「今回の周年記念イベント、なんか凄かったね」と言わせる。社員を巻き込む『体験設計』と賢い『プロの頼り方』

周年記念イベントの担当に任命されたあなた。まず「会場」の空き状況を調べたり、「景品」のカタログを見始めたりしていませんか?

実は、成功するイベントと失敗するイベントの決定的な差は、そのような準備作業の前に、しっかりと「設計」ができているかどうかにあります

多くの企業イベントを支援してきた経験から見えた、絶対に外してはいけない「2つのポイント」を解説します

また、この記事をご覧になっていただいた方へ向けて、周年記念イベントの企画や運営の実例をまとめた『周年記念イベント成功事例集』をご用意しました 。ぜひ合わせてご覧ください。 


【体験設計】「式典」でも「飲み会」でもない。第3の場としての『複合体験』のつくり方

周年イベントは、単なる厳格な「式典」でも、無礼講の「飲み会」でもありません 。

社長が業績や数値を語るだけの「論理的な情報発信」では、社員は退屈してしまいます。一方で、ただ集まって飲むだけの「双方向の雑談」では、本来伝えたい企業のビジョンや熱い想いは伝わりません 。

成功するイベントの正体、それは「複合的なコミュニケーション体験」です 。 参加者の感情を動かし、記憶に残すためには、以下の3つのファクター(要素)を意図的に設計する必要があります。

  • 会場(Place): オフィスで開催するのか、非日常的なスタジオを使うのか、オンラインで繋ぐのか。その「空間」そのものがメッセージになります 。
  • 演出(Effect): 照明、音響、映像などの技術です。いつもの会議とは違う「特別感」や「没入感」を作り出し、参加者の視線を引きつけます 。
  • 企画・コンテンツ(Content): 一方的なスピーチではなく、謎解き、クイズ、パネルディスカッションなど、社員が能動的に関われる仕掛けのことです 。

重要なのは「パズル」のような組み合わせ

これら3つの要素をバラバラに決めるのではなく、「こういう感情になってほしい」というコンセプトに沿って、パズルのように組み合わせることで、初めてイベントの目的が達成されます 。

企画の第一歩は、「終わった後に、社員がどんな状態になっていてほしいか(ゴール設定)」を決めることから始まります 。

  • 「社員同士の心理的な距離を縮めたい」なら: 全員参加型のコンテンツ × リラックスできる会場作り
  • 「会社の未来にワクワクしてほしい」なら: ビジョンを語るプレゼン × ダイナミックな映像演出

まずは「会場」を探すのではなく、「ゴール」を言語化すること。そこからの逆算こそが、ブレない体験設計の基本です 。

【内製と外注】「手作り感」と「プロのクオリティ」を使い分ける

担当者を最も悩ませるのが「どこまで自分たちでやるか」という線引きの問題ではないでしょうか 。

「せっかくの周年だから、プロに頼んで完璧なものにしたい」と考え、企画から運営まで全てを外注してしまうケースがあります。しかし、これは危険な賭けでもあります。全てを外注すると、演出は洗練されていても、どこか「他人行儀でよそよそしいイベント」になってしまいがちだからです 。

「自分たちの仲間が作った」ことが、体験を深くする

ここで言う「手作り感」とは、単に社長が自分の言葉でスピーチをする、といったことだけではありません。

  • 司会進行: プロのアナウンサーが流暢に話すよりも、顔なじみの社員が少し緊張しながらも懸命に進行する姿の方が、会場の一体感を生みます。
  • 企画・コンテンツ: 「あの部署の〇〇さんが考えたクイズ」や「有志メンバーが編集した動画」など、企画の背景に仲間の顔が見えることが重要です。
  • 投影資料・スライド: デザインは綺麗でも中身が一般的な画像素材ばかりでは響きません。社員しか持っていない秘蔵写真や、社内用語が散りばめられた資料こそが、共感を呼びます。

このように、イベントの随所に「自分たちの仲間が関わっている」という気配を感じさせること。これこそが、周年記念という特別な場の体験をぐっと深くし、参加者の心を動かすのです 。

成功企業が選ぶ「美味しいとこ取り」という選択肢

とはいえ、想いだけで全てを内製しようとすると、通常業務との兼ね合いで担当者がパンクしてしまいます 。

そこで、成功している企業の多くは「部分的な外注」による「美味しいとこ取り」を実践しています 。

  • 内製(自分たちで作る): 司会やコンテンツの中身、スライドの構成など、「仲間意識」や「温度感」が重要になる部分は、自分たちの手で作り込みます 。
  • 外注(プロに任せる): 絶対に失敗できない「進行管理」、没入感を生む「映像・音響」のオペレーション、専門的な「演出技術」など、「クオリティと安全性」が求められる部分はプロに任せます 。

「想い(ソフト)」は内製し、「技術(ハード)」は外注する。この役割分担こそが、社員の手作りによる温かみと、イベントとしての完成度を両立させる秘訣です 。

『周年記念イベント成功事例集』では、こうしたイベントの外注と内製の使い分けをした実際の企業様の実例をご紹介しています。実際に他社はどのような「体験」を設計し、どの部分を「プロに任せた」のか、実例をぜひご確認ください

まとめ:具体的な成功事例を見てみませんか?

周年記念イベントの体験をぐっと深めるポイントは、以下の2点でした 。

  1. ゴールから逆算する「体験設計」
  2. 内製と外注を使い分ける「賢いプロの活用」

では、実際に他社はどのような「体験」を設計し、どの部分を「プロに任せた」のでしょうか?

  • 社員の心に強く残る「インパクト」のある企画の裏側
  • 若手とベテランの世代間ギャップを埋める企画
  • 株主や取引先も参加するイベントでの"共感"の作り方

これらの事例をまとめた『周年記念イベント成功事例集』をご用意しました 。 ぜひ、貴社の課題に近い事例を探して、企画のヒントにしてください。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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