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在宅勤務手当はなぜ必要?支給のメリットや各社の制度を総まとめ

在宅勤務手当はなぜ必要?支給のメリットや各社の制度を総まとめ

新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務を推奨する会社が増えています。在宅勤務では通勤時間が削減されるため体力的・精神的な負担が軽減されるという一方で、自宅では通信設備やデバイス不足のためにオフィスと同じパフォーマンスを発揮できないなどの課題があるのも事実です。

では在宅勤務での課題を克服するために企業が取り組むべきことは何でしょうか?

本記事では導入企業が増えている「在宅勤務手当」について徹底解説!手当が広まった背景から導入企業例まですべてご紹介します。

 

在宅勤務手当はなぜ必要?

テレワーク導入企業が急増

新型コロナウイルス感染拡大を受け、全国で緊急事態宣言が出されたことを皮切りに、多くの企業がテレワークや在宅勤務への切り替えを余儀なくされました。東京商工会議所が行った調査によると、東京の企業1,111社のうち2020年6月のテレワーク実施企業は67.3%であり、前回調査(2020年3月)と比較すると41.3ポイントも増加しています。

参照:「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」

コロナ渦では緊急事態宣言を受け短期間でテレワークへの切り替えが行われただけでなく、企業の従業員規模に関係なくテレワークが増加したという特徴があります。その分、既存の制度が新しい働き方に適応していなかったり、自宅では働く環境が整備されていなかったりと、テレワーク移行には課題が見られました。

テレワークにおける最大の課題は「ネットワーク環境の設備」

東京商工会議所が実施したアンケートによると、テレワーク中の社員が一番課題だと感じたのは「ネットワーク環境の設備」でした。緊急事態宣言発令前からテレワークを実施している企業では紙書類への対応や社内コミュニケーションが課題の上位となっている一方で、発令後にテレワークを実施した企業では通信環境やデバイスの整備が問題になっていることから、テレワークへの移行には初期投資が必要なことが分かります。

参照:「テレワークの実施状況に関する緊急アンケート」

テレワークには初期投資と維持費が必要

前述したように、テレワークへの移行には初期投資が必要になります。特に在宅勤務となれば、Wi-Fiの設置や仕事スペース(デスク・チェア)の確保など、仕事環境を整える為にまとまったお金が必要となります。また、自宅にいる時間が長くなれば光熱費や通信費などの維持費も必要となってきます。短期的な在宅勤務であれば維持費は小さな額ですが、長期化が懸念される新型コロナウイルスを考慮すれば、社員にとって負担が大きくなることが懸念されます。

このような初期投資と維持費をまかなうために在宅勤務手当を導入する企業が増えています。充実した仕事環境を整備することは、テレワークでも社員の仕事効率を維持・向上するために欠かせません。

在宅勤務手当は実際どのように使われている?

株式会社ブイキューブでは新型コロナウイルスの感染拡大を受け、全社員を対象にテレワークへの移行を行いました。また、2020年5月には自宅でのテレワーク環境構築の支援として10万円(週5日勤務者の場合、契約社員・アルバイト社員含む)のテレワーク補助手当を支給しました。

使用用途が制限されていない在宅勤務手当。社員たちはどのように補助金を活用したのでしょうか?ブイキューブでは10月にテレワーク補助手当の使用用途に関するアンケート調査を実施しました。

ブイキューブの社員210名のアンケートによると、テレワーク補助金の使用用途1位はデスク・チェア等の家具購入でした。やはり毎日自宅で仕事をするとなると、長時間座っていても疲れない椅子や十分な作業スペースを確保できるデスクが必要になるようです。

また、アンケート2位にはオフィスで使用していたモニターなどの周辺器具がランクインしており、出社時と同じパフォーマンスで仕事をするために投資する社員が多く見られました。その他を選んだ社員の中には、通信費や光熱費など維持費の補填以外にも、テレワークに適した場所への転居資金に当てた方など、使い方が制限されていないからこそより良い仕事環境構築向けて様々な補助金の活用方法が見られました。

