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働き方改革法案が2019年4月から順次施行され、2020年4月からは中小企業も時間外労働の上限規制が導入されます。残業時間の上限は、月45時間・年360時間が原則。月45時間というのは、1日当たり2.25時間程度の残業に相当します。

 

長時間、従業員に働いてもらうのは本意ではないにしても、仕事量が減らないのに仕事時間を減らすのは至難の業ですね。中には人手不足で一人当たりの仕事量が増えている企業もあるでしょう。それでも残業時間を減らさなくてはいけない、今はまさに変革期とも言える時期にきています。

 

会社として何も対策をしなければ、隠れ残業の増加や従業員の退職、仕事量が減ることによる業績の悪化など、最悪の状況になる可能性もあり得ます。そこで今回は残業と効率の関係について述べた後、時間の効率的な使い方を徹底した働き方について解説します。

残業と効率の関係

同じぐらいの業務量であっても、残業の多い人と少ない人がいます。そうすると、残業が多い人は、仕事の効率が悪いのではないかと考えられがちですが、実は必ずしもそうとは言えません。残業をすることで仕事の効率が下がっている可能性も高いのです。2つの調査結果をもとに解説します。

体力と集中時間の関係

人間はロボットではありません。疲れがでると、誰しも集中力が落ち、労働生産性が下がります。

独立行政法人労働者健康安全機構が発行している情報誌「産業保健21」の第94号(2018年10月)で「労働時間と労働生産性」について興味深いデータが紹介されていました。

 

下記のグラフは、各国の労働者1人当たり年間労働時間に対する労働生産性のデータをプロットしています。日本は、欧米諸国と比較して労働時間が長く、労働生産性が低いことが明確です。そして労働時間と労働生産性には相関があり、労働時間が長くなればなるほど、労働生産性が低下するという関係が見られます。

 

つまり、残業をして長時間働くと労働生産性が落ちるのです。

 

また、あくまでも参考値ですが、回帰式y=-0.0735x+178.57を用い、労働者1人当たりの年間生産額が最大となる年間総労働時間を算出すると1215時間です。つまり1月当たり101時間程度で、20日働くとすると1日当たり5時間程度ということになります。

 

米国の心理学者アンダース・エリクソンは、人が一日に集中できるのは4時間ほどと述べていますので、人間の能力から考察しても1日5時間の労働というのは概ね妥当なラインなのではないかと考えられます。


年間総労働時間と労働生産性の相関

(出典:産業保健21 第94号より)

 

次に、人の体力を決める要素である健康面から労働生産性について考えてみましょう。経済産業省が発行している『企業の「健康経営」ガイドブック~連携・協働による健康づくりのススメ~』。その中で、プレゼンティーイズムと健康関連指標との関係について述べられています。プレゼンティーイズムとは、出社しているものの、業務に集中できない状態のこと。よくあるのが風邪などの体調不良時です。

 

下の表によると、血圧などの身体的な不調以上に、生活習慣指標のアルコール摂取、睡眠休養、および心理的指標(主観的健康観、生活満足度、仕事満足度、ストレス)のリスク者のプレゼンティーイズム損失コストが大きいという結果が出ています。

 

つまり残業が増え、睡眠時間が減ったり、生活や仕事への満足度が落ちたり、ストレスが増えたりすると、集中力にも大きく影響し、生産性が下がってしまうのです。

 

プレゼンティーイズム損失コストと健康関連指標の関係

 

(出典:企業の「健康経営」ガイドブックより)

平均的な会社員の時間の使い方

次に総務省が昭和51年以来5年ごとに実施している「社会生活基本調査(平成28年)」から、働いている人の生活時間の使い方を見ていきましょう。

 

有業者の平均仕事時間は、5時間55分で、男性が6時間49分、女性が4時間47分。雇用形態別にみると、「正規の職員・従業員」が7時間9分(男性が7時間33分、女性が6時間16分)、「正規の職員・従業員以外」が4時間19分(男性が4時間57分、女性が4時間1分)となっています。


雇用形態別仕事時間

(出典:平成28年社会生活基本調査より)

 

子どもがいる世帯に限ってみてみると、共働き世帯の場合、男性の仕事時間は8時間31分、家事関連時間は46分、女性の仕事時間は4時間44分、家事関連時間は4時間54分。夫が有業で妻が無業の世帯の場合、男性の仕事時間は8時間16分、家事関連時間は50分という結果が出ています。

