたり、通話を転送したりとさまざまな機能があります。ただし、ビジネスフォンの種類によって機能や料金が異なるため、現在電話応対で課題を感じている場合、交換を検討したほうがよいかもしれません。

ビジフォン.comのアンケート調査では、会社の固定電話に不満を持っている人の割合は24%とさほど多くはありませんでした。

しかし、その理由として「有線で移動ができなくて不便」「端末が使いづらい」といったものがあります。日々利用する電話が不便で使いづらいものでは、電話応対に時間がかかったりストレスを感じたりするようになってしまいます。業務の効率が落ちると生産性低下も懸念されるでしょう。

また、ビジネスフォンが老朽化し修理にコストや時間がかかっているケースや、ビジネスフォンがオフィスでしか使えずテレワークが導入できないケースもあります。

このような場合、新しいビジネスフォンに交換したほうがよいかもしれません。

この記事では、ビジネスフォンに悩みを抱えている企業に向けて、ビジネスフォンの概要、最近の動向、交換タイミングについて解説します。

目次[ 非表示 ][ 表示 ]

ビジネスフォンとは

ビジネスフォンとは、主装置(PBX)と固定電話端末やFAXなどの電話機で構成される電話システムです。一般家庭で使用される電話と異なり、同じ代表番号にかかってきた複数の電話を同時に受電できたり、電話機同士を内線でつないだりすることができます。

PBXをクラウド上に設置したクラウドPBXでは、インターネットに接続できるPCやスマートフォンをビジネスフォンとして使用することも可能です。

ビジネスフォンの主要機能

ビジネスフォンで使用できる主な機能は以下の通りです。

機能

内容

内線

・PBXにつながっている端末同士で通話する機能

・基本的に無料で利用可能

多線対応

代表電話番号にかかってきた複数の電話を同時対応できる

転送・保留

通話を切らずに保留し、ほかの電話番号につなぐ

自動応答・音声ガイダンス

・受電できないときに自動でメッセージを流す

・自社に電話した目的を音声ガイダンスで聞き出し、対象部署に自動でつなげる

ビジネスフォンによって特徴は異なりますが、上記の機能はほとんどのビジネスフォンで使用可能です。

ビジネスフォンのトレンド

感染症対策として導入が進んだテレワークですが、新型コロナウイルス感染症が5類となったあとも導入する企業が多くあります。

ミライのお仕事調べの調査によると、出社勤務、ハイブリッドワーク、テレワークの割合は下の表のように推移しています。

 

出社勤務

ハイブリッドワーク

テレワーク

コロナ前

77.5%

16.3%

6.2%

コロナ禍

9.5%

67.2%

23.3%

コロナ後

38.5%

46.2%

15.3%

コロナ禍が落ち着いてきたあと、ハイブリッドワークやテレワークの割合は減っていますが、まだコロナ前の水準には戻ってはいません。また、同調査で出社回数が増えるほど社員の満足度が低下すると発表しており、テレワークを希望する人は多くいることが分かります。

このような状況のなか、ビジネスフォンでは以下のようなサービスがトレンドとなっています。

UC(Unified Communications)

Unified Communicationsはユニファイドコミュニケーションと読み、音声通話、ビデオ会議、メッセージング、ファイル共有などを一つのプラットフォームで統合するものです。

テレワークの社員がいる場合、固定電話を使用した内線では連絡が取れず、ビデオ会議やチャット・メールでコミュニケーションをとります。また、離れた場所で書類のやり取りをするために、ファイル共有ソフトなども必要でしょう。

このように、全員がオフィスに出社しない場合コミュニケーションの手段も多様化してきます。しかし、それぞれの手段で異なるシステムを利用すると、使用のたびに異なるアプリケーションを起動しなければなりません。

UCでは複数の連絡手段が統合されているため、連絡手段を交換するたびにツールを切り替えることなくスムーズにやり取りできるようになります。コミュニケーションコストが減少することから各々の業務に集中でき、生産性向上も期待できます。

スマートフォン連携

ビジネスフォンと連携することにより、社員それぞれが持つスマートフォンで電話応対できるようになります。オフィスにかかってきた電話をスマートフォンに転送したり、スマートフォン同士で内線通話をしたりできるため、テレワークや外出中の社員も電話応対が可能です。

社員が持つ私物のスマートフォンを使用するBYOD(Bring Your Own Device)を導入すれば、新たに端末を導入する費用を削減できます。ただし、私物スマートフォンに保存された機密情報が漏洩するリスクも否めません。BYODをするならば、使用方法やセキュリティリスクに関する研修などが必要です。

ビジネスフォンの交換タイミング

「ビジネスフォンを新しいシステムに交換したいけれど、タイミングがつかめない」、そのように感じている企業もあるでしょう。そこで、ビジネスフォンを交換するタイミングとしてよくある事項を紹介します。

