テレワーク中の電話対応はどうする?受電・取り次ぎ業務の負担を軽減する対処法とは

オフィスに電話回線を設置し固定電話を使用している企業、電話応対が多い企業の中には、テレワークの導入は難しいと考えるところも少なくないでしょう。新型コロナ感染症の広がりを経て、テレワークを導入する企業が増えてきても、電話応対のためだけに出社しなければならない、という企業はあります。

そのほかにもオフィスに設置された固定電話にはさまざまな課題があり、悩みを抱えている企業もあるのではないでしょうか。そこで今回は、テレワーク導入を阻む電話関係の課題について解説し、具体的な対処方法について紹介していきます。

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テレワークでの電話に関する課題

テレワークを導入するときにおいて、電話関係ではさまざまな課題が勃発します。その中で代表的なものについて解説します。

固定電話のアクセシビリティ

オフィスの電話回線を使用した固定電話は、実際にオフィスにいないと使用できません。

株式会社ジェイドコーポレーションが行ったアンケートによると、電話応対が必須、会社にかかってくる電話がとれない、といった声があるためテレワークを実施できないという声があったそうです。株式会社グラントンの調査では、電話対応業務のためだけに持ち回りで出社をしている、と答えた人が3割近くにのぼりました。

また、テレワークを機会にフリーアドレスを導入する企業もあります。同じオフィス内でもさまざまなところで業務を行うようにすると、部署ごとの代表電話を設置しても、そばに該当部署の人がいないようなことも起こり得ます。せっかくフリーアドレスで好きな場所に着席できるようにしても、電話がかかってくるたびに移動しなければならず、非効率的です。

取り次ぎ業務

テレワークの社員にスマートフォンを貸与すれば、自宅で電話応対ができます。しかし、オフィスにその社員宛に電話がかかってきた場合、内線電話のようなスムーズな取り次ぎはできません。一度電話を切ったあとにテレワーク中の社員に連絡する、というような手間がかかってしまいます。

担当者につながるまでに時間がかかると、商談の機会を逃してしまうかもしれません。こういったことが何度も起こると、業績悪化につながる可能性もあります。

電話数の拡張性

テレワークと出社する社員が混在すると、電話機器の準備が複雑になります。固定電話の数を調節するためには物理的に配線変更することが必要ですし、テレワークを行う社員の数に合わせてスマートフォンなどの端末を用意しなければなりません。

配線や端末を増やすには費用や手間がかかりますし、一度導入したあとに使用しなくなれば無駄になってしまいます。端末の増減は気軽にできず、電話数の拡張性に課題を感じることがあるでしょう。

コストの増加

テレワークのためにスマートフォンを貸与する場合、導入時には端末費用、その後は継続的に回線費用がかかります。電話に関するコストはどうしても増加するでしょう。

導入するスマートフォンの数はテレワークを行う社員の数と同じにできればよいのですが、多めに購入してしまった場合は無駄が生じます。電話数を最適化できないと、使用しないスマートフォンに費用をかけることになるという問題が起きてしまいます。

 

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テレワークでの電話課題の解決法

上記のようなテレワークにおける電話に関する課題を解決するためには、次のような解決策があります。

クラウドPBXの導入

クラウドPBXとは、クラウド電話とも呼ばれ、インターネット上に電話回線を設置するサービスです。クラウドPBXは、インターネットに接続できる端末さえあれば、どこにいても電話回線を利用可能です。テレワークの社員も、オフィスに出社する社員も、どちらも利用できます。

また、既存のPCやタブレット、スマートフォンなどの端末を通じてアクセスできることから、新たに端末を用意する必要はありません。かかるコストとしてはクラウドPBXサービスの導入や利用のための費用のみです。

クラウドPBXは使用する回線の数に応じて料金が決まるサービスがほとんどですが、そのために端末を増減させることや、物理的に回線を設置、削減する必要はありません。契約内容を変更するだけで回線の数を変更できるため、電話数の拡張性はかなり高いといえるでしょう。

それだけではなく、クラウドPBXには通話内容をテキスト化して分析する、内線として利用する、といった機能を持つサービスもあります。より便利に電話業務ができるようになるため、テレワークを導入しない企業にとってもおすすめです。

例えば、Web会議システムの「Zoom」で知られるZoomが提供しているクラウドPBX「Zoom Phone」は、スマートフォンやPC、タブレットといった様々なデバイスから利用でき、代表電話宛にかかってきた電話をどこからでも受電し取り次ぐことが可能です。

具体的な費用・ランニングコストについては、以下の参考プラン集を御覧ください。部署単位、または全社導入などのケース別にプランと費用の概算をご紹介しています。

転送サービスの利用

電話の転送サービスを利用すれば、スマートフォンなどの個人の電話にも通話を転送できるようになります。このサービスを使い始めるためには、別途契約しているキャリアのサービスに申し込まなければならずコストはかかります。しかし、一度通話を切ったのちにテレワーク中の社員に電話をつなげるような手間は必要ありません。

自動応答システムの利用

自動応答システムは、テレワークを導入した企業だけではなく、電話応対に追われて業務がひっ迫している企業にもおすすめのサービスです。

このサービスでは、顧客から電話がかかってきたときにまず対応するのは、人間ではなく機械です。機械が社名を名乗り、電話をかけた目的に応じて番号を押すよう案内をします。その後は、振り分けられた部署に直接つなげられるようにします。社員が受電し、目的をヒアリングする手間がなくなるほか、自動で該当部署につなげられるため、無駄なく電話業務を行えるようになるでしょう。

自動応答システムの中には、テレワーク中の従業員につなげられる機能を持つものもあります。自宅にいながら会社にかかってきた電話に対応できるため、テレワーク導入の障害であった「自宅では受電できない」という問題を解消できます。

VoIPの導入

VoIPとはVoice over Internet Protocolの略で、インターネットを通じて音声通話をすることを指します。電話回線を通じて通話を行う場合、音声信号は物理的な回線を通じて行われます。しかし、VoIPでは、音声をデータ化し、パケットとしてインターネット上でやり取りする仕組みです。LINEやSkypeなどのアプリを通じて行う通話は、VoIPを活用しています。

VoIPはクラウドPBXと同じく、インターネットにつなげられる端末さえあれば利用可能です。そのため、既存の端末をそのまま活用でき、新たに端末を導入する費用はかかりません。コストを抑えながら、テレワーク中の社員が自宅のPCや私物のスマートフォンを使って電話業務が可能です。

ただ、基本的に050から始まる電話番号を使用することになること、119や110などの緊急通話は使えないこと、といったデメリットがあります。そのため、企業においては、完全に電話回線を廃止してVoIPに置き換えることは難しいかもしれません。

まとめ

電話業務が必要な企業の場合、テレワークを導入するのであればオフィスから離れた場所でも電話できる環境を作らなければなりません。そのためには、クラウドPBXなどの新しいシステムの導入が必要になるでしょう。

中には通話内容のクラウド保存や分析ができるサービスもあり、テレワークの導入関係なく生産性向上につながるものも少なくありません。テレワーク導入を機会に導入する電話サービスの見直しをする場合は、オフィス以外から電話ができるかどうかという観点だけではなく、さまざまな機能を見比べてみてください。

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山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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