カラオケや居酒屋も?困った時に選択肢に入れたいテレワークができる場所

テレワークが広く浸透・普及してきました。その一方で、テレワークを行う場所がなくて困る、ということも少なくないのではないでしょうか。

特に外出先でのモバイルワークの場合、フリーWi-Fiではセキュリティが不安だったり、カフェでは急なWeb会議に参加できなかったりと、なかなかぴったりの場所が見つけにくいケースもあります。

さまざまな環境が選択肢に挙げられるテレワーク向けの場所について、ここではジャンル別にご紹介し、セキュリティや料金など、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく比較します。

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個室型ワークスペース

個室型ワークスペース

最近駅や商業施設の中に急増しているのが、この個室型ワークスペースです。都内のターミナル駅を始め、郊外の大型商業施設、市役所などでも設置してあるケースが増えてきました。

こうしたワークスペースには電源が完備されており、密閉された防音空間なので盗み見・盗み聞きなど周囲を機にせずWeb会議ができ、仕事をしやすい環境が整っていると言えるでしょう。

ただ、場所によってはWi-Fiが用意されていないこともあり、また、周辺のフリーWi-Fiを利用するように促されるケースもありますので、その場合にはセキュアなネットワーク環境かどうかを確認する必要があります。

利用料金は設置会社にもよりますが、15分単位での課金になっていることが多く、また、ホテルの利用などと合わせたセットプランや割引料金などを提案しているところもあります。

また、アプリからの予約システムを設けている設置会社もあり、時間などを事前に指定しておけば、空き時間を有効に活用できます。

テレキューブ

テレキューブ

テレキューブは、株式会社ブイキューブが提案しているスマートワークブースです。内部にはテーブルとイスに加えて電源やUSBポートが設置されており、セキュリティが保たれた静かな環境で、電話やWeb会議、業務に集中できます。

全国のどこに設置されているか検索することもでき、予約も可能なので急に生まれた空き時間などを有効に利用できます。

個人での利用だけでなく法人での契約も可能となっています。

STATION WORK

STATION WORK

出典:STATION WORK

JR東日本が設置している個室型ワークスペースがSTATION WORKです。JR東日本管内のさまざまな駅に設置が進んでおり、料金は15分250円(1人用)からとリーズナブルなので、気軽に利用できます。

また、Wi-Fiとモニターを完備しているので、ノートPCがあればすぐに仕事を始められます。

カフェ

カフェでのテレワークの様子

テレワークが浸透する以前から、仕事場としてカフェを選ぶ人は少なくありません。そのため、大手チェーン以外でも電源やWi-Fiを完備しているカフェも増えています。

ただ、遠隔で働くテレワークとして考えた場合、クラウドを通じてオンラインでデータをやり取りしたり、場合によっては社内ネットワークにアクセスしたりすることも考えられます。

不特定多数の人が出入りする環境ですので、個人情報を扱う場合には特に盗み見・盗み聞きに加え、PCの盗難にも十分気をつける必要があります。

また、ネットワーク上のセキュリティにも十分注意すべきです。多くのフリーWi-Fiが接続時に非暗号化通信による「傍受リスク」に注意喚起を促しているように、暗号化されていないWi-Fiは、他人から通信内容を傍受されるリスクがあることに注意しましょう。

利用時間あたりの料金は、そのほかの場所と比べて最も安価で、1人で行う作業には向いていますが、予約ができないことと、Web会議がしづらいことが、カフェのデメリットだと言えます。

静かなカフェでは、キーボードの打鍵音などが周囲の人の迷惑になることもあります。仕事で利用する場合には周囲への配慮を忘れないようにしましょう。

サテライトオフィス

サテライトオフィス

サテライトオフィスとは、企業の本社・本拠地から離れた場所に設置する小規模なオフィスのこと。サテライトとは英語の「satellite(衛星)」という意味で、本拠地であるオフィスを中心として衛星のように設置されることから、この名前が付けられたとされています。

