アスペクト比は動画の縦横比|適切なアスペクト比を設定する方法

コロナ禍で感染対策のために対面での接触が減ったことにより、オンラインでのコミュニケーションやデジタルコンテンツの活用シーンが増えました。2020年の1回目の緊急事態宣言の前後で比較すると、テレワーク実施率が17.6%から56.4%へ上昇したという調査結果が出ています。

ビジネスでもプライベートでも、動画コンテンツを見る機会が増えたと感じている人も多いのではないでしょうか。特にビジネスの場では、Web会議やオンラインイベントの録画データを不参加者へ共有する、各種ツールのマニュアルを動画で作成するなど、動画の活用シーンが豊富にあります。

このようなビジネス用の動画コンテンツを作成する場合に気をつけたいのが、アスペクト比です。アスペクト比とは動画の縦横の比率のことです。

視聴が想定されるデバイスに適したアスペクト比を採用すると、動画がデバイスのディスプレイに合わせたサイズで表示されて見やすくなります。反対に、アスペクト比がコンテンツの内容やデバイスのサイズに合っていないと、動画が引き伸ばされ不自然な映像になったり一部が見切れたりして、視聴がストレスになってしまいます。

工夫を凝らして動画を作成しても、不適切なアスペクト比であればあまり見られないかもしれません

今回は、動画のアスペクト比の概要や代表例、適切なアスペクト比の決め方などを紹介しているので、視聴者にとって見やすく、より活用される動画コンテンツの作成に役立ててください。

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アスペクト比とは

アスペクト比とは

アスペクト比とは、ディスプレイや動画、画像などの長辺と短辺の長さの比率のことです。「16:9」「4:3」のように、「横:縦」で比率を表します。地上波デジタル放送やYouTubeなどに採用されている「16:9」や、スマートフォンに採用されている「9:16」など、コンテンツやデバイスによってアスペクト比はさまざまです。

コンテンツの内容や利用するプラットフォーム、閲覧するデバイスなどによって適したアスペクト比が異なるため、動画コンテンツを作成する際はアスペクト比を考慮しなければなりません。アスペクト比をあとから変更するのは手間がかかり、映像の伸び縮みや余白が出てしまうおそれもあります。そのため動画コンテンツの用途に応じて、動画作成前にアスペクト比を決めておくことが大切です。

動画や画像の縦横サイズを表す際、アスペクト比のほかに解像度が用いられるケースもあります。解像度は、縦と横のピクセル数を使って「1920×1080」のように「横×縦」で表記します。ピクセル数が多いほど解像度が高く、緻密な表示が可能です。

アスペクト比はあくまで比率のため、「解像度は異なるがアスペクト比は同じ」といったケースもあります。例えば、解像度が1920×1080と3840×2160の動画は、どちらもアスペクト比は16:9です。このようにアスペクト比と解像度は考え方が異なるため、混同しないように注意してください。

代表的なアスペクト比の例

コンテンツやデバイスによって、さまざまなアスペクト比が採用されています。よく利用されているアスペクト比は、以下の6つです。

アスペクト比

主な利用シーン

16:9

地上波デジタル放送、YouTube

4:3

地上波放送(デジタル移行前)

2.35:1

映画

1:1

インスタグラム

9:16

スマートフォン用の縦長動画

16:10

パソコンのディスプレイ

以下、上記6つのアスペクト比についてそれぞれ紹介します。

16:9

16:9はテレビやYouTube、アニメ・ドラマのDVDなどに採用されていて、日常的に目にする機会の多いアスペクト比です。比較的横幅が広いため、「ワイド」といわれることもあります。

多く利用されている標準的なアスペクト比で、馴染みがあって違和感なく視聴できる比率だといえるでしょう。ビジネス・プライベート問わず、幅広いシーンで活用できます。

主流の解像度は1280×720ですが、コンテンツによっては1920×1080(フルHD)や3840×2160(4K)を採用しているものもあります。

4:3

4:3は、地上波放送がデジタルに移行する前のテレビやビデオなどに採用されていたアスペクト比です。16:9が広く普及する前に主流だったため、「スタンダード」とも呼ばれています。

16:9が主流になってからも一部のメディアやCM、地上波デジタル移行前のテレビ番組の再放送などで4:3の映像を目にする機会はありますが、新たに4:3のアスペクト比で作成されるコンテンツは少なくなってきています。

4:3の主流な解像度は、640×480です。

2.35:1

2.35:1は、映画作品に多く採用されているアスペクト比です。ワイドと呼ばれる16:9よりもさらに横に長いのが特徴で、「シネマスコープ」ともいわれています。映画のような雰囲気が出るため、ミュージックビデオやドラマ、YouTubeに投稿されている動画に採用されているケースもあります。

2.35:1の映像を撮影するには、アナモルフィックレンズという特殊なレンズが必要です。一般的なレンズで2.35:1の映像コンテンツを作成するには、まず16:9で撮影して、編集時に上下に黒い帯を入れて2.35:1の映像に仕上げます。

2.35:1の主流な解像度は、1920×817.02です。

1:1

1:1は縦と横の長さが同じで正方形になるため、「スクエア」とも呼ばれています。人気SNS「インスタグラム」が推奨しているアスペクト比で、インスタグラムへ投稿する写真や動画、スマートフォン用の動画コンテンツなどに採用されています。

