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 近年、女性の仕事と子育ての両立や長時間労働の抑制に代表されるように、ワークライフバランスのあり方について官民挙げての議論が盛んです。ワークライフバランスの実現は企業にとっても重要な経営課題となっており、優秀な人材採用や生産性向上といった場面でその効果が期待できると言われています。

 

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(画像引用元:平成30年度企業等における仕事と生活の調和に関する調査研究報告書

 

実際、企業アンケートの結果によると全体の8割近くの企業がワークライフバランスの推進を「経営方針に掲げている」もしくは「経営方針には掲げていないが経営課題と位置付けている」と回答しています。今や企業経営とワークライフバランスは切っても切れない関係となっているのです。

 

そこで今回は、企業がワークライフバランス実現に向けてさまざまな施策を講じるメリットや効果、そして具体的な導入手法について詳しく解説いたします。

ワークライフバランスのメリット

そもそもワークライフバランスとはどのような概念でしょうか。

平成19年に実施された「仕事と生活の調和推進官民トップ会議」において、ワークライフバランスが実現された社会を以下のように表現しています。

 

国民ひとり一人がやりがいや充実感を感じながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な働き方が選択・実現できる社会

 

(引用元:政府広報オンライン

 

また、実現に向けた3つの柱として以下の内容が挙げられています。

 

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(画像引用元:知っていますか?ワークライフバランス

 

1) 就労による経済的自立が可能な社会

2) 健康で豊かな生活のための時間が確保できる社会

3) 多様な働き方・生き方が選択できる社会

 

このようにワークライフバランスは企業と働く個人の両方に影響する考え方であり、その実現については企業側と働く個人側とそれぞれにメリットがあります。

企業が得られるメリット

ワークライフバランスの実現により企業側が得られるメリットはいくつかありますが、最も大きなメリットは企業全体の生産性が向上することでしょう。また、社員エンゲージメントや企業イメージが向上することにより、採用活動を優位に進めることができるといったメリットもあります。

 

それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。

 

1:生産性の向上

 ワークライフバランスと生産性向上には密接な関連性があります。厚生労働省の調査によると、労働時間が短いほど労働生産性が高いという調査結果があるのです。

 

生産性

 

(画像引用元:イノベーションの促進とワークライフバランスの実現に向けた課題

 

 同調査では、ワークライフバランスの実現に向けた施策が労働生産性を高める可能性があると指摘しており、実際に組織の設置を含むワークライフバランス実現に向けた取り組みを行っている企業ほど労働生産性が向上していると評しています。

 

具体的な事例として、21時以降まで残業する場合には手続きを必要とする「21時ルール」を全社的に導入し、同時に部下が長時間労働とならないよう管理することをマネジメント職の評価要素とした会社の例を挙げてみましょう。この会社では21時ルールの制定以降、つきあい残業が減少しし残業時間が2割削減されました。結果的に残業コスト削減につながり、生産性も向上したのです。

 

2:社員エンゲージメントの向上

社員エンゲージメントとは会社に対して積極的に貢献しようとする社員の意欲のことです。ロイヤリティと言われることもありますが、要は会社に対してどれだけコミットできるか、愛着や覚悟・信頼を指しています。

 

社員エンゲージメントが上がると、自発的な課題発見やその解決を積極的に行うようになります。結果として業績も上がり、顧客満足度もそれにつれて上昇していきます。

 

また社員同士も有効な関係性を築くことが多く、企業側にとっても離職率の低下やポジティブ情報の発信などによる採用効率の向上といった多くのメリットを享受することが出来るようになるのです。

 

3:企業イメージの向上

ワークライフバランス実現に向けて積極的に取り組むことで、行政から認定されたりメディアに取り上げられたりするなどして企業イメージが向上することがあります。

 

ワークライフバランスに取り組むということは、イコール社員を大切にする企業という評価を得ることであり、ひいては社会に貢献する意識の高い企業ということになります。

 

企業イメージの向上は特に人材採用の場面において大きくプラスに働きます。人気企業は総じてワークライフバランス実現に向けた取り組みに積極的であり、学生に向けた働きがいのあるホワイト企業ランキングが公開されるなど、その重みは年々増加していると言っても過言ではないでしょう。

社員が得られるメリット

 では、もう一方の社員が得られるメリットをピックアップしてみましょう。企業で働く社員側のメリットは大きく、特に労働時間の削減は家庭やプライベート時間の拡大につながるためワークライフバランス実現の恩恵を最も大きく受ける部分ではないかと思います。

 

1:プライベートの充実

企業がワークライフバランスに向けた取り組みを開始させることにより、長時間労働の抑制やフレックスタイムの導入、勤務地選択制度、長期休暇取得促進といった働きやすい環境が実現されます。つまり、オンとオフのメリハリをつけやすくなると同時にプライベート時間の拡大も図れるということ。

 