この「サテライトオフィス」で働く形も、テレワークの1つに数えられます。

ただ、サテライトオフィスにもいくつかの形があり、それらは

  • 都市型サテライトオフィス
  • 郊外型サテライトオフィス
  • 地方型サテライトオフィス

の3つに大別できます。

都市型

「都市型」は、主に地方に本社を持つ企業が都市部における営業所として設置することが一般的で、都市部の営業担当者が「営業先から地方にある本社へ戻る」という移動を減らすことができます。

郊外型

「郊外型」は、都市部に本社を持つ企業が郊外に構えるオフィスを指します。都心まで通勤していた社員の時間や交通費用を減らすことを主な目的としています。

地方型

「地方型」は、都市部に本社がある企業が、郊外よりもさらに離れた地方の遠隔地にオフィスを構えるものです。地方にこうした拠点を設けることで、地方における新たなビジネスのスタートや事業拡大を期待して設置されることが少なくありません。

いずれの形も支社や支店などに近い要素があり、そのためネットワークのセキュリティや、Web会議のしやすさ、電源、Wi-Fi環境といった点ではデメリットになる要素は無いでしょう。社内ネットワーク等をよく利用しているのであればかなり便利なケースもあるといえます。

また、基本的には会社側が設置するものですので、個人が料金を気にする必要もありません。

ただし、それは同時に立地条件(アクセスのしやすさ)は自分で選ぶことができないということでもあります。「移動先でちょっと仕事がしたい」「電車の待ち時間に」といった使い方の対象にはならないと考えたほうがいいかもしれません。

コワーキングスペース

コワーキングスペース

サテライトオフィスなどと同様に、近年急速に増えているのがコワーキングスペースです。

「コワーキング」とは「一緒に働く」といった意味で、多くの人が共同で使うシェアオフィスです。

フリーランスやスタートアップのオフィスとして利用するケースが多く、主要駅の周辺などに設置してあるところも増えてきました。

ドロップインプランで時間あたりの利用料金を支払うコワーキングスペースが大半ですが、カフェなどよりは割高です。

ただし、月単位で契約できるところもあるため、自宅に作業スペースが一切ないといった場合には月額契約によって1日あたりの利用料金が最安になるケースもあるでしょう。

室内空間はカフェのような形になっているところが大半ですが、Web会議用のブースを提供している施設もあります。ビジネス環境として提供されているため、ネットワークのセキュリティに関しても暗号化通信など対策が施されている場所は比較的多いと言えます(利用前に確認することをおすすめします)

また、異業種交流イベントなどを企画しているところもあり、さまざまな業種の人とつながりを得ることができる、という点では、他の場所にはないメリットもあります。

一方で、共同利用が前提のため、自分専用のブースや部屋はありません。「いつもの場所・環境でないと集中できない」といった人には不向きといえるかもしれません。

加えて、カフェ同様に、不特定多数の人が出入りする環境ですので、盗み見・盗み聞き、盗難といったセキュリティには配慮したほうがよいでしょう。

ホテル

ホテルでのテレワーク

新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、空室をテレワーク向けのプランとして提供するホテルも増加しています。

電源などはもちろん確保されているので、カフェなどと同様にセキュリティに配慮すればテレワーク環境としては優れていると言えます。

当然個室なので、Web会議をする際にも周囲に配慮する必要がありません。

ただし、料金はその他の場所と比較すると高額になりがちです。毎日利用するとかなりの金額になってしまいますので、集中が必要な特定の日一日だけ使う、といった場合には選択肢に入れるとよいかもしれません。

カラオケボックス

カラオケ店

ホテルと同じく、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って利用客が減少しているカラオケ店の多くで、テレワーク向けのプランの提供が始まっています。

駅前から郊外まで、全国各地にあるので出張・移動先での利用も可能でしょう。また、1時間あたりの利用料金も比較的安価で、カラオケとしての利用同様にドリンクサービスを提供している店舗もあります。

