中小企業こそテレワークを導入すべき4つの理由とは?導入の現状や成功事例を解説

「働き方改革の実践や感染症対策のためにテレワークを導入したいものの、自社にはテレワークに適した業務がなさそう」
「企業規模が小さく、IT環境も充分に整っていないので不安」
「テレワークを導入すると社内コミュニケーションが停滞して、業務が滞るのではないか」

このようなお悩みから、テレワークの導入を敬遠する中小企業は多いのではないでしょうか。

しかし、近年はIT技術の発達に伴い、テレワーク導入のハードルは徐々に下がってきています。そのため、実際は中小企業であってもITツールを活用することで、さまざまな業務をテレワークで実施できます。さらに、全社一斉ではなく部分的にでも導入することで、どの業種であってもテレワークは実現できます

また、中小企業が初期コストを抑えながらテレワークを導入できるようにと、国や地方自治体がさまざまな助成金や補助金制度を設けています。2020年4月には感染症の影響を受け、新しい助成金制度も緊急で増設されました。

新規人材の獲得や固定コストの削減など、企業のさまざまなメリットに貢献して柔軟な働き方を実現するテレワークは、まさに今こそ、中小企業が導入すべき勤務形態であるといえるでしょう。

本記事では、中小企業におけるテレワーク導入の実態や導入するメリット、また活用できる助成金や補助金、実際に導入して成功した中小企業の事例までを詳しくご紹介していきます。

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中小企業は大企業に比べ、テレワークの導入に遅れが目立つ

働き方改革の推進や、2020年2月頃から世界的に蔓延した感染症への対策に伴い、都市部に拠点を置く大手企業をメインに、テレワークの導入が進んでいます。

全国的にもテレワーク導入企業は徐々に増加していますが、その一方で、中小企業へのテレワークの導入には、遅れが目立っている現状があります

中小企業は大企業に比べ、テレワークの導入に遅れが目立つ出典:総務省「令和元年度版 情報通信白書

上記のグラフは、令和元年に総務省が実施した「令和元年度版 情報通信白書」で判明した従業員規模別のテレワーク導入の割合です。

この図を見ると、どの企業規模でもテレワーク導入率は年々増加しているものの、2,000人以上の大企業では46.1%とおよそ2社に1社が導入している一方、従業員300人以下の中小企業では14.5%と、大企業と中小企業の間には大きな差があることが伺えます。

中小企業のテレワーク導入率を向上させるために国や地方自治体は中小企業事業主に対してテレワークの導入を支援する助成金・補助金の制度を設け、導入を促しているのが現状です。

業種別でも、テレワーク導入率は大きく異なる

企業規模だけでなく、業種によってもテレワーク導入率は異なります。

業種別でも、テレワーク導入率は大きく異なる

出典:総務省「令和元年度版 情報通信白書

先に紹介した「令和元年度版 情報通信白書」からは、テレワークを導入しているのは「金融・保険業」また「情報通信業」などのオフィスメインで仕事を行える業種に偏っており、「運輸業・郵便業」など外に出て現場で働くことが多い業種では、テレワークの活用が難しい現状にあることが読み取れます。

一般的に、運輸業・郵便業をはじめとした運送業界では、業務の特質上テレワークの実現可能性は低いとされています。

確かに、グラフで示されている通り、これらの業種でもテレワークの活用は徐々になされているものの、「運搬」という肉体労働がメインの業務となる業界の場合には、対面の業務は避けられないといった課題が残るようです。

中小企業にテレワークの導入が進まない背景

それでは、なぜ中小企業にテレワークの導入が進まないのでしょうか。

人材採用大手のエン・ジャパン株式会社は、従業員300名未満の企業におけるテレワークの導入実態を調査するため、2019年にテレワークに関するアンケート(2019)を実施しました。

中小企業にテレワークの導入が進まない背景

出典:エン・ジャパン株式会社「人事のミカタ」アンケート

このアンケート結果によると、中小企業がテレワークを導入していない理由として、「テレワークに適した職種がない(48%)」「企業規模が小さいから(36%)」がメインに挙げられています。

