テレワークでも成果をあげる営業は何をしている?これからの営業活動のポイント

情報通信技術を活用し、時間や場所にとらわれることなく業務を行うことができる柔軟な働き方「テレワーク」。

新型コロナウイルス感染拡大防止のためにテレワークを導入し、引き続きテレワークでの業務が続く中で、「今の営業のやり方を続けていて良いのだろうか?」と課題を感じている方もいるのではないでしょうか。

テレワークの導入は、従業員の働き方の多様化や優秀な人材の確保、業務効率化・コスト削減に大きく貢献します。しかし一歩間違えると、テレワークは営業にとって弊害になりかねないのです。

今回は、テレワークにおける営業の課題をおさらいしたあとに、どのようにすればテレワークでも成果をあげる営業をすることができるのか、ポイントを解説していきます。


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テレワークにおける営業の課題

通勤時間や商談先への移動時間などが削減され、交通費をはじめとしたコスト削減にもなるテレワーク。多様な働き方が実現できるため、メリットが大きく見えるかもしれません。

しかし、テレワークに対応した営業の仕組みや環境を整えないことには、新たなデメリットが生まれてしまいます。

ここではテレワークにおける営業の課題を考えてみましょう。

オンライン商談に慣れておらず、従来のノウハウが通じない

テレワークでの営業活動、つまりオンライン商談に慣れておらず、これまでの対面での営業ノウハウが通用しない、ということが起こりえます。

対面での営業であれば、たとえば、名刺交換のタイミングで興味を持ってもらえるような要素を準備しておいたり、案内資料を手で指し示しながら相手の目線をコントロールして、伝えたいポイントをしっかり見てもらえるようにしたり、と特有のポイントがあったでしょう。

これらが通用しないのがオンライン商談です。備えておかなければ、従来通りに商談を進めてしまい、相手を伝わらないプレゼンテーションをすることになってしまいます。

リードタイムが長くなってしまう

オンラインでの営業活動において、リードタイムが長くなってしまうことは想定の範囲に入れておくほうがよいでしょう。

これまでの訪問営業であれば、初回提案から数日後・数週間後に再度訪問し、プレゼンテーション、クロージングを行うことができました。また、2回目の訪問を取り付ける手段も、メールだけでなくオフィスへ電話することもでき、お客様と積極的に接点を持つことができていたのです。

ただ、テレワークが進む中での営業活動では、お客様にとってオンラインでの提案では安心感に欠けてしまい、なかなか購入・導入を決められないケースがあります。それだけでなく、お客様側の決裁者の承認を経るまでに時間がかかってしまい、決済スピードが落ちてさらにリードタイムが長期化してしまいます。

情報共有が難しく、商談管理や売上管理が難しい

社内で営業活動の内容を共有することが難しく、商談の進捗状況や売上の管理がうまくいかない可能性もあります。

進捗状況の把握やチーム内のコミュニケーションをすべてオンライン環境で行う必要がありますが、報告・共有のフォーマットが整っていなければ、重要な情報がスムーズに共有されない可能性が高まってしまうでしょう。

テレワークでも成果をあげ続ける営業のポイント

オンライン商談のイメージ

では、テレワークでの営業において成果を出し続けるためのポイントは何でしょうか。

オンライン商談の特徴を理解する

まず、オンライン商談の特徴を理解し、オンライン商談であっても成果が出るように工夫・改善をすることが重要です。今回はオンライン商談の特徴を3つご紹介しながら、改善できるポイントを解説します。

1. 商談環境に大きく左右されやすい

オンライン商談は、対面営業よりも商談環境に大きく左右されやすいことを押さえておきましょう。

テレワーク環境下であれば、自宅やカフェなどオフィス以外の自由な場所で商談を行うことになるため、音声や映像を正確に届けることができなければ商談をスムーズに進行させることが難しくなります。

WiFiなどの通信環境や身だしなみ、照明・カメラ等の環境を整備することが何よりも大切です。Web会議ツールが正常に接続され、音声と映像が綺麗に届けられるか、画面越しに見ても好印象を与えられる容姿であるか、気をつけて準備してみてください。

2. お互いの表情や態度が伝わりづらい

Web会議でお客様と話す際、お互いの表情や態度は伝わりづらく、営業担当もお客様も不安を感じてしまうことは理解しておくほうがよいでしょう。

対面での商談と比べて、空気感や細かな身体の動きなどは画面越しでは伝わらず、結果的に伝えられる情報量が少なくなり、お互いが何を考えているかを把握しづらくなります。

オンラインでの商談においては、相手が話すタイミングを掴みづらいケースもあるので、きちんと間を取ってお客様から疑問点などを話してもらう時間を用意することがポイントです。

また、やや大げさなくらいにリアクションを取ったり、こまめな相槌を打ったりすることで、相手は「話を聞いてもらえている」安心感を持つことができます。

カメラの映像をこまめに見て、相手から自分自身がどのように見えているか、確認することも大切です。笑顔で話せているか、背筋が伸びているか、相手に合わせたリアクションが画面上でも伝わっているか、確認しましょう。

