大人数でのWeb会議で複数のマイクを使うには? クリアな音声を配信する方法を解説

大人数が参加するWeb会議では、一つの空間で複数のマイクを使用することがあります。

たとえば、1つの会議室に3人のWeb会議メンバーがそれぞれのPCを持って入室し、1つのWeb会議に参加するような状況でトラブルになりやすいのが、音声のハウリングです。

こうした複数のマイクを同一空間で同時に使用する状況では、どんなマイクをどのように接続したらいいのでしょうか。クリアな音声でWeb会議を行うために最適なデバイスや接続方法などを解説します。

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Web会議用マイクの複数接続方法

Web会議における音声ハウリングは、多くの場合一つの空間で複数のマイクを使用した際に発生します。

たとえば、それぞれのノートPCからWeb会議に参加しようとしているA、B、Cの3人がおり、AとBは同じ会議室から、Cは別の場所から参加するようなケースです。

このようなケースで全員のマイクとスピーカーをオンにし、AがCに向かって話しかけると、Aの声は同じ空間にいるBのPCのスピーカーからも流れ、その音声をほんの少し遅れて再度Aのマイクが拾ってしまうために、Aの声は無限にループすることになります。

その結果、CのPCスピーカーからはAの声がハウリングした状態、あるいは「キーン」というノイズが加わった状態で聞こえてきます。

こうした状況下でハウリングを避けるための方法はいくつかあります。

  • イヤホンを利用する
  • 外付けマイクを用意し、マイクミキサーを利用する
  • 複数で連結可能な外付けマイクを利用する
  • マイクスピーカーを利用する

ただし、それぞれの方法にはメリット・デメリットが存在します。

それぞれについて、以下で詳しく解説します。

イヤホンを利用する

そもそもハウリングは、出力された音声をマイクが拾い、その音が再度出力される繰り返しにより発生するものです。

イヤホンを利用して、出力された音がマイクに届かないようにすることで、ハウリングの問題は解決できます。

ただし、この方法では同じ空間内にいる話者の声を複数のマイクが拾ってしまうため、会議の参加者は音声が聞き取りづらくなってしまいます。

外付けマイクを用意し、マイクミキサーを利用する

マイクミキサーとは、複数の音源を「ミックス」させるための音響機器です。

たとえば複数の外付けマイクから出力された音源を一旦こうしたミキサーに入力し、音源を調整したうえでPCへと出力することで、ハウリングを防ぐことができます。

従来はあまり一般的に使用されることのない専門的な音響機器でしたが、現在ではWeb会議をはじめYouTubeの撮影やポッドキャスト録音といったシーンでのニーズが増加し、USBなどでPCへ出力することを前提とした「ウェブキャスティング」対応のデバイスも増えています。

マイクミキサーの最大のメリットは、単に音源をミックスするだけではなく、音のバランスを調整したり、ミュージックプレイヤーから出力した音楽をマイク音声に乗せることで、会話にBGMを加えるといった応用が可能なことです。Web会議にとどまらずさまざまなシーンで活用できるでしょう。

デメリットとしては、やはりある程度音響に関する知識が必要なことかもしれません。またWeb会議で使うことを考えると、人数分のマイクを設置したりコードを配線したりする手間が発生すること、持ち運びが不便なことが挙げられます。

複数で連結可能な外付けマイクを利用する

ミキサーを使った複数マイクの利用が面倒に感じる場合は、マイク同士を連結することが可能なWeb会議用外付けマイクを使うのもおすすめです。

こうしたデバイスは複数のマイクでありながらマイクミキサーが不要で、マイク同士を連結させることで、マイク側で自動的に音源を調整し、ハウリングを避けることができます。

マイクミキサーよりも操作が簡単で音響の知識もほとんど不要なことにメリットがありますが、マイクを複数台置くために場所を取ること、連結のケーブルが邪魔になるというデメリットもあります。

無線でマイク同士を接続する

ケーブルの配線の煩わしさを解決する方法として、無線接続できるWeb会議用外付けマイクを利用するという手段もあります。

このシステムはマイク同士を赤外線で接続し、各マイクの音源を一旦「センター装置」に入力して、そこからZoomを始めとするWeb会議ツールに接続することで、同一空間で複数の人が発言する場合でもクリアな音源を確保するものです。

マイク同士をケーブルで接続する必要がないためテーブルの上がかさばらず、大勢の参加者の声もそれぞれクリアに拾うことができます。

ただし、有線接続よりも接続の安定性に欠ける可能性があり、さらにコストがかかることもデメリットとして挙げられるでしょう。

マイクの複数接続には問題点も。解決策は?

