オンライン社員総会とは?メリット、デメリット、成功させるポイントを紹介

社員総会とは、全社員が集まって会社の業績を振り返ったり、今後の方針やビジョンを共有したりする場です。イベントの企画・演出・運営を行っている株式会社コムネットのアンケート調査によると、53%の企業が1年に1回、24%の企業が不定期で社員総会を開催しています。

これまでの社員総会は、一般的に社内ホールや外部の施設を借りて開催されていました。しかし、新型コロナウイルスの影響により大人数で集まることが難しくなったことから、オンラインに切り替える企業が増加しています。オンラインでの社員総会を成功させるためには、開催までの流れと適切な配信ツールを知っておくことが大切です。

本記事では、社員総会の目的・メリット・デメリットをはじめ、オンライン社員総会を飽きさせないプログラムや工夫について解説します。オンライン社員総会を運営する人事や総務、社内広報の担当者の方は、ぜひ参考にしてください。

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オンライン社員総会とは

オンライン社員総会とは

オンライン社員総会とは、配信プラットフォームを活用して行う、全社員参加型のイベントです。オンライン上で開催されるため、社員は自宅や会社のデスクなど、好きな場所から参加できます。

一方、オンライン社員総会は画面越しのコミュニケーションとなるため、オフラインよりも感情が伝わりづらく、社員が飽きやすいという特徴もあります。そのため、オンラインでの開催を検討するうえでは、「いいね!」や「拍手」などのリアクション機能を活用するなど、社員が主体的に参加できるような工夫が必要です。

社員総会の目的

社員総会の目的はそれぞれの企業によって異なるでしょう。自社の目的を達成させるためには、それに合った企画内容やツールを選ぶ必要があります。

途中で企画内容を変更すると無駄が大きいですし、一度コストをかけてツールを導入したあとは、なかなか変更できません。そのため、まずは目的を明確にし、そこから逆算して企画内容や必要なツールを選び出すようにしましょう。

ビジョンの共有

全社員が集まる社員総会は、経営陣から今後の方針や社会的な使命をダイレクトに発信できます。そのため、経営陣と社員の間でビジョンを共有できるようになり、社員は会社に対して信頼感や安心感を持てるでしょう。

ただし、社員に寄り添っていない発信やその場しのぎの発言になると、「現場を無視した理想論しか語っていない」「去年と言っていることが違う」といった不信感につながります。経営陣からビジョンを共有する際は、社員への感謝やねぎらいの言葉を加えたうえで、会社としての方向性を提示しましょう。

一体感の醸成

全社員が一堂に会する機会は、社員総会をのぞいて滅多にありません。その機会に表彰式や企業理念の再確認などを行うと、社員総会を通じて従業員のやる気を引き出すことにつながります。結果として、「会社のために成果をあげたい」という意識が高まり、組織としての一体感の醸成が目指せるでしょう。

社内コミュニケーションの活性化

社員総会を、役職や部署の壁を越えたコミュニケーションの場とする企業もあります。経営陣が一方的に発信するかたちではなく、社員同士がコミュニケーションをとれるような社内総会にすると、社内コミュニケーションが活性化します。

テレワークが増えコミュニケーションが減少していることに悩む企業も多いでしょう。そういったことに課題を感じる企業は、社内総会で社内コミュニケーション活性化を目的としてはどうでしょうか。

オンライン社員総会のメリットとデメリット

オンライン社員総会には、感染症対策になることはもちろん、さまざまなメリットがあります。しかし、オンラインになることでデメリットも生まれます。オンライン社員総会を開催するときには、メリットだけではなく、デメリットにも目を向け、本当に自社にとって必要なものか検討してみるとよいでしょう。

ここでは、オンライン社員総会のメリットとデメリットを紹介します。

メリット

メリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 大規模の会場設営は必要ない
  • 交通費等のコストを抑えられる
  • 参加できる社員が増える

オフラインで社員総会を開催するためには、会社の規模に合わせて会場を手配する必要があります。拠点が複数ある会社は、遠方から参加する社員の交通費、業務に関われない時間の補填費用なども必要です。

オンラインで開催することで、会場が不要となり、こういった手配の手間やコストがなくなります。当日の準備や進行も楽になるため、運営側が少ない人数でも社員総会を実施しやすくなるでしょう。

パソコンやスマートフォンなどの端末があれば、どこからでもアクセスできるため、遠方からも交通費をかけず参加が可能です。家から社員総会に参加できることで、育児や介護で在宅にしたい理由がある人も気軽に参加できます。

デメリット

デメリットとしては、以下の3つが挙げられます。

  • 熱量が伝わりづらい
  • 社員同士のコミュニケーションが取りづらい
  • 飽きられやすい(プログラムが限られる)

