オンライン講演会成功のポイントは?開催の手順とおすすめツールを解説

感染症対策などを目的に、さまざまな講演会をオンライン化する動きが進んでいます。
オンライン講演会は、現在急速に広がっている形式の1つで、従来は実地会場で行われていた講演会をオンラインで行い、聴衆は遠隔でPCやスマートフォンの画面を見ながら視聴するものです。
ここでは講演会をオンライン化するメリットとデメリットとともに、オンライン講演会を開催する手順、成功させるポイント、オンライン講演会に最適なツールやサービスについて解説します。
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オンライン講演会とは
オンライン講演会は、文字通り講演会をオンラインで行うものです。
新型コロナウイルスの感染拡大に伴って開催が難しくなったリアル会場での講演会を、オンライン化する動きが現在急速に広まっています。
感染症対策としても人気を集めるオンライン講演会ですが、それ以外のメリットも多くあります。主に以下の要素を挙げることができるでしょう。
メリット
- 会場費や交通費などのコスト削減
- 移動する手間や時間コストの削減
- 講演の様子を動画で共有できる
- コミュニケーションを取りやすい
講演会のオンライン化は、感染症対策だけでなく、さまざまなコストを削減するメリットももたらします。
たとえば200人が参加する講演会の場合、従来は大きな会議室やホールを借りる必要がありました。このコストがほぼゼロとなります。
これは主催者側の負担軽減となるだけではなく、これまで会場に移動する必要があった参加者側にも、移動にかかる費用と時間コストの負担を削減できます。
また、講演の様子を動画でアーカイブ化し、必要に応じて共有できる点もオンライン講演会のメリットでしょう。
加えて、オンライン講演会を行うウェビナー(Webとセミナーをかけ合わせた造語)ツールではスピーカーからアンケートを送信する機能や、チャットで質問を送る機能を有するものもあります。講演中にスピーカーに対して質問したりすることはリアル会場ではなかなか難しいと感じる人にとって、こうしたツールで気軽にコミュニケーションを図ることができる点は大きなメリットです。
デメリット
一方、オンライン講演会のデメリットにはどんな要素があるでしょうか。
- リアル会場ならではの雰囲気がない
- 視聴者管理が難しい
- 配信トラブルのリスク
1つには、リアル会場ならではの空気感・雰囲気が損なわれるという点があります。
スピーカーによっては、会場の聴衆の雰囲気を見ながら話題を変えたり、直接話しかけて笑いにつなげ、雰囲気づくりをする人も少なくありません。リアルな会場でスピーカーと聴衆がつくりあげる「一体感」を感じにくいと感じる人もいます。
これと関連して、オンライン講演会では聴衆は基本的にノートPCやスマートフォンを終始眺めていることになります。このため、どうしても途中で飽きてしまったり、デバイス上の通知などによって集中をそがれたりすることがあります。
そのため、配信側は視聴者を飽きさせなないよう、話し方はもちろん、資料やアンケートなど各種のツールをタイミングよく使い、一方的な進行とならないようにする工夫がリアル会場での講演以上に求められます。
また、配信トラブルのリスクもあります。オンライン講演会はノートPC1台ですぐにはじめられますが、気軽に開催できる反面、ネット環境の不安定さやマイクの不具合などが、トラブルの原因となってしまうこともあります。
オンライン講演会を開催する手順
実際にオンライン講演会を開催する場合、どのようなステップがあるのでしょうか。
以下の5ステップに沿って考えてみます。
- 開催の目的設定
- 配信機材の選定、環境の整備
- 開催前の準備
- 開催中
- 開催後のフォロー
1.開催の目的設定
講演会をオンライン化する際に目的やゴールを決めておくことは非常に大切です。
1回きりのイベントにするのか、継続的に続けていくのか。あるいは、講演を聞いてもらうことがゴールなのか、講演を聞いて何かアクション(商品の購入や別イベントへの参加など)を起こしてもらうことなのか、といった点を確認しておきましょう。
それによって配信方法やアプローチ、講演後のフォローの仕方が変わってきます。