個室であり、多くの場合Wi-Fiと電源もあるので、Web会議も周囲を気にする必要がありません。

ただし、隣室の音が聞こえることがあるのが最大のデメリットでしょう。利用時間帯や店舗にもよりますが、集中できる環境かどうかはケースバイケースといえます。

飲食店

飲食店のイメージ

ファミリーレストランも仕事場にしている人が多い場所の一つですが、最近はホテルに付属のレストランで空席や空いた時間(アイドルタイム)をテレワーク向けのスペースとして提供しているケースも増えています。

個室や半個室を用意している店舗であれば静かに集中できる環境だと言えるでしょう。

ただし、やはり本来的には仕事をする場所ではなくそのために作られた環境ではないため、電源・Wi-Fiが無い、あるいは席から遠い、ということもあります。

また、カフェ同様に、個室などでなければWeb会議も難しいでしょう。アイドル時間の提供がほとんどのため、ランチやディナーの時間帯には退出が必要だったり、利用時間が限られているケースもあります。

1時間あたりの利用料金も個室型ワークスペースやカフェ、カラオケなどより高額になることが多く、メリットはあまり多くはありませんが、雰囲気の良いところで仕事がしたい、レストランが入っているホテルに滞在している、といった場合には有力な選択肢になることもあるでしょう。

比較表

ご紹介したテレワークができる場所とそれぞれのメリット・デメリットを一覧表にしてご紹介します。比較する項目と内容は、主に以下の項目です。

  • セキュリティ:盗み聞き・盗み見のリスク 
  • Web会議ができるか:声や音声が漏れないか
  • 環境:WiFiや電源が確保されているか
  • 料金
  • 立地
  • 予約が可能か

わかりやすいよう、それぞれを「◎◯△✕」で評価していますが、厳密には実際の店舗やケースによることを踏まえた上で参考までにご覧ください(比較評価の対象にならないものは「ー」としています)

 

セキュリティ

Web会議

環境

料金

立地

予約

個室型ワークスペース

カフェ

サテライトオフィス

コワーキングスペース

ホテル

カラオケ店

飲食店

便利な検索・マッチングサービス

Suup

Suup

出典:Suup

Suupは三井物産グループMoon Creative Labが提供する、カフェやコワーキングスペース、レストランを活用したテレワークスペースを検索、予約できるサービスです。

WiFiや電源を備えた店舗のみを掲載しているため、テレワークでの利用にぴったりです。

アプリから利用できるため、事前に登録しておくとよいでしょう。

サブスペ

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出典:サブスペ

サブスペはClipLine株式会社が提供するワークスペースのマッチングサービスです。

スペースを提供する飲食店やカラオケボックス、居酒屋を検索し予約できるサービスです。

法人での契約も可能であり、多彩な料金プランが提供されています。

POTLUCK

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出典:POTLUCK

定額制のテイクアウトアプリPOTLUCKは、飲食店の空き時間をテレワークスペースとして提供する「テレワークできるお店」の掲載を始めています。

店舗のWiFiや電源の情報を掲載しており、事前に席を予約することも可能です。

HOTEL WORK TOKYO

HOTEL WORK TOKYO

出典:HOTEL WORK TOKYO

東京都産業労働局は「テレワーク促進に向けた宿泊施設利用拡大支援事業」として、テレワークの場を提供する宿泊施設を紹介するWebサイト「HOTEL WORK TOKYO」を公開しています。

まとめ

このように、テレワークが浸透するにつれて、場所の選択肢は急速に増えています。

また、従来はテレワーク環境としては使えなかった場所も、新型コロナウイルスの影響などからテレワークの場所として提供されるようになってきています。

空き時間や移動先ですぐに仕事ができることは、従来移動時間や待ち時間に割かれていた時間を有効に活用することにもなり、生産性の向上や効率化にもつながります。

料金や環境などを比較しながら、自分にあったテレワーク環境を探してみてください。

ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。

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