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「人生100年時代」に企業はどう生きるか

「人生100年時代」に企業はどう生きるか

少子化と超高齢化社会の両方が問題視されている日本。年金や老後2000万円問題、生産労働人口の大幅減少など問題が山積みです。そんな中、ロンドン・ビジネススクールの教授が著した『LIFE SHIFT―100年時代の人生戦略』で、衝撃的な提言がありました。それは、私たちの寿命が延び、「人生100年時代」を迎えるようになるというもの。現在の平均寿命よりもさらに長く人生を過ごすことになるなら、どんな生き方、働き方が必要になるのかをいくつかのケーススタディでまとめてくれています。

この本を読んで、あるいは話を聞いて将来への不安を抱いた人も多いでしょう。そんな人のために、この記事では人生100年時代を迎えるにあたって、「企業はどんな対策を取るべきか」をまとめてご紹介します。労働力の確保から働き方の変化まで、今から対策すべきことをぜひ検討してみてください。

人生100年時代とは

「人生100年時代」があちこちで聞かれるようになったのは、冒頭でご紹介したロンドン・ビジネススクールの教授、リンダ・グラットン氏の著書『LIFE SHIFT―100年時代の人生戦略』の内容で触れられていたためです。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

参照:LIFE SHIFT(ライフ・シフト)―100年時代の人生戦略

著書の中には、これから医学が進歩し長寿化することによって人生が100年という時代になること、それに応じて「20年学び、40年働いて、20年は余生を過ごす」というテンプレート的な生き方ではなくなることが書かれています。

なぜかというと、20歳前後から40年働いて60歳前後で引退してしまった場合、100歳までの残り40年間分の老後資金が足りなくなるからです。また、引退してしまうと余生の期間40年間と働いた時間と同じだけ長くなります。40年間を充実して過ごせるようにするには、仕事を続けるか、ライフワークと呼べるような趣味を見つける必要があります。

さらに金銭面の問題だけでなく、人生100年時代になればキャリア・健康・人間関係などに対して、「100年という長い人生の中でどう取り組んでいくか」を考えながら生きていく覚悟が必要だとも書かれていました。

『LIFE SHIFT』の中では、これまでの働き方、今の若手世代の働き方、今の子供世代の働き方をケーススタディとして提示し、どう変化していくのかをわかりやすく解説してくれています。

しかし、自分がやりたいことや歩んできたキャリアが、著書のケーススタディに当てはまるケースは多くないでしょう。これから迎える人生100年時代は、このようにロールモデルがない中でも「自分は何を大事にしていきたいか」「どうしていけば充実した100年の人生を送れるのか」という答えを、それぞれが出していくしかないのです。

日本政府による「人生100年時代構想会議」

小泉進次郎氏が「人生100年時代」を取り上げたことから国会内でもその言葉が普及し、日本政府も2017年に「人生100年時代構想会議」を発足させました。そして同年12月には、「新しい経済政策パッケージ」を閣議決定しました。

新しい経済政策パッケージ

新しい経済政策パッケージの内容は、大きく分けて人づくり革命と生産性革命の2つ。人づくり革命には幼児教育、高等教育の無償化や待機児童解消、介護人材の処遇改善などを含み、教育を手厚く・働きやすい環境を作ることが挙げられています。

2つ目の生産性各区名は中小企業・小規模事業者への投資促進と賃上げ環境整備、事業承継の支援、収益向上などを含んでおり、大きな改革を目指して具体化推進していくことが決まっています。

出典:首相官邸ホームページ - 人生100年時代構想会議(PDF)
出典:内閣府ホームページ - 新しい経済政策パッケージ(平成29年12月8日)(PDF)

人生100年時代の働き方

人生100年時代の由来や影響力がわかったところで、人生100年時代の働き方がどうなるのかを考えていきましょう。内閣府ホームページにも、人生100年時代の人材と働き方についてどうしていくべきかが載っています。

人手不足・少子高齢化・生産労働人口の減少・女性活躍がままならない現状など今の日本が抱える構造的な課題は変わらず存在しています。それに加えて平均寿命の延伸・技術革新が訪れるため、ワークライフバランス・生産性向上に取り組む必要があると書かれているのです。

これまでも女性活躍やダイバーシティなどが話題に挙がってきましたが、いよいよ人生100年時代を迎えるにあたって、より具体的な課題として捉えられていることがわかります。

出典:内閣府ホームページ - 平成30年度 年次経済財政報告 第2章人生100年時代の人材と働き方

人生100年時代に企業は何に取り組むべきか?

