電話のためだけの出社は不要!テレワークで電話対応をするための方法とは

新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進み、感染症対策としてのテレワーク導入の重要性はさほど高くはなくなっています。しかし、コロナ禍のような感染症対策が必要なくなったとしても、テレワークのメリットは多くあります。

通勤費などのコスト削減のほか、社員の多様な働き方を支えることになり、働きやすい企業づくりにつながります。これからテレワークを導入するとしても、意義は大きいといえるでしょう。

テレワーク導入の際に起こる課題の一つとして「電話業務をどのようにするのか」ということが挙げられます。

オフィスに引いている固定回線を使用して電話業務をしている場合、誰かがオフィスに出社しなければ電話を使用できません。また、社員がオフィスにいないことから、取り次ぎ業務が煩雑になることもあります。

そこでこの記事では、電話応対のためだけに出社を続けている企業、テレワークにおける電話業務の効率化をしたい企業に向けて、テレワークで電話業務をするための方法について紹介します。

目次[ 非表示 ][ 表示 ]

電話のために出社

株式会社ジェイドコーポレーションの2022年の調査によると、テレワーク中にかかってくる電話にどう対応するのかという設問に対し、「一部社員が電話のために出社している」と回答した人が22.6%であったと発表されています。

また同調査では、今後会社にかかってくる電話には「会社以外でも受けられるようにしたい」が40.8%、「個人で使っている携帯で電話を受けたい」が27.3%となっています。電話応対のためだけに出社を強いられる状態となっているケースもあり、それに対して自宅で対応したいと考える人が多くいることが分かります。

2023年5月から新型コロナウイルス感染症は5類に移行され、テレワークからオフィス出社に回帰する流れがあります。しかし、テレワークには通勤の手間が必要ない、多様な働き方ができる、というようなメリットがあり、引き続きテレワークを導入する企業も少なくありません。

ニッセイ基礎研究所の調査によると、新型コロナウイルス感染症が5類になったあとは出社勤務、対面会議・打合せの頻度の頻度が高まりましたが、ビジネスチャットなどの利便性が高いツールは引き続き利用されていることが分かっています。

同調査では、今後新型コロナウイルス感染症の影響がさらに少なくなったとしても、完全に以前の働き方になるのではなく、生産性向上が期待できる取り組みは引き続き行われると予測されています。

また、三菱総合研究所が行った調査では、完全オフィスワークになった際は転職を検討する人が半数近くいることも分かっています。

アフターコロナとなり、感染症対策の必要性はなくなったとしてもテレワークを導入する意義は高く、「テレワーク中の電話応対をどうすべきか」といった課題には向き合う必要があるでしょう。

テレワークでは取り次ぎ業務も煩雑に

社員それぞれが持つスマートフォンを利用して自宅でも電話応対をできるようにしても、テレワーク中の電話応対には課題が残ります。それは、出社に比べ取り次ぎ業務が煩雑になってしまうという点です。

全員がオフィスにいれば、すぐに内線で取り次げますし、電話があったことを口頭で伝えることも可能です。テレワーク中はそういったことはできず、一度電話を切ったあとにメールやチャットで受電したことを伝えなければなりません。

ハイブリッドワークの企業では、まずそれぞれの社員がオフィスにいるのかどうか、いるとしたらどこにいるのか、といったことを確かめなければならず、さらに取り次ぎ業務は煩雑になります。

電話のための出社を解決する方法

テレワーク中でもスムーズに電話業務を行うためには、あらたなツールやサービスを導入することがおすすめです。その中で代表的な方法を3つ紹介します。

クラウド電話の導入

クラウド電話とはクラウド上の電話交換機(PBX)を利用し、インターネットを通じて電話できるようにしたものです。クラウド電話があれば、従来の固定電話だけではなく、スマートフォンやPC、タブレットなどを通じて、オフィスの外線や内線を利用できます。

サービスにもよりますが、また、オフィスに出社しているときと同じように電話を取り次ぐことや、固定電話からスマートフォンに転送するなど柔軟な使用方法ができるため、テレワークでも問題なく電話業務に対応できます。

例えば、クラウド電話のZoom Phoneでは、国内0ABJ番号の発番や番号ポータビリティに対応し、オフィスの固定電話と遜色ない使い方が可能です。そのうえ、特定の着信に対するグループ作成、自動応答など便利な機能もそろっています。

代理店契約をすればクレジットカード、PayPalのほか請求書払い(銀行振込)も選べます。

電話転送サービスの利用

電話回線を通じて受けた着信を自動的にほかの回線に転送する電話転送サービスを利用するのも1つの手段です。

オフィスにかかってきた電話を、直接スマートフォンや別の固定電話に転送するほか、通話中の電話の転送、保留後の転送などが可能です。営業時間内はオフィスの代表電話が鳴るようにし、それ以外は違う番号につなぐなど、条件によって受ける電話番号を変更するようなこともできます。

テレワーク中の社員に直接電話を転送するといった使い方ができるため、テレワークで煩雑になりがちな電話の取り次ぎ業務をスムーズにできるでしょう

ただ、転送先として呼び出すことができる端末は基本的に一つに限定されます。

電話代行サービスの利用

電話代行サービスは、自社にかかってきた電話を外部のオペレーターが対応するサービスです。オペレーターが自社の代わりに電話を受け、内容をもとにメールや該当の電話番号に案内します。受電されるとチャットやメールなどで通知がされるのが一般的で、電話の有無を確かめられます。

例えば電話代行サービスのfondeskはオフィスにかかってきた電話に代わりに対応し、その内容をメッセージで通知するサービスです。忙しいときに電話応対に追われることはなくなり、手が空いたときにどのような電話が来たのか確認できます。

テレワーク中にオフィスに電話がかかってきた場合、その内容をメッセージで確認し、その後電話をかけなおす等の対応ができるようになります。

まとめ

テレワークの電話業務は、電話のためだけに出社が必要となる、電話の取り次ぎ業務が煩雑になるといった課題が生じます。しかし、クラウド電話があればオフィス外でも外線や内線を使用できますし、電話転送サービス、電話代行サービスを活用すれば、電話業務の効率化につながります。

こういったツールやサービスを導入すれば、テレワークにおける電話に関する課題を解決できるでしょう。

テレワークは通勤手当などのコスト削減になるほか、社員にとって働きやすい形態といえます。

感染症の脅威が落ち着きをみせ、テレワークの必要性が低くなったとしても、テレワークを導入する意義は大きいでしょう。電話応対でテレワーク導入ができないと考えているのであれば、クラウド電話、電話転送サービス、電話代行サービスなどの利用を検討してみてはいかがでしょうか。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

関連記事