Web面接を実施する企業側が知っておきたいポイントと注意点は?録画の活用方法についてもご紹介!

新型コロナウイルス感染拡大を機に、採用活動をWebに切り替えた企業も多いのではないでしょうか?Web面接には感染症対策だけではなく、地方採用やコスト面でもメリットがあります。

本記事では、Web面接のメリットや注意点について解説します。Web面接のメリット、注目されている背景、録画の活用方法についての情報もまとめているので、ぜひ参考にしてください。

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Web会議システムを用いた採用方法

Web会議システムを用いた採用の代表例は、以下の8つです。

  • 会社説明会
  • インターンシップ
  • 社員面談
  • 集団面接(グループディスカッション)
  • 個人面接
  • 通常の面接
  • プレゼンテーション

会社説明会のように企業が不特定多数の学生向けに行うものもあれば、社員面談のように1対1で実施するもの、個人面接のように1対複数人で実施するものなど、Web会議はさまざまなところで活かせます。

また、対面で行われていた面接もWeb会議システムで行えば、遠方の人でも参加がしやすくなります。感染症の拡大やITの発展という社会情勢を背景に、Web会議システムの種類も多様化しており、採用活動に特化したサービスやツールも登場しています。採用活動を最適化して優秀な人材を確保するためには、用途に適したシステムを導入することがポイントでしょう。

面接前の準備とメールのポイント

Web面接が導入され、応募者は移動の手間やコストの負担がなくなり、遠方の企業の採用活動にも積極的に取り組めるようになりました。一方、Web面接には企業側が事前に行うべき準備が数多く存在します。準備を怠ったことにより、面接当日にトラブルが発生する可能性もあるため、注意が必要です。

ツールの選定をする

現在行っている採用活動の流れを具体的に洗い出して、最適なツールを選んでいきます。Web面談ツールには、さまざまな種類がありそれぞれ機能も異なります。

スケジュール管理・録画・資料共有・メモ・チャットなど、必要な機能があるかどうか確認しながら選びましょう。有料のWeb面談ツールの支払方式には、大きく分けて「月額固定制」と「利用人数・利用時間に応じた従量制」の2種類があります。どちらの場合も固定費が発生するため、年間の採用計画や予算と照らし合わせながら選定しましょう。

通信環境を整え、ラグや接続不良を防ぐ

Web面談でもっとも多いトラブルは、通信不良です。「接続ができない」「音声が聞こえない」などのトラブルが発生すると、面談が円滑に実施できなくなります。事前にリハーサルを行い問題なく通信できるのか、必要に応じて情報システム設備の見直しを行いましょう。

また、Web面接の時間にアクセスが集中しないようにする等、接続不良が起きにくい運用ルールも決めておくとよいでしょう。たとえば、始業前のネットワークを使用していない時間帯に面接をセットするなど、余裕のある通信環境で実施できるようなルールなどです。

機密情報が漏れない環境を整える

機密情報が漏れない環境を整えることは企業のリスクマネジメントとしても非常に重要です。とくに、社内の様子がオンライン上で背景として映ってしまうと、予期しないうちに社内情報が漏洩してしまうリスクがあります。Web面接用の部屋を用意する、背景が写り込まないように専用の画像を用意するなど、情報が漏れないようにしましょう。

また、Web面談では資料共有をする際に、意図せずパソコン画面が映ってしまうこともあります。デスクトップに資料やフォルダを無造作に置いてある人は、あらかじめ整理したうえで面接を実施しましょう。

デバイスを固定してカメラ位置・角度を合わせる

Web面接が始まる前にデバイスを固定したうえで、最適な位置を見つけておきましょう。とくに、自宅から採用活動を実施する場合、陽の当たり方によっては逆光になる可能性があります。自宅でも事前にテストを行い、きれいに映る場所を探しておくと安心です。

複数の面接官が1カ所に集まって行うWeb面接では、音声と映像に注意する

複数のパソコンを並べると音がハウリングしたり、お互いの声が反響したりする可能性が考えられます。そのため、それぞれヘッドセットを用意したほうがよいでしょう。

ヘッドセットがあれば応募者の声が聞き取りやすくなるため、コミュニケーションも円滑になります。ヘッドセットなどを使用するときは、Web面接前に実際の使用感を確かめておきましょう。

