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テレワークで進む地方移住。気になる支援金や事例を解説

テレワークで進む地方移住。気になる支援金や事例を解説

テレワークの導入が進み、いまやどこにいても仕事ができることが当たり前になってきました。こうした働き方の変化に伴って、都心部から地方への移住を検討する人が増えています。

ここでは、テレワークで進みつつある地方移住について、どのような移住のパターンやスタイルがあるのか、また、どういった支援金・助成金があるのかについても、詳しくご紹介します。

テレワークの進展と地方移住の動向 

4人に1人が地方移住を検討

テレワークは、インターネットを活用した働く場所を問わない働き方で、近年急速に進展しています。

特に、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降は、通勤を必須とするような従来の働き方や、生活・行動に関する人々の意識も大きく変化し、大手企業でもテレワークを導入する企業が増えています。

こうした状況の中で、テレワークを前提として都心部から地方への移住を検討している人も増えています。

2020年6月に内閣府が行った調査では、「今回の感染症の影響下において、地方移住への関心に変化はありましたか」との質問に、「関心が高くなった」「関心がやや高くなった」と答えた人が、テレワーク経験者の場合約25%と、4人に一人が地方移住への関心を見せています。

テレワーク経験者の意識変化

出典:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」

回答の背景には、コロナ禍に伴う通勤時間の減少があります。

同調査で、東京圏に在住する人の約50%、大阪・名古屋圏に在住する人の約35%が1週間の通勤にかける時間が減少したと回答。通勤時間が減少した人の約70%は、減少した通勤時間を今後も「保ちたい」「どちらかというと保ちたい」と回答しています。

テレワークによる通勤時間の変化

出典:内閣府「新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」

企業ごと地方へ移転するケースも

また、個人での移住だけではなく、企業が本社機能を地方に移転・分散する動きも広がりつつあります。

人材派遣やコンサルティング業務を行う株式会社パソナグループでは、本社所在地は都市圏に残しつつも、主な本社機能である人事や広報、財務といった部門を地方に移転させ、全従業員の約7割におよぶ1200人近くの従業員も段階的に移住させる計画を打ち出しました。

こうした動きは今後も広がっていくと見られており、従業員に対してテレワークを前提とした多様な働き方、豊かなライフスタイルを提案する企業はこれからも増加していくでしょう。

参考:パソナグループ 本社機能を分散、淡路島に移転開始

3つの移住パターン 

一言で「移住」といっても、さまざまなパターンがあります。

移住のパターンとしてよく知られているものでは、以下の3種類を挙げることができます。

  • Uターン
  • Jターン
  • Iターン 

以下でそれぞれ詳しく見てみます。

Uターン

地方から都市部に移住した人が、再び故郷に戻ることを「Uターン」と呼びます。

たとえば、栃木県内の農家に生まれ、進学を機に東京都内に転居。そのまま都内で就職して経験を積んだ後、栃木県の実家などに戻るといったケースが当てはまります。

月のほとんどを地方で過ごし、数日のみ都内に上京するといった働き方も、テレワークならば可能です。また、地方では都心部の大手企業などで高いスキルを身につけた人材が求められていることが多く、副業を禁止していない企業であれば、地方で自分のノウハウや経験を生かした副業をすることも考えられるでしょう。

Jターン

生まれ育った故郷から進学や就職で都会に移住した後、故郷ではなく、故郷に近い地方都市に移住するケースは、「Jターン」と呼ばれます(「U」の文字のカーブが途中が切れているように見えることから)。

たとえば、静岡県の山間部で生まれ、就職を機に東京都内に移住。結婚後、家族が増えたことを機に、子育ての環境などを考えて、静岡県浜松市に移住するようなケースが「Jターン」に該当するでしょう。

新幹線の駅がある、空港から近いなどといった利便性に加えて、山間部の実家にも行き来ができることを考慮して選択する人も少なくありません。

子育ては静かで自然豊かな環境で、かつ必要があれば都心部にもアクセスが比較的容易に可能、といった働き方を考えている人にはメリットの多い選択肢だと言えます。

Iターン 

都心部に生まれ育った人でも、当然移住を検討する人は少なくありません。東京・大阪・名古屋といった都市圏に生まれ育った人が、地方に移住して働くことを「Iターン」と呼びます。