上記2つの項目がこの調査で上位になるのは、大企業と中小企業の決定的な違いである「人数規模」が関係しています。

資本金規模のある大企業ではコスト面・人材面にも余裕があるため、人事、事務、営業などをはじめとして、さまざまな部門で数十人・数百人もの従業員がいます。そのため、テレワークを潤沢な予算・人材で導入できることによって、目に見えて影響や効果が見込めるでしょう。

ところが中小企業の場合、各部門の人数は数人から10人程度に収まることも稀ではありません。

そのため、テレワーク導入のためにコストをかけても、テレワークによる恩恵をそれほど受けられないのではないかと非積極的になっている経営者が多くなっていると考えられます

「中小企業にテレワークは無理」は、実は誤解である

「中小企業にはテレワークは無理」というのは、実は誤解である

中小企業がテレワークを導入しにくい背景には「自社は小規模でテレワークに適した職種や業務がなく、テレワークのメリットを享受できないのではないか」という悩みが大きな要因であることが分かりました。

しかし実際のところ、そのような状況にあってもテレワークの導入を検討しているのであれば、一度導入に踏み込んでみることをおすすめします

総務省の業種別テレワーク導入率の調査で、最も導入率が低かった運輸業・郵便業でも、部門や人員を絞って部分的に実施すればテレワークは充分に可能です。

テレワークは、必ずしも全社一斉に導入する必要はありません。例えば、まずは育児中・介護中の社員を対象としたり、また働く場所に融通が効く営業・人事・事務職に実施部門を絞ったり、「テレワーク勤務は一週間に1回」と回数を設定したりなど、小さな部分から導入を実施できるでしょう。

実際に、オフィス移転や学校のICT化などのサービスを提供している「株式会社ウチダシステムズ」では、最初は営業職や技術職・デザイナーなど、限られた部門のみにテレワークを実施しました。

その結果、業務の効率化や営業の移動費削減、生産性の向上などの明確な効果が見られたため、今後は対象範囲部門を拡大し、さらにテレワークを推進していくといいます。(「令和元年度 テレワーク先駆者百選 取り組み事例」より)

そして、上記のような多くのメリットを享受できるテレワークの運用に必要不可欠になるのが、ITツールの活用です。オフィスに出社をしない以上、遠隔地にいてもコミュニケーションを行えるITツールの力を借りて、業務の連携に支障をきたさないようにする必要があるからです。

以下の章から詳しく見ていきましょう。

ITツールの活用で、多様な業務でテレワークを実施できる

かつては、エンジニアやデザイナーといった限られた職種がテレワークに適していると言われていました。しかし、ITツールを最大限に活用すれば、マーケティング職や営業職・人事職といった多様な職種でもテレワークで実施できます

最近では感染症拡大の影響を受けたこともあり、Web会議システムをはじめとし、ビジネスチャットツールや営業ツール・勤怠管理ツールなど、テレワークの導入に必要な様々なツールが無料・有料を問わず非常に充実しています。

例えばオンライン営業ツールによって、高画質・高音質の映像で遠隔でも取引先との商談が行えます。場所を選ばず、また移動時間を考慮せずに済むため、自社と取引先の両方にとって有益です。

このように、テレワークで円滑に実施できる業務は、ITツールの活躍によって徐々に増えてきています。従業員規模の小さい会社でも、より多くの業種や業務でテレワークを導入することによって、さまざまな恩恵を受けることができるでしょう。

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ICTツール選びでお悩みの方は、ぜひ「テレワークに必要なICTツール完全比較ガイド」をお読みください。どなたでも無料でダウンロードできる本資料では、自社でのテレワークをより効率的に行うために必要なICTツールを徹底比較しています。

中小企業こそテレワークを導入すべき4つの理由

中小企業において、なかなか導入が進まない現状にあるテレワーク。ですが、実はそんな中小企業であるからこそ、「テレワークは導入するべき」と断言できるメリットがあります。

