営業担当者の売り上げ向上に必要なポイントとは

売り上げを向上させるためには何が必要か?

このテーマは営業担当者の永遠の悩みと言っても過言ではありません。時代とともにさまざまな手法論やツールが開発され営業担当者を支援してきましたが、現代における売り上げ向上施策といえば、SFAやCRMなどのツールをはじめ、オンライン商談ツールなどのようなITを活用する手法が中心となります。

そこで今回は営業の基本である商談プロセスの管理とITツールの活用をテーマに、より効果的な売り上げ向上に必要なポイントについて解説し、営業担当者が商談を有利に導くヒントをご紹介いたします。

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商談の発生ポイントを知る

営業担当者が売り上げ向上を目指すための最も重要な着眼点は、自社の(あるいは自分が担当している)商談がどのようにして発生しているのか、という点です。

実は伸び悩んでいる商談の多くがこの点を軽視していることが少なからずあり、裏を返せば商談の発生源を正しく把握しさえすれば効果的な次善策を講じることがたやすく可能となります。

具体的な商談発生ポイントは以下3つに大別されます。

1. 営業から仕掛けた商談

営業からのアプローチにより具体化した商談です。テレマーケティングなどの手法を使ってターゲットを絞り込み、営業担当者により数多く売り込みをかけていくケースがこれに該当します。ソリューション営業と呼ばれる課題解決型営業スタイルの多くはこのケースに当てはまるでしょう。この場合、新規商談件数を増加させることが売り上げ向上の鍵となります。

2. 顧客からアプローチのあった商談

セミナーやメルマガ、Webなどを見た顧客からの問い合わせにより商談化したケースです。興味を持った顧客からのアプローチであるため、受注確度は高めであり、商談に要する時間も短くなる傾向があります。このケースではフォローアップが商談の獲得と売り上げ向上の鍵となるでしょう。

3. 既存顧客のリピート案件

既に何度か取引実績のある顧客からのリピートオーダーです。いわゆる固定客と呼ばれる顧客であるため、安定した営業数字を上げることが出来るでしょう。このケースでは顧客とのコミュニケーション回数が鍵となるため訪問件数を指標にすると効果が出るでしょう。

パイプライン管理で商談のステージを明確化する

パイプライン管理で商談のステージを明確化する

次に重要となるのがパイプライン管理による商談ステージを明確化することです。パイプライン管理とは、営業活動における業務フローを定義し、各商談ステージで分析や改善を行い戦略を立てる管理手法です。ステージとは、今その商談がどのプロセスまで進んでいるかということです。初回面談からクロージング、そしてアフターフォローに至るまで商談にはいくつかのステージが存在し、ステージごとに営業担当者の取るべきアクションが異なります。

商談のステージ定義については企業や扱う商材についてバリエーションはありますが、ここでは顧客視点で以下のようなステージを定義して話を進めます。

 

商談ステージ

ステージ1:商談機会創出

顧客の社内で情報収集を行い、競合も含めた比較検討を行っている段階です。顧客によってはこのステージで大まかな予算を算出して年度予算組みを行うこともあります。問い合わせにより情報収集を行う場合が多くあります。

ステージ2:検討意思確認

購入時期や条件、購入に向けた社内体制構築などを行っている段階です。検討段階から具体的な購入へ一歩踏み出したといえます。商材についてのヒアリングもこのタイミングで行います。

ステージ3:意思・時期確定

購入に向けて予算の申請や稟議起案、決裁者への根回しなどを行うステージです。競合比較も終わり、発注先の絞り込みが終わるのもこのタイミングになります。営業提案や無料トライアルなどにより、商材選定により購入に向けての意思が明確になります。

ステージ4:顧客内評価実施

購入して得られる顧客内のメリットを最終的に確認するステージです。決裁者の最終承認をもらうために必要な情報や書面をそろえることになります。商材の販売元へ最終プレゼンを依頼したり、導入後のシミュレーションなどを行います。

ステージ5:内示

このステージでは発注する相手企業に対し正式な要件を提示し、お互いで契約に合意することになります。契約書の締結や最終的なスケジュール調整などを行うステージです。

ステージ6:契約締結

契約締結が完了し、サービスの運用定着に向けての購アフターフォローの要請もこのステージに該当します。

このように、ステージごとに顧客側での動きが異なります。営業担当者としては、それぞれのステージ、つまり顧客内での動きに合わせて適切なアクションを行うことで売り上げ向上へとつなげることが出来るということです。

商談ステージごとに効果的な施策を行う

それでは、ステージごとにどのような施策を行えばよいか、つまり営業担当者としてどのようなアクションを取ればよいのかについてご説明します。ステージは全部で6つありますが、成約に結びつけるための施策として重要となるのは、内示が出るまでの1~4のステージです。それぞれのステージにおける売り上げ向上のための効果的な施策を以下ご説明いたします。