結果として趣味や家族のために使う時間が増え、会社に依存しない人生を送ることが出来るようになります。

 

また、労働時間が短くなった分、仕事以外の時間を資格取得に充てるということも可能です。ワークライフバランス実現の結果社内の有資格者数が増加した塗装会社もあり、プライベートの充実が企業の業績にもプラスに貢献するケースもあるのです。

 

2:ストレスの軽減

仕事はストレスとの戦いです。ストレスのない仕事など無いに等しいのですが、仕事以外でのストレスを仕事に持ち込むことがあるのも現代の会社員事情ではないでしょうか。

 

その最たるものが通勤ラッシュです。さまざまなワークライフバランス取組みの中でも、通勤ラッシュを避けることができるフレックスタイム制度や時短勤務、テレワークといった施策は非常に効果が高いといえます。

 

この点に着目している企業は多く、株式会社モスフードサービスでは通勤ラッシュを避けるために通勤緩和措置を導入し、ワークライフバランス実現を図っています。

 

また行政としても川崎市がオフピーク通勤を推奨するなど、通勤ラッシュを最大のストレスと認識している企業・組織は非常に多くあります。

 

3:育児・介護との両立

ワークライフバランス施策の中で比較的古くから取り組まれているのが育児や介護に対する休暇・時短制度ではないでしょうか。

 

利用するのは比較的女性が多かったのですが、最近では男性もこの制度を利用して育児に参加したりすることもあります。

厚生労働省は2018年度雇用均等基本調査の中で2020年までに男性の育児休業取得率13%という目標を掲げていますが。実際は6・16%に留まっており実現は難しそうです。

 

とはいえ、以前と比べると男女とも育休を取りやすくなっているという声も多く、制度利用が進んでいる様子がうかがえます。育児や介護は非常に重労働であり、仕事と両立させるにはこれらの制度を有効に活用することが大切です。ワークライフバランスの進展により、社員が家庭のために割く時間も徐々に増えつつあるのです。

ワークライフバランスを整える手法

企業がワークライフバランスを実現するには、柔軟な働き方に対応した制度の導入や生産性を向上させるツールの導入が必要となります。

 

内閣府が行った平成30年度企業等における仕事と生活の調和に関する調査研究報告書によると、企業が柔軟な働き方を実現するために導入している制度として「始業または就業時間の繰上・繰下」や「半日単位の休暇制度」をほとんどの企業が導入済みです。それに加えて、企業規模が大きくなるとフレックスタイム制度やテレワークの比率も上がり、社員にとって働き方の選択肢が増えるという結果になっています。

 

柔軟な働き方に関する制度で導入しているもの

 

(画像引用元:企業等における仕事と生活の調和に関する調査研究報告書

 

 では、1001人以上の企業で44%強が導入しているフレックスタイム制度、そして34%近くの企業が導入しているテレワークについてその特徴をご説明いたします。

フレックスタイム制の導入

フレックスタイム制とは社員が1日の始業と終業時刻を自分で決めて働く事ができる制度となります。コアタイムと呼ばれる必ず勤務しなければならない時間帯を設定している企業が多いですが、中にはコアタイムのないフレックスタイム制度を導入している企業もあります。

 

フレックスタイム制を導入することで、労働時間を効率的に分配することが出来るようになります。全員が顔をそろえて働く必要の無い職場であれば無駄な残業を減らし生産性を向上させることができます。また社員側にとっても、通勤ラッシュを避けることができる、自分の都合を優先して働くことができるといった多くのメリットがあります。

 

実際にフレックスタイム制度を導入した企業の34%が「ワークライフバランスが向上された」と回答、あわせて30%が「残業時間、労働負担の削減につながった」と回答しており、働き方改革における非常に有効な手段として注目されています。

テレワークの導入

テレワークとは本来出社して働く必要があるところを、Web会議システムやクラウドツールを導入して出社せずに業務を遂行できるような環境を整備し働くことを指します。

 

英語のtele(離れた)とwork(働く)をあわせた造語であり、在宅勤務やサテライトオフィス、モバイルワーク、ノマドワークといった働き方がこれに該当します。

 

テレワーク

 

(画像引用元:一般社団法人日本テレワーク協会

 

 テレワークには大きく7つのメリットがあるとされています。図のように、オフィスコストの削減や生産性の向上と並んで、社員のワークライフバランスの実現や優秀な社員の確保もそのうちのひとつ。地方の優秀な人材を確保するためにテレワークを導入している企業も多くあります。

 

テレワークを実現させるためには高品質なWeb会議システムが必要不可欠です。逆に言えば、Web会議システム導入によりインターネットさえつながっていればどこにいても仕事ができる環境を実現できるということ。フレックスタイム制度と並んでこれからの新しい働き方の実現に向けて切っても切れない仕組みであるといえます。

