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近年では従来のように顧客のもとへ直接訪問する営業から、訪問を必要としない「インサイドセールス」と呼ばれる営業手法が注目を集めています。

 

そこで今回はインサイドセールスが注目される背景から、メリット・デメリット、さらに導入方法までを紹介していきます。

そもそもインサイドセールスとは?

自身が外資系企業でインサイドセールスの立ち上げ・運営に関わってきたという水嶋 玲以仁氏(以下、水嶋氏)の著書「インサイドセールス 究極の営業術」によるとインサイドセールスとは以下のように定義されています。

 

INSIDE SALES本

 

インサイドセールスとは、”主にBtoB営業のシーンにおいて、メールや電話を用いて顧客とコミュニケーションを図る手法。顧客の元へ訪問しないのが特徴”、とされています。

 

とくにインサイドセールスは、広告やセミナーなどで商材を認知したばかりの見込み客に対してメールや電話、Web会議システムなどで働きかけて、より受注確度の高い顧客へと育てていく役割を担うといわれています。

インサイドセールスが注目される背景

日本でも聞くようになったインサイドセールスですが、取り立てて新しい手法というわけではなく、1900年代からアメリカではすでにスタートしていたと言われています。一方でアメリカは国土が広いために、移動コストが多分にかかるといった背景があり、こういった訪問しない営業が必然的に早くから広まったようです。

 

ただ日本ではご存知の通り、アメリカほど国土は広くなく、とくに都心を中心に交通機関が発達しています。また顔を付き合わせて話してこそ、誠意が伝わるなどの理由から、これまで訪問型の営業が一般的でした。

 

しかし現在の日本では、働き方改革が叫ばれる通り、働く環境そのものが変化してきています。なかでも労働人口の減少にともなって、人手不足が深刻化していると言われています。

 

実際に帝国データバンクの調査によれば、企業の52.5%が人材の不足を感じているというデータもあります。

 

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(参照元:人手不足に対する企業の動向調査

 

またリクルートワークスの調査によると、全国の民間企業の求人総数は2018年の75.5万人から、2019年は81.4万人へと増加。それに対して就職希望者数は、前年とほぼ同水準の43.2万人と、38.1万人分の求人が余る計算となります。

 

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(参照元:ワークス大卒求人倍率調査

 

このように企業全体で見ると、人手不足が深刻化していると言えるでしょう。

 

そういった背景があるなかで企業は、限られた人材で生産性を高めていくことが今後はますます求められます。その点インサイドセールスは、訪問型の営業と比較すると移動時間が削減される分、同じ時間で複数の見込み客にアプローチすることができます。

 

また人手不足が深刻化するなかで、子育てや介護などなんらかの事情で労働時間に制限のある人材を起用できるという点でも優れています。電話やメール、Web会議システムなどを手段として営業を行うインサイドセールスは、ある意味ではパソコンや電話さえあればできてしまいます。

 

そのため従来の訪問型の営業と比べると、時間や場所に制約がないために、テレワークや郊外のサテライトオフィスでの仕事も可能。インサイドセールスであれば、個人の事情に合わせて柔軟な働き方を実現することができます。

インサイドセールスとテレアポは似て非なるもの

インサイドセールスと混同するものとして「テレアポ」があります。たしかに手法だけに注目すると、訪問せずに電話やメールで顧客にアプローチするという点では一緒です。一方でテレアポは字の通り、見込み客とアポイント(接触の機会)を取ることが一番の目的です。数多くの電話をかけ、できるだけ多くのアポイントを取り付けることが重要な役割となるわけです。

 

一方で、インサイドセールスには、アポイントを取り付けるという側面もありつつも、従来通りの営業としての役割も担います。アポイントを取り付けるために決められたトークを一方的に行うのではなく、ときには自社製品が顧客側の課題をどのように解決できるのか、顧客側の要望を聞きながら提案を行うインサイトセールス(Insights Sales)の要素を強く持つ必要があります。

 

インサイドセールスは、主に法人営業で用いられるという特性があるため、相手の業界や業界内での立ち位置などもリサーチした上で、顧客と柔軟に対話する能力が求められます。このように主に個人営業などで用いられるテレアポとは、手法は似つつも、求められる役割はまったく異なります。

インサイドセールスの組織内での役割とは?

