スマホを内線化する4つの方法|メリット・デメリットや適したケースを解説

従来のオフィスは、固定電話から外線や内線を利用するのが一般的でした。しかし近年では、スマートフォンから内線を利用するための機器やサービスが登場しています。スマートフォンを内線化すると、オフィス以外の場所からでも内線通話を利用できるので、従業員の外出が多い企業やリモートワークを実施している企業にとってメリットが大きいです。

この記事では、スマートフォンを内線化する4つの方法を紹介します。それぞれの方法のメリット・デメリットや、どの内線化の方法を選べばいいかを解説しているので、スマートフォンの内線化を検討している方はぜひチェックしてみてください。

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スマートフォンを内線化する方法

スマートフォンを内線として活用するには、主に次の4つの方法があります。

  • クラウドPBXを利用する
  • IP-PBXを利用する
  • スマホ内線化用アダプタを利用する
  • FMCサービスを利用する

それぞれの方法について、詳しく見ていきましょう。

クラウドPBXを利用する

クラウドPBXとは、複数の電話回線をつなぐ電話交換機(PBX)の機能をクラウドサービスとして提供するものです。

従来はオフィスにPBX本体を設置し、電話回線を使って外線と内線や内線同士の接続を行うのが一般的でした。一方、クラウドPBXはインターネット経由でサービスを提供するのが特徴で、スマートフォンやパソコンといったインターネットに接続できる端末から内線機能を利用できます。

クラウドPBXは、オフィスへのPBXの設置や電話回線の配線工事などは不要です。サービスを契約してスマートフォンやパソコンに専用アプリをインストールすれば、すぐに利用を開始できる手軽さがメリットです。

一方、クラウドサービスのため、使用するアカウントが増えれば毎月の利用料が膨らみやすい点はデメリットでしょう。例えば、内線番号1つあたりの金額が設定されているサービスの場合、「内線数×月額利用料」の費用が毎月発生します。

IP-PBXを利用する

IP-PBXは、電話回線ではなくインターネット回線を使うPBXのことです。先述のとおり、従来のPBXは電話回線を使って外線や内線を接続しますが、IP-PBXはインターネット回線を使うため、スマートフォンやパソコンなどでも内線の機能が利用できます。

インターネット回線を使う点は、先述のクラウドPBXと同じです。しかし、クラウドPBXは外部の事業者が提供するクラウドサービスであるのに対して、IP-PBXは自社のオフィスにPBX本体を設置する点で異なります。

自社でPBXを管理するIP-PBXは、クラウドPBXのような月額料金が発生せず、ランニング費用を抑えられるのがメリットです。また、通信網をオフィス内で管理するため、セキュリティ性が高いというメリットもあります。

一方、PBX本体の購入費や設置のための工事が発生する点に注意が必要です。オフィスにPBXを設置する必要があるため、導入時に手間やコストがかかるのがデメリットと言えます。

スマホ内線化用アダプタを利用する

スマホ内線化用アダプタとは、オフィスに設置しているPBXに取り付けることで、スマートフォンから内線機能を利用するための機器を指します。すでにオフィスにPBXを設置している場合は、アダプタを購入して追加設置するだけで利用開始でき、月額料金がかかりません。そのため、スマホ内線化用アダプタは、PBXを設置済みのオフィスであれば手軽かつ安価に導入できるのが大きなメリットです。

ただし、既存のPBXに対応したアダプタが提供されているかどうかの確認が必要です。スマホ内線化用アダプタは、それぞれ対応するPBXの機種が決まっていて、既存のPBXに対応したアダプタが販売されていなければ利用はできません。

FMCサービスを利用する

FMCサービスは固定電話と携帯電話をひとつのキャリアにまとめることで、スマートフォンを内線化できるサービスです。各携帯キャリアが提供しており、通話時には各キャリアの通信環境を利用するため、音声品質が高く安定しているのがメリットです。また、固定電話とスマートフォンのキャリアをひとつにまとめると、通信費を削減できる可能性もあります。

一方、現在複数のキャリアと契約している場合は、キャリアの統一に手間がかかる点がデメリットです。場合によっては、解約時に違約金が発生することもあります。また、従業員が個人所有するスマートフォンで内線を利用したい場合、全従業員が契約するキャリアを統一するのは現実的ではないため、FMCサービスの利用は適さないでしょう。

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スマートフォン内線化の決め方

ここまで紹介してきたように、スマートフォンを内線化するにはいくつかの方法があります。それぞれ特徴やメリット・デメリットが異なるため、自社に合う方法を選ぶことが大切です。

クラウドIPX・IP-PBX・スマホ内線化用アダプタ・FMCサービスの4つの方法について、それぞれどのようなケースに適しているのかを解説します。どの方法を選ぶべきか迷っている人は、ぜひ参考にしてください。

クラウドPBXの利用が向いているケース

クラウドPBXは、中小企業から大企業まで、幅広い企業に適している方法です。各オフィスにPBXを設置する必要がないため、特に複数の拠点を持つ企業やリモートワークを実施している企業におすすめです。

クラウドサービスであるクラウドPBXは、事業者を選定してサービスを契約すればすぐに利用を始められます。初期投資が少なく管理もシンプルなため、導入コストや運用の手間を抑えたい企業にも適しているでしょう。

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IP-PBXの利用が向いているケース

IP-PBXは、中規模から大規模な企業で自社内に専門的なITサポートチームを有している場合に適しています。オフィスにPBX本体を設置して自社で保守運用する必要があるため、専門で対応できるリソースが不足している企業にはあまり向いていません。

専門的なITサポートチームがある企業なら、自社でPBXを管理して、高度なカスタマイズを加えることが可能です。そのため、既存の電話システムとの統合が求められる場合や、セキュリティや機能性に関して個別に叶えたい要件がある場合には、IP-PBXが適していると言えます。

スマホ内線化用アダプタの利用が向いているケース

スマホ内線化用アダプタは、小規模企業やスタートアップ企業におすすめです。PBXに専用のアダプタを設置するだけで利用できるので、設備投資や運用保守の負担を最小限に抑えられます。スマートフォン側の作業は専用アプリをインストールするだけで、キャリアの制限などもないため、既存のスマートフォンを活用して内線化を実現できます。

また、簡単なセットアップで利用を始められ、月額利用料などもかかりません。人材や予算といったITリソースが限られている場合は、スマホ内線化用アダプタの活用を検討してみてください。

FMCサービスの利用が向いているケース

FMCサービスは企業の規模を問わず活用が可能ですが、特に「大規模な営業部門がある」など外出する従業員が多い企業に適しています。携帯キャリアの通信環境を利用して通話ができるため、外出先でもオフィス内と同じような高い音声品質の内線通話が可能です。

外出の機会が多い従業員には、特定のキャリアの業務用スマートフォンを支給しているケースも多いでしょう。このようにスマートフォンのキャリアが既に統一されている場合は、FMCサービス導入のハードルが低くなります。

まとめ

スマートフォンを内線化すると、外出やリモートワーク中でも内線電話の機能を利用できます。内線なら通話料がかからないため、「営業部門の通話料が高額」「リモートワークを導入してから通話料が増えた」といった場合にはスマートフォンの内線化がおすすめです。

スマートフォンを内線化する方法は複数あるため、自社に合った方法を選ぶ必要があります。企業の規模や重視したいポイントによって適した方法が異なるので、本記事で紹介した「スマートフォン内線化の決め方」を参考にしながら検討してみてください。

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山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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