たとえば、大阪市内に実家があり市内の就職先に実家から通勤していたが、離島での生活に憧れて沖縄県に移住するといったケースが「Iターン」と呼ばれます。

場所と距離にもよりますが、Iターンでも転職ではなくテレワークで従来の仕事を進めることも可能でしょう。ただ、Iターンを決意する人の中には、「都会の暮らしが合わない」と考えてライフスタイルそのものの転換を図るケースも少なくありません。

従来の仕事をテレワークで続けながら可能かどうかは、職場の理解や体制の柔軟性によるところもあると言えますが、いずれのパターンでも、どのようなライフスタイルを目指すのか自身で理想の形を具体的に考えてみる必要があるでしょう。

5つの移住スタイル

移住と言っても、ある日突然住所を変更して転居するような形はあまりおすすめできません。

一定のグラデーションを持ちながらある程度の時間をかけて徐々に拠点を移すほうが、現地の人たちとのコミュニケーションをとることができ、移住先のコミュニティの様子や、現地のライフスタイルも深く知ることができます。

また、本格的な「移住」というよりも、まずは田舎暮らしを体験してみたい、そこから本格的な移住を検討したいと考える人も少なくありません。

このように、移住のスタイルも「体験」から「完全移住」までの間にさまざまな形があります。具体的には、内閣府が提示する以下の5つが挙げられるでしょう。

  • 体験移住スタイル
    • 期間:1~3日程度
    • 滞在施設:農家民宿・ホテル・ペンション・滞在型都市農園
  • 長期滞在スタイル
    • 期間:1~2週間あるいは1か月~1年以内
    • 滞在施設:お試し体験住宅・短期滞在用賃貸物件
  • 交流・研修スタイル
    • 期間:数か月~3年程度
    • 滞在施設:研修施設や寮など
  • 別荘移住スタイル
    • 期間:ほとんどの期間をそこで過ごす、または好きな時に好きなだけ
    • 滞在施設:セカンドハウス・貸別荘
  • 往来移住スタイル
    • 期間:週末や月に1回など定期的
    • 滞在施設:賃貸物件・セカンドハウス

 

体験移住スタイル

「体験移住」は、数日程度の体験ツアーやワーキングホリデーを利用するスタイルです。農繁期に収穫を体験したり、滞在型都市農園(クラインガルテンと呼ばれる賃貸型農園)を利用して、好きなときに有機野菜づくりを満喫するようなスタイルです。

都会とは違った暮らしをまずは少しだけ体験してみたい、という人にとってこの体験移住スタイルはハードルが最も低く、誰でも簡単に参加できます。

長期滞在スタイル

移住したい地域やエリアが絞り込めていて、将来的な移住を前提に考えている人は、その準備段階としてその地域の生活や人脈づくりを目的に「長期滞在」を考えてみるとよいかもしれません。

一定期間、その地域の「住民」として生活してみることで、短期滞在では分からなかった地域の「良い面」も「悪い面」も見えてきます。それらが移住を総合的に判断する材料になるでしょう。

交流・研修スタイル

一般社団法人「移住・交流推進機構」が各地の地方自治体と行っている「地域おこし協力隊」に参加したり、各自治体が開催している地域活性化業務に参加したりすることで、さまざまなノウハウを得たり、ネットワークを築いたりすることもできます。内閣府では、こうしたスタイルを「交流・研修スタイル」と名付けています。

特に、移住後にその地域で地域の特産品を使った、あるいは特色を生かした起業を考えているといった場合には、非常に有益なスタイルと言えます。

商品開発や販路開拓には地域の農林水産業従事者とのネットワークが欠かせません。国や自治体、NPO法人などがさまざまな研修制度を設けていますので、企業や独立を考えている人はぜひチェックしてみてください。

別荘移住スタイル

地方に行けば行くほど、もしくはコミュニティが小さければ小さいほど、人付き合いの「濃度」も濃くなっていきます。

「移住はしたいけれども、濃密な人付き合いは苦手」というような人には、「別荘移住」というスタイルも提案されています。

まさに「別荘」的な感覚で、セカンドハウスや貸別荘を購入・レンタルし、好きなときに好きな期間滞在するのが、このスタイルです。すでに仕事をリタイアした人や、働き方にもかなり自由が利く人にマッチしやすい移住スタイルでしょう。

往来移住スタイル

別荘移住スタイルが地方での滞在期間を比較的自由に設定しているのに対し、もう少しはっきり「週末だけ」や「月に1回」などと滞在期間を決めて、賃貸物件やセカンドハウスに滞在するのが「往来移住スタイル」です。

