オンプレミス型のWeb会議システムとは?導入のメリットについて
働き方改革や新型コロナ蔓延によるテレワークを受け、そろそろWeb会議システムの導入を検討したい、あるいは、既存のWeb会議システムを強化したい。そう考えている企業担当者も多いと思います。
現在クラウド型のWeb会議サービスを使っても、通信が不安定だったり、セキュリティ面に不安を感じており、オンプレミス型への切り替えを検討されている方もいるかもしれません。
弊社ブイキューブは、2000年の創業以来Web会議・テレビ会議業界に従事し、13年連続国内シェアNo.1を獲得、導入企業は5000社以上の実績を誇っています。
本記事では、弊社が今まで築き上げてきた数々のWeb会議の導入サポート経験を元に、オンプレミス型のWeb会議サービスの特長やメリット・デメリット、導入の注意点についてお伝えします。
オンプレミス型で運用できるおすすめのWeb会議システムもご紹介しますので、ぜひお役立てください。
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Web会議のサーバーの種類「オンプレミス型」とは
Web会議システムに用いられる「オンプレミス型」「クラウド型」とは、サーバーの接続タイプを表す言葉です。
Web会議では、使用するPCやスマホといったデバイスで情報のやり取りができるよう、サーバへアクセスします。
このサーバが自社内に構築されるものを「オンプレミス型」、サービス提供業者が管理しているる場合は「クラウド型」になります。
クラウド型 |
オンプレミス型 |
|
特徴 |
・クライアントソフトのインストール作業や面倒なネットワーク設定・メンテナンスが不要。 ・月額課金で、時間や回数を気にせずに必要に応じて利用できる。 ・ログインをすれば、常に最新の状態で利用できる。 |
・活用スタイルやイントラネット環境に応じたカスタマイズが可能。 ※要件や環境を踏まえ実現性を確認できた場合 ・費用は初期導入費用のみで、月額費用がかからない。 ※別途、保守費用が発生 ・自社のセキュリティポリシーに合わせて導入が可能。 ※セキュリティポリシーにサービスのセキュリティが合致する場合 |
セキュリティ |
△(ベンダーに依存) |
◯(セキュリティポリシーにサービスのセキュリティが合致する場合) |
初期コスト |
○(安い) |
△(高い) |
カスタマイズ性 |
✕(柔軟性低い) |
△(機能追加可能なケースも) |
オンプレミスは、英語で「on-premise」と書き、サーバーやソフトウェア・ネットワーク環境などを、すべて自社内で運用でするきるシステムタイプのことを指します。
ベンダーが運営するサーバーシステムにログインしてWeb会議システムにアクセスするクラウド型とは異なり、自社のWeb会議のサーバーを設置し、管理・カスタマイズします。
セキュリティ
オンプレミス型の場合、自社の専用サーバーを設置することで外部ネットワーク接続が不要となります。また、サービスのセキュリティに自社のセキュリティポリシーが合致する場合には、それに基づいた導入が可能です。
初期コスト
オンプレミス型のWeb会議システムの場合、サービスの費用以外にも、サーバー構築・保守などに関する費用を負担する必要があります。そのためクラウド型と比較した場合、サービス導入初期に多くの費用を要します。
しかし、セキュリティ対策や回線を自社で大幅にカスタマイズしたり、ある程度長期的また大規模な運用を前提にしているのであれば、結果的に月々のコストはクラウド型よりも低く抑えられる可能性もあります。
クラウド型は、月額料金を支払えばサービスをそのまま利用できるため、必要なシステムを全て自社で揃える場合に比べて、初期費用を抑えることができます。
ただし、中・長期的な運用やセキュリティの観点から考えたときには、サーバー運用・管理を外部委託していることで、オンプレミス型よりもトータルコストが高くなる場合もあります。
カスタマイズ性
オンプレミス型では他サービスとの連携や必要な機能の追加など、自社に沿った形でカスタムできるため、自社の状況に応じて、最も使いやすい状態にすることができます。自社にあわせてカスタマイズができる、ネットワークを経由することによるセキュリティリスクを下げるなどの理由で、オンプレミス型の良さが見直されています。
※機能の追加はできないものもあります
クラウド型は、導入してすぐに使用できる利点があるものの、サービスの決められた規格とオプション機能の範囲内での利用しかできず、不便な面もあります。
オンプレミス型の3つのメリット
オンプレミス型のWeb会議システムを採用する主なメリットは、大きく3つあります。
- セキュリティの柔軟さ
- カスタマイズ性
