オンライン展示会とは?メリットや開催するために必要なツールを紹介

オンライン展示会とは?メリットや開催するために必要なツールを紹介

新型感染症の影響に伴い、直接会場へ足を運ぶ展示会の開催が難しい今、Web上で行う「オンライン展示会」を開催する企業が増えています。

しかし、これまで展示場などで企業と来場者が対面で行っていた展示会を、Webで行うにあたり、次のような不安を抱えている企業は多いのではないでしょうか?

  • オンラインでもしっかり商品・サービスの魅力を伝えられるのか
  • 来場者データを元に商談につなげることはできるのか
  • 開催にあたりどのような準備を行えばいいのかわからない

来場者の方と対面で会話ができない分、これまで通り、またはそれ以上の結果を出せるか不安を感じるのは当然のことでしょう。しかし、オンライン展示会ならではのメリットも多くあります。

そこで、本記事では以下の内容についてお伝えします。

  • オンライン展示会とオフライン展示会の違い
  • オンライン展示会のメリット5つ
  • 実際にオンライン展示会を開催した企業の事例

従来の形式との違いとオンライン展示会のメリット・デメリットとともに、具体的なツールや実例をご紹介します。

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オンライン展示会とオフライン展示会の違いとは?

オンライン展示会とオフライン展示会の違いとは?

はじめに、従来のホールや展示場などで行う「オフライン展示会」と、商品の紹介や商談などをすべてWeb上で行う「オンライン展示会」の違いについて紹介します。

そもそもオンライン展示会とは?

その名の通り、オンライン上で商品やサービスの展示、セミナーなどを行うのがオンライン展示会です。

バーチャル展示会」、またVR機能を用いて開催する場合は「VR展示会」と称される場合もあります。これらの展示会形式は、以前よりIT業界でおこなわれてきました。

現在は、新型感染症の影響でオフラインでの開催が難しいため、オンライン展示会の開催を行う企業が増えてきています。

オンライン展示会とオフライン展示会(従来の形式)の違い

では、実際にオンライン展示会とオフライン展示会にはどのような違いがあるかを見ていきましょう。具体的な違いは、以下の表の通りです。

 

オンライン展示会

オフライン展示会

開催場所

企業社内・レンタルスタジオなど

来場者自宅・社内・カフェなど

・企業・来場者共に指定会場

時間

指定時間

・(ビデオストリーミング配信の場合)来場者の都合のいい時間に視聴していただく

企業・来場者共に主催が指定した時間内

展示会後のフォロー

アンケート機能を用いて行う

ブース訪問者のアンケートを用いて行う

1番の違いは、直接顔を合わせないという点です。インターネット回線を用いて行うため、企業側も来場者も場所に縛られず開催できるのが最大のメリットと言えるでしょう。インターネット回線が整った場所であれば、企業は社内やレンタルスタジオなどから開催、また来場者も自宅やカフェ、移動中の電車内など都合のいい場所から参加できます。

後ほど詳しく説明しますが、録画機能を使用すれば来場者の都合の良い時間に、商品説明の動画やセミナーを見ていただくことも可能です。

また、直接顔を合わせられない分、商談までつなげられるか、来場者の後追いができるのかなどの、不安もあると思います。

しかし、

アンケート機能を搭載した配信サービスを活用する

別途サンプル品を送りして、実際の使用感を試す

などを行えば、オンラインでもしっかりと契約につなげることできます。

次に、より詳しくオンライン展示会のメリットとデメリットを解説していきます。

オンライン展示会のメリット

オンライン展示会のメリット5つ

ここでは、オフライン展示会とは異なる、オンライン展示会のメリットを紹介します。5つのメリットはこちらです。

1.天候に左右されない

2.コストの削減

3.集客が行いやすい

4.来場者の動向をリサーチできる

5.好きな時間に参加していただける

それぞれの内容を詳しく見ていきましょう。

1.天候に左右されない

まず、オンラインでの開催のため、天候に左右される心配は不要です。来場者は雨でも雪でも、自宅やカフェなどのオンライン環境が整っている好きな場所から参加していただけます。