既存システムが老朽化している

長く同じシステムを使用していると、PBXや電話機などの機械が老朽化してきます。端末の液晶に欠けや見にくい部分がある、音声が途切れる、ノイズが発生する、といったときは老朽化のサインです。老朽化が進むと、修理をするよりも新たに購入したほうが安く済んだり、そもそも修理が不可能になったりします。

電話が突然使えなくなると通常通りの営業ができなくなり、顧客や取引先との信頼関係にも問題を及ぼします。ビジネスフォンの試用期間が長く老朽化が始まっているときは、新しいビジネスフォンに交換したほうがよいでしょう。

機能が不足していて効率が悪い

テレワークを導入している企業の場合、UCやスマートフォン連携機能、クラウドPBXといった、場所を選ばず電話業務ができる機能を持つビジネスフォンがあったほうが便利でしょう。そのため、オフィスの固定電話でしか電話応対ができないビジネスフォンでは機能不足かもしれません。

また、完全オフィス出社の企業でも、自動ガイダンスやSFA、MAなどと連携できる機能があるとより便利になります。現在使用しているビジネスフォンに機能不足を感じるならば、交換を検討してみてはいかがでしょうか。

コスト削減をしたい

ビジネスフォンが老朽化し、何度もの端末の修理やメンテナンスを行っているのであれば、新しいビジネスフォンに交換したほうがコスト削減になるかもしれません。その際、新しい端末を導入しなくても使用できるクラウドPBXや、既存のスマートフォンやタブレットと連携できるビジネスフォンにすれば、導入コストも節約できます。

電話回線の本数を変えたい

組織の縮小や拡大により、電話回線の数を変えようとしているときもビジネスフォンを交換するタイミングといえるでしょう。

回線本数を変えたいときにおすすめなのがクラウドPBXです。クラウドPBXであれば電話回線を設置する工事が必要なく、契約内容を変更するだけで電話回線の本数を柔軟に変更できます。そのため、導入後にまた回線の本数を戻したくなったときに便利です。

また、利用中に柔軟に回線数を変更できるサービスであれば、繁忙期には本数を多くし、閑散期には減らすといった方法も可能です。時期に合わせて必要最低限の本数を契約すれば、ランニングコスト削減になります。

ビジネスフォンを交換するときのポイント

ビジネスフォンを交換するときに気をつけるべきポイントについて、順を追って解説します。

ニーズと要件の明確化する

まずは、ビジネスフォンに何を求めるのか、企業の課題を洗い出し明確化しましょう。ビジネスフォンによって搭載される機能は異なります。利用する規模や必要な機能は何か考慮してから選定したほうが効率的です。

必要な機能を持つシステムを選定する

自社にとって必要な機能を持つビジネスフォンを選定します。しかし、多機能で便利なものほど利用料金が高くなる傾向にあります。欲しい機能に優先順位をつけ、予算に合わせて探すようにしましょう。

既存システムとの互換性を確認する

すでにSFAやMAなどを導入している企業では、既存システムと連携できるビジネスフォンを選んだほうが便利です。通話内容を自動録音して分析するなど、営業やマーケティングで便利に活用できるようになります。

また、導入しているWeb会議システムと統合できるビジネスフォンを利用すれば、電話からWeb会議にシームレスに移行するなど、より効率的な使用方法が可能です。

移行計画を策定する

ビジネスフォンの交換をするときには、基本的に回線工事が必要です。配線を交換するときには、端末を設置する場所の周辺やデスク周りを片付けておきましょう。いつまでに片付けなどの準備を行うのか、事前に計画を立てておくと当日慌てずに済みます。

クラウドPBXへの交換では工事は必要ありません。ただし、今までと使い方が大きく異なる場合、社員に使い方や活用方法の研修を行うなど、事前準備は必要です。導入後すぐに電話応対ができるように、計画を立てておきましょう。

Zoomのビジネスフォン「Zoom Phone」

クラウドPBXへの移行をお考えの方には、Zoomが提供するビジネスフォン「Zoom Phone」をおすすめします。

Zoom Phoneは内線・外線、自動応答、自動転送、保留など、ビジネスフォンとしての基本機能はもちろん、電話番号をグループ内で共有する機能、社外にいる担当者に通話を転送する機能など、便利な機能が充実しています。直感的に操作できる管理インタフェースもあり、グループの作成やユーザー管理も容易です。

また、Zoom Phoneはコスト面でも優れています。クラウドPBXという性質上主装置や電話端末を新たに購入する必要がないほか、交換前の電話番号をそのまま利用できるため0ABJ電話番号取得費用もかかりません。定額通話プランを利用すれば通話料金を固定化でき、通話時間が長い企業は通話料の節約にもなります。

Zoom Phone最大の特徴は、Zoomミーティングと統合できる点です。一つのアプリでWeb会議、電話、チャットなど、複数のツールを利用できるため、アプリを切り替える手間は発生しません。すでにZoomミーティングを利用している企業であれば、社員が使い勝手が分からず困るようなことは起こらないでしょう。

現在Zoomミーティングを活用しているのであれば、新しいビジネスフォンとしてZoom Phoneがおすすめです。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

関連記事