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企業が今すぐ取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

企業が今すぐ取り組むべきデジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

あなたは、「デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation)」という言葉をご存じでしょうか。言葉自体は知らなくても、続々とデジタルテクノロジーを活用した新しいサービスや商品が生まれているのは肌で感じていることと思います。

例えば、フジテレビ「めざましテレビ」のお天気コーナーでは、天気予報の放送では日本で初めて、お天気カメラの動画をAIで解析した服装診断を放送しています。「今日の服装をどうしよう?」と悩む視聴者の参考になっているのでしょう。金融業界では、金融とITを結び付けた「FinTech(フィンテック)」が注目され、スマートフォンを使った送金など新たなサービスが生まれています。

デジタル技術は、私たちの生活の中にしっかりと根付いているのです。企業の規模や業種にかかわらず、企業におけるデジタルトランスフォーメーションは、実行段階にきています。政府も注目しており、2018年には経済産業省がガイドラインを発表。様子見をしていると、あっという間に取り残されてしまうでしょう。

本記事では「デジタルトランスフォーメーションとは何か」、国の動きも含めて、分かりやすく解説します。今後の企業の方向性を考える際の参考になれば幸いです。

デジタルトランスフォーメーションとは?

デジタルフォーメーションとは、一言でまとめると「デジタル技術を活用したビジネスの変革」のこと。経済産業省の資料などでは、度々「DX」と略されています。

経済産業省が2018年12月に発表した「デジタルトランスフォーメーションを推進するためのガイドライン(DX推進ガイドライン)」では、「デジタルトランスフォーメーション」を次のように定義しています。

企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること。

デジタルトランスフォーメーションは、特定の部署、特定の人だけが意識すればいいものではなく、企業全体として考えていかなければいけない課題です。

デジタルトランスフォーメーションとは何か企業目線で考えようとすると、難しく感じてしまいがちですので、まずはひとりの消費者として考えてみるといいでしょう。

多くの人が持っているスマートフォン。最初に普及したのは携帯電話、いわゆる「ガラケー」でした。電話やメールの機能がメインで、たまに写真を撮るような使い方でしたね。

それがスマートフォンになると、電話やメールはもちろんのこと、位置情報を活用して道を調べたり、スケジュール管理をしたり、写真を撮りSNSで公開することで友人と交流をしたり、決済をしたり……。消費者が必要な機能を取捨選択でき、電話は機能の一部でしかなくなっています。

顧客が求めていることを追求した結果、今のスマートフォンの形になっているのでしょう。私たちは、以前にも増して、モノを手に入れるよりも、利便性や効率性を感じられたり、豊かな体験ができたりすることを重視するようになってきているのです。

会社で「ITなんて分からん!」と言っているような人でも、当たり前のようにスマートフォンを使いこなしています。企業で新しい技術を取り入れるのは、大きなハードルになることがありますが、個人への壁は企業よりもはるかに小さく、一気に浸透します。つまり、悩んでいる間に他社が導入を始めると、非常に大きな後れをとることにもなりかねません。

デジタルトランスフォーメーションとは、ビジネスの変革ですから、新たなデジタルサービスが生み出されるのと同時に、様々な産業が破壊されます。現在のビジネスモデルが通用しない日が近付いているかもしれません。

以前は、企業におけるITというと、事務処理を効率化するツールという位置付けが主でした。でもこれからは、どんな商品、サービスであっても、デジタル技術を活用しないとビジネスでは生き残れない時代になりつつあるのです。

DX推進ガイドラインとは?

次に、前述した経済産業省が発表している「DX推進ガイドライン」についてご紹介します。

DX推進ガイドラインは、デジタルトランスフォーメーションの実現やその基盤となるITシステムの構築を行っていく上で、経営者が押さえるべき事項を明確にし、取締役会や株主がDXの取り組みをチェックする上で活用できるよう策定されました。「(1)DX 推進のための経営のあり方、仕組み」と、「(2)DX を実現する上で基盤となる IT システムの構築」の2つの構成からなっています。