1.中小企業を対象としたテレワーク導入の助成・補助金を受け取れる

従業員規模の小さな会社や資本額の少ない会社を対象を対象として、国や地方公共団体がさまざまな補助金制度を設けています

テレワーク用の通信機器やクラウドサービスの導入や運用など、テレワークの初期段階でかかる費用の一部が助成されます。コスト面でテレワークの導入に二の足を踏んでいる中小企業は、ぜひこれらの制度を利用すると良いでしょう。

以下に記載したのは、中小企業事業主を対象とした助成・補助金制度の一部です。

厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」<旧:時間外労働等改善助成金(テレワークコース)>

厚生労働省「働き方改革推進支援助成金」<旧:時間外労働等改善助成金(テレワークコース)>出典:厚生労働省「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

厚生労働省は、ライフワークバランス(仕事と生活の調和)の促進と時間外労働の制限を主な目的とし、在宅またはサテライトオフィスでの勤務を可能とする中小企業のテレワーク導入を支援しています。

助成金の対象となるのは、資本または出資額と常時雇用する労働者が厚生労働省が定めた基準に該当する企業のみです。

また助成金の支給額は、あらかじめ定めた「成果目標」の達成・未達成で異なってきます。詳しくは、働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)公式ページおよび厚生労働省「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)リーフレット」をご確認ください。

東京都|はじめてテレワーク(テレワーク導入促進整備補助金)

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出典:公共財団法人東京しごと財団「はじめてテレワーク

東京都は、在宅勤務・モバイルワーク・サテライトオフィス勤務を行うための「環境構築費用」やテレワークの就業規則を定めるために要する「専門家への委託費用」を補助する制度を設けています。

補助対象となるのは、東京都が実施するテレワーク導入に向けたコンサルティングを受けた都内の中堅・中小企業に限られます。

支給額は従業員規模によって異なりますが、従業員数100人未満の企業で40万円、従業員数100人〜299人の企業で70万円、従業員数300人〜999人の企業で110万円をそれぞれ受け取ることができます。

詳細は、公共財団法人東京しごと財団「はじめてテレワーク」のページをご確認ください。

5分で分かる!4つの大成功事例から学ぶまちごとテレワークを解説!

東京都外では、地方で働く人々が地元でテレワークを行うことを推奨する「まちごとテレワーク」という取り組みもあります。詳しくは関連記事「5分で分かる!4つの大成功事例から学ぶまちごとテレワークを解説!」で取り組みを紹介しているので、「地方の企業だが、テレワークを推進していきたい」という方は合わせてご覧ください。

経済産業省|IT導入補助金

経済産業省|IT導入補助金出典:経済産業省「IT導入補助金

経済産業省は、テレワークに限らず、中小企業や小規模事業者自身の課題やニーズに合ったITツールの導入を支援しています。補助対象経費となるのは、この制度内で指定されたITツールの導入に関する費用になります。

対象企業は、資本金と常勤の従業員の数によって規定されています。最新情報が常に更新される可能性があるため、詳しくは経済産業省「IT導入補助金」のページをご確認ください。

感染症対策にも役立つ、テレワーク助成金制度を分かりやすく解説

関連記事「感染症対策にも役立つ、テレワーク助成金制度を分かりやすく解説」では、中小企業向けに国やさまざまな地方自治体が実施している助成金・補助金制度について詳しく紹介しています。さらに詳しく制度の中身について知りたい方は、関連記事もご覧ください。

2.人材不足を解消できる

中小企業の課題のひとつには、「慢性的な人材不足」があります。しかし、テレワーク導入によって今までアプローチできなかった地方在住者にも採用を見込めることで、人手不足を解消できる手段になります。

今までアプローチできなかった優秀な人材の獲得に繋がる

出典:中小企業基盤整備機構「人手不足に関する中小企業への影響と対応状況

実際に、中小企業基盤整備機構が中小企業1,067社の経営者を中心に実施した人手不足に関するアンケート(平成29年)では、全体の約73.7%の企業が「人手不足を感じている」と回答しました。