次に、インサイドセールスは組織内でどういった役割を担うのか、以下で紹介していきます。

マーケティングとフィールドセールスの橋渡し役

インサイドセールスのいない組織では通常、広告やセミナーなどを通じてマーケティングが収集してきた見込み客リストは、フィールドセールス(外勤営業)に直接渡します。

 

一方で渡されたリストは、見込み客の関心の度合いに応じてふるいにかけられていないこともしばしば。渡されたリストをもとに、フィールドセールスは1件1件電話をかけるなど、アポイントを取っていくことになります。

 

しかし訪問も行うフィールドセールスにとって、リストに記載のある見込み客に1件1件電話をかけるのは、かなりの労力を要します。また、現状の顧客への訪問が優先となり、せっかく受け取ったリストの活用が後回しになった結果、新規顧客の獲得機会を失う恐れもあります。

 

そこで、インサイドセールスの出番です。マーケティングとフィールドセールスとの間にインサイドセールスが入ることによって、電話やメールを通じてリストに記載のある顧客へとアプローチ、ならびにヒアリングを通じて関心度合いを精査することができます。

 

インサイドセールスはこの段階で、リストに記載のある見込み客のなかから、より受注確度の高い顧客のみにふるいをかけます。そしてフィールドセールスにつなぐことで、成約までの時間の短縮、ならびにマーケティングが集めてきた見込み客を無駄にせずに新規顧客の獲得へとつなげることができるわけです。

 

このようにマーケティングとフィールドセールスの橋渡し役を担う側面が、インサイドセールスにはあります。

司令塔としての役割も

インサイドセールスが顧客にアプローチしていくなかで、関心度合いの高い見込み客の傾向などが、自然と把握できるようになるかもしれません。その傾向に関する情報をマーケティングに提供すれば、より顧客に響く施策を実施できる可能性もあります。

 

またインサイドセールスの段階で、顧客への十分な聞き込みを行った上でフィールドセールスにパスすれば、成約までの時間短縮や、訪問したにも関わらず成約に至らなかったという無駄足を防ぐこともできます。このように蓄積された情報を分析した上で、いかに他部門へとつなげていくかが、インサイドセールスには求められます。

インサイドセールスを立ち上るメリット・デメリットとは?

続いて、インサイドセールスを立ち上げる際の主なメリット・デメリットについて紹介していきます。

メリット1:移動時間の短縮による業務効率化

まずインサイドセールスのメリットとしては、移動時間の短縮が挙げられるでしょう。これまでの顧客先に直接訪問する手法は、移動時間、さらにゆとりを持って到着するための余白となる時間などのコストがかかっていました。

 

しかしインサイドセールスによってこういった時間を削減できれば、その分多くの見込み客にアプローチできるなど業務の効率化を図ることができます。

メリット2:場所や時間の制約がないため育児や介護との両立しやすい

これまで営業として働いていた女性が、出産を機に一時的に職場を休んで復帰したとしても、従来の訪問型の営業では体力面や、場所・時間などの制約から育児との両立が難しいといった課題もありました。

 

しかしインサイドセールスであれば外出の必要がなく、アポイントの時間が決まっているといった時間の制約もないため、テレワークなどを利用しながら育児との両立もできます。

メリット3:営業手法の分析やノウハウの共有につながる

例えば、弊社製品のV-CUBE セールスプラスなどのWeb会議システムを利用してインサイドセールスを行えば、営業内容が可視化されることで、これまで属人的になりがちだった営業手法を分析することができます。

 

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分析の結果、一部のトップセールスマンが持っているノウハウを他者に共有しやすくなりますし、営業力の強化にもつながるはずです。

デメリット1:顧客情報を共有・管理するツールが必須となる

これまで、見込み客へのアポイントから訪問までをフィールドセールスが行う場合、顧客情報などに関しては1人の営業担当者が管理すればよかったかもしれません。しかしインサイドセールスを取り入れるとなると、見込み客の情報をフィールドセールスに共有する手間がかかります。

 

その際、情報を一元化した上で、インサイドセールス・フィールドセールスの双方に共有できるようなシステムや仕組みを構築する必要もあるでしょう。マーケティングからインサイドセールス、そしてフィールドセールスに情報が共有されるための導線も考えなければいけません。

 

こういった問題を解決するために、「HubSpot」などのMAツール(見込み客を管理し、興味関心度合いに応じて適切なマーケティング施策をサポートするためのツール)や、「Sales Cloud」などのSFAツール(顧客に対して行った営業活動の履歴などを集計・管理する営業支援システム)を利用して、情報を共有・管理する必要があります。

 

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(画像引用元:HubSpot

 

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(画像引用元:Sales Cloud

デメリット2:扱う商品やクライアントとなる企業によって向き不向きがある

商品を購入するのではなく、毎月一定の料金を継続して支払うような定額課金型のクラウドサービスなどを提供している場合、おそらく導入にかかる初期費用は低額となるでしょう。なおかつある程度の契約数を獲得しないことにはビジネスとしても成立しないため、営業工数を削減するという観点からも、こういったサービスはインサイドセールスに向いているといえます。

 

しかし顧客側での決断が重くなる高額商品を扱う場合や、対面での営業が浸透している商品などについては、インサイドセールスが不向きとなる場合もあります。

 

また対面営業が根付く旧体質の企業・業界をメインの顧客ターゲットとしている場合は、習慣の違いによって、インサイドセールスそのものが受け入れられないケースもあるでしょう。

インサイドセールスはどうやって立ち上げる?

