オンラインイベントに最適なプラットフォームは?ケースごとに解説

感染症対策などを目的に、さまざまなイベントのオンライン化が進んでいます。
オンラインでイベントを開催するためのツールとしては、ZoomやGoogle Meetをはじめ、さまざまなプラットフォームが各社から提供されていますが、こうしたプラットフォームは多種多様で、機能にも細かな差があり、どれを選べばよいのか悩む人も少なくないのではないでしょうか。
ここではオンラインイベントを形式ごとに分類し、それぞれの形式に最適なプラットフォームなどをご紹介します。
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配信用オンラインイベントプラットフォーム
オンラインイベントは、その開催の形式によって4種類に大別できます。
- Web会議型
- ウェビナー型
- テーブル型
- 動画配信型
Web会議型
Web会議型は、全員が話者となって参加する形式です。参加者全員が相互にコミュニケーションを取る場合に利用します。
たとえば、主催者がイベント参加者からそれぞれの意見を聞き取る必要がある場合などには、有効な開催形式です。
一方で、誰もが発話できる状態だとイベント全体の収集がつかなくなることもあり、参加人数は最大でも2~30人前後と考えたほうがよいかもしれません。
こうしたWeb会議型でイベントを開催する場合、主に以下のプラットフォームが有効でしょう。
Zoom ミーティング
ユーザー数が非常に多く、業種や業界を問わず利用者が多いZoom。無料で誰でも利用することができますが、有料プランでは最大500名が参加したWeb会議を行うことができます。
大規模なオンラインイベントにも十分対応可能で、バーチャル背景や録画機能なども豊富で使いやすい点が特徴です。
Google Meet
出典:Google Meet
Google MeetはGoogleが提供しているWeb会議ツールの名称です。その特徴は「シンプルで手軽」な点。すべての機能をブラウザ上で利用することができます。無料で誰でも利用することができますが、有料プランにおけるWeb会議の最大参加人数は250人(エンタープライズプラン)となっています。
Cisco Webex
出典:Cisco Webex
Web会議やオンラインイベントに関連したサービスを提供しているCiscoの「Webex」も人気のあるプラットフォームの一つです。企業向け有料プランの「エンタープライズ」では、最大参加人数は「カスタマイズ可能」として上限が設けられていません。なお、上記の2サービスと同様に参加者は無料で利用できます。
ウェビナー型
「ウェビナー」とは「ウェブ」と「セミナー」をかけ合わせた造語で、オンラインセミナーとほぼ同義です。
この形式では、1〜3人程度を話者として設定し、そのほかの参加者は基本的に聴講するのみとなります。
リアルな会場で一般的に開かれているセミナーと同様、講師が受講者に向かって何かを語ったり説明したりする形式なので、双方向のコミュニケーションはあまり想定されていません。
ただし、プラットフォームによっては講師の側からアンケートを出してイベント参加者に回答してもらったり、参加者がチャットプラットフォームで質問を送ったりすることが可能なサービスもあります。
ウェビナー型のオンラインイベントでは、以下のようなサービスがプラットフォームとして有力でしょう。
Zoom ビデオウェビナー
Zoomビデオウェビナーは、ウェビナーに特化したZoomの機能です。通常のZoomアカウントを作成後、有料プランに登録するとZoomビデオウェビナーのためのアドオンが申込可能になります。最大10,000人まで参加できるため、非常に大規模なオンラインイベントを開催可能。参加者へのアンケート機能や投票機能などのオプションも充実しています。
V-CUBEセミナー
株式会社ブイキューブが提供しているオンラインセミナー向けのプラットフォームです。導入事例が非常に豊富で、サポート体制も充実しているほか、視聴ログによる効果測定・分析なども可能なので、参加者の満足度や理解度も測ることができ、1回限りのイベントに終わらせず、継続したイベント開催にもつなたい場合におすすめです。
コクリポ
出典:コクリポ
株式会社Innovation X Solutionsが提供しているオンラインイベントプラットフォームが「コクリポ」です。料金プランは練習用、ビジネス、エンタープライズの3種類が用意されており、エンタープライズでは月額70000円(税抜)で20時間まで利用できます。最大参加可能人数は300人までとなっています。
Cisco Webex Events
Web会議ツールWebexを提供しているCiscoのオンラインイベントプラットフォームが「Webex Events」です。最大参加人数は3000人、マルチメディアコンテンツの共有や参加者からの質問の追跡や回答も可能になっています。
テーブル型
テーブル型は、上記のWeb会議型とウェビナー型のメリットをあわせた形の一つです。
基本的に話者と聴講者に分かれますが、バーチャルの小さな「テーブル」(小部屋とも呼ばれます)が用意されており、聴講者同士が数人で会話することができます。
たとえば各種の展示会において、講演などを大ホールで聴いた後、各社の小規模ブースで商談を行う、といった使い方が可能です。
コミュニケーションは密に取れるけれども大規模に参加者を募りにくいWeb会議型と、大講義を行える一方で双方向のやり取りがしにくいウェビナー型をうまくミックスした形といえます。展示会のほか、合同説明会や学術会議などのオンラインプラットフォームとして活用が進んでいます。
このテーブル型のプラットフォームとしては、以下のサービスが有効です。
Eventin