政府もこれまでに「働き方改革」を打ち立て、さまざまな問題に取り組んできました。しかし、平均寿命が延びていく今後は、さらに労働者の多様化が予想されます。長寿化によって働く年齢が延びる可能性も高いですし、育児・介護をするという理由や、人生100年時代の中で仕事以外のことに取り組む時間を作るため、働き方を変えたいと考える人も多くなるでしょう。

またこれからの情報技術の革新などによって、働き方が否応なしに変わっていく可能性も十分にあります。厚生労働省が作成した資料によると、情報技術の活用を増やした企業は、労働生産性が高く、ワークライフバランスの改善にもつながるという報告があります。

ここからは情報技術の革新が求められる状況に対して、企業が何に取り組めばいいのかを具体的にご紹介していきます。

厚生労働省ホームページ - 平成29年版 労働経済の分析 第2章 働き方をめぐる環境の変化とワーク・ライフ・バランスの実現(PDF)

出典:厚生労働省ホームページ - 平成29年版 労働経済の分析 第2章 働き方をめぐる環境の変化とワーク・ライフ・バランスの実現(PDF)

技術革新による働き方の変化に対応する

まずは技術革新によって働き方自体が変わっていくため、働く場所の制約がなくなっていくことが予想されています。また、副業などが認められる流れができていることから、会社に対する帰属意識も薄まり、企業は就業してくれる人に「選んでもらえる会社になる」必要が出てくるでしょう。

そのため、企業としてはテレワークを始めとした、働く場所や時間の自由度を高めること。また、これまで労働時間を対価としてきた制度を、成果主義に切り替えるなどの改革が必要となります。さらに技術を活用して定型的な仕事を人間がやらなくても済むようになれば、生産性が向上する一方、その仕事に必要だった人や人件費もかからなくなります。その分の費用をさまざまな働き方改革に使うなど、柔軟な動きが求められるでしょう。

柔軟な働き方が労働生産性を伸ばす

技術革新による働き方の変化でご説明したように、環境整備が急務であることはもちろん、フリーランスなど雇用関係にとらわれない働き方も取り入れていく必要があります。今後、生産労働人口が減少することは事実です。これまでのように、正社員として雇う方法だけで企業運営をするのは難しくなるでしょう。

そのため、雇用によらない働き方の人材を確保しておくことが重要です。雇用によらない働き方の人材と、雇っている人とのバランスを見ながらうまく労働分配をし、労働生産性を伸ばしていくことも重要です。第2-3-2図 働き方の見直しがもたらす効果のデータを見ても、働き方の見直し(テレワーク・フレックス勤務・有給休暇取得促進・長時間労働の是正)を積極的に行った企業は、積極的に取り組まなかった企業に比べて、倍以上の割合で労働時間が減少しています。また、同じく働き方の見直しをした企業の生産性伸び率も大幅に上がっていることが見て取れます。

内閣府ホームページ - 平成30年度 年次経済財政報告 第2-3-2図 働き方の見直しがもたらす効果

出典:内閣府ホームページ - 平成30年度 年次経済財政報告 第2-3-2図 働き方の見直しがもたらす効果

女性の活躍が業績をアップさせる

日本では以前から女性活躍のための取り組みを行ってきましたが、家庭の中で育児や介護を担当することの多い女性が労働参加しにくい現状は大きく変わっていません。待機児童問題、働き方の自由度の低さなどで両立が難しくなっているのです。

しかし、経済産業省が出しているデータによると、女性の活躍推進が進んでいる企業ほど経営指標が良く、株式市場でも高い評価を得ています。ワークライフバランスに取り組んでいる企業の方が、取り組まない企業に比べて業績が良いことがわかっているのです。

女性の活躍推進が進む企業ほど経営指標が良く、株式市 場での評価も高まる。

出典:経済産業省ホームページ - 平成24年5月22日付 女性の活躍による経済活性化を推進する関係閣僚会議 経済産業大臣配付資料(PDF)


この結果を見ても、女性が働きやすい環境を整備することは労働者だけのメリットではなく、企業にとっても大きなメリットだとわかります。

高齢者の活躍で労働力を確保する

生産労働人口は、今後数十年の間に大幅減少する見込みが立っています。

人生100年時代を迎える企業にとっては労働力を確保するためにも高齢者を雇用し、活躍してもらうことが重要です。

また、60代前半の方を対象にしたみずほ総合研究所の調査では、週5日出勤のフルタイム希望が19%、週5日出勤で短時間労働希望が22%と若干多いことがわかりました。週数日で短時間勤務を希望する人に至っては37%と一番多い割合を占めています。これからの人生100年時代は、柔軟な働き方ができる環境整備が必要だとわかります。

出典:みずほ総合研究所 - みずほ政策インサイト 2006年8月16日発行(PDF)」(2)高齢者が希望する勤務形態とはどのようなものか

まとめ

人生100年時代を迎える企業にとって、柔軟な働き方を用意することは急務だとさまざまなデータが示しています。ワークライフバランスの促進、テレワーク・フリーランス・短日短時間勤務、そして技術革新に対応した労働環境の整備など企業が取り組むべきことは明確です。

現在働く場所の制約があることで、介護や育児との両立が難しくなっている労働者も多いです。そのため、テレワークが可能な環境は早急に整えていくべきでしょう。

働く側にとっても、企業にとってもメリットの高い働き方を実現することで、人生100年時代を生き抜く基盤を作れるはずです。業績向上のためにも、今から1つずつ取り組みをスタートしてみてはいかがでしょうか。

山田 陽一
著者情報山田 陽一

デザイン制作会社、広告代理店、フリーランスを経てブイキューブへ入社。社会の働き方の変化を実感し、ブイキューブの活動に共感。ブイキューブサービスを世の中に広く伝えるため、マーケティング プロモーション周りのディレクション・デザインを担当。

慢性的な人手不足や採用難にはテレワークの導入を検討を

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そこで導入を検討していきたいのが、テレワークです。テレワークとは、パソコンやスマートフォンなどICT技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

テレワークの導入により

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