 

男性の場合、妻が働いている場合も、無業の場合も大きな差はありません。一方で共働き世帯をみてみると、女性は仕事時間と家事関連時間がほぼ同じなのに対して、男性は仕事時間が圧倒的に長く、家事関連時間はかなり短くなっています。


仕事と家事時間

(出典:平成28年社会生活基本調査より筆者が作成)

 

もう少し時間について細かくみたのが以下の表です。睡眠や食事、身の回りの用事、通勤・通学の時間については、雇用形態や性別に大きく影響せず、差は1時間未満。それに対して、仕事、家事、余暇の時間は、雇用形態および性別に大きく影響しています。

 

生活時間

(出典:平成28年社会生活基本調査より筆者が作成)

 

当然ですが、職業によっても仕事時間は変わってきます。社会生活基本調査では職業別の調査を行っていないため、NHK放送文化研究所が発表している「2015年国民生活時間調査報告書」からご紹介します。

 

経営者・管理職は平日の仕事時間が最も長く9時間24分。事務職・技術職は7時間56分、技能職・作業職は8時間9分です。技能職・作業職は土曜日の仕事時間も長めで4時間24分という結果が出ています。

 

職業別仕事時間

(出典:2015年国民生活時間調査報告書より)

仕事を効率的に進め自ら残業を減らすには?

前述した通り、正規の職員・従業員の場合は特に仕事時間が7時間9分(男性が7時間33分、女性が6時間16分)と長く、集中力が続かず、労働生産性が落ちている可能性があります。仕事を効率的に進め、時間を有効に活用できるよう働き方を変えていきたいですね。

 

仕事時間を短縮できれば、その分、睡眠時間や余暇の時間を増やすことができます。そして生活満足度や仕事満足度が上がり、ストレスがたまりにくい生活にもつながり、労働生産性も向上するでしょう。

 

また、残業が多いということは、締め切りが迫った仕事で精一杯の状態とも言えます。この状態だと、効率を上げるために業務改善をする余裕が生まれません。つまり効率が悪い方法を続けるしかないのです。

 

仕事時間7時間のうち、1時間を急ぎではないけれど、業務改善のような重要な仕事にあてられるようになれば、業績アップも現実のものとなってきます。

業務目標を明確に意識

仕事の効率化を考える際に、最も重要になってくるのが業務目標、もっと言えば「ミッション(使命)をどれだけ意識できているかです。会社としての目標、部署としての目標、チームとしての目標、そして個人の目標、そのどれもをしっかりと把握して常に意識して仕事に当たると、今、自分がやるべきことが明確になります。

 

言い換えると、終わりを描くことで、自分が今いる位置が分かり、目標を達成するために何をすべきかが見え、正しい方向へ進むことができるのです。道筋を考えやすくなると、無駄な作業を減らすことができます。

 

また業務目標を明確に意識できていると、仕事の重要度を適切に判断できるようになるでしょう。

関係の無い仕事を切り離す

人が一人でできる仕事量は限られています。自分がやらないといけない仕事と、自分がしなくてもいい仕事を分けてみましょう。その上で、自分がしなくてもいい仕事は思い切って自分の仕事から切り離すことを考えてみてください。

 

例えば、一概には言えませんが、誰にでもできる仕事は、自分がしなくてもいい仕事に分類できる可能性が高いです。また自分しかできない属人的な仕事であっても、仕事の重要度が低いものであったり、マニュアルを作成して標準化すれば誰でもできるようになったりする仕事は、自分の仕事から切り離します。

 

切り離した仕事は、AIやRPAを導入することで自動化したり、外注したりするといいでしょう。会社としては、そういったことができる体制を構築しておくことが大事です。方法として提示するだけでなく、意識面での教育も必要になります。

 

変化を嫌う人、人に頼むのが苦手で自分で何でもやりたいタイプの人もいます。新しい試みは、軌道にのるまでは負担が増す可能性があり、躊躇してしまうこともあるかもしれません。そういった部分での意識改革、教育が大事になってくるのです。

 

切り離す仕事の量的に、どこかの企業に外注するほどではない場合は、フリーランスに依頼するのはいかがでしょうか。子育て等を理由に退職した人に、在宅でやってもらえないか相談してみるのもオススメです。会社の雰囲気や仕事の状況などが分かっているケースが多く、スムーズに事が進みやすいでしょう。

 