また別の質問では人手不足を感じている企業の約75.6%が「人材の採用が困難」であると回答しています。

このように多くの中小企業では、人手が足りていないのにも関わらず、新たに人材の採用が困難であるという現状があるといえるでしょう。

このような課題に対して、テレワークの導入は効果を発揮します。

実際に株式会社イマクリエでは、テレワーク導入で採用枠を全国に広げたことによって、地方在住の人や、さらには育児や介護で時間に制約がある人など、今までアプローチできなかった優秀な人材を獲得できるようになったという事例があります。

3. 企業のブランディングになる

一般的にテレワークや働き方改革に取り組む企業は、いわゆる「ホワイト企業」と認知されることがあります。そのため、求職者に自社のテレワークへの取り組みを認知してもらうことで、企業像への良いブランディングになり、結果的に人材をより獲得できるようにもなるでしょう。

実際に、新卒市場では「柔軟で多様な働き方を認めてくれること」が学生の企業選びの主な条件にもなっています。

就活イベントを行う株式会社DYMが2021年卒の大学生を対象に行った「就職活動に関する調査」において、「テレワーク、リモートワークなど場所に縛られない働き方」を志向する学生は多数見られることが分かりました。

3. 企業のブランディングになる

出典:株式会社DYM「就職活動に関する調査

感染症蔓延による自粛と就活時期が被る、というショッキングな体験を強いられた学生にとっては、場所を選ばない柔軟な働き方を企業に望むのも頷けます。今後はテレワークを日常的に行っている企業の需要が増していく、ともいえるでしょう。

【新型コロナ対策にも】Web面接とは?注意点やツール、事例を徹底解説

感染症拡大に伴い、採用の場面でも今後は「Web面接ができる企業になること」は必須といえます。関連記事「【新型コロナ対策にも】Web面接とは?注意点やツール、事例を徹底解説」では、企業がWeb面接を行うメリットや注意点、必要なツールを解説しています。

4.会社の固定コストを削減できる

テレワークの導入は、中小企業の事業運営コストの削減にも繋がります。主に「オフィスコストの削減」「社員の交通費削減」の2つです。

オフィスコストの削減

例えば、オフィスでの冷暖房や照明にかかる光熱費を大幅に減らすことが可能です。

会社の固定コストを削減できる

出典:日本テレワーク協会「テレワークによる節電対策と効果

上記のグラフは、一般社団法人日本テレワーク協会が実施した「テレワークによる節電対策と効果」の調査結果です。グラフを見ると、テレワーク導入前よりもテレワーク導入後の方が、一人当たりの電力使用量が少ないことが分かります。

総務省の試算によると、一人当たりのオフィスの電力使用量は、テレワークの導入で約43%削減が見込めることが明らかになっています。光熱費の面だけでなく、印刷費の削減にも繋がります。

また、極端かもしれませんが、テレワークの実施によって今までよりもオフィスの人員が減るため、以前のように全員分の机と椅子を置くスペースを備えた大きなオフィスは不要になります。1日に出社する社員の数に合わせた小さなオフィスにすることで、賃料自体のコストカットも可能になるでしょう。

社員の交通費削減

テレワークによってオフィスへの出社が減ると、社員の交通費削減にもなります。

ベッドタウンなど郊外から出社してくる社員の1ヶ月分の交通費を考えると、移動コストが削減できることは大きなメリットではないでしょうか。また、営業職にテレワークを実施した場合、営業先から自宅に直行直帰させることで移動費の削減にもなります。

このように、テレワークは中小企業にコスト面でもメリットをもたらします。売上に伸び悩んでいるという企業にとっても、テレワークの導入は、経費が削減できる良いチャンスと捉えることができるでしょう。

【事例付き】5分でわかるコスト削減!必要なポイントや実施手順などを解説

コスト削減の施策に関して詳しく知りたい方は、自社の生産性を上げるために必要な事項をまとめた別記事「【事例付き】5分でわかるコスト削減!必要なポイントや実施手順などを解説」も合わせてご覧ください。

