クラウドPBXが向いている企業の特徴とは?タイプ別診断&向いていないケースも紹介

近年、電話設備の老朽化やリモートワークの普及を背景に、従来のPBXからクラウドPBXへ切り替える企業が増えています。しかし、すべての企業にとってクラウドPBXが最適とは限りません。導入メリットが大きい企業もあれば、現状のオンプレミスPBXのままの方が合理的なケースもあります。
本記事では、クラウドPBXとオンプレミスPBXの違いを整理したうえで、クラウドPBXが向いている企業の特徴を3タイプに分けて解説。さらに、向いていないケースや導入判断に役立つチェックリストも紹介します。
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クラウドPBX vs. オンプレPBX:押さえるべき5つの違い
PBXを見直す際にまず把握すべきなのが、「クラウドPBX」と「オンプレミスPBX」の違いです。ここでは、導入検討時に特に重要となる5つの観点で比較します。
1. 初期費用・維持費
- クラウドPBX:専用機器の購入が不要で、初期費用を大幅に抑えられる。月額課金型が主流。
- オンプレPBX:PBX機器や電話線の敷設に初期投資が必要。保守や更新のコストも発生。
2. 拠点追加の柔軟性
- クラウドPBX:インターネット接続があればどこでも利用可能。支店や在宅勤務者の追加も容易。
- オンプレPBX:物理的な配線・設備が必要で、新拠点追加には時間と費用がかかる。
3. セキュリティ・BCP(事業継続計画)
- クラウドPBX:ベンダーによる多層的なセキュリティ対策が施されており、災害時にも迅速な復旧が可能。
- オンプレPBX:自社でセキュリティ・災害対策を担う必要があり、体制によっては脆弱になりやすい。
4. 運用体制・ITリソース
- クラウドPBX:運用・保守はベンダー側が担うため、社内のIT人材が少ない企業でも運用可能。
- オンプレPBX:社内にPBXに精通した人材が必要。設定変更や障害対応も社内対応が基本。
5. 機能拡張性(API・SaaS連携)
- クラウドPBX:CRMやチャットツールとの連携がしやすく、業務効率化に直結する機能が豊富。
- オンプレPBX:機能拡張にはカスタマイズや追加開発が必要で、導入スピードも遅くなりがち。
クラウドPBXに変えるべき?オンプレミスとの7つの違いと診断付き解説【情シス・総務向け】
クラウドPBXとオンプレミスPBXの違いについては、別記事「クラウドPBXに変えるべき?オンプレミスとの7つの違いと診断付き解説【情シス・総務向け】」にて解説していますので、合わせてお読みください。
クラウドPBXが“特に向いている”企業タイプ 3パターン
クラウドPBXの強みが最大限に発揮されるのは、特定の業務スタイルや組織構造を持つ企業です。ここでは、特に導入メリットが大きい3つのタイプを紹介します。
1. 複数拠点・リモートワーク比率が高い企業
現状の課題
- 支店・在宅勤務者との内線通話や転送が複雑
- 拠点ごとの電話環境を個別に管理しており、運用負荷が高い
クラウドPBXで解決できる点
- インターネット経由で全国どこでも内線利用が可能
- 本社で一元管理が可能になり、設定変更や障害対応も迅速化
期待効果
- コミュニケーション効率向上
- 情報システム部門の負担軽減
2. 座席移動・レイアウト変更が頻繁な成長企業
現状の課題
- 電話番号や配線の変更に毎回手間とコストが発生
- フリーアドレスや増員時に電話環境の整備が追いつかない
クラウドPBXで解決できる点
- ソフトフォン利用で物理電話機が不要
- アカウント管理のみで利用者の追加・変更が可能
期待効果
- オフィス変更や人員増減に柔軟対応
- 拡張性の高いITインフラが実現
3. コールセンター/内線を急拡大・縮小する可能性がある企業
現状の課題
- 繁忙期と閑散期で必要な回線数や人員が大きく変動
- 変更のたびに業者手配や設備調整が必要
クラウドPBXで解決できる点
- 利用規模に応じて契約回線数を柔軟に調整可能
- コールセンター向け機能(ACD、通話録音など)も標準搭載が多い
期待効果
- スピーディーな事業対応が可能
- 設備投資の無駄を最小限に抑制
導入ハードルが低い企業チェックリスト(Yes/No形式)
クラウドPBXの導入は、企業のIT環境や社内の運用体制によって、実現のしやすさが異なります。以下のチェックリストに「Yes」が多いほど、導入のハードルが低く、スムーズに運用できる可能性が高いといえます。
チェック項目 |
Yes / No |
社内でIP電話やSIP機器を使った経験がある |
□ Yes / □ No |
各拠点・部門でPCやインターネット環境が整備されている |
□ Yes / □ No |
社内ネットワークにある程度の帯域の余裕がある |
□ Yes / □ No |
社員がヘッドセットやソフトフォンに抵抗なく対応できる |
□ Yes / □ No |
SaaSやクラウドツールの導入に慣れている(ポリシーがある) |
□ Yes / □ No |
情シスや外部ベンダーがクラウドサービスの導入支援に対応できる |
□ Yes / □ No |
電話番号のポータビリティ(番号引き継ぎ)に理解がある |
□ Yes / □ No |
→「Yes」が多い企業ほど、クラウドPBXの導入効果を早期に実感できる傾向があります。
向いていない/再考した方が良いケース
クラウドPBXは多くの企業にとって有効な選択肢ですが、現時点では導入を再考すべきケースも存在します。以下に該当する企業は、ハイブリッド構成や段階的移行といった代替策を検討するとよいでしょう。
1. 既存PBXを大規模にカスタマイズしている
独自仕様の通話フローや、他システムとの特殊な連携を組んでいる場合、クラウドPBXでの再現が困難なことがあります。
フルクラウド化が難しい場合は、オンプレPBXとクラウドPBXを併用するハイブリッド型の構成も選択肢となります。
2. オフライン専用拠点が多い
工場・倉庫・山間部の拠点など、常時インターネット接続が確保できない環境では、クラウドPBXの導入は非現実的です。
このような拠点には、従来型PBXの継続利用や、アナログ電話の併用が適しています。
3. 通話品質に対する高い要件がある
通信環境に左右されるIP電話の特性上、重要顧客との通話などで絶対的な安定性を求める場合には、オンプレ型や専用線利用を優先すべきです。
ここまでご紹介してきたようなケースでは、段階的な移行を計画的に進めることで、リスクを最小限に抑えつつクラウド化のメリットを取り込むことが可能です。
まとめ:クラウドPBXは自社に向いているか?
本記事では、クラウドPBXの基本的な特長から、オンプレミスPBXとの比較、向いている企業のタイプ、導入ハードル、注意点までを整理して紹介しました。
自社がクラウドPBXに向いているか、判断するためのポイント
- 複数拠点やリモートワークが多いか?
- 頻繁なレイアウト変更や人員増減があるか?
- コール数の変動が大きい業務を行っているか?
- クラウドツールの導入に慣れているか?
上記のような特徴が当てはまる場合、クラウドPBXは業務効率や運用負荷の面で大きな効果を発揮します。
一方で、既存システムのカスタマイズ状況や拠点環境によっては、導入が難しい場合もあります。その場合でも、ハイブリッド構成や段階的移行という選択肢を視野に入れることで、より現実的なアプローチが可能です。
検討を進める際には、「Zoom Phone」のようなクラウドPBXサービスを具体的に知ることが判断の助けになります。
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