ステージ1:商談の機会創出

顧客側での情報収集段階にあるため、自社の情報を顧客に見つけてもらうことが重要です。そのためには有益かつ魅力のある自社のコンテンツを継続的に発信するインバウンドマーケティングが必要となるでしょう。テレアポなどのアウトバウンドや広告費をかけて顧客接点を増やすことでも商談の機会は創出されますが、逆に自ら商品の情報収集のためにサイトに訪れた人は商品に対する興味も高い場合があります。つまり、自社のサービスや商品をいち早く顧客に探してもらい、認識させ、興味を持ってもらうということです。そのために必要な施策は数多くありますが、まずは以下2つに注力してみましょう。

顧客接点を増やす

総務省の調査によると、企業でのインターネットを活用した実店舗への誘引手段として、8割以上が自社サイトでのプロモーションを行っており、5割弱が既に自社サイトでのネット販売により顧客接点を持っていることがわかります

第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか

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出典:総務省 - 第1部 特集 「スマートICT」の戦略的活用でいかに日本に元気と成長をもたらすか(平成25年)

また、自社商品・サービスの認知度向上には5割弱の企業がインターネットによる集客効果があると答えており、実際の宣伝効果としては約2割の企業で来店者の増加が成果として上がったとする回答がありました。このことから、顧客はWebによる情報収集を行い、商品サービスの認知の向上を行い、実店舗にまで足を運ぶということが見てとれます。従って、主にインターネット上における顧客と自社との接点を増やすことは商談の機会創出への近道となります。

インサイドセールスにより見込み客を絞り込む

インターネット経由で自社に興味を持った見込み顧客のデータベースに対し、インサイドセールスにより購買意欲を高め、アポイントへつなげることが有効です。ステージ1における顧客の購買意欲はそれほど高くありません。その段階から顧客と良好な関係を構築・維持し、顧客マインドがステージ2へと移行する段階でアポイントを取得することが重要となります。

ステージ2:検討意思確認

ステージ2は購入時期や条件について具体的に検討を始めた段階です。ここでは顧客の課題のヒアリングや自社サービスのプレゼンにより導入後のイメージを膨らませ、自社の優位性をアピールしなければなりません。売り上げ向上のためには以下のようなアクションが求められます。

時間の有効活用

時間の有効活用

見込み顧客を優良顧客へと育てるチャンスであるため、この段階では競合他社も積極的にアプローチをかけています。顧客側も忙しい中時間を取って営業担当者の話を聞きますが、その際スケジュール調整や商談用会議室の確保が大きな手間となります。顧客にわずかな時間でも商談タイムを確保してもらうたけには、オンライン商談ツールを使用することも効果的です。

オンライン商談であれば提案資料を画面で共有し商談することも可能なので、顧客のヒアリングを受け最適な資料を提示することもできるため、最終的にはリードタイムが格段に短縮されます。

ステージ3:意思・時期確定

ステージ3においてはいかに顧客に具体的な導入イメージを持ってもらうかが大きな意味を持ちます。また、購入時期を固めることも必要でしょう。従って以下のような施策が効果的になってきます。

無料見学や無料体験の設定

自社の商品やサービスを顧客に無料で体験してもらう見学会や体験会といった機会を提供することにより、具体的な次のステップへのイメージ醸成に役立ちます。システム関連であればトライアルアカウントの発行がこれに該当します。

キャンペーンによる競合排除

期間限定のキャンペーンを実施することで、顧客の購買時期決定に対する動機付けを行うことも必要です。

ステージ4:顧客内評価実施

ステージ4では顧客側のキーパーソンとの商談機会を確保するかがカギとなります。キーパーソンは顧客内で重要なポジションに就いているため多忙です。また、予算権限を持っているため多くの決済を短時間で判断する立場にあります。そのため直接面談する機会を持つのが非常に難しいといえます。

オンライン商談ツールの活用

顧客からアプローチのあった商談

多忙なキーパーソンとの面談機会を設けるには、ステージ3でもご説明したオンライン商談ツールが効果的です。オンライン商談ツールの最大のメリットである時間の有効活用は、忙しいキーパーソンに刺さるワードでもあります。商談を行いながらその場で見積書の修正や提案内容の変更をドキュメントに反映させることで競合よりも優位な立場でより良いクロージングへ進むことが出来るでしょう。

このような迅速な対応は、導入後のアフターフォローのシミュレーションにもなります。「何かあったらすぐに対応してくれる会社」というイメージが生まれ、顧客から大きな信頼を勝ち得るのです。

まとめ|売り上げ向上に向けて各ステージで適切に営業活動を行えるように準備する

営業担当者にとって売上アップに必要なポイントとは、パイプライン管理により商談のステージを明確化し各ステージでのポイントを押さえて考えることです。また、各ステージでのお客様が求めていることに対し、適切に営業活動を行えるように準備しておくことが重要となります。商談の発生ポイント、及び商談のステージをSFAやCRMを用いて適切に把握するとともに、オンライン商談ツールを上手に活用して商談機会を増やすことが売り上げ向上につながるでしょう

山田 陽一
著者情報山田 陽一

デザイン制作会社、広告代理店、フリーランスを経てブイキューブへ入社。社会の働き方の変化を実感し、ブイキューブの活動に共感。ブイキューブサービスを世の中に広く伝えるため、マーケティング プロモーション周りのディレクション・デザインを担当。

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