DX推進ガイドラインの構成

(出典:DX推進ガイドライン

DX推進のためのポイントが簡潔にまとめられ、失敗したケースや先行事例も紹介されています。詳しい解説はないため、DXへの取り組みを既に始めている企業向けです。

これから始めようと考えている場合は、ベイカレント・コンサルティング著の「デジタルトランスフォーメーション」や「デジタルトランスフォーメーションの実際」などの書籍を一読してからDX推進ガイドラインを読むと、分かりやすいでしょう。

デジタルトランスフォーメーションを推進する方法

具体的にどのようにデジタルトランスフォーメーションを推進していくといいのか見ていきましょう。

書籍「デジタルトランスフォーメーションの実際」では、DXを推進するにあたり、「ビジネスモデル」「オペレーション」「IT」「組織・人材」の4つの要素の変革を進めることが必要だと解説されています。

デジタルトランスフォーメーションの構成要素

(出典:デジタルトランスフォーメーションの実際

その上で、この4要素を同時に進めるのは難しいことから、「デジタルパッチ」「デジタルインテグレーション」「デジタルトランスフォーメーションの完遂」の3ステップを意識して行うことを提案しています。小さな階段を1つずつ上がっていくイメージです。

デジタルトランスフォーメーションの進化

(出典:デジタルトランスフォーメーションの実際

第1ステップ:デジタルパッチ

第2ステップの「デジタルインテグレーション」における目標を設定し、それを実現するために必要なことを、まずは1つの事業部門など小さな範囲で取り組むのが「デジタルパッチ」です。

顧客が使用しているスマートフォン向けのアプリを導入したり、自社の業務の生産性を上げるためにAIを使って業務を効率化したりといった取り組みが該当します。

この段階で、第2ステップ以降を見据えて、組織作りを意識して実施することをおすすめします。既存の事業部門から独立した組織として、DXを推進するための「デジタル組織」を設置し、事業部門との協力関係、信頼関係作りを一緒に進めたいところです。

また部署ごとに単独で考えるのではなく、企業全体としての方向性がぶれないように注意しましょう。

第2ステップ:デジタルインテグレーション

第1ステップは、1つの事業部門であったり、1つの業務であったり、デジタル化を考える単位が小さいものでした。この範囲を広げた変革が第2ステップの「デジタルインテグレーション」です。

デジタルだけを考えるのではなく、リアルとデジタルで一環したサービスを提供することで、顧客の共感や感動を高め、顧客満足度を向上させます。

企業としては、組織作りにさらに力を入れるとともに、既存のITのスリム化を行いましょう。外部のITサービスの活用も積極的に行いたいところです。現在のIT部門は、既存のシステムの維持や管理で精一杯。でもDXを推進すれば、さらにIT資産は増加し、人材不足となりかねません。

第2ステップでは、企業全体で一貫性のあるサービスを実現させることが大切です。

第3ステップ:デジタルトランスフォーメーションの完遂

新たなビジネスモデルが社内および顧客とする市場で受け入れられる準備が整ったら、いよいよDXも最終ステップです。ビジネスモデルから、収益構造、会社の機能まで、あらゆることを変革し、DXを完遂させましょう。

デジタルトランスフォーメーションの課題

デジタルトランスフォーメーションは、一気に進めるのが難しく、進めようとするといくつもの壁にぶつかるでしょう。その中からよくあるものを2つ取り上げました。

ITシステムの肥大化・複雑化

現在の日本では、約8割の企業においてITシステムが肥大化・複雑化しています。そして、55%の企業がIT予算の8割以上を維持管理のために使っているのが現状です。つまり、現行の業務で精一杯で、新たなIT投資に対して積極的になれないのが状況と言えるでしょう。


ITシステムが複雑化し、IT予算運用が非効率化

(出典:システムガバナンスの在り方に関する検討会

この現状を変えるためには、今あるIT資産の軽量化が急務です。まずは現状を見える化して、今後どうしていくか検討していかないといけません。外部のITサービスを利用し、クラウド上で再構築したり、機能を縮小・廃棄したりするものも出てくるでしょう。

そうして生まれたIT部門の余力は、DX推進の大きな追い風になります。

人材不足

デジタル化を推進し、イノベーションを起こせるような人材が不足しています。日本の企業は、失敗を避け、周りに同調し大きな波風をたてない人が評価されてきました。一方でDXの推進は、新たな挑戦であり、失敗がつきものです。つまり、人材育成、人事評価の見直しが必要でしょう。