テレワーク導入前の課題と解決に使えるITツール

テレワーク導入にあたっては、まず必要なのは、「自社では何のためにテレワークを行うのか」という目的意識を明確にし、組織全体で共有することです。

その上でテレワークをする際の社内ルールを決め、「テレワーカーとのコミュニケーションはどう行うか」など具体的に細分化していきます。しかし、自社がそれぞれ抱えている事情によって課題はさまざまにあることでしょう。

しかし、その課題を解決するのに対しても、やはり遠隔地同士のコミュニケーションになる以上、ITツールの活用が必要不可欠です。

この章では、テレワークの導入にあたって考えられる課題である、

・「労務管理はどのように行うか」
・「打ち合わせや会議はどうするか」
・「コミュニケーション不足はどう防ぐか」
・「セキュリティ対策はどうすればいいのか」

に対して解決できるITツールを簡単に紹介していきます。

実際にこの4つの課題は、平成29年に独立行政法人労働政策研究・研修機構が発表した「情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査結果」でも如実に示されている通りです。

テレワーク導入前のよくある課題と解決のために使えるITツール

出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構『情報通信機器を利用した多様な働き方の実態に関する調査結果(企業調査結果・従業員調査結果)

本調査結果を見ると、テレワークの導入にあたって、多くの企業担当者はセキュリティ対策や社員の勤怠管理、コミュニケーション不足への危機感を抱いていることが伺えるでしょう。

また、ITツールを導入するにあたって「無料か有料か」という問題もあります。確かに現在は無料で使える便利なツールが充実していますが、多くは同時参加可能人数に制限があったり、画質・音質がクリアではなかったり、セキュリティに不安があったりと、個人利用なら良いもののビジネスシーンには向きません。

そのため企業が導入するITツールは、導入後のサポート体制の充実も視野に入れ、少人数チーム利用を想定したプランもある有料ツールを選ぶことをおすすめします。

【2020年6月最新】無料Web会議おすすめ6選を比較!ブラウザ対応、ビジネス利用の注意点、選び方を解説

テレワークの主戦力となるWeb会議システムについて、関連記事「【2020年6月最新】無料Web会議おすすめ6選を比較!ブラウザ対応、ビジネス利用の注意点、選び方を解説」では、無料でも使えるツールや注意点を詳しく解説しています。こちらも合わせてご覧ください。

以下で紹介する全てのツールはユーザー数も多く、情報漏えいなどのセキュリティリスクに対して高い信頼性を誇っているツールであるため、ぜひ参考にしてください。

①テレワークで働く社員と遠隔で会議・打ち合わせを行う|「Web会議システム」

完璧なビデオ、クリアな音声。インスタント共有「Zoomミーティング」

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製品名:Zoom ミーティング

対象企業:個人〜大企業まで幅広く利用可能
価格:4タイプで異なる。
・パーソナルミーティング:無料
・プロ(小規模チームに最適):1,800円/月(年契約:21,600円)
・ビジネス(中小企業向け):要見積もり
・企業(大企業向け):要見積もり

注目ポイント:現在世界で最も注目されており、高画質・高音質な環境でストレスなく会議を行える

自社の規模に合わせてプランを選択できるのが、「Zoom ミーティング」の特徴です。

プランによっては最大1,000人まで1つのWeb会議に参加することが可能な上に、最大49人分の映像を同時に画面に表示できるという、大規模な会議にも向く仕様。社内外で大規模な会議を行うことがあるという企業におすすめです。

音質や画質の高さはもちろんですが、「Gmail」や「Googleカレンダー」といった外部のツールとも連携して活用することで、会議参加者のスケジュール日程の調整もスムーズに行えるようになっています。

また、全ての会議が暗号化される仕組みになっているため、セキュリティ面も安心。会議の際には、オプションであるアンケート機能や質疑応答機能、また少人数で分かれて会話ができるブレイクアウトセッションといった便利な機能も活用することで、臨場感のある会議を実現できることでしょう。

Zoomの有料版を使うべきメリットとは?