記述したオンプレミス型・クラウド型の比較と共通する部分もありますが、より詳細に解説していきますので、ぜひご参照ください。
1. セキュリティの柔軟さ
オンプレミス型では、社内ネットワーク内に専用サーバを立てるため、外部のインターネットにアクセスすることなくWeb会議システムを運用することができます。
安全な経路で情報のやり取りができるため、情報漏えいやハッキングといったセキュリティリスクを最小限にとどめることができます。
またクラウド型の場合、セキュリティ強度はベンダーのシステムに依存しますが、オンプレミス型では、社内の既存のシステムに対して施しているセキュリティレベルや規制に沿うようにを、オンプレミス型のシステムもカスタマイズすることができます。
特に高いセキュリティレベルが要される経営会議や、顧客情報含まれる会議が頻繁に行われる場合は、オンプレミス型を検討することをおすすめします。
※内容によってカスタマイズできない場合もあります
2. カスタマイズ性
オンプレミス型の場合、スケジュール機能や管理画面のデザインカスタマイズや、セキュリティレベルのカスタマイズなど、自社の用途に合わせた設計をすることができます。自社で開発できることはもちろん、ベンダーに依頼し、付加機能を付けてもらうことも可能です。
※独自で設計・開発できない部分もあります
また、自社サービスやソフトウェアとの連携ができるので、使いやすさが格段に上がります。適宜使いやすいシステムにできることで、社内のシステム利用率向上にもつながります。
Web会議システム・テレビ会議システムの国内市場で13年連続1位を獲得しているブイキューブでは、Web会議システム・テレビ会議システムのオンプレミス型へのカスタマイズもサポートしています。オンプレミス型のカスタマイズには、下記のようなメリットが考えられます。
- セキュリティポリシーを保ったまま社内サービスとの連携が可能なケースも
- プロキシを利用しない場合、より快適なWeb会議を実現
- お客様の社内ネットワーク構成を考慮して設置
- 画面の色、ロゴの一部の変更(OEM提供)ができる
- 長期的な利用を見込んだ場合にコストメリットが高い
- 保守サービスにお申し込みいただければ、導入後のサポートも万全
- クラウド型よりも高いカスタマイズ性
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オンプレミス型の3つのデメリット
一方、オンプレミス型には、初期費用が高い、構築に時間がかかる、自社でトラブルや障害の対応をする必要があるなど、デメリットもあります。
1. 初期費用が高額
オンプレミス型のWeb会議システムは、クラウド型のそれよりも、サーバ・Web会議サービスの導入費用など、初期コストが割高になります。初期費用の内訳としては以下です。
・周辺機器のコスト
・Web会議システム用の回線の設置・設定コスト
・カスタマイズ費用
・サーバルームの家賃
・サーバルームの光熱費
主に、サーバー構築とメンテナンス費用がかかってくるイメージです。
2. 構築に時間がかかる
オンプレミス型のWeb会議システムを導入する際は、機材の選定・調達から自社に適したサービス要件定義の設計まで、2〜数ヶ月もの期間を要する場合があります。
関係する部署やカスタマイズポイントが多ければ、社内調整や承認の時間がさらに長くなるでしょう。オンプレミス型のWeb会議の導入計画は、早めに立てておくことをおすすめします。
なおクラウド型の場合は、申し込みからサーバーの立ち上げまで、最短即日で行うことが可能です。
3. トラブル・障害への対応が必要
自社で完全カスタマイズ・管理を行うオンプレミス型ですが、定期的な保守や監視作業に加え、トラブルや障害にも自社で対応しなければなりません。
技術のある従業員を専任担当者にする、またはシステム保守業者に外注し、保守ができる体制を維持しなければ、万が一のトラブルに対処できなくなります。
オンプレミス型でおすすめのweb会議システム4選
ここでは、おすすめのオンプレミス型のWeb会議システムを4つ厳選してご紹介します。
1. FreshVoice(フレッシュボイス)
出典:FreshVoice
エイネット株式会社が提供する「Fresh Voice(フレッシュボイス)」は、国内での導入実績も豊富で、4,000社以上の企業で導入実績を誇ります。2003年にサービスをリリースして以来、乗っ取りやスキミングといった被害に合っていません。そのため、国土交通省や東京都といった官公庁でも導入されています。
わずか3クリックでWeb会議を開始できる手軽さや、会議の参加者の位置情報を把握する地図機能を備えているのが特徴です。
ソフトウェアタイプですが、テレビ電話に相当するレベルの高画質・高音質で、画面のフリーズや音声の遅延もなく、現場で顔を合わせているかのようなスムーズなコミュニケーションを実現。