そのため天候のせいで、来場者が想定より少なく、思うようにPRできなかったという事態は起きにくくなります。

2.コストの削減

オンライン展示会の場合、開催にあたり必要となるコストを大幅に削減ができます。主に削減できるコストは、以下の通りです。

  • 会場のレンタル費
  • 運営・設備に関わる人件費
  • 機材や商材の運送費

また、配信の準備、資料・セミナーの作成など、オンライン展示会は開催の準備も最小限で済みます。費用面と時間、両方のコスト削減が可能ですそのため、オフライン展示会より開催のハードルは低い側面もあります。

3.集客の幅が広がる

オンライン展示会は、日本国内はもちろん、海外から参加していただくことができるので、集客が行いやすいのもメリットです。

従来のオフライン展示会の場合、

  • 会場に足を運んで頂く必要がある
  • 開催時間が決まっている

という、時間と場所の制約がありました。

しかしオンライン展示会ならば、

  • 自宅やカフェ、社内などのオンライン環境が整った好きな場所から参加できる
  • ビデオストリーミング配信を活用すれば、好きな時間に見てもらえる

というメリットがあります。

結果的に、これまで場所や時間の制約から参加できていなかった人にも、自社の商品やサービスをアプローチしやすいです。

4.オフライン展示会と同様のコミュニケーションが取れる

オンライン展示会の場合「対面でない分、来場者にアンケートが取れないのでは?」と懸念している企業も多いと思います。

しかし、リアルタイム配信時にチャット機能が使えるサービスを利用すれば、来場者の動向をリサーチ可能です。対面で会話している場合と同じように、質疑応答を行えるのでその場で疑問点を解消できます。

また、アンケート機能も活用すれば、来場者の方がどのくらい興味を示しているかなどのデータ集計も行えます。 アンケートを元に、今後の展示会の参考にしたり、後追い営業の資料として用いたりすることも可能です。

5.好きな時間に参加できる

録画した動画を見てもらう、ビデオストリーミング配信を活用すれば、より多くの方に都合の良い時間に参加していただけます。

リアルタイム配信の場合は、指定した時間に参加していただく必要があります。けれども、録画や事前撮影した映像を配信する「ビデオストリーミング配信」を利用すれば、好きな時間に参加していただくことが可能です。

これまで「興味はあるけれど時間が合わない」「開催場所が遠くて参加できない」と思っていた来場者に、自社のサービスを伝えるチャンスを拡大できます。

オンライン展示会のデメリット

一方、デメリットとしては、

  • モノを展示できない(触れない、体験できない)

という点が挙げられます。

オンライン展示会にVRやARを応用するケースも増えていますが、それでも展示される商品やサービスによっては、触り心地や付け心地、匂いや手触りなどが重要になるものもあります。

その場合、オンラインではうまく商品の魅力が伝えられない、感じられないといったケースもあるでしょう。

オンライン展示会を円滑に行うためのツール

ここからは各社が提供しているオンライン展示会を行うためのツールを具体的にご紹介します。

オンライン展示会ツールの代表的な機能

オンライン展示会ツールは各社からさまざまなサービスやツールが提供されていますが、多くの場合、以下のような(あるいは類似する)機能が備わっています。

  • ウェビナー/ミーティング機能
  • チャット機能
  • 登録フォームの作成、リマインドメールの送付
  • ログ解析
  • MA等の外部ツールとの連携

※上記はあくまで代表的な機能であり、すべてのツールに搭載されているわけではありません。

ウェビナー/ミーティング機能(全体・個別)

オンライン展示会では、リアル会場での展示会と同様に、主催者やゲストスピーカーなどが登壇して参加者に向けたセミナーや講演を行うことがあります。

こうしたことを可能にするために、オンライン展示会プラットフォームにはウェビナー機能が備わっています。参加者は登壇者の映像を見ながら、セミナーや講演を視聴します。

一方、具体的な商談を行ったり、質疑応答に対応するためには、小規模なWeb会議機能を利用します。この機能は、一般的なWeb会議ツールとほとんど変わらず、相手の顔を映像で見ながらコミュニケーションを取る形となります。