また多様な視点で物事を考えていくことが求められるので、ダイバーシティー(多様性)の推進も欠かせません。

攻めのIT経営銘柄とは

経済産業省は、東京証券取引所と共同で、経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なITの利活用に取り組んでいる企業を「攻めのIT経営銘柄」として選定しています。そして選定企業の中からデジタル時代を先導する企業を「DXグランプリ」に選定。目標となる企業モデルを広く波及させ、経営者にIT利活用の重要性を促します。中長期的な企業価値の向上や競争力の強化が狙いです。

攻めのIT経営銘柄

(出典:攻めのIT経営銘柄2019

実際、「攻めのIT経営銘柄2019」に選定されている企業は、ROE・キャッシュフローが改善している傾向にあります。

攻めのIT経営銘柄-ROE

(出典:攻めのIT経営銘柄2019

国が重点をおいているポイント

「攻めのIT経営銘柄2019」では、下記の5つの評価軸に基づき選定が行われました。

  • 経営方針・経営計画における企業価値向上のためのIT活用
  • 企業価値向上のための戦略的IT活用
  • 攻めのIT経営を推進するための体制および人材
  • 攻めのIT経営を支える基盤的取組
  • 企業価値向上のためのIT活用の評価

この中で「企業価値向上のためのIT活用」は、業務そのものの自動化や働き方の変革により「革新的な生産性向上」を実現しているか、「既存ビジネスの拡充(収益への貢献)」を実現しているか、将来性・発展性がある「ビジネス革新」を実現しているかで評価しています。

重点を置く理由とそのメリット

現在、IoTやビッグデータ、人口知能(AI)などITの急速な進展により、世界的に産業構造やビジネスモデルがかつてないスピードで変革しています。そうした中で、日本の企業が国際競争を勝ち抜いていくためには、社内業務の効率化といった従来型のIT投資に加え、戦略的な攻めのIT投資が重要になってきます。それを評価するための評価軸が前述した5つのポイントです。

「攻めのIT経営銘柄」に選定されるということは、経済産業省と東京証券取引所の基準に達していることを意味し、企業の評価につながります。マスメディアへの露出が増えるなどのメリットもあるでしょう。

まとめ

世界的に産業構造やビジネスモデルが変革している今、デジタル技術を活用したビジネスの変革「デジタルトランスフォーメーション」への取り組みが急務です。企業の規模や業種を問わず、取り組むべきことであり、経済産業省をはじめとした国もその取り組みを後押ししています。「DX推進ガイドライン」などを参考にして、スモールステップで段階を踏んで取り組んでいくといいでしょう。

テレワークの導入で変わる、企業の生産性向上

少子高齢化の影響下から労働力不足への対応が急務とされる昨今、一人あたりの生産性の向上が注目されています。

しかしその一方で「やることはたくさんあるけど何から手をつければ良いかが分からない......」そうお困りの企業担当者さまも多いことでしょう。

そこで導入を検討していきたいのが、テレワークです。テレワークとは、パソコンやスマートフォンなどICT技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。

テレワークの導入で、

  • 通勤や移動にかかっていた時間を他の業務にあてられる、大幅なコスト削減につながる
  • いつでもどこでも時間や場所に囚われず働くことができるので、ワークライフバランスの充実につながる
  • プライベートと仕事のメリハリがつくことにより、労働力意欲が向上し仕事への満足度が上がる

といったメリットがあります。

まずは本当に自社でテレワークを導入すべきかどうかを判断するためにも、「ゼロから学べるテレワーク導入完全ガイド」を読んでみましょう。資料は無料で忙しい方でもすぐに読むことができます。

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戸栗 頌平
著者情報戸栗 頌平

B2Bマーケティングを幅広く経験。外資系ソフトウェア企業の日本支社立ち上げを行い、創業期の全マーケティング活動を責任者として行う。現在フィリピンに在住、場所にとらわれない働き方を通じ、日本企業のマーケティング支援の戦略立案から実行までの支援を行なっている。Facebookは こちら。Twitterは こちら。LinkedInは こちら。ウェブサイトは こちら