「会社に来て仕事しろ」という上司に、むりやりリモートワークさせてみた

「会社に来て仕事しろ」という上司に、むりやりリモートワークさせてみた

ITmedia NEWSの編集長は、若いくせに頭が固い。「仕事は会社に来てするもんだ」「長時間デスクを離れるときは一言いうこと!」などと、意味不明な言葉を連発する。

「同じ空間にいないと、コミュニケーションがうまくいかないのでは」「ディスカッションしづらい環境だとアイデアが生まれないんじゃないか」「管理者として誰がどれくらいの仕事をしているか把握するには、やはり会社に来ないと……」(編集長)

そんな編集長を見かねて、むりやりリモートワークさせることにした。場所は……岐阜県郡上市に決定。

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(左)筆者、(右)頭の固い上司

郡上市は、多くの水と趣ある独特な街並みが特徴。ニュースに追われる毎日と打って変わり、ゆったりとした時間が流れている。郡上市に到着しバスを降りると、さっきまでスマホばかり見ていた上司も少し元気になってきた。

 

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バスの中ではスマホばかり見ている編集長

 

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バスを降りたらいきなり元気になってきた

 

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鯉を撮る編集長。写真、撮りすぎでは……

 

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郡上市は食品サンプルも有名。皮付きみかんのサンプルを見つけては大はしゃぎしている

「いや~、いいね。郡上いいねぇ」と、上機嫌な上司。しかし、ふと思い出した――「そうだ、記事を更新しないと」「会議もある」(編集長)。

実はここ郡上市には、以前ITmedia NEWSの記事でも注目を集めた「HUB GUJO」(ハブグジョウ)がある(関連記事)。HUB GUJOとは、NPO法人が運営するシェアオフィス&コワーキングスペースで、常時社内に接続できるテレビ会議システムが導入されている。ここで仕事をすれば、いつも通り働けるというわけだ。

HUB GUJOに設置されているテレビ会議システム「V-CUBE Box」とマルチデバイス対応のWeb会議サービス「V-CUBE ミーティング」を使って、東京都千代田区にある社内につなぐ。

編集長 ども~。元気してる~? お、カタフチ記者、髪切った?

東京オフィス あれ? なんか楽しそうじゃないですか

編集長 そお? いやー、なかなか大変だよ(←うれしそう)。じゃ、早速だけど今月のPVと予算について……数字、行ってないよ。

 

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社内にいる編集部員とミーティング

ところで、遠隔でのミーティングといえば途中で接続が切れたり、音声がうまく聞こえなかったり、といったことがよく起こる。編集長はリモートワークにあまり前向きではなかったため、そのようなトラブルが起きたら「ほら、やっぱり」とかまたブツブツ言いそうだ。山里の中にたたずむこの環境で安定性は大丈夫か、資料はうまく共有できるか、と、実は少しどきどきしていた。

――数時間後、会議は無事終了した。

遠隔でのミーティングにあれほど懸念していた編集長だが、システムが途中で途切れることもなく、映像もなめらかで安定した会議ができたようだ。

実は、「V-CUBE Box」は安定性に優れていることで評判のテレビ会議システム。国際間での接続も問題なく行えるほどのクオリティーだという。また、「V-CUBE ミーティング」はクラウド型Web会議サービス。Office 365とも連携しており、資料の共有などもスムーズに行える。もちろんPCやモバイル端末など、さまざまな環境で使用できる。

会議室設置型のため、会議が終わった後もいちいち電源を落とすなどの操作をする必要もなく、編集長も編集部と常時つながっておしゃべりをしている。もしかしてこれ、気に入っちゃってる……? 気が向いたときにときどき画面に話しかけ、話が終わったら作業に戻る。普段よりなんだか雑談が多いような……??

編集長 専用デバイスで常時つながっているのはいいね。チームメンバーって、ある意味“余分”なコミュニケーションも大切なんだよね。必要なときだけ必要なやり取りをするので済む仕事なら外部の人にお願いすればよくて、メンバーとはコミュニケーションを通じて新しい仕事を生み出したり、人間関係を築いていったりすることが大切。それを、離れていても常時接続デバイスのおかげで実現できるのは大きいね。

 

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あれ? 意外とニコニコしている

こうして、2日間のリモートワークは終了した。あれほど会社で働くことにこだわっていた編集長が、リモートワークを楽しんでいる。表情も心なしかなごやかだ。人間、何が起きるか分からない。