ワークライフバランスに取り組む企業の事例

ワークライフバランス実現に取り組む企業は多く、多様な働き方の推進により多くの企業がさまざまな成果を上げています。前述したテレワークやフレックスタイムだけでなく、経営幹部による雰囲気作りなどもワークライフバランスの実現には必要不可欠。

 

こういった条件を踏まえ、ワークライフバランス実現に積極的に取り組んでいる企業を3社ご紹介しましょう。

1:サイボウズ株式会社

サイボウズ

 

(画像引用元:サイボウズ株式会社

 

 サイボウズofficeやkintoneといったグループウェアの開発と販売を手掛けるサイボウズ株式会社。『日本における「働きがいのある会社」ランキング 中規模部門(従業員100-999人)』には2014年から毎年上位にランクインしており、2019年は第2位に輝きました。

 

受賞理由にもなっている「新・働き方宣言制度」の運用は非常に革新的であり、「100人いれば、100通りの人事制度」を理念としたさまざまな働き方改革の推進は多くの企業の見本になっています。

 

制度・ツール・風土の3つの要素をワークライフバランス実現に向けた必要な要件と定義し、ウルトラワークと呼ばれる在宅勤務制度や子連れ出勤制度、誕生日会などの施策を導入しています。中でも画期的なのが2018年からスタートした働き方宣言制度。社内のグループウェアに出勤時間や在宅勤務日といった具合に仕事をする時間を「宣言」し、自分の働き方を自分で決めることができるようにしています。

 

このように働き方についての選択肢が増えた結果、2005年には28%あった離職率が現在では4%前後に落ち着きました。

2:株式会社資生堂

資生堂

 

(画像引用元:株式会社資生堂

 

世界で勝てる日本発のグローバルビューティーカンパニーを目指して主力の化粧品事業やフロンティアサイエンス事業、レストラン事業、フーズ事業を手掛ける株式会社資生堂

 

事業の特性上、比較的女性社員が多く女性の働き方については常に時代の最先端を行く制度の導入に積極的でした。その一方で数少ない男性社員については制度利用がなかなか進まない現状に悩まされていたそうです。

 

もともと日本全体でみると男性の育児参加や家事負担率は非常に低く、同社内でも男性の育児休暇や介護休暇取得率は女性ほど高くありませんでした。

 

そこで、「男女ともに育児・介護をしながらキャリアアップ」できる会社を目指し、男性社員の育児休業取得を促進。2週間以内の育児休業を有給化し、条件付きで繰り返し取得できるように制度を改定しました。

 

これにより、2017年度には男性社員の育児休業取得者数が18人となり、男性でも気軽に育児参加できるような環境が整備されました。

 

また、同社はワークプレイスの改革にも取り組んでおり、モバイルPCやグループウェア、SNS、Web会議システムなどのツールを続々と導入。ITリテラシーの低い社員には若手社員をメンターにしたマンツーマン支援を行い、生産性を向上させています。このような全社を挙げたワークライフバランスの実現により人気企業ランキング上位の常連となっています。

3:アクトインディ株式会社

アクトインディ

 

(画像引用元:アクトインディ株式会社

 

 2008年にサービス開始した子どもとお出かけ情報サイト「いこーよ」を運営するアクトインディ株式会社。多様な勤務形態を導入し、社員が働きながら生活を充実させることが出来る企業として東京都より平成30年度東京ライフ・ワーク・バランス認定企業として表彰されました。

 

同社の取り組みの特徴は、「子どもと毎日夕飯を一緒に食べられる働き方」を目指すと宣言しているところ。コアタイムのないフレックス勤務制度を制定するとともに、1日6時間勤務となる育児短時間勤務制度を子どもが小学校を卒業するまで利用できます。

 

制度だけでなく、社内の雰囲気作りも大切と考える同社では、社長自ら育児のための時短勤務を取得し、社員に対しても早く帰るよう呼び掛けるなど休みやすい環境の実現に向けて注力しています。

 

同時にテレワーク制度の導入も行い、育児だけでなく通院や通勤事情に応じて柔軟に活用できるよう制度を整備しました。これらの取り組みの結果、フレックスタイム制度はこれまでに65名が利用、テレワーク制度は約70名が利用するようになっています。

 まとめ

ワークライフバランスは仕事とプライベートを両立させ相乗効果によりポジティブな循環を生み出す考え方です。決してどちらかを犠牲にするという類のものではありません。

 

企業側は制度の改定やツールの導入といった形でワークライフバランス実現に向けた取り組みを強化し、社員側はそれにより生産性を上げ生き生きと働くことが求められます。

 

少子高齢化により労働力人口が減少を続ける中、企業は生き残りのためにワークライフバランスに取り組む手を緩めることはできません。特に中小企業においては、いまだ導入が進んでいないテレワークやフレックスタイム制度といった施策導入を本格的に検討すべき時期に来ているのではないでしょうか。

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