Web会議ツールZoomの有料版を使うべきメリットについては、「Zoomの有料版を使うべきメリットとは?無料プランとの違いや決済方法を解説」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

Web会議ツールの選び方とは?お役立ち資料を無料ダウンロード

②カジュアルなコミュニケーションも可能にすることで、社内のコミュニケーションロスを防ぐ|「ビジネスチャットツール」

ビジネスチャットツールは、ビジネスの場であってもLINEやFacebook メッセンジャーのようにライトなコミュニケーションを可能にするITツールです。

メールのように件名を書いたり、定型文を添えたりという必要がないため、テレワーカーやオフィス社員とも、以前より気軽なコミュニケーションが行えるようになります。認識のすり合わせや打ち合わせなどに活用するとよいでしょう。

ビジネスチャットツールを導入するメリットとは?おすすめの5つのツールを紹介

ビジネスチャットツールについてさらに詳しく知りたい方は、関連記事「ビジネスチャットツールを導入するメリットとは?おすすめの5つのツールを紹介」にて活用方法などを解説しています。合わせてご覧ください。

③社員の働いている姿が見えなくても、スムーズに労務を管理できる|「勤怠管理システム」

働き方改革関連法案の施行にともない、長時間労働や残業の削減などといった従来の働き方が疑問視されるようになりました。そこで政府によって導入されたのが「客観的方法による労働時間把握の義務化」です。

しかし、この法案も複雑であるため、なかなか手動で全て把握して対応するのは困難。そこで、最新の労働に関する法案に対しても柔軟に対応していることに加え、勤怠を自動で管理してくれるツールの手助けが必要になるといえます。

テレワークで従業員の勤怠管理をするには?管理のポイント、おすすめツールなどを紹介

関連記事「テレワークで従業員の勤怠管理をするには?管理のポイント、おすすめツールなどを紹介」では、テレワーカーの勤怠管理やお役立ちツールのメリット、注意点について詳しく紹介しています。合わせてご覧ください。

中小企業がテレワークを導入する際に注意するべき3つのポイント

今まで会社に通勤、そして会社での業務が当たり前だった中小企業にとって、テレワークは未知のもの。そのため、中小企業が初めてテレワークを導入・検討する際に知っておきたい注意点を3つ紹介します。

①テレワークを導入する「目的」の共有

まず、「何のためにテレワークを行うのか」という認識を社内全体で合わせておくことは必須です。その上で、「目標のために何が必要になるか」を考えましょう。

例えば、先述したように中小企業の主な課題の1つは「人材不足」であり、地方・海外在住者など多様な人材を獲得できるテレワークはこれを解決する手段です。

しかし中小企業には、専門性に長けたIT推進担当者が居ないことも多いでしょう。

そのため、「人材不足を解消するためにテレワークを導入する」という目的のためには、「クラウド型Web会議システムを導入し、IT要員いらずでもテレワークができる」環境を整える必要があります。クラウド型は自社でアップデートする必要がないため、常に自動で最新の状態を保つことができます。

また、「採用担当者の負担削減のためにWeb面接を導入する」のも良いかもしれません。対面での面接よりも時間と場所の融通が効き、企業と求職者両方にとってメリットがあるため、中小企業のもう1つの課題として挙げたコスト削減にもなるでしょう。

ただ「働き方改革に取り組んでいる企業としてアピールしたいから」「何となく世間がそういう流れだから」といった理由では、テレワークが自社に効果を成すどころか、本質的な課題解決にも繋がりません。大切なのは、自社が抱える問題を明確化し、それを解決するための策を組織全体で共有、進行させていくことです

クラウド型Web会議とは?メリット・デメリットとおすすめ5選を厳選紹介

クラウド型Web会議システムについては、関連記事「クラウド型Web会議とは?メリット・デメリットとおすすめ5選を厳選紹介」で詳しく解説しているので、合わせてご覧ください。

②業務連絡に関する社内ルールを決めておく

テレワークにおけるメリットの1つは、言うまでもなく「柔軟な働き方ができることによる生産性の向上」です。しかし自宅で勤務するということは、プライベートとの折り目がつけにくくなるということにもなり得ます。

