議事録の作成時間を大幅削減!Web会議だからこそできる効率的な議事録の作成方法

会議の内容を記録してあとから見返すことができる議事録。会議に必須のドキュメントである一方、その作成には多くのコストがかかります。

山梨県のスマート自治体研究会が行った「議事録作成事務に関する調査結果」によると、議事録作成にかかる年間事務量と年間コストは多いところで、時間にすると2,326時間、465万円のコストがかかっています

議事録作成の時間帯の表
さらに、議事録を作成している時間帯は、業務時間中に作成している割合がおよそ70%を占め、勤務時間内外を併用して作成している割合がおよそ25%と、議事録の作成が通常業務を圧迫していることが分かります。

議事録作成時間の削減・縮小の可否の表
一方で、議事録作成にかかる時間をITツールを活用すれば削減できると答えたのはおよそ48%と約半数におよぶ結果となっています。

つまり、ITツールを用いることでいままでの負担を削減でき、さらに簡単に議事録を作成できることが考えられます。

参考:山梨県 スマート自治体研究会議事録作成業務に関する調査結果

本記事では、Web会議だからこそできる効率的な議事録の作成方法やメリット、注意点、便利なツールを紹介します。

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議事録を効率に作成するメリット

Web会議での議事録の作成にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではWeb会議だからこそできる効率的な議事録の作成方法のメリットを紹介します。

簡単・短時間で議事録を作成できる

人の手で議事録を作成すると多くの工数が必要となります。

Web会議では、議事録を自動作成できるツールをWeb会議と組み合わせて利用したり、クラウドドキュメントを使って複数人で会議中に作成したりすることでより簡単かつ短時間で議事録を作成できます。

情報共有の迅速化

議事録は情報共有という目的があるため、遅くとも会議の翌日までには作成・共有されるのが望ましいでしょう。議事録の作成に時間がかかってしまうと、会議に参加していなかった人や、会議の内容を見直したい人への共有・確認が遅れてしまいます。特に素早い判断が求められる場合には、その判断の遅れが重大な影響を与えてしまうことも考えられます。

ツールを活用して議事録を短時間で作成できると、それだけ情報共有が速くなり、重要な判断も早く行えます。

議事録データ管理・共有の容易化

議事録をテキストや動画にして社内クラウドで管理することによって、共有・管理が容易になります。そのため関係者は自分でデータベースを検索して情報を得られるので、効率的に業務を進められます。

PCやタブレット内のデータが破損・消失しても、クラウドで管理すればデータが消失する可能性も低減できます。またデータ化した議事録にはアクセス制限を設定しておけば、情報漏洩のリスク低減できます。

Web会議だからこそ活用できる議事録の効率的な作成方法

Web会議システムで会議を行う場合、様々な議事録の作成方法があります。

企業や自分に合わせた方法を活用することで、簡単かつ短時間で議事録を作成できるようになるでしょう。ここでは、Web会議の際の効率的な議事録の作成方法を紹介します。

Web会議システムの機能を活用する

ホワイトボード機能

ホワイトボード機能を利用した場合のサンプル画像

ZoomなどのWeb会議システムでは、ホワイトボード機能と呼ばれるミーティングを行いながら共有した画面にフリーハンドで書き込みができる機能があります。ホワイトボード機能を活用することで、会議中に議事録作成が可能です。

例えば、作成者1人で書き上げるのではなく、複数人で分担して会議中に書き込むことで一人ひとりの負担を減らしながら、ある程度議事録を完成させることが可能になります。ホワイトボード機能に記入した内容はデータとして保存できるため、不参加者にも会議の内容を共有できます。

画面録画での保存

Web会議システムを導入している場合に手軽に議事録代わりとなるのが、録音・録画です。Web会議システムの録音録画機能を利用することで、会議の様子を丸ごと動画として保存できます。そのため、会議に参加できなかった人も動画を視聴することで会議の内容を確認できます。また、動画だからこそ文字だけでは伝わりづらい、発言のニュアンスや進行の様子などの内容を把握できます。

録画した会議は、データとして管理ができるため、場所や時間に制限されることなく視聴したい人が好きな時に確認できたり、共有できる人を制限しながら会議の内容を共有できたりする利点があります。

チャット機能の活用

Web会議の場合、チャット機能を活用して議事録をまとめる方法もあります。Web会議システムに備わっているチャット記録はダウンロード・保存が可能なので共有ドキュメントツールのように利用し議事録をまとめることが可能です。

共有ドキュメントツールを利用する

共有して書き込めるドキュメントツールも、議事録作成に活かせます。会議中に複数人でドキュメントに会議の内容を書き込み、議事録をある程度完成させることで、会議後の議事録作成時間を削減できるでしょう。

自動議事録作成ツールを活用する

音声データを元に議事録を自動で作成できる「自動議事録作成ツール」を使用すれば、会議中に自動で議事録を作成できます。特にWeb会議では1人1台のマイクを使って会話するため、より精度の高い音声データが手に入ります。Web会議の際にはこうしたデータを積極的に活用してみてもよいでしょう。