メールで事前連絡をする

基本的に、Web面接を行う前に応募者にメールで連絡をします。事前連絡として必要な事項は以下のとおりです。

  • 日時(入室可能時間も記載する)
  • 場所(静かな場所、Wi-Fi環境が整っているところ等)
  • 会議のURL
  • アプリのダウンロード有無
  • システムのマニュアル
  • 面接官の役職・人数
  • 準備物
  • 服装・髪型の指定
  • イヤホンの使用可否
  • バーチャル背景の使用可否
  • 録画・録音の有無
  • 返信の必要性
  • 緊急連絡先

待機室の設定をする

ZoomなどのWeb面接ツールには待機室の機能があります。Zoom使用時に「ミーティングのホストは間もなくミーティングへの参加を許可します。もうしばらくお待ちください」の表示を見たことがある人も多いのではないでしょうか。

応募者側は開始前に入室できるため、何らかのトラブルが発生したとしても早急に対処できます。もし、インターネット環境が悪く入室できないようなことがあっても、事前に企業側に連絡ができ、トラブル防止になるでしょう。

また、企業側も待機中の応募者が誰か確認できるため、面接に関係のない人物が入室することを防げます。

面接時に注意しておきたいポイント

Web面接では注意しておきたいポイントが対面式の面接とは異なる部分があります。ここでは、Web面接のときに注意したい5つのポイントについて解説します。

声に抑揚をつけてハッキリと話す

Web面接では声に抑揚をつけてハッキリと話すことを意識します。マイクの位置を認識して、そこに向かって話しかけるようにすると、伝わりやすくなるでしょう。また、マイク越しの声は単調に聞こえやすいため、通常の面接よりも大きめの声で、強弱をつけて話すと良いでしょう。

リアクションをオーバーに取る

Web面接では空気感が伝わりづらいため、なるべくリアクションはオーバーに取ると良いです。深く頷く、笑顔を見せるなど相手の反応が見えることで、応募者も話しやすくなります。

また、面接官の顔が常に画面に表示されている場合は、話していないときの表情にも注意します。ため息をつく、あくびをするなどの行為も画面を通して相手に見えてしまいます。画面越しだからと気を抜かないようにしましょう。

雑音を拾わないように注意する

応募者にきちんと話を伝えるために、面接者も雑音を拾わない環境でWeb面接を行いましょう。同僚の声や電話の音などが聞こえない、静かな会議室を用意するようにしてください。自宅から採用活動を行うと電話やインターホン、家族の声などの生活音が出やすいため、より慎重な注意が必要です。

求職者の連絡先をすぐに確認できるようにする

面接中のトラブルに備えて、応募者の連絡先はすぐに確認できるようにしておきましょう。たとえば、音声が聞こえない状態に気がついていない場合は、企業側から速やかに連絡を入れなければなりません。チャット機能付きのWeb面接ツールもありますが、応募者の電話番号やメールアドレスの情報が手元にあると安心です。

録画・録音する際は断りを入れる

Web面談の録画・録音を行いたい場合は、必ず事前に断りを入れましょう。許可なく録画・録音をしてしまうと企業の信頼問題に発展するリスクがあります。メールで事前連絡をしたうえで、面接前に口頭でも伝えておくようにしてください。

面接後の注意点

面接後の応募者への対応も企業の印象に大きく影響します。ここでは、面接が終わったあとに注意すべき具体的な点について、2つ紹介します。

接続不良で上手く面接ができなかった場合は、求職者にアフターフォローを

接続不良でスムーズに面接ができなかった場合は、実施後にフォローを行います。企業側の問題でトラブルが発生した場合は、面接日程の再調整が必要です。応募者からやり直しの希望があった場合も、できる限り真摯な対応を心がけましょう。

