ハイブリッドワークでの電話に関する課題とその解決方法を徹底解説

ハイブリッドワークは出社とテレワークを組み合わせた働き方のことで、業務内容やその日の予定に合わせて従業員が出社かテレワークかを柔軟に選択できます。しかし、実際には「電話対応のために出社しなければならない」というケースもあるでしょう。テレワーク実施時の電話対応について、22.6%の企業が「一部の社員が電話番のために出社している」と回答した調査結果もあります。

ハイブリッドワークを導入する際は、このような電話に関する課題を把握して対策を検討しておかなければなりません。本記事では、ハイブリッドワークでの電話に関する課題とその解消方法を紹介します。ハイブリッドワークの導入を検討している企業担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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ハイブリッドワークでの電話に関する課題

電話は日常的に使われるコミュニケーションツールのひとつで、オフィスに代表電話を設置している企業も多いでしょう。しかし、ハイブリッドワークでは出社する社員としない社員が混在するようになるため、完全テレワークや完全出社勤務とは異なる電話対応が必要になる企業もあります。

ハイブリッドワーク導入後の電話の取り扱いについては、「これまでどおり代表電話を運用する」「従業員に業務用のスマートフォンを支給する」といった選択肢があります。ただし、どちらの方法を採用するにしても課題があるため注意が必要です。

課題を把握しないまま電話の取り扱いを決めてしまっては、業務への支障や従業員からの不満が出る可能性があります。まずは、ハイブリッドワークでの電話に関する課題を把握しておきましょう。

代表電話の受電のために出社しなければならない

これまでどおり固定の代表電話を設置してオフィスで対応する形式では、電話対応のために必ず誰かが出社しなくてはなりません。コロナ禍の緊急事態宣言中、固定電話対応のために総務担当者の50%以上が「一度以上出社した」と回答した調査結果もあります。

特定の部署や担当者が電話応対のためにテレワークができないことになると、テレワークができる従業員との間に不公平が生じる可能性があります。本来の業務はテレワークが可能であるにもかかわらず電話のためだけに出社するのは、「業務内容や予定に応じて働く場所を柔軟に選べる」というハイブリッドワークのメリットが損なわれる点もデメリットです。

固定電話を運用しにくい

ハイブリッドワークではテレワークの従業員もいるため、オフィスの固定電話に電話がかかってきても担当者が不在で対応できないことがあります。また、全員がテレワークになると受電できなくなるため、電話番を決めて必ず誰かが出社するようにしなければなりません。

ハイブリッドワークでは一度に出社する人数が減るため、固定席を設けないフリーアドレスを導入する企業もあります。フリーアドレスの場合、部署ごとに固定の代表電話を設置したとしてもその近くにその部署の従業員が座るとは限らず、そもそも固定電話の運用が難しくなるでしょう。

取り次ぎ業務が煩雑になる

ハイブリッドワークではその日によって出社する従業員が異なるため、電話を取り次ぐ相手が出社しているのかどうかをすぐに把握しにくい状況です。フリーアドレスを導入していると日によって誰がどこに座っているのかが変わるため、なおさら出社しているかどうかを確認するのは困難になります。

相手が出社していればすぐに電話を取り次げますが、席にいない場合は以下のような取り次ぎ業務が発生します。

  1. 電話の相手に折り返す旨を伝えて連絡先を聞く
  2. 取り次ぐ相手が出社しているかどうか確認する
  3. 出社していない場合はメールやチャットで電話を折り返してほしい旨を伝える

受電数が少なければそれほど負担ではないかもしれませんが、出社する人数が少ないハイブリッドワークでは1人あたりの受電数が自然と多くなります。本来の業務の合間に上記のような煩雑な取り次ぎ業務が発生すると、出社している従業員の負担が増えて不満を感じる人も出てくるでしょう。電話対応に追われて、本来の業務に支障をきたすおそれもあります。

コストが増大する

ハイブリッドワーク中における固定電話の課題を解消するには、従業員全員にスマートフォンを支給して、出社しなくてもそれぞれが電話を受けられるようにする方法があります。

しかし、この方法は端末の購入など多くの初期費用がかかるほか、支給後も通信料・通話料といったランニングコストが発生し続けます。営業職など一部の従業員にのみスマートフォンを支給しているケースはよく見られますが、従業員全員に支給するのはコスト面で困難な企業も多いでしょう。

ハイブリッドワークにはクラウドPBXの導入がおすすめ

ハイブリッドワークでの電話に関する課題を解消するには、クラウドPBXの導入がおすすめです。クラウドPBXとは従来の電話機能をインターネット経由で使用できるサービスで、ハイブリッドワークに向いています。以下で、クラウドPBXの概要とハイブリッドワークに向いている理由を解説します。

クラウドPBXとは

クラウドPBXとは、内線通話や外線の転送などを行うPBX(電話交換機)の機能をクラウド上で提供するサービスです。従来のオフィス電話がPBXを社内に設置して電話回線経由で通話や転送をするのに対して、クラウドPBXはインターネット回線を使います。

従来のPBXは、オフィスの固定電話を使用しなければ、代表電話や内線は使えませんでした。しかし、クラウドPBXはインターネット回線を使用するため、オフィス・自宅・外出先など場所を選ばず電話できるようになります。

クラウドPBXがハイブリッドワークに向いている理由

クラウドPBXを導入すると、スマートフォンやパソコンからオフィス電話の機能を使えるようになります。自宅でも電話対応ができるようになるため、受電のためだけに出社する必要はありません。固定電話を置けないという課題も、スマートフォンやパソコンで電話対応ができるようになればそもそも固定電話が不要になるため解消できます。

自宅にいるテレワーカーにも内線や外線の転送ができるため、電話を取り次ぐ際に相手が出社しているのかどうかを確認する必要もありません。ハイブリッドワークでも取り次ぎ業務が煩雑になるのを防げます。

クラウドPBXは社用パソコンや従業員が個人で所有するスマートフォンなど、すでにある端末で利用できます。「パソコンからスマートフォンに転送する」のように異なる端末同士でも取り次ぎが可能で、導入にあたって新たに端末を支給する必要はありません。そのため、導入コストを大幅に抑えられます。

クラウドPBXの導入にかかるコストは、主にサーバーの初期設定費用・月額利用料金・通話料金です。インターネット経由でサービスを提供するため配線工事などは発生せず、PBX本体のメンテナンスも不要です。

このように、クラウドPBXの導入によってハイブリッドワークでの電話に関する多くの課題を解消できることがわかります。

まとめ

ハイブリッドワークを導入する場合、オフィス電話の扱いをどうするか決めなくてはなりません。従来の固定電話を使い続けるにしても、従業員全員にスマートフォンを支給するにしても、何らかの課題が発生します。

ハイブリッドワークでの電話に関する課題の解消には、クラウドPBXの導入がおすすめです。すでに支給しているパソコンや個人所有のスマートフォンからオフィス電話の機能を使用できるため、代表電話の受電のために出社したり、新たに多くのスマートフォンを支給したりする必要はありません。

一部の従業員に電話対応の負担を強いる事態にならないよう、ハイブリッドワークを導入する際にはぜひクラウドPBXの活用を検討してみてください。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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