DX推進の障壁となる5つの課題|DXの効率的な進め方を徹底解説

2018年に経済産業省が「DXレポート」を公開してから、日本企業の間でもDX推進の流れが広がっています。しかし、さまざまな課題によってスムーズに取り組めていない企業も多いのではないでしょうか。

DXの推進には多くの人手や予算が必要で、「既存システムが複雑化していて簡単に切り替えられない」など技術面の課題も目立ちます。DXを実現するには、各企業が抱える課題を解消しなければなりません。

本記事では、DX推進における代表的な課題と、効率的にDXを推進するステップを解説します。今すぐ始められるデジタル化の例も紹介しているので、DXについて悩みを抱える担当者はぜひ参考にしてください。

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DX推進における課題

企業のDX推進を阻む代表的な要因として、以下のようなものが挙げられます。

  • 人材不足
  • システムのブラックボックス化 / 既存システムの負担
  • 組織文化・変化への抵抗
  • データ管理と活用の課題
  • 予算不足

上記のような課題は、多くの日本企業が抱えています。それぞれの課題について次の章で詳しく解説するので、自社に当てはまるものがないかチェックしてみてください。

人材不足

DXを推進するには、IT関連の知見やスキルを持った人材が必要です。しかし、IT人材を十分に確保できている企業はそれほど多くありません。

IPAが発行する「DX白書2023」では、DXを推進する人材の「量」と「質」の過不足を調査しています。量については「やや不足している」もしくは「大幅に不足している」と回答した企業が、合計で83.5%に上りました。質についても同様に、合わせて86.1%の企業が不足を感じているという結果が出ています。

上記の数字は2022年度の調査結果ですが、2021年度の結果と比較すると量・質ともに「大幅に不足している」と回答した企業の割合が2022年度のほうが高く、IT人材不足に悩む企業が増加していることがわかります。

システムのブラックボックス化 / 既存システムの負担

日本企業では事業部門ごとにシステムを構築するケースが多く、独自の業務フローに合わせるように過剰なカスタマイズを重ねているシステムも少なくありません。古くから使われている複雑化したシステムを「レガシーシステム」と呼び、最新技術の適用が難しく、データ連携のハードルが高いことからDX推進の足かせとなっています。

2018年に経済産業省が公表した「DXレポート」のなかでも、DXの実現を阻む要因のひとつとして既存システムの複雑化・ブラックボックス化が挙げられています。複雑化したシステムは維持管理に手間がかかり保守・メンテナンスの人手不足やコスト増に悩むケースも多いです。新たなシステムにリプレイスするにも、やはり人手不足や予算確保が難しく、結果としてDXが進まない企業も多いのが実情です。

組織文化・変化への抵抗

DXを実現するには、既存システムや業務フローを刷新する必要があります。ただ、レガシーシステムを長く使い続けている場合は、新システムや新たな業務フローに移行すると、大きなストレスがかかります。慣れた業務フローが変わったり、新しいシステムの使い方を覚えたりすることに抵抗を示す従業員が出てくることも予想され、社内説得にも労力がかかるでしょう。

DXの目的や効果を現場にしっかり伝えられなければ、スムーズに取り組みを進められません。DX実現によって成し遂げたいことを経営層が明確化し、企業全体に浸透させる必要があります。

データ管理と活用の課題

DXはデジタル技術を使って事業に変革をもたらす取り組みのことで、データを活用した事業拡大や業務フローの改革なども含まれます。DX推進のためには、売上データや会計データ、顧客データなど社内で管理する多様なデータを集めて分析しなければなりません。

しかし、レガシーシステムは他のシステムとの連携を想定していないものも多く、データの管理や活用がスムーズにできないケースが見られます。経済産業省の「DXレポート」のなかでも「全社横断的なデータ活用ができない」という点もDXの障壁として挙げられました。

予算不足

予算不足もDX推進を阻む要因のひとつです。DX推進のためには、既存システムの刷新や新しいITツールの導入、IT人材の採用などのために多くのコストがかかります。しかし、DXのために多くの予算を投入できる企業ばかりではないでしょう。

複雑化・ブラックボックス化しているシステムは、維持管理費が高額になりがちです。既存システムの管理費が自社のIT予算の多くを占めている場合は、DXに予算をかけられず対応が進められません。

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DX推進のステップ

DX推進は、以下のステップのように段階的に進めるのがおすすめです。

  1. まずは小規模から始める
  2. 徐々に規模を大きくしていく
  3. 社内全体に展開していく
  4. データの活用を進める

それぞれのステップで取り組む内容について、以下で解説します。

まずは小規模から始める

まずは、特定の部署のアナログ業務をデジタル化するなど、小規模な改革から始めましょう。例えば、次のようなペーパーレス化が効果的です。

変更前

紙の請求書を作成し、別途手入力で会計ソフトに請求データを入力する

変更後

電子請求書を発行し、自動で会計ソフトにデータを取り込む

特定の業務に関わる従業員にのみシステムの使い方を説明すれば良いため、大規模な説明会やマニュアルの整備などが必要なく、スピード感を持って進められます。変更になるのは一部の業務のみとなるため、従業員の負担や抵抗感も少なく済むでしょう。

徐々に規模を大きくしていく

次に、小規模なデジタル化から徐々に規模を大きくしていきます。例えばクラウド会計ソフトを導入すると、次のような業務改善が可能です。

変更前

会計ソフトにデータを手動入力する

変更後

電子請求書を自動で読み込み、経費計算や仕訳作業まで自動化する

請求関連データの取り込みに加えて経費計算や仕訳まで自動化できると、従業員はより便利さを感じられるでしょう。実際にメリットを感じられると、現場でもDX推進への積極性が生まれやすくなります。