3. 画面で見せられるものしか伝えられない

オンライン商談は対面での商談と異なり、PCのカメラを通して画面上で見せられるものしか伝えられません。

商品・サービスの現物を持っていったり、紙のパンフレットを持っていったりすることが難しく、お客様からは画面で見える情報で判断してもらう必要があります。

オンライン商談においてより成果をあげるために工夫したい場合、以下のような準備ができるでしょう。


  • 営業資料をオンライン商談用に最適化
  • 事前に資料を送付(メール・郵送)
  • 動画の活用(操作デモ等)

Web会議で見ても分かりやすいような、画像が入っていてひと目見て理解できる営業資料に刷新することは大切です。それらの資料を商談前に送付しておくことで、相手が理解を深めやすい場合もあります。

商品・サービスのトライアルや操作デモを、動画にまとめておくことも効果的です。実際に現物を見ることが難しい商品・サービスであったとしても、画像で見るよりも活用イメージが湧きやすくなるでしょう。

いずれも商談前にできることですので、どれか一つでも取り入れてみると良いでしょう。

ツールを活用してデジタル化を進める

オンライン商談のイメージ

オンライン商談の特徴を掴んで改善しながら、営業活動そのものをツールを活用してデジタル化することを進めてみましょう。デジタル化によって、よりテレワークでの営業活動においても成果をあげやすくなるはずです。

オンライン商談ツールの活用

テレワークで営業活動を行う上で欠かせないのが、オンライン商談ツール。せっかく活用するのであれば、オンライン商談ツールならではの機能やメリットを活かすことで、より成果をあげやすくなります。

たとえば、商談の様子を録画して共有することで、上司からフィードバックをもらったり、見本となる営業担当の商談を見て勉強したりできるようになります。営業ロープレや営業同行で行っていたことを、実際の商談をオンラインで見ることでカバーできます。

また、SFAと連携して営業活動の記録を自動化することも可能です。商談における提案ログを可視化したり、レコーディング機能でSFA内の顧客情報とデータを紐付けたりします。これにより、複雑なデータ管理や記入、移行作業に時間をかけずに、営業活動に集中できるようになります。

過去のデータを活用すれば、営業担当ごとのパフォーマンス分析もでき、今後の受注見込みや売上予測を立てやすくなるでしょう。

MAツールの活用

MA(マーケティングオートメーション)ツールを活用して、効果的なオンライン商談を実現することもポイントです。

イベントや展示会などで集めてきたリード情報に対して、いきなりメールや電話でアポイントを取ることは、テレワーク環境下ではより一層難しいです。MAツールを活用して、リードに対するナーチャリングを自動化し、確度の高い見込み顧客を見極めて、適切にアプローチできるようにしたほうが成果をあげやすいでしょう。

オンラインでのリードナーチャリングの手法には、シナリオに基づいた計画的なメール送信をする「ステップメール」、ターゲット属性に応じて適したメール送信をする「ターゲティングメール」、より有益な情報を届けるセミナー「ウェビナー」などが挙げられます。

これらを実施したリードは、行動履歴からセグメント分けを行いスコアリングされ、そのスコアリングによって、営業担当は見込みのあるリードに対して商談を提案できるようになります。

SFAツールの活用

SFA(営業支援システム)ツールを活用して、社内報告や商談記録の効率化を図ることもできます。特にテレワーク環境下での情報共有には、SFAツールの活用が有効です。

SFAツールは営業活動の管理ができ、案件ごとの進捗状況や顧客情報を管理する機能などを持っています。SFAの機能を活用すれば、以下のように業務が効率化されます。

  • 上司への報連相を短縮
  • アフターフォローの抜け漏れ防止
  • 予実管理のシステム化
  • 過去の商談記録の活用

SFAを見れば上司も部下の活動内容が分かるようにしておくことで、報告するために時間を設ける必要がなくなります。報告業務にかける時間が減れば、報告後の議論や改善に多くの時間を充てることができます。

また、営業活動において抜け漏れが発生しがちな次回アクションをSFAに登録することで、忘れずに適切な行動をすることができるでしょう。さらには、予算と実績を比較して目標達成率と達成状況を見る予実管理機能を使って、上司はチーム全体の動きを把握しながら計画を立てられようになります。

まとめ|ITツールを活用してより効果的なテレワーク営業を

テレワークの導入が進み、オンライン商談への抵抗が少しずつなくなってきたからこそ、さらに一歩踏み込んだレベルアップをすることで、より良い成果に繋げていくことが求められています。

テレワークにおける営業の課題を解決した上で、オンライン商談の特徴を理解し事前に対策を行い、MAツールやSFAツールなどを活用してさらに効率化を進めていきましょう。

ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。

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