チャット機能

チャット機能も多くのプラットフォームが備えています。

これは主催者側への質問に利用したり、商談時に製品や会社のURLを送ったりする時に利用されます。

主催者側が参加者全員に対するアナウンスを一斉送信するようなときにも使われます。

登録フォームの作成、リマインドメールの送付

オンライン展示会を主催する場合、参加申込や予約など、何らかの事前登録が必要となります。

この登録フォームを自動で生成してくれる機能を有しているプラットフォームもあります。

この機能があると、わざわざ別サイトを作成してそこへ誘導したり個別のシステムを構築する手間が省けるため、主催者側には嬉しい機能です。

また、開催数日前や直前に参加URL付きのリマインドメールを送付する機能も、ほとんどのプラットフォームに付随しています。

管理運営面や参加者数を伸ばすという観点からも、プラットフォームを選ぶ際には確認したい機能です。

ログ解析

メリットの点でも触れたように、オンライン展示会がリアル会場での展示会に優る点は、ログ解析が可能という点です。

リアル会場では、参加者一人ひとりの行動を分析することはできません。この行動分析を詳しく行うことで、主催者や出展するベンダーは正しく効果的なフィードバックを得ることができ、次回以降の改善につなげられます。

満足度の高いオンライン展示会を継続して開催していくために、ログ解析機能は非常に重要な要素になります。

MA等の外部ツールとの連携

実地開催の展示会では獲得した名刺情報をMA等の外部ツールに登録して、その後のナーチャリングに活用します。

オンライン展示会プラットフォームではMA等の外部ツールと連携することで参加者の情報が自動で登録される機能を有したサービスもあります。

オンライン展示会ツールの例

実地会場さながらの回遊性と交流「Eventin」

Eventin

「Eventin」は参加者が自由にブースを行き来できるオンラインイベントプラットフォームです。

通常のウェビナー形式のオンラインイベントでは、登壇者が一方的にプレゼンテーションを行う形式となるため、双方向でのコミュニケーションが取りづらかったり、参加者が自由にブースを探して参加したりすることが難しい形式となっていました。

Eventinではオンライン上に各ブースが用意されており、参加者は自由にそれらのブースを行き来できます。ブースごとに個別でコミュニケーションを取れるため、実地会場と近い形式でオンラインイベントを開催できます。

メリット(特徴)

  • ブース間を自由に移動できる
  • イベントごとにレイアウトやカテゴリー分けなどのカスタマイズで世界観を演出
  • 展示や商談などの商談ログを取得可能
  • お試し視聴で各ブースの様子が入室前にわかる
  • 参加者プロフィールを確認し、出展者から参加者へ声掛けできる

【Evintin導入事例】一般社団法人 電子情報通信学会 様

活用場面

学会をオンラインで開催

V-CUBEセミナーの選定理由

・ブースからブースへ自由に移動できる

小規模ブースの中の様子がわかる

利用して感じた効果・メリット

・参加者の72%が議論やコミュニケーションの活性化を実感

お試し視聴で入室のハードルを軽減

一般社団法人 電子情報通信学会 様では、新型コロナウイルスの感染拡大により学会をフルオンライン化しました。従来のセミナー形式のイベントだけでなく、小規模のセッションを同時並行的に行うためにEventinをご活用いただきました。

小規模セッション間を自由に行き来でき、入室前にお試し視聴でセッション内の様子を確認することで入室ハードルも軽減され、学会後のアンケートでは参加者の約72%が「議論やコミュニケーションが活性化された」とEventinを高く評価いただきました。