Web面接のアンケートを取る

Web面接のアンケートを取ることで、採用活動をブラッシュアップできます。Web面談をよりよい内容にするためには、忌憚のない意見を集めることが重要です。応募者が正直な気持ちを書きやすいように、「アンケート内容は採用に一切影響はありません」などの一文をくわえるなど、匿名性を高めた収集方法を考えてみましょう。

録画の上手な活用方法

面接をする際、多くの社員が面接の様子を確認できるよう、録画機能を使いたい企業も多いでしょう。Web面接の様子を録画をすることは違法ではないか、と心配する企業もありますが、実際は法的に問題ありません。しかし、トラブルを避けるためには、応募者に録画をする理由を伝え、事前に許可をとりましょう。

その際には、「複数の社員で合否を判断するため」「面接の質向上のため」など、録画する理由を具体的に伝えると了承を得やすくなります。

企業側のメリット

Web面接の様子を録画することで、企業側には以下の3つのメリットが得られます。

  1. リアルタイムで見ていない面接官も面接にたずさわれる
  2. 今後の面接の質を上げられる
  3. 面接の記録が取れる

応募者が多い企業では、多くの社員が採用活動に関わるため、面接のレベルを同一に保ちにくいことも考えられます。Web面接を録画し社内で共有することで、質問の仕方や採用基準のすり合わせがしやすくなり、担当者によるズレが軽減できるでしょう。

当日面接に参加できない面接官も、録画を見ることにより面接に参加可能できる、というメリットもあります。

学生側のメリット

Web面接の録画は、学生側にも以下のようなメリットをもたらします。

  1. 1人の面接官だけの判断で合否が決まらない
  2. 社内共有され失礼な質問が出にくい

1対1の面談の場合、面接官との相性によっては、本来の魅力を出しきれない応募者がいるかもしれません。Web面接で複数の面接官に録画を見てもらえるならば、複数の人の目で総合的に評価してもらえます。また、面接が記録されることで、理不尽な圧迫面接やパワハラ発言も抑制される点も、応募者にとって大きな利点です。

ツール

無料で録画ができるWeb面接ツールとして代表的なものは、以下の3つです。

  • Zoom
  • Cisco Webex
  • Skype

無料ツールではローカル保存になるものが多く、「より広く活用したい」「クラウド保存がしたい」という企業には有料版がおすすめです。多くの有料のWeb面接ツールにはクラウド保存ができる録画機能が搭載されています。プランに応じてクラウド保存可能な容量が違うため、必要なデータ量を確認してから契約しましょう。

録画方法

録画方法としてはどのツールも非常にかんたんです。基本的には、「開始時に録画ボタンを押す」「終了時に再度同じボタンを押す」の2ステップで、録画は完了します。代表的な録画方法は以下の通りです。

活用方法

録画の活用方法は以下の3つです。

  1. 面接様子を複数の面接官で見て合否を決定する
  2. 面接の質向上のため動画を社内で検討する
  3. 面接記録の作成や聞き逃した部分の見直し

録画の活用方法は主に、「応募者評価」と「社内教育」の2種類に分けられます。上記の例では、①③は応募者評価、②は社内教育となります。応募者評価を正しく行うことで、より自社に合った人材獲得につながるでしょう。社内教育では、それぞれが担当した面接について個別フィードバックをしていくことで、質の向上が期待できます。

注意点

録画した動画の取り扱いには十分に注意しましょう。動画に閲覧権限を付与するなど、関係者だけがアクセスできるような環境にしてください。

また、面接中の発言は個人情報も含まれているため、動画が外部に流出しないようにする必要があります。よりセキュリティ性を高めるためには、録画に暗号化機能がついているツールを選びましょう。

まとめ

社会情勢を背景に、多くの企業がWeb面接の導入を積極的に行っています。しかし、Web面接をトラブルなく実施するためには、事前の準備が欠かせません。

まずは、多様化するWeb面接ツールのなかから、自社に必要な機能を備えたものを選定するようにしましょう。また、録画機能を活用することで、より公平で質の高いWeb面接を実現可能です。企業側はWeb面接のポイントや注意点をしっかりと認識して、スムーズな運用を目指してください。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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