オフラインの社員総会では、直接スピーチ等を届けられるため、経営陣の熱量が社員に伝わり、自然と会場に一体感が生まれます。全社員の前で表彰され、経営陣から直接ねぎらいの言葉をかけられることで、やりがいを感じることもあるでしょう。

オンラインでは、画面を通したコミュニケーションとなるため、臨場感がなく他人事に思われがちです。人の目があるオフラインでは、社員も集中を保とうという気持ちになりますが、自宅で参加していると、違うサイトや動画を見てしまいがちです。そのため、オフラインと同じプログラムではなく、オンラインでも社員が集中して参加できるような工夫が必要となります。

オンライン社員総会の開催までの流れ

オンライン社員総会の開催までの流れ

オンライン社員総会を開催するにあたっては、以下の9つの手順に沿って進めていきましょう。

  1. 目的とゴールを決める
  2. プログラムを決める
  3. 配信ツールを選定する
  4. 配信環境(配信場所・機材)を準備する
  5. プログラムの準備をする
  6. 運営スタッフの役割を決める
  7. リハーサルの実施
  8. 当日の運営
  9. 振り返り

目的とゴールがなければ、企画が決まりづらく、結局何を伝えたいのか曖昧な社員総会になるおそれがあります。目的によって必要なツールやプログラムも変わってくるため、最初に目的を明確にすることが必要です。

一般的なプログラムとしては、経営陣挨拶、業績の振り返り、今後の方針説明、社内表彰、懇親会などが挙げられます。プログラムが決まったら、配信ツールを選定して、配信場所や機材などの配信環境を整えていきましょう。配信スタジオを利用すると、あらかじめ用意された専門の配信機材を利用できるため、あらたに機材を導入する必要はありません。

また、プログラムの内容に合わせて、登壇者への依頼、表彰記念品の準備、懇親会用のケータリングの用意なども行いましょう。オンラインでも一体感を感じてもらうためには、それぞれの自宅に同じ食事を配送するケータリングサービスの利用もおすすめです。

円滑な開催を実現するためには、運営スタッフの役割を細かく決めて、リハーサルを繰り返し実施するようにしましょう。実際にリハーサルを行うことで、企画段階では気が付かなかった問題が発生する場合もあります。

運営スタッフは司会者、カメラ担当者、音声担当者、タイムキーパー、トラブルサポーターのほか、使用するツールに応じて人員を配置します。当日の運営が終わったあとは、振り返りをしっかり行い、次回以降の改善ポイントとして活かしていきましょう。

オンライン社員総会向けの配信ツール

オンライン社員総会向けの配信ツールとして、以下の4つを紹介します。すでに社内で導入しているWeb会議システムを使うこともできますが、社員が主体的に参加しやすい社員総会を開催したいのであれば、これらの専用ツールも検討してみましょう。

Touchcast

Touchcast

Touchcastはイベント会場に入り込んだような体験ができるオンラインイベントツールです。実際の映像とバーチャル空間を組み合わせたMixed Reality(複合現実)の技術は、視覚的なインパクトも大きく、参加者を飽きさせることなく社員総会を開催できるでしょう。

質問に対してリアルタイムに答えることのできるQ&A機能、気軽に参加してもらえる投票機能を活用することで、双方向コミュニケーションも実現できます。さらに、Touchcastでは参加者の行動ログの取得や、エンゲージメントスコアの見える化も可能です。社員総会を円滑に実施するだけでなく、振り返りや分析にも適した配信ツールとなっています。

Zoom ウェビナー

Zoom ウェビナー

Zoom ウェビナーは、オンラインで開催するセミナーに特化した配信ツールです。Q&A機能や投票機能が備わっているため、社員総会のなかでうまく取り入れることで、登壇者の話を集中して聞いてもらいやすくなります。

たとえば、Zoomウェビナーでは、すべての権限を持つ「ホスト」と講演者として登壇する「パネリスト」の指定ができます。複数のパネリストを指定することで、ディスカッション形式での開催も可能です。Q&A機能でよせられた質問に対して、複数のパネリストが意見を交換する様子は、Web会議システムとは違った新しい見せ方になるでしょう。

ICT市場調査コンサルティングのMM総研のアンケート調査によると、Web会議システムを使用している企業の60.1%が「Zoomミーティング」を使用しています。すでにZoomミーティングを導入している企業は、オプションとして「Zoomウェビナー」を加えるだけで簡単にウェビナーを開催可能です。

EventIn

EventIn

EventInは、多機能ブース型のイベントプラットフォームです。オンラインイベントやウェビナー配信ツールとして、企業や大学での活用実績もあり、専用アプリのダウンロードも不要です。

