新入社員が知った“自由と責任”―「入社4カ月目のテレワーク」体験記

新入社員が知った“自由と責任”―「入社4カ月目のテレワーク」体験記

「テレワークやリモートワークは、限られた人ができるもの」

そんな印象を持っている方も多いのではないでしょうか。例えば、産休明け・育休明けに限られた時間帯で働く方などが活用するもので、フルタイムで働いている自分は対象にならないだろう……そう考える方もいらっしゃるかもしれません。

2018年の春に新卒でブイキューブへ入社した荒木経義も、そんなイメージを抱いていた一人でした。「テレワークは偉い人がするもの」と考えていた23歳は、7月24日のテレワーク・デイを機に、人生初のテレワークを体験しました。

“入社4カ月目のテレワーク”で、彼は一体どんなことを感じたのでしょうか。

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「新人がテレワークをやっていいのか?」というためらい

そもそも、新人がテレワークで働くことに驚く方も多いかもしれません。荒木自身も、1年目でテレワークを「“させてもらっている”という感覚があった」と話しています。

ブイキューブでは、社員の誰もが自分の働きやすい環境で働けるテレワーク規定「ORANGEワークスタイル」が運用されています。この規定では、社員全員が制限なくテレワークで働くことができるほか、併用されているスーパーフレックスタイム制により、月あたりの所定労働時間に達していれば好きな時間に業務を行うことが可能。もちろん荒木も、「ORANGEワークスタイル」を活用できる社員の一人です。

ブイキューブのORANGEワークスタイルについて

「制度的にOKでも、新人がいきなり一人で仕事をするのは無理があるのではないか」と思う方もいらっしゃるでしょう。確かに、まだまだわからないことも多い新人が、先輩社員のいないところで働くと仕事の進行が遅くなるケースがあります。

それを解消するために、荒木が所属しているインサイドセールスグループでは、テレワークで働く人とオフィスをWeb会議で常時接続しています。グループ内では「空間共有」と呼んでいるやり方ですが、こうすることで、自宅で働いていてもオフィスにいる人とコミュニケーションを取りやすい環境が生まれ、わからないことも気軽に先輩社員へ尋ねることができるのです。

こうした工夫をすることで、初めてのテレワークでも荒木は問題なく業務を遂行。オフィスで働く場合と比べても、「何も変わらなかった」と話しています。

テレワークができる風土が生まれた理由

新人でもテレワークができる制度と環境が用意されているとはいえ、入社してわずか4カ月足らずの自分がテレワークで働けるとは、荒木自身も思っていなかったようです。そこには、誰でもテレワークができる“風土”がありました。

インサイドセールスグループが所属するマーケティング本部は、ブイキューブの中でもテレワークを行う社員が多い部署です。特に、荒木の先輩である及川、小菅の2人は、上述したORANGEワークスタイルを活用しながら、週に2〜3回テレワークで働いています

「社会人になったら当然、決められた時間に出社して仕事をするものという通念を持っていた」という荒木。しかし、入社後の1カ月にわたる研修、そして及川と小菅の存在もあり、その通念は「自然となくなっていきました」(荒木)。

さらに荒木は、マーケティング本部長が岐阜県郡上市で4カ月間テレワークをしたことも風土形成に影響したのではないかと話します。身近な上司がテレワークを行い、理解することで「この会社ではテレワークができる」という空気が醸成され、安心につながる。新人でも「テレワークしていいんだ」と思える風土が生まれるのです。

テレワークのメリットと“自由”

初めてのテレワークに自宅で臨んだ荒木は、多くのテレワーク経験者と同じように、余裕をもって朝の時間を過ごせたことをメリットとして挙げました。

満員電車に揺られて過ごす通勤時間がなくなり、身体的・心理的なストレスが減少。さらに、普段より1時間遅く起床したにもかかわらず、ゆっくりと朝食を摂り、1日の行動計画を決めた上で始業後すぐ集中できるようマインドセットもできたそうです。

このように、負担を少なくしながらスムーズに業務へ入ることができるのはテレワークの利点の一つです。通勤する場合と比べて、仕事と私生活を切り分けるポイントが少ないという見方もできますが、だからこそ気軽に窓を開けたり、少し散歩したりしてリフレッシュするなど、「仕事をする環境を自分でデザインできるのが良いところ」と荒木は話しています。

ただ、それは何をしてもいいというわけでは決してありません。

友達は「いいね」と言うけれど

「多くの新人がそうだと思いますが、“テレワーク=自由”だと考えてしまいがちです。僕の友人にも『ゆるい感じでいいね』と言われましたが、そこは勘違いしないでほしいと話しました」(荒木)

家やコワーキングスペースでテレワークをしていようと、オフィスで働いていようと、仕事の時間であることに変わりはありません。テレワークをするときは、オフィスに出社する場合と比べて効率化されている部分を見極め、「場所を選ばない自由度」という大きなメリットを業務へ還元することが重要です。

何より、荒木はそこに強い「責任感」を覚えたと言います。

「ブイキューブは『テレワークで日本を変える』というスローガンを掲げていて、テレワーク推進企業ネットワークにも参画しています。だからこそ、ブイキューブの社員として、この働き方を発信すると同時に、この方法できちんと働いているところを見せないといけません。そうしなければ、その後の人たちがテレワークをしづらくなってしまいます」(荒木)

自ら働き方を決められることは、ブイキューブの「胸を張って自慢できる」点だと話す荒木。海や山が好きな彼の夢は、都会と自然がある場所を行き来しながら働くことだそうです。

橋本 憲和
著者情報橋本 憲和

Web編集・ライター。カトリック学校のサポート事務、ゲームメディアなどを経てブイキューブに入社し、事例やブログ記事の制作を担当。「テレワークの魅力をやさしく伝える」をテーマに、記事を作っています。コーヒーの香りがする本屋さんが好き。

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