株式会社ブイキューブが提供しているEventInは1対nの講演をクリアで高品質な音声・映像で配信しつつ、複数の小規模セッションを同時開催することが可能なプラットフォームです。それぞれのセッションは入室前に会場マップ上から中の様子を「お試し視聴」することができ、ブースからブースへの移動も1クリックで簡単。オンライン上での「回遊」を促すシステムとなっています。
Remo
出典:Remo
Remo(リモ)はWeb会議ツールの一つですが、1つのテーブルに6つの椅子で構成された「部屋」 が設置された2Dマップ上に、誰でもリアルタイムにアクセスし、それぞれの「部屋」の中で会話を楽しむことができるツールです。スピーカー(主催者)が参加者全員にスピーチすることもできるので、展示会などに応用することも可能。有料プランでの最大参加人数は850人となっています。
動画配信型
動画配信型は、リアルタイムでの配信ではなく事前に撮影・録音した動画を配信することでイベントとする形式です。
YouTubeなどの動画プラットフォームを利用することもできますが、視聴者を社内の人のみに限定したり、有料化するといった場合は、アカウント管理やセキュリティ対策に配慮した専用プラットフォームを利用することをおすすめします。
Qumu
株式会社ブイキューブが提供する法人向け動画配信サービスがQumuです。ビジネス動画を活用するための必要な機能が揃ったプラットフォームで、セキュリティ面では、社内の認証サーバーと連携したユーザー認証や、動画ごとに権限設定を行うことも可能。社内イベントに最適ですが、幅広い視聴者を対象にしたイベントにも活用できます。
J-Stream Equipmedia
株式会社JストリームのJ-Stream Equipmediaは、「5万円から始められる動画配信プラットフォーム」を謳っており、使いやすさや幅広い外部システムとの連携を充実させることで、ビジネスパーソンにも動画を身近なものにできるサービスです。エンターテインメント分野での活用事例もあります。
管理用オンラインイベントプラットフォーム
動画と音声の配信に焦点を当てたプラットフォームを上記に紹介しました。以下は、オンラインイベントを「管理」するためのプラットフォームです。
チケットの販売や決済、来場者に対するメールでの案内状送信や出展社に対するプッシュ通知などを一つのプラットフォームの中で統合して行うことができるツールです。
有料のオンラインイベントや、たくさんの登壇者・出展社(者)などを伴うイベントの場合には導入しておくとイベント全体の準備・進行を円滑化することができます。
Eventhub
出典:EventHub
EventHubは参加者データベースや参加履歴を管理・分析し、データ・ドリブンなイベント運営を可能にする管理用プラットフォームです。どのセッションやコンテンツが人気だったか、など分析をすることが可能なため次に活かすデータドリブンなイベント運営を行うことが可能です。
eventos
出典:eventos
bravesoft株式会社のeventosは、オンラインイベントに必要な機能をすべて統合して運用することができるサービスです。ライブ配信からチャット、ブースの設定、申込みチケットの自動生成など、非常に豊富な機能がそろっているだけでなく、それらを専用アプリ上で使いやすくカスタマイズすることができます。
Event Regis
出典:Event Regis
EventRegistは、イベントの告知・事前集金の決済・参加者管理などを簡単に行うことができ、オンラインイベントの運営・リード獲得に関する効率向上を謳ったイベントマーケティング プラットフォームです。イベントの企画から運営までをトータルでサポートする体制が整っていることもサービスの特徴の一つです。
イベントサポートという選択肢も
以上のように、オンラインイベントを行うためのプラットフォームは各社がさまざまなサービスを提供しています。
ただし、やはり大規模なオンラインイベントを開催するには、さまざまなハードルがあることも事実です。開催経験が豊富で、配信に使う機器の操作にも十分慣れている、といった人でないとトラブル時の対応などは難しいでしょう。
そうした点を踏まえ、イベント配信へのサポート体制を提供している会社もあります。プラットフォーム選定の要素の一つとして、サポート体制の有無も重要な点です。
たとえば、「Eventin」のほか「V-CUBE ミーティング/セミナー」をリリースしているブイキューブでは、以下のようなサポート体制を提案しています。
- 配信ディレクション
- 専用スタジオ、機材
- リアル会場とのハイブリッド開催
配信に使う高価な専用機材はもとより、収録スタジオも用意されているほか、専門のスタッフが配信のディレクションも担当します。
こうしたサポート体制をもとにして、イベントをリアル会場とオンラインで同時に開催することも可能です。
少人数でも聴衆がいるほうが登壇する話者や講師のモチベーションにつながりやすく、イベントの雰囲気作りにも非常に大きく影響します。
こうしたサポートを受けて配信するという選択肢もプラットフォーム選定の要素に含めてみるといいかもしれません。
まとめ | サポートの有無も要チェック
コロナ禍の影響もあってさまざまなイベントのオンライン化が進んでいます。
そのためのプラットフォームは各社からさまざまなサービスが提供されていますが、規模の大小にかかわらず、内容にあった適切なプラットフォームを選んでおかなければ充実した内容を配信することができません。
適切なプラットフォーム選びは、まずどのような形式のイベントを開催したいのかを明確化させたうえで、想定される参加者の数などを確認しておく必要があります。
オンラインイベントのノウハウがなく、「何から準備すればいいのかわからない」「安定した配信ができるか不安」といった場合には、全面的なサポートをプラットフォームとセットで提供しているサービスをぜひ検討してみてください。
ニーズに合った適切なプラットフォームを選び、効果的で充実したオンラインイベント開催へぜひつなげてください。