ところで、このHUB GUJOでは、他にも数人が働いている。聞けば、割りばしを作っている人もいれば、和紙で作ったステッカーで商売をしている人、IT・デザイン系の企業など、さまざまな職種の人がいるようだ。東京で「シェアオフィス」と聞くと、どうしてもIT・デザイン系の企業だけをイメージしてしまうが、ここには不思議と多様な業種の人が集まっている。せっかくなので、ここで働く郡上割り箸代表であり、郡上エネルギーの代表取締役も務める小森胤樹さんに、なぜHUB GUJOで働いているのか聞いてみた。

「私は郡上へは林業をするために移住してきたわけですが、林業を担う人も、同業の人とだけ話していてもだめ。いろんな人と、さまざまな価値観でつながって、世の中の仕組みを変えなければいけない」(小森さん)

ここでは、そういった考えを持っている人が集まり、それぞれ商売ネタを常に探しているという。「そういう人が集まる空間で仕事をするから、話しているうちにおのずとビジネスが好転するんです。同じ業種の人と同じ空間で働くというのは、今の時代はもう効果的ではないかもしれない。私はここでいろいろな人と話している中で、割り箸の事業とは別に、発電事業者と手を組んで売電の事業も始めることにしたんです」(小森さん)

 

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郡上エネルギーの代表としてこのHUB GUJOに事務所を構える小森氏は郡上割り箸の代表もしている

 

HUB GUJOがオープンしたのは2017年3月のこと。「山里に住んでも仕事は最先端」というコンセプトで作られたという。HUB GUJOを立ち上げたメンバーの1人である、理事長の赤塚良成さんは次のように話す。

「私は郡上で生まれ、社会人になってからは名古屋でずっとソフトウェア開発をしていました。あるとき、ふと立ち止まって故郷を見てみると、そこには私の知らない郡上がありました。今、郡上はすごい勢いで人口が減っていて、市の財政が非常に厳しい状況です。毎年、20代の若者が300人ずつ減っています。若者の流出に伴い、子どももどんどん減っているんです。『自分がおじいちゃんになったとき、子どもが1人もいないかも……』、そんな恐怖がこみあげてきました」(赤塚さん)

 

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HUB GUJO理事長 赤塚良成さん

若者流出の原因は、郡上には教育機関や就職する場所が十分整っていないと考えられてきたからだという。「親たちは『ここで働くのは難しいから、しっかり勉強して都市部で働けよ』と育てざるを得ないんです」(赤塚さん)

赤塚さんは、そんな郡上に新しい雇用サイクルを生み出そうと、HUB GUJOを立ち上げた。そしてこれから、ビデオ会議システムを活用した2つのアイデアを実現しようとしていることを私たちに話してくれた。1つは「遠隔でのアルバイト」、もう1つが「遠隔教育」である。

遠隔でのアルバイトは、郡上出身の高校生にHUB GUJOでプログラミングなどの学習機会を与え、彼らが大学生になって都市部に移り住んでからも、HUB GUJOが獲得した開発案件をリモートで手伝ってもらうというアイデアだ。昔は「リモートでアルバイト」なんてことは考えられもしなかったが、今ならできるのではないかと赤塚さんは考えている。若者がインターネットを通じて地元と常時つながることで、また郡上に帰ってきてもらおう――という作戦だ。

もう1つが「遠隔教育」。これは、ひと学年数人しかいない郡上の学校同士をつなげ、遠隔授業をするという取り組みだ。生徒はそれぞれの意見を持った多くの友達に出会えるし、先生同士も情報交換のために、わざわざ1時間以上かけてクルマで移動する必要もなくなる。例えば「V-CUBE ミーティング」を全ての学校に導入し、それぞれの学校がシームレスにつながる環境を整えたとき、教育の在り方もまた変わるのではないかと赤塚さんは想像する――「全てがつながって、人が自由に交流すると、地域全体が活発になる。ぼくらは今、すごくわくわくドキドキしているんです」

「会社に来て仕事をしろ」という上司に「外でもできるよ!」と証明するつもりだった今回のリモートワークプロジェクト。しかしそれ以上に、業種を超えた交流や人とのつながりが濃い環境に身を置くことは、新しいビジネスアイデアが生まれるチャンスだった。

それから、前よりちょっとだけ……頭の固い編集長と仲良くなれたかも?


郡上を楽しむ編集長【写真集】

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川を眺める編集長

 

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街を歩く編集長

 

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ポーズを決める編集長

 

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坂を下る編集長

 

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看板を読む編集長

 

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郡上八幡で働く人と交流する編集長。
スタジオ伝伝の藤沢百合さんは、都心部から郡上に移り住んで働いている

 

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このステキなお庭は、藤沢さんがデザインしたもの

 

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そこらじゅうで水が湧き出ている郡上

 

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なつかしい丸いポスト。たまにはこんなところで働きたいなぁ~


転載元:ITmedia NEWS

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