テレアポとは?アポが取れない原因とおすすめのツールを紹介

顧客に電話でアポイントを取り付ける「テレアポ」は、多くの企業で取り入れられている営業手法です。しかし、時間や手間がかかりながらも、成果につながりにくいと考える人も多いのではないでしょうか。

株式会社RevCommが実施した調査によると、新卒時代のテレアポ業務が大変だった理由として「なかなか成果につながらなかったから」が59%と最も多い回答でした。

この記事では、テレアポが取れない原因を解説するとともに、アポ率を改善するためのポイントやおすすめのツールについて紹介しています。

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テレアポとは

テレアポとは「テレフォンアポインター」を略したもので、顧客に電話をかけて訪問や商談の約束を取り付けることです。多くの企業で取り入れられている営業手段の1つであり、主に新規顧客開拓を目的としています。用意された顧客リストに沿って電話をかけ、商品やサービスの周知・購入を促すのが一般的な業務の流れです。

テレアポとインサイドセールスの違い

インサイドセールスとは、非訪問型のし営業活動のことで、見込み顧客に対して電話・メール・Web会議ツールなどを活用して非対面で行う営業手法の1つです。

テレアポがアポイントの獲得を目的としているのに対し、インサイドセールスは顧客育成(リードナーチャリング)を目的としています。顧客とのコミュニケーションを通して関係を構築し、受注や成約確度の高い顧客育成を目指す点がテレアポとの違いです。

テレアポとテレマの違い

テレマとは「テレマーケティング」の略で、既存顧客や見込み顧客に対し商品やサービスの説明を行い、購入を促す業務です。テレアポが新規顧客の獲得を目的としているのに対して、テレマはすでに商品やサービスを利用・購入している顧客への対応が中心となります。

そのためテレアポよりも、商品やサービスに関する知識が多く求められるでしょう。電話をかけるだけでなく、受電業務が発生する点もテレアポと異なる点といえます。

テレアポは時代遅れ?

テレアポは多くの時間と労力がかかるうえに、電話による営業を好まない人もいるため、時代遅れの営業手法と思われることもあるでしょう。また、Webサイトやメール、SNSなどインターネットを利用したマーケティングが発達したことも、テレアポを時代遅れと感じてしまう要因といえます。

しかし、以下のようなメリットから、テレアポは今でも重要な営業手法の1つです。

  • 顧客一人ひとりに対して個別の対応ができ、関係性を築きやすい
  • 直接的な会話によって、即座に顧客の反応やニーズを把握できる

とくにB2B(企業間取引)分野では、企業に直接アプローチできるためテレアポが有効なケースがあります。

アポが取れない原因

テレアポでアポイントが取れない場合、いくつかの原因が考えられます。原因の把握・改善をしてアポ率を向上しましょう。

ターゲットリストの質

ターゲットリストは、テレアポ業務にとって成果を左右する重要な要素です。ターゲットが誤っていては、やみくもに電話をしたところで成功率は低いでしょう。自社の商品・サービスに興味・ニーズがありそうな見込み顧客をリストアップしてからプローチするのが効果的です。

次のような点を意識してターゲットリストを作成しましょう。できるだけ狭い範囲で・細かい条件を設定すると精度の高いリストになります。

  • 自社の商品・サービスの特長や強み
  • どのような業界・顧客にニーズがあるか
  • ターゲットが抱えている課題は何か

リサーチ不足

事前リサーチが足りないこともアポが取れない原因の1つです。相手にとってメリットがなければ、電話をしても成果につながることはありません。自社の商品・サービスを売り込むためには、相手の情報や抱えている課題を把握しておく必要があります。

企業リサーチには、ホームページや四季報などを活用するのがおすすめです。「業種」「従業員数」「売上規模」だけでなく、競合他社や市場の動きまでチェックするのが理想的です。

スクリプトの質

スクリプトの質もテレアポには重要です。スクリプトとは、話す内容や順番が記された台本のようなもの。テレアポでは挨拶・導入トークから本題の切り出し方、アポ取りまでの流れをあらかじめ作成しておき、誰でもスムーズなトークができるように準備されています。

しかし、「情報が足りていない」「表現が乏しい」などスクリプトの質が低いと、相手とコミュニケーションが取れずに断られる可能性が高くなります。一方的なトークになってしまう場合も注意が必要です。

タイミング

電話をかけるタイミングを間違えると、話を聞いてもらえないどころか与える印象も悪くなり、アポが取れなくなります。忙しい時間帯や休憩中などは避けるのがベターです。業種によっても異なりますが、法人の場合は朝礼がある始業直後を避けて、午前中や夕方の時間帯がよいでしょう。

午前中はメール処理などを行っていることが多く、夕方は一段落したタイミングなことから話を聞いてもらいやすくなります。反対に飲食店は、ランチやディナーを避けた午後の時間帯がおすすめです。