また、動画、資料に対するアノテーション(書込み)機能、mp4,swf,wmvなど、一般的に普及している動画拡張子に対応。日常のほとんどのケースにて、動画共有が可能です。
PC上で利用する場合は、音声デバイスのセッティング等を顧客に求めなくてもよいよう、映像はPCの画面、音声は一般の電話や携帯電話を利用するという運用も可能です。
2. MeetingPlaza(ミーティングプラザ)
出典:MeetingPlaza
NTTテクノクロスのMeetingPlaza(ミーティングプラザ)は、16年間で4500社以上の実績を持つWeb会議システムです。
最大128拠点の映像を一度に表示できるため、特に参加拠点の多い会議などに活用できるでしょう。さらに大規模はカンファレンスやセミナーなどの用途に合わせ、最大2000人まで参加できる機能も実装。また、世界各地にサーバや中継点を設置しているため、海外とのWeb会議もスムーズに実施できます。
また、セキュリティ面ではDESに代わる次世代標準暗号方式AES(256bit)を搭載しており、安心してWeb会議を行うことができます。
3. MORA Video Conference(モーラ ビデオカンファレンス)
ITX株式会社が運営するMORA Video Conference(モーラ ビデオカンファレンス)は、5000ユーザー、10年以上の実績を誇るWeb会議システムです。
企業のネットワーク内やデータセンターなどに、オンプレミス型でサーバーを設置することができます。
また、WebページやExcel、WordやPowerPoint、PDFの資料をWeb会議上で共有し、書き込みができます。多人数モードでは、最大1,000拠点同時に、会議室への入室が可能に。スケジュール機能では、自分が参加するべき会議の日時がひと目で確認可能、参加忘れを防ぎます。
オンプレミス型のWeb会議を導入・運用する際の注意点
オンプレミス型のWeb会議サービスを導入する際は、以下の注意点にも留意しましょう。
システム担当者の有無
オンプレミス型の場合は、自社内にサーバーを設けているため、システム障害が発生した場合も自社で対応しなければなりません。そこで自社でサーバ保守をする専任担当者を設ける、あるいは保守・保全業務を外注できる体制を整える必要があります。
オンプレミス型のWeb会議を導入する際は、外注業者へ依頼するコストや、その体制を現実的に維持できるかなど、入念に検討しましょう。「24時間サポートOK」「日本語での対応可」などの項目も、忘れずにチェックしてください。
利用期間
オンプレミス型は長く使い続けるほど、クラウド型よりもコストが安く抑えられると言われていますが、実際は保守業務へのコスト、カスタマイズ費用なども定期的に発生するため、そこまで変わらないのが現状です。
もし、試験的にWeb会議サービスを導入するということであれば、大体の利用期間を定め、予算を計算しておきましょう。まずクラウド型を導入し、その後、オンプレミス型への移行を検討するのでも十分でしょう。
オンプレミス型とクラウド型の移行について
オンプレミス型からクラウド型に、クラウド型からオンプレミス型へWeb会議システムのサーバータイプを移行させることは可能です。現在お使いの各サービスによって移行プロセスは異なりますが、共通して下記の点には注意しましょう。
自社システムと連携可能か
オンプレミス型では、クラウド型と比較するとより柔軟にカスタマイズができ、自社システムとの連携も可能です。それに対し、クラウド型は、オプションで機能を拡充させていきます。場合によっては、切り替える先のサーバータイプが、自社システムとうまく連携できない可能性があります。
セキュリティ強度
最近は、クラウド型のWeb会議サービスでも、インターネットVPNやクローズドネットワークを利用しているものも出てきました。
オンプレミス型、クラウド型のどちらがセキュリティ上100%安全とは言い切り難く、いずれにせよ自社で最善のセキュリティ対策は行う必要がありますが、機密性の高い経営会議や顧客情報を頻繁に扱うような場合は、サーバーの移行自体を慎重に検討しましょう。
サーバータイプの切り替えや、Web会議システム・テレビ会議システムの乗り換えを検討しているという方は、まずお気軽にお問い合わせください。
まとめ|オンプレミス型の導入は計画的に
社内外のやり取りに必要不可欠なWeb会議ですが、値段や安いからと「クラウド型」のWeb会議システムを選んでも、自社に適していない状況であれば、快適なコミュニケーションは実現されません。
本記事で紹介したクラウド型、オンプレミス型、それぞれメリット・デメリットを踏まえ、入念に検討を進めましょう。