テレワークではチャットツールでの連絡がメインです。そのため、仕事のことばかり考えてしまい、逆に生産性が低下してしまう社員が増加するといったケースも考えられるでしょう。

そういった事態を発生させないために、「チャットツールでの業務連絡は〇時以降は行わない」というように、プライベートとのメリハリをつけた社内ルールを定めることを忘れず行った方が得策だといえます。

③必要があれば、就業規則の変更も

また、テレワークを導入するにあたって、就業規則も定めておく必要があります。例えば社員の自宅での通信費用をどうするか、といった通常業務では発生し得ない問題について、就業規則の変更も適宜行うことになってくるでしょう。フレックスタイム制をテレワークとして導入した場合も、同様の変更が必要です。

以下は厚生労働省による「テレワークモデル就業規則~作成の手引き~」から引用した、テレワークの導入プロセスの一例です。

③必要があれば、就業規則の変更も

出典:厚生労働省「テレワークモデル就業規則~作成の手引き~

上記の図のように、テレワーク導入の際は対象範囲を定め、誰が申請を承認するのかといった過程の考慮も必要になります。

※就業規則の変更に関しては、厚生労働省による「テレワークモデル就業規則~作成の手引き~」にて詳しく説明されているので、そちらのページをご覧ください。

中小企業がテレワークの導入に成功した事例

この章では、実際に中小企業にテレワークを導入して、何らかの効果を実感している企業を取り上げていきます。自社へのテレワーク導入の参考にしてください。

工事部門を含む全従業員25名にテレワークを導入しコスト削減に成功|向洋電気土木株式会社工事部門を含む全従業員25名にテレワークを導入しコスト削減に成功|向洋電気土木株式会社

出典:向洋電気土木株式会社

屋内外の電気設備の設計や施工の事業を行う「向洋電気土木株式会社」は、時間的制約のある従業員の採用をきっかけとして、工事部門を含む全従業員25名に在宅勤務制度を導入しています。

従業員一人ひとりがテレワークをうまく活用し、ワークライフバランスの充実や従業員の家族の満足度の向上に繋がるように成果管理やメンタルヘルス対策などきめ細かいアドバイスを実施。結果的に家族と過ごす時間が増えて、肉体的・精神的な負担が軽減されたという声が社内から出ています。

またコスト面でも大きな成果を発揮。ガソリン代や本社電力消費量の大幅な削減に成功しています。

高度な解析業務にも在宅勤務を採用|株式会社SiM24

高度な解析業務にも在宅勤務を採用|株式会社SiM24

出典:株式会社SiM24

電子機器や部品の応力解析、熱解析などの受託シミュレーションサービスの業務を行う「株式会社SiM24」は、優秀な人材を確保し、継続雇用を目的としてテレワークの導入しました。特に女性の優秀な技術者が、結婚や出産を機に退職を予後なくされる状況に、課題を感じていました。

高度な解析シミュレーション業務を担当する従業員全員に完全在宅勤務を採用。コンピューターの計算中は一定時間手が空くので、家事や育児などをこなすことができます。

従業員が自宅で勤務できるので、オフィスを最小のスペースに抑えることができる点や女性の技術者が長期間にわたり会社で働いてくれる点にメリットメリットが生まれています。

まとめ|中小企業のテレワーク導入には、ITツールの活用が鍵になる

急速な少子高齢化による労働人口の不足や国際競争力の低下といった問題を抱える日本において、企業はテレワークをうまく活用し、無駄なコストの削減や生産性向上を図るのは必要不可欠といえます。

ただし、テレワークを導入する際には、ただ闇雲にITツールを導入するのではなく、まずは社内でテレワークに関するルールづくりを行うことがまず第一です。最終的にはコミュニケーションの活性化が成功の鍵となる点は、どの企業も注意するべきポイントなのではないでしょうか。

いまだにテレワークの導入が進んでいない中小企業においても、テレワークはさまざまな恩恵をもたらします。確かに初期コストはかかりますが、国や地方自治体の補助金・助成金を活用して、実際に導入の検討をしてみましょう

ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。

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