再アプローチの不足

「一度断られたから」「担当者が不在だったから」と再アプローチをしない場合もアポが取れない原因と考えられます。1度の電話でスムーズにアポが取れるケースは多くありませんが、だからといって諦めてはアプローチ先がすぐになくなってしまいます。

とくに法人であれば、同じ企業に繰り返しアプローチすることを前提としましょう。新年度や人事異動のタイミング、新商品・サービスがリリースされたときなどがおすすめです。

再アプローチを繰り返すことで相手に自社を覚えてもらえますし、時期や状況が変化すればアポイントを獲得できる可能性が高まります。

テレアポのアポ率を改善するポイント

アポ率を上げるためにはどのような点を意識するとよいのでしょうか。アポ率を改善するためのポイントを紹介します。

ロールプレイング

ロールプレイングは、さまざまなシチュエーションを想定して本番を疑似体験する学習方法です。テレアポのスキルを磨くためには欠かせない研修といえます。テレアポにおけるロールプレイングのメリットは以下の通りです。

  • テレアポの流れを理解できる
  • 話すことに抵抗がなくなり、物怖じしなくなる
  • さまざまなシチュエーションに対応できる
  • 課題を把握できる

手順としては、目的を設定し手本を見せ、実践した後にフィードバックを行います。数をこなすことで慣れていき、トーク力を磨けます。

スクリプトの見直し

アポ取りにはスクリプトの質が重要と前述しました。成果を感じられない場合は、スクリプトを見直す必要があります。以下は見直すべき点の一例です。

  • トークが不自然ではないか
  • 専門用語を使いすぎていないか
  • 応答パターンのアップデートをしているか

スクリプトは、実際に使うような話し言葉で作成します。スクリプトを読むだけで会話が成り立つため、慣れていない場合でもスムーズな案内が可能です。ただし、相手が理解できないような専門用語や難しい言葉を使いすぎるのは避けましょう。

さまざまな状況に応じた応答パターンを準備しておくのも大切です。実際に対応した従業員の感想や意見などを参考に、その都度アップデートするようにしましょう。

データの分析

データを蓄積して分析することもアポ率改善には重要なポイントです。数値化することで課題を把握し、改善・対策に役立てられます。収集するデータには次のようなものが挙げられます。

  • 架電件数
  • 架電時間帯
  • 業種や性別などの属性
  • 担当者との接触率
  • アプローチ結果(アポ取得・見込み・断りなど)

例えば、アプローチ結果と属性から、見込みやアポを取得できた顧客はどのような属性が多いのかが分かります。接触率が低ければ受付で断られているケースが多いと考えられ、スクリプトの改善が必要かもしれません。

テレアポのアポ率向上・業務効率化を実現するツール

ここからはテレアポのアポ率向上や業務効率化など、営業活動をサポートするツールを4つ紹介します。

クラウドPBX

クラウドPBXとは、「クラウド電話」とも呼ばれていて、インターネット上にPBX(電話交換機)の機能を設置するサービスです。インターネット環境があればオフィス以外でも利用でき、PCやタブレット、スマートフォンなどの端末からアクセスできます。

受発信はもちろん、内線や外線の転送・保留・録音も可能です。また、商談分析ツール・CRM等と連携することで営業活動やマーケティングにも役立ちます。

例えば、Zoomの提供する「Zoom Phone」は上記のような機能を備えており、定額かけ放題プランも用意されているため、コストを抑えながら、テレアポの効率を向上できます。

CRM

CRMとは「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の頭文字を取った用語です。顧客との関係構築を管理するシステムであり、営業活動をサポートするためのツールになります。

顧客データベースだけでなく、商談内容報告や問い合わせ内容の履歴などを一括管理できる点が特徴です。また、蓄積したデータを分析することで、営業戦略の検討や営業活動にかかる時間(リードタイム)の短縮が実現できます。

SFA

SFAとは「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略で、営業支援システムとも呼ばれています。

顧客情報や商談プロセスなど営業活動に関するデータを管理・蓄積し、企業内で共有できる点が特徴です。SFAを活用することで顧客に対しスムーズな対応ができ、リードタイムの短縮も可能になります。

MA

MAは、「Marketing Automation(マーケティングオートメーション)」を略した言葉で、マーケティングを管理・自動化するためのツールです。

例えば、顧客情報に対してスコアリングを行うことで、優先度の高い顧客が把握できます。また、属性別にコンテンツを自動配信することも可能です。成果につながりやすい顧客に対して積極的な営業活動を行うことにより、業務の効率化や生産性の向上が期待できるでしょう。

まとめ

手間や時間がかかるテレアポは、Webマーケティングの影響もあり時代遅れと捉えられがちな営業手法です。しかし、顧客との信頼関係を築きやすい点や、素早いニーズの把握ができるなどのメリットもあります。

テレアポでなかなか成果が上がらない場合は、設定しているターゲット層やスクリプトの質が関係しているのかもしれません。一方的な営業トークにならないように、定期的な見直しが必要です。また、データ分析や業務効率化に役立つツールの導入も検討してみましょう。

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山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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