社内全体に展開していく

続いて、本格的なツールを導入して全社へ展開していくフェーズです。例えば部署ごとにバラバラのシステムを利用している場合、次のように統一のERPシステムを導入することでデータ活用がしやすくなります。

変更前

各部署ごとに異なるソフトウェアを使用していて、データの保存場所や形式がバラバラ

変更後

全社統一のERPシステムを導入し、販売・購買・在庫・会計などの情報を一元管理する

全社導入に先駆けてデジタル化を進めてきた部門がリードできれば、いきなり全社展開するよりも従業員の抵抗や混乱が少なく済みます。

データの活用を進める

全社横断的にデータを連携できる環境が整ったら、次のように各サービスのデータを統合してデータ活用を進めます。

変更前

売上データや顧客データが別々に管理され、相関関係の分析が困難

変更後

データを統合して顧客の購買傾向や市場のトレンドを分析し、新商品の開発やマーケティング戦略の検討に活用する

レガシーシステムから全社統一のERPシステムやデータ連携しやすいクラウドサービスなどに切り替えることで、各種データを経営に活用しやすくなるでしょう。

DXを段階的に進めるべき理由

DXの段階的な推進をおすすめするのは、以下のようなメリットがあるためです。

  • 社内のITリテラシーを少しずつ高められる
  • 従業員の負担や抵抗感が少ない
  • レガシーシステムと棲み分けながら徐々に移行できる

特定の業務や部署のデジタル化から始めると、ITツールを使い慣れていない従業員でも、少しずつ知識やノウハウを身につけられます。大掛かりなデジタル化を急に進めると、うまく適応できない従業員のフォローが多発した際に、DX担当者の業務がひっ迫する恐れがあります。一方で、小規模からのスタートならトラブル対応も最小限で済み、無理なく進めやすいのがメリットです。

新しい業務フローやシステムの使い方を覚える際は、通常業務を止めることが難しいため、どうしても一時的に従業員負荷が増えてしまいます。一気に全社統一のシステムに切り替えるよりも、一部の業務から段階的に進めるほうが負担や抵抗感を少なくできます。

レガシーシステムには課題が多くある一方で、予算や人員、従業員からの抵抗などさまざまな要因ですぐに切り替えられない企業も多いでしょう。段階的なデジタル化は、レガシーシステムとの棲み分けをしながら徐々に移行を進められるというメリットもあります。

今すぐ始められるデジタル化の例

先述のとおり、DXは一部業務のデジタル化から段階的に進めるのがおすすめです。以下で今すぐ始められるデジタル化の例を5つ紹介するので、DX推進の最初のステップとして取り組んでみてください。

電話のデジタル化

クラウドPBXを導入すると、電話のデジタル化が可能です。クラウドPBXはインターネット回線を使って外線・内線通話を利用できるサービスで、固定電話だけでなくスマートフォンやパソコンからもオフィスの代表番号での発着信や内線通話ができます。

通話の録音やテキスト化に対応したクラウドPBXを導入すれば、商談内容の分析やトラブル発生時の確認など、さまざまな用途に通話データを活用できます。

例えばWeb会議システムで知られる「Zoom」が提供するクラウドPBX「Zoom Phone」は、スマートフォンやPCなどマルチデバイスで利用でき、通話データを録音し、文字起こしや商談解析等へデータを利用できます。

より詳しくZoom Phoneについて知りたい方向けに製品カタログを配布しています。下記よりご覧ください。

在庫管理のデジタル化

在庫管理を紙の帳簿やエクセルから専用のツールに移行すると、在庫数の最適化や仕入れ作業の効率化が可能です。在庫管理のためのソフトウェアやアプリは多く提供されていて、在庫数の推移を分析したり在庫数が少なくなったときに通知を出したりできます。これらの機能によって、商品の欠品や過剰仕入れによる廃棄が発生しづらくなり、利益の最大化が目指せます。

契約書類のデジタル化

電子契約サービスを活用すると、契約書類のデジタル化が可能です。オンラインでのやりとりだけで契約を締結できるため、紙の契約書の郵送・捺印・返送などの作業を効率化できます。契約書はオンライン上で管理するため、日付や会社名で検索すればすぐに必要な契約書を確認できるなど、紙の契約書より管理も簡単です。

報告書・提出書類のデジタル化

文書管理システムで報告書や提出書類をデジタル化することで、書類の提出や確認、管理が楽になります。例えば「営業報告の書類を外出先で作成してアップロードし、出張中の上司に確認を依頼する」など、作成者と確認者が離れた場所にいてもスムーズな提出と確認が可能です。

経費精算のデジタル化

経費精算システムを導入すると経費の申請から承認までオンラインで完結し、仕訳や振込に関するデータ作成も自動化できます。領収書や請求書を電子データとして添付すれば、申請者と経理担当者の間で紙をやりとりする必要はありません。外出の多い営業担当者やテレワーク中の従業員も経費精算がすぐにできて、経理担当者の作業負担も減らせます。

まとめ:DXを成功させる鍵はスモールスタート

IT人材や予算の不足、従業員からの抵抗など、DX推進には多くの課題があります。「DX推進にかけられるリソースが限られている」「従業員のITリテラシーが高くない」といった場合は、一部業務のデジタル化から始めるスモールスタートを採用しましょう。

デジタル化によってITツールの便利さを実感してもらうことで従業員の抵抗感を減らし、徐々に社内全体に展開していくのがポイントです。クラウドPBXや在庫管理アプリ、経費精算システムなど、各業務をデジタル化するクラウドサービスが多く登場しているため、活用を検討してみてください。

 

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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