このように、ハウリングを防ぐための方法はさまざまにあります。しかし、PC内蔵のマイクしかない場合でも、工夫によってある程度ハウリングを避けることは可能です。

ハウリングを防ぐには?

ポイントは以下の2つです。

  1. マイクとスピーカーの間隔をあける
  2. ノイズキャンセル機能を使う

1. マイクとスピーカーの間隔をあける

先述の通り、ハウリングの最大の原因は、音声がループすることにあります。

そのため、AとBが同じ空間でWeb会議に参加する場合は、それぞれの距離をできるだけ長く取り、Bのスピーカーから出るAの音声を再度Aのマイクが拾ってしまわないようにすることが、最も効果的なハウリングの予防法です。

あるいは、Aが話している間はBがマイクとスピーカーをオフにすることでもハウリングを避けることができます。

発言のたびにマイクをオンオフする必要が生じますが、工夫次第でノイズは減らすことができます。

2. ノイズキャンセル機能を使う

たとえばZoomでは「ノイズキャンセル機能」が標準で利用可能です。この機能は、話し手の声以外の音を入りにくくする機能で、生活音やキーボードの入力音などの背景雑音などをカットするため、クリアな音質でコミュニケーションできます。この機能をオンにすることで、ハウリングもある程度抑えることができます。

それでも難しい場合

ただし、こうした工夫を施しても、複数のマイクを同一空間で使うとやはりハウリングやノイズは出やすいものです。

こうした観点からは、複数のマイクを使わない、つまり同一空間にいる全員が一つのマイクとスピーカーを共有するという方法が最適だと言えます。

これを可能にするのが、以下に紹介する「マイクスピーカー」です。

マイクスピーカーを利用する

マイクスピーカー

マイクスピーカーとは「マイク」と「スピーカー」の両方の機能をあわせ持つ機器です。

デバイス側で周囲の音を取り込みつつ、Web会議の相手側の音も発することができます。

通常のマイクは特定の方向の音を重点的に集める「指向性」がありますが、こうしたデバイスでは周囲の音を360度広く集音するため、複数人が着席している会議室のテーブルの中央に置けば、参加者全員の声を安定してクリアに拾うことができます。

マイクスピーカーのメリット

大人数が参加する会議でもハウリングしたりせず音声をクリアにしっかりと拾えることが、マイクスピーカーの最大のメリットです。

また複数のデバイスをつなげたりする必要がないので配線の手間も最小限に抑え、取り回しもスムーズに行うことができます。

デバイスの機能にもよりますが、多くの場合雑音を取り除き、音声のみをクリアに届ける機能を内蔵しています。複数人でのWeb会議に最適なデバイスといえるでしょう。下の記事とあわせてぜひチェックしてみて下さい。

マイクスピーカーの複数接続

また、会議室などが大きく1台ではマイクスピーカーが足りない場合に、マイクスピーカー同士を複数つなげて、さらに大人数に対応できるデバイスもあります。

デバイスによってはBluetoothでマイクスピーカー同士を連携させることで、マイク同士をつなぐケーブルが不要なものもあります。

会議室のテーブルが長くて両端の人の声を拾いづらい、テーブルが円形に配置されていて対岸の人の声が届かない、といった場合に便利です。

まとめ|大人数のWeb会議ではマイクスピーカーがおすすめ

複数人が同じ空間で複数のマイクを使用すると、ハウリングやノイズの原因となります。

Web会議用の外付けマイクをマイクミキサーに接続したり、マイク同士の距離を話すことでハウリングを軽減させることはできますが、機器の取り回しなどのデメリットもやはり存在します。

同一空間で参加する人数が多ければ多いほど、マイクスピーカーのメリットは大きくなると言えるでしょう。

どのような場所でどれくらいの規模でWeb会議を行うのかといった点をしっかり確認した上で、自身に最適なマイクを選択してもらえればと思います。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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