インサイドセールスにおけるKPIはどうすべきか?設定のポイントとは

インサイドセールスは、BtoB、BtoC問わずさまざまな企業が取り入れている営業方法で、新規顧客へのアプローチ、既存顧客への追加注文促進などを目的として行われています。

求人サイトdodaの調査によると、「インサイドセールス」「カスタマーサクセス」の求人は2019年1月から2021年7月にかけて約7.4倍になるなど、新しい営業手段の1つとして注目されている状況です。

インサイドセールスで目標達成するためには、とにかくアポイント数を増やすべきという意見もありますが、それでは最終目標を達成するまでの効率がかなり落ちる可能性があります。営業活動を効率よく行うためには、経過に沿ってKPIをそれぞれ設定し、どこに問題があるのか分析することが重要です。

そこでこの記事では、インサイドセールスのKPIについて、どのようなことを設定すべきか、分析方法、設定方法について解説します。

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インサイドセールスの主要KPI

KPIは最終目標達成に向けての中間目標を指します。KPIはそれぞれの業種や企業によってどのように設定するのか異なりますが、インサイドセールスの場合は、以下の4つがKPIとして設定されることが多いでしょう。

KPI

内容

コール数(フォローアップ数)

顧客に電話やメールなどでアプローチする件数

コネクト数

返信や返答がきて実際にコミュニケーションをとれた件数

アポイント獲得数

商談の約束ができた数

有効商談数

見込みのある商談につなげた数

それぞれのKPIにおける達成数を記録し、分析することによって企業が行っている営業活動のどこにボトルネックがあるのか見つけられるようになります。そこから改善・対策を行なっていけば、より効率的で確実な営業活動につながるでしょう。

分析方法としては以下のものがあります。

 

計算方法

内容

コネクト率

コネクト数÷コール数

・コール数に対してどのくらいコネクトに成功しているのかを表す確率

・コネクト率が高いと、電話やメールでのアプローチの効果が高いことを示す

・インサイドセールスのパフォーマンスの高さを計れる

アポイント獲得率

アポイント獲得数÷コネクト数

・コネクト数に対して、どの程度アポイントがとれたかを表す

・アポイント獲得率が高いと、コネクト時に適切な対処ができているということを示す

有効商談率

有効商談数÷アポイント獲得数

・アポイント数に対してどのくらい見込みある商談につながったのかを表す

・有効商談率が高いときには、効果のあるアポイント獲得や商談ができているということになる

コネクト率が低いときは最初の電話やメールによる営業活動に、アポイント獲得率が低いときはコネクト時の対応に、有効商談率が低いときには商談の内容に問題があると言えます。これらはすべて客観的に記録した数から出せるため、自社のどの部分に課題を抱えているのか把握するときに役立つでしょう。

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インサイドセールスのKPI設定のポイント

KPIをどのように設定すべきか、業種によって異なります。ここでは、インサイドセールスにおけるKPIの設定をどうすべきか解説します。

成果目標、経過指標、行動指標に分類して考える

まずは、最終的な成果をどこまで求めるのかを決める成果目標を設定し、そのためにはどの程度の行動が必要かを決める行動指標を設定します。行動指標と結果目標の中間として、経過指標も設定すると、より細やかな目標設定ができるでしょう。

KPI設定では、この3種類に分類してから設定していくと効果的です。先ほど紹介したインサイドセールスのKPIを例にすると、成果目標が有効商談数、経過指標がアポイント獲得数、行動指標がコール数になります。このように3種類に分類し、成果目標から逆算して経過指標、行動指標を具体的に設定していきましょう。

多角的に指標を捉える

KPIは目標を細かく分けていくものですが、1つだけに着目すると逆効果になることがあります。

例えば「行動指標であるコール数を多くすれば成果目標達成につながるはずだ」と盲目的になることは危険です。単純に目標コール数を多く設定すれば、おのずと成果目標達成につながる可能性は上がりますが、現場のストレスやプレッシャーも上がってしまいます。結局質が悪くコネクト数、アポイント数につながらないアプローチになれば、全体的な効率が下がるおそれがあります。

同様に、アポイント獲得数を増やすことだけに着目してしまうと、商談に繋がらない質の悪い商談ばかりをしていることに気が付けないかもしれません。アポイント獲得数を増やそうと数ばかり見るのではなく、商談につながるアポイントをとれているのか質を確認することも重要です。

個々のKPI達成具合に注目し改善していくことは必要ですが、全体的な効率や質の高い営業活動を目指すのであれば、広い目線で多角的に指標を捉えなければなりません。

他部署と認識をすり合わせる

インサイドセールスでは、基本的にマーケティングとフィールドセールスの間で活動します。

インサイドセールスにより多数のアポイントメントや商談を獲得しても、購買意欲が低い顧客ばかりではフィールドセールスの行動に無駄が多くなってしまいます。また、インサイドセールスの時点で顧客が求めるものや、解決したい悩みを把握できれば、より適切なマーケティングができるようになるでしょう。

そのため、インサイドセールス部門だけで目標を設定し分析・改善するのではなく、それぞれの部署との連携が重要となります。

KPIを設定するときにも、インサイドセールスだけで完結するのではなく、マーケティングやフィールドセールスの状況や目標なども参考にするようにしましょう。有効商談、有効リードの定義や、キャンペーンの管理、顧客情報の引き継ぎなど、直接KPIに関わらないような活動についても把握してから、KPIを設定をすることが望まれます。

まとめ

インサイドセールスのKPIは、主にコール数(フォローアップ数)、コネクト数、アポイント獲得数、有効商談数の4つです。これらは、それぞれ行動指標、経過指標、成果目標に分類できるため、インサイドセールスの経過に沿った目標設定ができるようになります。

インサイドセールスの成果を上げるために、「まずはコール数を増加」と考える企業も少なくありませんが、最終的な目標を達成するためには、他部署と連携しつつ総合的な目線での目標設定が必要です。KPIで個々の目標を設定しつつ、多角的、全体的な目線を忘れないようにしましょう。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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