スマートフォンなど縦長のデバイスでの閲覧に向いたアスペクト比で、パソコンのように横長のデバイスでは「見づらい」と感じる人もいるかもしれません。

1:1の画像や動画が多く投稿されているインスタグラムでは、解像度の推奨は1080×1080となっています。

9:16

9:16は、ここまで紹介してきた比率とは異なる縦長のアスペクト比です。スマートフォンの普及によって採用されるようになったアスペクト比で、動画配信アプリ「TikTok」やインスタグラムのライブ配信、スマートフォンでの視聴を前提とした縦型のドラマ・映画などに採用されています。

16:9や2.35:1などの横長の動画や画像は、スマートフォンを横向きに持ち替えなければ表示エリアが小さくなってしまいます。一方9:16のコンテンツなら、スマートフォンの向きを変えなくてもフルサイズで閲覧が可能です。

スマートフォンでの閲覧に特化したアスペクト比のため、パソコンなど横長のデバイスで視聴するコンテンツには向いていません。

インスタグラムでは、9:16の動画の推奨解像度は1080×1920とされています。

16:10

16:10は、パソコンのディスプレイやプロジェクターのスクリーンなどによく採用されているアスペクト比です。ビジネスシーンで活用されるケースが多く、パワーポイントにも16:10のスライドサイズが用意されています。

地上波デジタルの移行などで16:9の普及が進み、パソコンのディスプレイも16:9が採用されるようになりました。しかし、ドキュメントファイルやWebサイトの閲覧には縦に長いほうが適しており、16:10が採用されるケースも増えています。

ディスプレイやプロジェクターによく採用されている規格のひとつに「WXGA」があり、WXGAのアスペクト比は16:10、解像度は1280×800です。

アスペクト比の決め方

アスペクト比の決め方

適切なアスペクト比を設定すると、デバイスのサイズに合った見やすい動画が作成できます。ここでは、動画コンテンツのアスペクト比を決めるときのポイントをみていきましょう。

ビジネスシーンとプライベート利用の2つの場面で、どのようにアスペクト比を選ぶとよいのか解説します。

ビジネスシーン

ディスプレイや資料のサイズに合わせた動画はストレスなく視聴でき、視聴者は動画の内容に集中するようになります。一方、デバイスや資料と動画のアスペクト比が合っていないと、動画が縦もしくは横に引き伸ばされて見づらくなり、視聴を中断されるかもしれません。そのため、社内外向け問わず、動画を作成するときは適切なアスペクト比を採用するようにしてください。

Web会議や研修の録画データ、ITツールの動画マニュアルなど、ビジネスシーンで利用する動画コンテンツは、視聴するデバイスや動画内で使用する資料のサイズにアスペクト比を合わせましょう。

パソコンのディスプレイやパワーポイントなどの資料は16:9や16:10が主流のため、それに合わせることがおすすめです。会社から従業員にパソコンやスマートフォンなどを支給している場合は、支給しているデバイスのアスペクト比を確認してみてください。

16:9や16:10のほかには、紙資料で多く利用されるA4サイズが210×297mmであるため、A4を横にしたものに比率が近い4:3を採用するケースもあります。

動画を映すもの、再生するデバイスや媒体によって適切なアスペクト比を採用しましょう。

プライベート利用

プライベートで利用する動画も、テレビ番組やYouTubeなどで多く利用されているアスペクト比16:9や16:10がおすすめです。テレビやパソコンのディスプレイは16:9や16:10のものが多く、アスペクト比が9:16に近いスマートフォンも、横にすると16:9の動画が見やすくなります。

また、スマートフォンでの視聴を前提とした、9:16の縦長で作成された動画コンテンツも増えています。ビジネスシーンと同様に、どのようなデバイスで見られることが多いのかを考えて、アスペクト比を選びましょう。

そのほか、情報量の多さやデバイスのサイズに合わせることよりも、動画の印象を重視してアスペクト比を選ぶケースもあります。「映画のような雰囲気にしたいから2.35:1に合わせる」「インスタグラムの推奨に合わせて1:1にする」など、演出したい雰囲気や、動画を掲載するプラットフォームに合わせるのもひとつの方法です。

主なサービスやデバイスのアスペクト比の例

ここでは、主なサービスやデバイスのアスペクト比を表にまとめました。

コンテンツのアスペクト比を決める際の参考にしてください。

サービス

 

サービス

アスペクト比

YouTube

16:9

Zoom

オリジナル:4:3

HD(ワイドスクリーン):16:9

テレビ

16:9

LINE(ビデオ通話)

使用端末や参加人数によって異なる

Googleスライド

標準:4:3

ワイドスクリーン:16:9もしくは16:10

デバイス

 

デバイス

アスペクト比

13インチMacBook Pro

16:10

iPhone 13

9:19.5

iPad(第9世代)

3:4

まとめ

動画を用いたコンテンツを作成するときは、アスペクト比に注意しましょう。アスペクト比が閲覧するデバイスや使用する資料のサイズに合っていないと、動画が引き伸ばされたり一部が見切れたりする可能性があり、視聴にストレスを与えることになります。

動画を作成する前に、主要なサービスやデバイス]のアスペクト比を把握しておきましょう。一般的に横向きのデバイスなら16:9もしくは16:10、縦長のデバイスなら9:16の動画が多く活用されています。ビジネスでもプライベートでも、見やすいアスペクト比を選んで広く活用される動画コンテンツを作りましょう。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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