では最後に、実際にインサイドセールスを立ち上げる方法について紹介していきます。

目的と責任の範囲を明確化させる

一口にインサイドセールスといっても、先で紹介した水嶋氏によれば、その組織内での立ち位置は以下の4パターンに区分できるといいます。

 

パターン名

役割

リード発掘型

電話などを通じてさらなる見込み顧客の発掘に注力する

リード育成型

すでにある程度商材が関心のある人に向けて、より受注確度を高めるためのフォローを行っていくことに注力

営業クローズ特化型

すでに商材の導入を検討している顧客に向けて、具体的な提案から成約までをインサイドセールスで行ってしまう

フィールドセールス協業型

フィールドセールスと連携を取りながら、見込み顧客の創出や育成などを役割分担しながら行っていく

 

(参照元:インサイドセールス 究極の営業術

 

そこで自社の組織構造に合わせて、インサイドセールスの目的や責任の範囲を明確化するところから始める必要があります。

 

例えば、現在よりもとにかく見込み客の数を増やすことを目的としたいのであれば、前述した4パターンのなかで「リード発掘型」のインサイドセールスを取り入れる必要があります。この場合、電話やメールなどを通じてより多くの見込み客を獲得していくことに注力する必要があります。

 

あわせて、フィールドセールスとの責任の範囲も明確化しておきたいところ。見込み客へのアプローチから成約までの流れのなかで、どの部分をインサイドセールスが担い、どの部分をフィールドセールスが担うのか役割を事前に決めておくことも重要です。

 

実際に「インサイドセールス 究極の営業術」のなかで紹介されている「株式会社セールスフォース・ドットコム」でも、テレアポまででいいのか、また見込み客の関心度合いがどのような状態になったらフィールドセールスに渡すのかなど、責任の範囲を明確化しているといいます。

正しい行動目標の設定

インサイドセールスを取り入れるにあたっては、具体的な行動目標も設定しておきたいところ。例えば、パット思いつくものとしては「アポイント獲得数を1日に○○件」などがあります。これは「1日に○○件に訪問する」といった具合に、訪問型の営業も同様なはずです。

 

一方でアポイント数のみを最優先にしてしまうと、聞き込みが不十分なままでフィールドセールスにパスしてしまうといった課題も考えられます。その結果、フィールドセールスはただ訪問数が増えるばかりで、いたずらに体力を消耗してしまうといった事態にもつながりかねません。

 

前述した通り、インサイドセールスの役割がマーケティングとフィールドセールスの橋渡し役であることを考えると、フィールドセールスには受注確度の高いパスを出す必要があります。

 

そこでアポイント獲得数のみならず、獲得したアポイントのうち何割が成約につながったのかといった部分も目標として設定しておきましょう。その結果、アポイント獲得数という量に囚われずに、質に目を向けたインサイドセールスにつながるはずです。

ツールの選定と導入

インサイドセールスを取り入れるにあたっての目的や行動目標の設定を行ったら、顧客情報を管理・共有するためのツールや、インサイドセールスをより対面に近いかたちで実施するためのWeb会議システムなどの導入も検討したいところ。

 

前者でいえば、先で紹介した「HubSpot」などのMAツールや、「Sales Cloud」などのSFAツール、また後者でいえば弊社製品のV-CUBE セールスプラスなどがあります。

 

一方で、例えばMAツールやSFAツールなどは顧客情報の入力などが必須となるため、毎回の情報の入力を営業担当者に浸透させることも必要です。

 

またMAツールとSFAツールを連動させることで、成約に至った顧客情報をマーケティング施策に活かすなどの取り組みも実施していきましょう。

他部門との連携なくしてインサイドセールスの成功はありえない

ここまでインサイドセールスの役割や立ち上げ方などを紹介してきましたが、組織のなかで取り入れる際は、他部門との連携を前提とすることでより効果が高まるように感じます。

 

例えば前述した通り、商品への関心度合いが高い見込み客の傾向がわかれば、その情報をマーケティングに共有することで、潜在層により響く広告を打つことができるかもしれません。

 

またインサイドセールス単体でのアポイント数のみを優先させるのではなく、受注確度の高い顧客をフィールドセールスにつなぐことに目を向けることで、無駄足を防ぎ、業務の効率化にもつながります。このようにインサイドセールスは、他部門との連携も見据えた上で取り入れることを検討していきましょう。

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