そうした繋がりがない場合は、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサービスを利用して探す方法もあります。

 

自分がしなくてもいい仕事を切り離すと、本来自分がすべき仕事に集中でき、結果として仕事の生産性が上がり、プラスαの施策など、次につながることを考える時間も作れるようになるでしょう。

優先順位の徹底

ToDoリストを作成するなど、どんな人も優先順位を決めて、仕事をしていることと思います。その優先順位が本当にベストなのか、優先順位に従って仕事ができているのか、もう一度見直してみてください。

 

スティーブン・R・コヴィー著の「完訳 7つの習慣 人格主義の回復」では、最優先事項を優先できるよう、仕事を緊急度と重要度の2つの軸で分けて考えることを推奨しています。つまり、「重要×緊急」「重要×緊急でない」「重要でない×緊急」「重要でない×緊急でない」の4つに仕事を分類。

 

この中で「重要×緊急」に分類されるものは、優先順位が高くなります。しかし、ここばかり意識していると次から次へと仕事が押し寄せ、ストレスがたまり、燃え尽きる危険性があるとのことなので、ご注意ください。

 

コヴィー氏によると、効果的な人は、「重要でない×緊急」「重要でない×緊急ではない」を避け、できるだけ「重要×緊急でない」に分類される活動に時間をかけることで、「重要×緊急」が占める割合を小さくしていくのだそうです。

 

「重要ではない×緊急」の例としては、無駄な会議や飛び込みの用事、電話などが挙げられ、「重要でない×緊急ではない」の例としては、雑用などが該当します。

 

一度、仕事を細分化して書き出してみることをオススメします。そのときに業務にかかる時間も一緒に記載しておきましょう。そして優先順位を考えてみてください。

 

7つの習慣

 

(画像引用元:完訳 7つの習慣 人格主義の回復

 

優先順位が決まったら、それを徹底するための仕組みが必要です。

 

よくある仕事風景を例に考えてみましょう。電話やメール、チャットがくれば手元の作業をとめて対応し、誰かに話し掛けられれば仕事を中断して話を聞く……。

 

例えば、自分で決めた優先順位の一番がチャットへの対応であれば、こうした仕事のやり方はベストですが、優先事項の中にも入っていなかったとしたら、それは見直す対象になります。チャットの対応で午前中の時間が終わってしまい、残業につながっているのであれば、早急に改善が必要でしょう。

 

一説によると、現代人は11分に1回の頻度で人に話しかけられたり、メールやチャット、電話が飛び込むという話もあります。一方で、人は深い集中に入るために23分ほどかかると言われており、この状態では労働生産性が上がらないのは無理もありません。一方で、電話が鳴っていても気にせず無視できる人も、ほとんどいないことと思います。

 

今回は電話を例に説明しましたが、個人の努力では改善しにくいものは、会社が主体となり改善を考える必要があります。電話をなくす会社も最近は出てきました。また外注も含めてコールセンターで全ての電話を受けて、後で掛けなおすという体制をとっている企業もあります。

 

個人と会社が一緒になって業務改善を行うことで、より生産性が上がる仕組みを作ることができるでしょう。

業務時間の最適化

仕事を細分化して業務時間も含めて書き出し、優先順位決める際は、可能であれば、個人で書き出したものをチームや部署単位で持ちより、話し合う時間を作ると効果的です。同じ業務であっても人により優先度(重要度)が違っていたり、業務時間が大きく異なるケースがあります。

 

同じ業務でも時間の差が大きい場合は、やり方について話をしてみると、より効率的な方法を知ることができるかもしれません。また仕事の重要度は低いのに、業務時間がかかりすぎているものがあれば、それも見直しの対象です。

 

重要度の低い会議の開催をやめたり、時間を短縮したり、出張が多く移動時間が膨らんでいるようであればテレビ会議やウェブ会議で代用できないか検討したりします。

 

そして最終的に、それぞれの業務に必要な時間を最適化していきましょう。

まとめ

仕事が終わらないから残業をする、そして残業をするから仕事の効率が落ちる、残業が多い人、多い企業はこうした負のスパイラスに陥っています。今すぐ、業務改善に取り組みたいですね。

 

時間を有効に活用するためには、業務目標を明確にし常に意識し、優先順位を徹底できる体制作りが急務です。自分がやらなくてもいい仕事を切り離し、無駄な業務があればやめ、業務ごとに時間の最適化をすることをオススメします。

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