移住後も都心部での生活拠点を維持する点では、「別荘移住」などと同様ですが、その地域の社会とも一定の関係を持ちつつ生活の拠点を複数持つという考え方で、テレワークやリモートでの仕事との相性もよいスタイルと言えるでしょう。

こうして往来移住スタイルを継続した後、十分に理解したその地域に「完全移住」する人も少なくありません。

地方移住に関する補助金  

先述の通り、地方移住は今後テレワークの推進と相まって従来よりも広がっていくと考えられています。

国や自治体も、地方創生の観点から、こうした移住スタイルを積極的に周知・推進しており、移住に伴ったさまざまな補助金や支援金制度を設けています。

地方創生起業支援・移住支援事業 

内閣府が設けている移住に関する支援金の一つが、「起業支援金」と「移住支援金」です。

これらは、「東京一極集中の是正及び地方の担い手不足対策のため、地方における起業、UIJターン による起業・就業者を創出する地方公共団体の取組を地方創生推進交付金で支援」することが目的とされていて、それぞれに対象者と上限金額などが設定されています。

起業支援金(最大200万円)

都道府県が「地域の課題解決に資する社会的事業を新たに起業する方」を対象に、「起業のための伴走支援と事業費への助成(最大200万円)」を行うのが「起業支援金」です。

事業分野としては、子育て支援や地域産品を活用する飲食店、買い物弱者支援、まちづくり推進など地域の課題に応じた幅広いものが想定されています。

都道府県が選定する執行団体が、計画の審査や事業立ち上げに向けた伴走支援を行うとと もに、起業に必要な経費の2分の1に相当する額を交付します。

起業支援金の対象としては、以下の1・2・3すべてを満たすことが必要とされています。

  1. 東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域において社会的事業の起業を行うこと。
  2. 公募開始日以降、補助事業期間完了日までに個人開業届又は法人の設立を行うこと。
  3. 起業地の都道府県内に居住していること、又は居住する予定であること。

移住支援金(最大100万円 ※単身の場合は最大60万円)

これは、地域の重要な中小企業等への就業や社会的起業をする移住者を支援するもの。移住支援金の対象として、以下のすべてに該当する方が対象となっています。

  1. 【移住元】東京23区の在住者又は通勤者(5年以上)。
  2. 【移住先】東京圏以外の道府県又は東京圏内の条件不利地域への移住者。
  3. 【就業・起業】実施する都道府県がマッチングサイトに移住支援金の対象として掲載する求人に新規就業又は起業支援金の交付決定を受けた方。

なお、開始時期や支給額など制度の詳細は各都道府県で異なることがあります。

詳細については、内閣府HPや各自治体のHPなどを必ずご確認ください。

テレワーク移住支援金(最大100万円 ※2021年度より)

テレワーク移住支援金

出典:内閣官房・内閣総合サイト

新型コロナウイルスの感染拡大で高まった働き方の変化を踏まえ、地方の活性化につなげるものとして、政府は2021年度から「テレワークで東京の仕事を続けつつ地方に移住した人」に最大100万円を交付することを決めました。

また、地方でIT(情報技術)関連の事業を立ち上げた場合は、最大300万円の交付がされる予定です。政府は21年度予算の概算要求に地方創生推進交付金として1000億円を計上する方針ですが、詳細は2020年10月時点では未定となっています。

各自治体移住支援金 

各自治体移住支援金

出典:ニッポン移住・交流ナビサイト「JOIN」

受け入れる地方自治体側でも、移住を推奨する各種の支援金制度を設けているところが多くあります。

各自治体の「移住相談員」に尋ねてみることが、支援金以外のさまざまな情報にも触れられるため一度相談してみるといいでしょう。

オンラインでは、一般社団法人「移住・交流推進機構」が運営するニッポン移住・交流ナビサイト「JOIN」で「住まい」「結婚・子育て」「仕事」「交通」「移住・体験」といったジャンルごとに支援金制度を紹介しています。一度チェックしてみるといいでしょう。

まとめ

このように、地方への「移住」にはさまざまなパターンやスタイルがあります。

テレワークにより移住の可能性やスタイルの幅は広がっているものの、どのような形を選ぶかは、自身の働き方、ひいてはライフスタイルや将来像に大きく関わるものです。

あまり性急に決めてしまうのではなく、「移住」という最終目標を設定した上で、どのようなルートや選択肢を選ぶのか、候補とする地域の自治体からも情報を集めながら検討を進めましょう。

そのうえで、支援金や助成金も活用しつつ、自分にあった「移住」の形を検討してください。

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ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。