 

企業にもメリットが大きい理由

働き方改革の促進

在宅勤務手当を支給することで自宅での仕事環境が整備されれば、長期的な在宅勤務が可能になります。また長期的な在宅勤務が可能になれば、多様化する働き方にも対応できるため、働き方改革の促進にも繋がるのです。

このように働き方改革の促進によって多様な働き方が実現できれば、社員の定着率UPにも繋がるでしょう。定着率高さは採用コストや育成時間の削減に繋がるため、企業にとって大きなメリットとなります。また、“新しい生活様式”が求められるwithコロナの時代、先進的な働き方を取り入れることは企業にとってもアピールポイントとなり、優秀な人材を確保にも繋がるでしょう。

長期的な在宅勤務・働き方改革促進のためにも、まずは在宅勤務手当などの手当を充実させることで、社員一人一人が自宅でもベストパフォーマンスを発揮できるような仕事環境を整備することが重要になります。

交通費支給廃止による経費削減

オフィスへの出社がなくなれば、交通費を削減することができます。1人当たりの交通費が月1万円だとしても年間12万円、これが全社員分カットできると考えればかなりのコスト削減になります。また、廃止した交通費を原資に在宅勤務手当を捻出できるため、在宅勤務手当のために新たな資金を準備する必要がなくなります。月々の維持費として支給される在宅手当は交通費よりも少ないことが多いため、その差額が企業にとっては経費削減となります。

 

在宅勤務手当支給の注意点

企業はテレワークに関わる費用負担や手当の変更について、導入前に明確なルールをつくり、従業員に対して丁寧に説明することが必要です。定額の通勤手当を廃止し実費精算に切り替える場合、企業側にはコスト削減が見込まれる一方で、従業員にとっては社会保険料への影響や所得税の増加など懸念点もあります。新型コロナウイルスへの対応として暫定的な通勤手当の変更であれば就労規則を改定する企業は少ないですが、在宅勤務手当の支給方法や清算方法をルール化、規則に落とし込むことが円滑なテレワーク実施の鍵になります。その際に社会保険料への影響や税金面の扱いなど、従業員に影響を与える変化については丁寧に説明を行い、社員の理解を得るようにしましょう。

 

在宅勤務手当は課税対象?

交通費が非課税なのに対し、在宅勤務手当は課税対象に当たります。

つまり、交通費の支給を取りやめて在宅勤務手当を支給することで、その分の金額が課税対象となり、見かけの手取り額は減収となります。

しかしながら、交通費が実費補填であるのに対し、在宅勤務手当は使い道が社員に任されている場合が多く、必ずしも減収になるとは限りません。ただ交通費と違って在宅手当は課税対象であることを理解しておく必要はあるでしょう。

例を見てみましょう。

新卒社員のA子さんには先月まで交通費として3万円が支給されていました。ところがテレワークに移行し出社回数が減ったことから、交通費支給が廃止され在宅勤務手当として同額の3万円が支給されるようになりました。

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※(A)-(B)を源泉徴収額表(令和2年分)に当てはめて所得税を割り出す。

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※(A)-(B)を源泉徴収額表(令和2年分)に当てはめて所得税を割り出す。

 

支給額の合計は今月も先月と同じ250,000円と同じにもかかわらず、所得税は1000円以上増加しています。これは課税対象の合計額(A)が在宅勤務手当により増加したからです。手取り額は所得税と反比例するので、その分手取り額も減ってしまいます。

しかし先述したとおり、交通費が実費補填であるのに対し、在宅勤務手当は使い道が社員に任されている場合が多いため、必ずしも減収になるわけではありません。

 