会場内には複数のブースを設置できるので、社員総会を実施したあと、いくつかのグループに分かれて交流したい場合にもおすすめです。EventInはブースの回遊性に優れており、参加者はワンクリックで他のブースに移動することもできます。一方的な発信ではなく、社員の主体的な行動を促せる社員総会を開催した企業におすすめのツールとなっています。

V-CUBE セミナー

V-CUBE セミナー

V-CUBE セミナーは、インストール不要で大規模配信もできるウェビナーツールです。配信ツールだけでなく、配信スタジオや配信スタッフの手配もできるので、質の高い社員総会を目指している企業に最適なサービスです。

ウェビナーを開催した企業のなかには、「視聴環境がバラバラで、接続できない参加者がいた」「ネットワークトラブルが発生して安定した配信ができなかった」といった課題が顕在化するケースもあります。V-CUBE セミナーは、ウェビナーで発生しやすいトラブルや企業が抱える課題を分析して、解決できるようなサービスを提供しています。

たとえば、視聴環境に関しては、マルチデバイス対応により視聴環境に影響されずスムーズな接続を実現します。ネットワークに関しても、予備システムを並列で稼働させるので、機材トラブルが発生しても配信の継続が可能です。

オンライン社員総会を成功させるポイント

オンライン社員総会を成功させるためには、オンラインの強みを活かしたプログラムを組み、配信環境を整えることが大切です。ここからは、社員総会の担当者が知っておきたい成功のポイントを3つ紹介します。

飽きさせないプログラムと見せ方を検討する

オンラインの配信はそれぞれ自宅で参加するため受け身になりがちで、集中力が途切れやすくなります。そのため、従業員同士のコミュニケーションを促し、主体的に参加できるようなプログラムを入れるとよいでしょう。

登壇者の話が終わったあとにグループに分かれてディスカッションする場を設けたり、ゲームやクイズを行ったりするなど、ただ話を聞くだけではなく参加者の行動が必要な内容がおすすめです。

また、見せ方によっても参加者を惹きつけられます。配信の際に複数台のカメラを利用することで、全身の映像と表情をアップした映像の切り替えが可能となり、インパクトのある映像を作り出せます。

オンライン空間にまるで自分がいるような感覚になれる、バーチャルイベントツールもおすすめです。オンラインでありながら、まるで人と会話をしているような感覚になれるため、オフラインのメリットも得られます。

配信サポート・配信スタジオを利用する

特別感のある社員総会を開催したい場合は、配信サポート・配信スタジオの利用がおすすめです。専用機材の知識も不要で質の高い配信ができるだけでなく、導入コストの削減にもつながります。

オンラインでの開催に不安を抱えている企業は、当日だけではなく事前準備からサポートを受けられるサービスも検討してみましょう。社員総会でもっとも避けるべきは、機材やネットワークトラブルにより配信が停止してしまうことです。社員の貴重な時間を無駄にしないためにも、ノウハウや知識の豊富な専任スタッフに依頼すると安心です。

先程紹介しましたV-CUBE セミナーも、シームレスな配信サポートを行っています。専門のスタッフがサポートするので、失敗のないオンライン社員総会を開催できます。

オフラインも交えた施策を検討する

オンライン社員総会といっても、すべてオンラインに切り替える必要はありません。オンライン完結にこだわりすぎるのではなく、オフラインと掛け合わせたハイブリットイベントを検討することもひとつの方法です。

たとえば、人事・労務クラウドを提供するSmartHRでは、全社員が参加するオンライン新年会で「オンライン新年会セット」を作り、それぞれの自宅に発送しています。

オンライン新年会セットには、ドリンク、おつまみ、新年会で使うグッズなどが入っています。SmartHRはオリジナルグッズを制作するなど、時間と手間をかけた施策を行っていますが、ケータリングを手配するだけでもコミュニケーションの活性化やエンゲージメントの向上が期待できます。

まとめ

従来の社員総会は、経営陣によるビジョンの共有や従業員の一体感の醸成を主な目的としていました。オンラインでの開催が広がるなかで、コミュニケーションの活性化やエンゲージメントの向上が目指せるプログラムを取り入れる企業も増加しています。

オンライン社員総会向けの配信ツールを利用することで、「拍手」や「投票」といった反応を示すことができ、主体的に参加してもらいやすくなります。また、スタジオやスタッフの手配を含む配信サポートを利用することで、安定した運用が実現できるでしょう。

事前準備と念入りなリハーサルを行って、「仮想空間に入り込んだような不思議な体験ができた」「楽しくてあっという間に時間が過ぎてしまった」と評価してもらえるような、満足度の高い社員総会の開催を目指しましょう。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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