【コラム】みんな、在宅勤務環境を整えすぎたかもしれないね…

ほぼ完全在宅勤務の生活がもうすぐ4年目になるブイキューブの山本脩太郎です。新型コロナウイルスの第5類感染症移行後、「オフィス回帰」という言葉をよく耳にするようになりました。先月には「あのZoomでさえ従業員へ週2日の出社を命じた」というニュースもありましたね。

そんなわけで、このブイキューブのはたらく研究部でもオフィス回帰やハイブリッドワークといった情報をどんどん発信しようと情報を集めています。

そんな情報収集の一環で先日、X(旧Twitter)を検索していたときに興味深い投稿を見つけました。URLやアカウント名はここでは明言しませんが、要約すると「在宅勤務環境が最高すぎて、オフィスでの生産性が落ちてしまった」といった内容のものでした。

2020年の在宅勤務浪費投資ブーム

確かにあの2020年を思い出すと、SNS上のあちらこちらで在宅勤務用品の購入報告を目にしていた気がします。僕もそんな一人でした。

緊急事態宣言という非日常、極限状態が判断力を狂わせたのか、10万円オーバーの高額オフィスチェアを買ってみたり、ウルトラワイドモニターを買ってみたり、謎のモニターライトにまで手を出す始末。

妻には「これは生産性を向上させるための投資だから」などと説明をしながら、連日Amazonから何かが届く。あの頃はそんな異常事態の日々が続いていましたね。

特にガジェットオタクと呼ばれる我々にとって、在宅勤務は浪費の大義名分となっていたのです。

そうして出来上がる「ぼくのかんがえたさいきょうのですく」

それほどまでにお金をかけた在宅勤務環境。快適でないわけがありません。

作業スペースの広いウルトラワイドモニター、人体工学に基づいた高級オフィスチェア、打鍵感の良いキーボード、やたらにボタンのついたマウス。

どれもオフィス出社のあの頃は使っていなかったモノたちです。

変わったのはオフィス環境だけではありません。室温はもちろん自分に最適な温度に設定できますし、Web会議がなければ寒い日は着る毛布を着ることだってできます。

お昼休みにはモニターの接続を変えてポケモンを育て、金曜日には退勤後5分以内に缶ビールをグビっと。

そう、私達は在宅勤務の甘味を知ってしまったのです。

吊るしのスーツには戻れない

そんな自分だけのオーダーメイドオフィスを構えてしまうと、出社した際にはそれはもう大変です。たまに出社すれば、モニターの画面が狭い、椅子が合わない、タイピングができない。ただでさえ慣れない通勤でHP・MPともにボロボロになった身体にそんな環境が耐えられる訳がありません。

これは当社のオフィス環境がダメだとか、設備投資がままなっていないからとか、そういう話ではなく、自分に最適化されていないことが原因なのではないでしょうか。

オフィスは不特定多数が利用するという性質上、設備も全体最適の範囲に収まってしまいます。「自分だけのために」整備された自宅環境と「みんなに丁度良いように」と設計されたオフィスでは差が生まれてしまうのは当然なのでしょう。

出社?在宅勤務?どっちなんだい!

じゃあ、やっぱり在宅勤務こそが最強のはたらき方なんだ!というと、そうではないとも思っています。

どれだけ自宅が究極・至高の環境だとしても、やっぱりチームで議論をしたり、アイデアを出し合ったりするのは対面のコミュニケーションの方が向いていますよね。ちょっとした雑談が思わぬ形で仕事に繋がっていったり、終業後にそのままみんなで飲みにいく、そんな体験がエンゲージメントや会社への帰属意識の向上につながることもあるのではないでしょうか?

結局は自宅は1人で作業をする場所オフィスはチームで仕事をする場所、という用途による使い分けが大事なのかもしれません。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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