導入企業例5選

テレワークへの移行が進むにつれて、在宅勤務手当を支給する会社が増えています。では実際に導入した企業は在宅手当としていくら支給しているのでしょうか?自宅の環境整備や維持費のために月々3,000円~5,000円を支給している企業が多いようです。中にはオフィスチェアやモニターなど現物支給をおこなっている企業もあります。本記事ではベンチャー企業から大手企業まで在宅勤務手当を支給している企業5社を紹介します。

富士通

  • 支給額    月額5,000円(2020年7月から実施)
  • 支給目的   在宅勤務の環境整備費用補助
  • 通勤手当   通勤定期券代の支給廃止。(2020年7月から実施)

参照:「ニューノーマルにおける新たな働き方「Work Life Shift」を推進

ホンダ

  • 支給額    1日250円の在宅勤務手当(月20営業日で5,000円相当)
  • 支給目的   通信料や光熱費の負担軽減
  • 通勤手当   通勤定期券代の支給廃止。交通費の実費支給

参照:「【独自】ホンダ「テレワーク手当」1日250円…通勤手当は廃止、実費精算

note株式会社

  • 支給額    月額10,000円(正社員・契約社員)、月額5,000円(アルバイト)

           希望者へオフィスの椅子の自宅配送(2020年5月から実施)

  • 支給目的   おうち環境の整備
  • 通勤手当   記載なし

参照:「在宅勤務の長期化に備えて、従業員がはたらく環境整備のサポートをします。

日立製作所

  • 支給額    月額3,000円(2020年6月から実施)

  在宅勤務のための備品購入費用の補助

  • 支給目的   マスク・消毒液など感染予防対策に必要な費用に対する補助
  • 通勤手当   通勤定期券代の支給廃止。交通費の実費支給

参照:「在宅勤務を変革のドライバーとする働き方改革を推進

株式会社メルカリ

  • 支給額    60,000円/6ヶ月(2020年4月実施)
  • 支給目的   自宅での勤務環境構築
  • 通勤手当   記載なし

参照:「メルカリCEOから緊急事態宣言を受けてのメッセージ

 

まとめ

在宅勤務手当がなぜ必要なのか?それは従業員にとってだけでなく、経費削減や働き方改革など企業にとっても様々なメリットがあるからです。withコロナで新しい生活様式に世の中がシフトしていく中、従業員も企業も働き方の見直しを迫られています。自宅でもオフィスと変わらない、むしろそれ以上のパフォーマンスを社員から引き出すためにも自宅の仕事環境の整備は欠かせません。在宅勤務手当を支給し、従業員の仕事環境を充実させることが、最終的には企業にとっても大きな利益に繋がるのです。

一方で、在宅勤務手当を導入する際には他企業の例を参考に金額を決定するだけではなく、従業員の理解を得ることが重要です。在宅手当が税金や保険料にどのような影響を与えうるのか、丁寧に説明をしたうえで、企業と従業員の双方が納得できる形で導入を進めましょう。

テレワークの導入で時代に取り残されない働き方改革を

2019年4月から開始された働き方改革の影響を受け、多くの企業が様々な取り組みをはじめています。

しかしその一方で、「ワークライフバランスの拡充や健康経営など、実際にやるべきことが多すぎて何から手をつけて良いかが分からない...」そうお困りの企業担当者さまもいらっしゃることでしょう。

そこでまずはじめに取り組みたいのが、テレワークの導入です。

テレワークとは、パソコンやスマートフォンなどICT技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方です。

テレワークを導入することにより、以下のような利点があります。

  • 介護や育児を理由に退職をせざるをおえなかった従業員など、多様な働き方を希望する社員を持続的に雇用できるため、優秀な働き手の採用・確保が可能
  • 感染症対策や自然災害などオフィスに出社が困難な状況でも、持続的に仕事ができる
  • 従業員満足度の向上や定着率、生産性の向上など、経営課題に大きなメリットがある

 

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鹿嶽志帆
著者情報鹿嶽志帆

株式会社ブイキューブ マーケティングコミュニケーショングループ