議事録作成を簡単にするツール紹介

自動議事録作成ツール

議事録作成支援サービス COTOHA Meeting Assist 

COTOHA Meeting Assist のサイト画像

出典:COTOHA Meeting Assist 

NTTコミュニケーションズ株式会社が提供している、議事録作成支援サービス COTOHA Meeting Assist はAI音声認識でリアルタイムで音声をテキスト化する議事録作成ツールです。ピンポイントで聞き直してテキストの編集ができるほか、会議の中での発言をAIが自動認識して「タスク」としてラベル付けし、会議内容の分類・整理などもサポートしています。

音声自動文字起こしサービス「スマート書記」

スマート書記のサイト画像

出典:スマート書記

エピックベース株式会社が提供しているスマート書記は、高い認識精度と強固なセキュリティを保有している議事録作成ツールです。ExcelやWord、テキストに簡単に出力が可能であるため利便性の高いサービスです。

直観的に利用できるUIのため、初めての方でも安心して利用できるでしょう。

VMeeting:AI議事録自動作成ツール

VMeetingのサイト画像

出典:VMeeting

Hmcomm株式会社が提供しているVMeetingは、SaaS型の議事録作成サービスです。会議の発言内容を自動でテキスト化してくれるのはもちろん、独自の社内用語など、一般的でない言葉・単語の学習もユーザーで設定できます。

社内用語が多い企業は、あらかじめ学習させることで議事録の作業効率を大幅に上げられるでしょう。

自動議事録作成ツールの選定ポイント

自動議事録作成ツールを利用する際は、3つのポイントに注目して選定を行うと良いでしょう。

音声認識機能の精度の高さ

音声認識機能はサービスによって機能の質が異なります。専門的な用語が多い場合は発言者の滑舌に影響を受け、正しく書き起こされことがあります。もし、書き起こしの精度が低い場合、1から手作業で書き起こさなければならない、というような事態になりかねません。自動議事録生成ツールを利用する前に、導入実績を確認したり、サービスを購入する前にお試しで利用し音声認識の精度を確認したりすると精度の高さを確認できるでしょう。

固有名詞や専門用語の多さや登録ができるか

会議の中では、専門用語だけでなく、商品・サービスの名前、社内特有の言い回しや略称があるでしょう。同音異義語や一般的な用語に誤変換されてしまった場合、いちいち修正するのは大きな手間となってしまいます。そのような用語を簡単な操作で登録できる機能が備わっているか確認するとよいでしょう。

セキュリティ面の高さ

重要な会議には、社外に出せない機密情報があります。不正アクセスやウイルスによる情報の流出を避けるのはもちろんですが、自社のデータが音声認識精度の向上のための学習データとして利用されているかもしれません。セキュアなデータ管理がされているサービスを利用するのが望ましいでしょう。

議事録作成の際の注意点

自動議事録作成ツール

自動議事録作成ツールは、AIが自動で会議の発言内容を文字起こしをすることで作成者の負担が減る便利な機能です。

しかし、自動議事録作成ツールの注意点は、複数人で同時に発言したり、周囲の音が入ってしまったりすると正確に聞き取れない恐れがある点です。自動議事録作成ツールを利用する場合には、1人が発言している際は周りの人は発言が終わるまで発言しないようにするなど会議の進行のルールを決めるとよいでしょう。

また、ハウリングや不必要な音声が入るのを最低限にし、限られた方向からの音を集中して音声を拾える方向性の高いマイクの活用もおすすめです。

同音異義語や発言者の滑舌に影響してしまうため最終的な編集・修正作業は必須ですが、修正に時間をかけすぎては、せっかく自動作成ツールを導入した効果が薄れてしまいます。どこまで編集を加えるか妥協点を決めるとよいでしょう。

会議を録画する機能

画面録画は、会議の様子すべてを記録し保存でき、共有も簡単なため便利な機能です。文字だけでは伝わりづらい場の雰囲気や「どういった流れで〇〇という結果になった」のかがより理解しやすくなるメリットがあります。
しかし、画面録画の注意点は、知りたい部分にたどりつくまでに動画を見なければいけません。

例えば、1時間の会議で自分の知りたい議題が何分ごろに議論されていたか分からず、25分ごろに議論されていた場合、そこまでの24分間視聴する必要があります。

そのため、録画したものをそのまま保存するのではなく、動画にチャプターを加えるとよいでしょう。しかし、細かくチャプターを手間がかかり逆に時間を消費してしまいます。
テーマごとに大きな枠で編集を加えると、作成者側の編集の負担が減り、確認側も素早く知りたい情報にたどりつくことができるでしょう。

ホワイトボード機能

Web会議システムのホワイトボード機能や共有ドキュメントツールを利用することで、議論しながらの議事録作成が可能です。しかし、作成者が1人で文字起こしをするのは負担が大きく、聞きこぼしがある可能性があります。

こうした問題を解決するために、議事録を1人で作成するのではなく、複数人で分担しながら作成するとよいでしょう。会議中に発言していない人が議事録を書き込むことで、会議中に議事録をある程度仕上げることで会議後の記入時間も削減できます。

まとめ|ITツールを活用することや共同で会議中に仕上げることで議事録作成の効率は上がる!

テレワークの増加や、場所を問わずに会議に参加できるといったメリットを背景に、今後Web会議を実施する企業はさらに増えていくでしょう。

手作業による議事録の作成は多く時間が必要となります。自動議事録生成ツールや共有ドキュメントを利用し、会議中にある程度完成することが可能になれば会議後の修正・校正の手間を大幅に削減できるでしょう。

宮野丘基
著者情報宮野丘基

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