Eventhub

eventhub

出典:Eventhub

大規模なカンファレンス、セミナーなど、さまざまなオンラインイベントで利用されているのがEventhubです。参加者データベースや参加履歴を管理・分析し、データ・ドリブンなイベント運営を可能にする管理用プラットフォームであることが特徴。どのセッションやコンテンツが人気だったか、など分析をすることが可能なため、次回以降の開催にデータを有効活用することが可能になっています。

DMM [SHOWBOOTH]

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出典:DMM [SHOWBOOTH]

DMMが提供するオンライン展示会に特化したプラットフォームがSHOWBOOTH。「交流ラウンジ」と名付けられた小規模セッションブースでは、参加者同士がアイコンで表示され、メッセージを送ったり、ミーティングルーム内で商談したりすることができます。
また、アンケートを設置したりパンフレットや資料などをダウンロード配布したりする機能も付いています。

オンライン展示会プラットフォームとは?各社のサービスを比較して紹介

オンライン展示会プラットフォームについては「オンライン展示会プラットフォームとは?各社のサービスを比較して紹介」で詳しく解説しています。

オンライン展示会の事例

Interop Tokyo 2021 ShowNet

Interop Tokyo

2021年4月14日〜16日にかけて開催された、国内最大級のインターネットテクノロジーイベント「Interop Tokyo 2021」では、イベント全体をリアルとオンラインのハイブリッドイベントとして実施されました。

例年Interop Tokyoはリアル会場で開催されてきましたが、コロナ禍の2020年はオンラインのみの開催に。翌2021年は、リアルとオンラインのハイブリッド開催として、リアル会場に展示・コミュニティの場が設けられると同時に、展示品に対する参加者の意見や反応を参加企業がオンラインでも確かめられるハイブリットイベントととして、企業・参加者双方から好評を博しました。

特に主要プロジェクト「ShowNet」は、オンラインイベントプラットフォーム「EventIn」によって、参加企業などの運営側と参加者が自由にコミュニケーションできるバーチャル会場を実現。同プロジェクト内のイベント「ShowNet スタジオ」では参加者が2倍増(2019年と比較)となりました。

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Developers Summit 2021

Developers Summit 2021

ITエンジニア向けの国内最大規模カンファレンス「Developers Summit」。

主催する株式会社翔泳社では、2003年から主催している国内有数のITエンジニア向けカンファレンス「Developers Summit」を、2021年にフルオンライン化しました。

カンファレンスの主役である講演者によるセッションは「V-CUBEセミナー」による高品質な映像・音声で配信するとともに、「EventIn」を併用して従来のオンラインイベントでは実現しにくかった参加者同士のコミュニケーションの場も設置。

講演後の質疑やブース出展、懇親会をオンラインで代替するだけではなく、スピーカーや協賛企業、参加者らのコミュニケーションの場もオンライン上にしっかりと確保することで、スピーカー、参加者の満足度を向上させた結果、2020年の実地開催では4656名だった事前登録者数が6556名へと増加しました。

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まとめ|オフライン展示会なら全国・海外のお客様へサービス・商品の魅力を伝える

昨今の情勢の影響もありますが、より幅広い顧客に自社のサービス・商品の魅力を伝えるに、今後積極的にオンライン展示会を活用していくことをおすすめします。

あらためて、オンライン展示会のメリットを振り返りましょう。

1.天候に左右されない

2.コストの削減

3.集客の幅が広がる

4.オフライン展示会と同様のコミュニケーションが取れる

5.好きな時間に参加していただける

はじめてオンライン展示会を行う際は、さまざまな不安を感じると思います。しかし、オフライン展示会では繋がることができなかった顧客と出会う可能性を広げられるのはオンライン展示会ならではのメリットです。

ピンチをチャンスに変えて、ぜひこの機会にオンライン展示会を開催してみてはいかがでしょうか。

ブイキューブ
著者情報ブイキューブ

ブイキューブは映像コミュニケーションの総合ソリューションプロバイダとして、世界中どこにいても働ける働き方・環境の実現を目指しています。創業時よりテレワークを活用し、2016年には総務省「テレワーク先駆者百選 総務大臣賞」に選出されました。

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