2.配信機材の選定、環境の整備
オンライン講演会を配信する場所は、自宅や自社の会議室、レンタルスタジオ、大ホールなど、セミナーの目的や規模によって様々です
配信に用いる機材は配信場所によっても異なりますので、まずは場所を選定し、そのうえで機材選びを進めましょう。
たとえば、会議室のようなスペースから配信する場合、主に以下の機材などが必要になります。
- PC
- カメラ
- マイク
- 安定したインターネット回線
- 配信ツール
言い換えれば、ノートPCが1台あれば配信は可能です。
ただし、これはあくまで必要最低限の場合。有料で行うオンライン講演会などであれば、映像や音声の品質にはできるだけこだわったほうが、視聴者の満足度が高まります。その場合には、カメラやマイクを外付けしたり、照明機材を用意したりする必要があるでしょう。
また、各社が提供する配信ツールも機能などの面で差ががあります。おすすめの配信ツールを後述しますのでそちらも併せてご覧ください。
3.開催前の準備
設備が整ったら、受講者がオンライン講演会を予約するための登録フォームを作成しましょう。
オンライン講演会は、一般的なWeb会議ツールを使っても配信可能ではありますが、特に有料化する場合には、Web会議のように招待URLを配布する形はおすすめしません。URLを配布すると誰が参加したのかが分からなくなるためです。
参加する人には登録フォームからの事前登録を促し、そのデータを一括管理することで、たとえばそれを「新規顧客リスト」としたり、開催後にフォローのメールを送ったりすることができます(詳しくは後述)。
また、オンラインイベントは実際のリアル環境での開催よりも参加率が低いと言われており、開催1週間前、1日前、1時間前、といったように段階的にリマインドを送ることも大切です。
4.開催中
オンライン講演会開催中は、先述したように視聴者が飽きてしまわないよう、主催者側の工夫も必要になります。講演会を成功させるためのポイントを後述していますので、詳細はそちらをご参照ください。
5.開催後のフォロー
オンラインイベントは開催して終了とするのではなく、次回の開催に向けて視聴者へのフォローを行いましょう。
たとえばアンケートを作成し、受講者の感想などのフィードバックを得ることは非常に重要です。改善点をブラッシュアップし、より高い満足度の講演会につなげることができます。
ただし、アンケートは「講演会の終了直前」にURLで送付するのが最も回答率が高くなります。そのため、アンケート内容は事前に用意しておきましょう。
もし終了後に送る場合にも、あまり期間を空けずなるべく早く送付することをおすすめします。
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オンライン講演会向けのツール
実際にどのようなツールを使って講演会をオンライン化すればよいのでしょうか。ここでは、おすすめのWebツールを2つご紹介します。
V-CUBEセミナー
株式会社ブイキューブが提供しているオンラインセミナー向けのプラットフォームです。導入事例が非常に豊富で、サポート体制も充実しているほか、視聴ログによる効果測定・分析なども可能なので、参加者の満足度や理解度も測ることができます。1回限りのイベントに終わらせず、継続したイベント開催にもつなげたい場合におすすめです。
Zoomビデオウェビナー
出典:Zoom
Zoomビデオウェビナーは、ウェビナーに特化したZoomの機能です。通常のZoomアカウントを作成後、有料プランに登録するとZoomビデオウェビナーのためのアドオンが申込可能になります。最大10,000人まで参加できるため、非常に大規模なオンラインイベントを開催可能。参加者へのアンケート機能や投票機能などのオプションも充実しています。
Eventin
Eventinはウェビナーツールでありながら、テーブルごとの個別セッションも開催できるオンラインイベントツールです。講演会後の懇親会などで参加者同士のコミュニケーションを促進したい場合に便利なツールです。
オンライン講演会を成功させるためのポイント
オンライン講演会には、視聴者の満足度や理解度を高めるうえでポイントとなることがあります。小さな点ですが、踏まえておくとトラブルの少ない高品質な講演会を実現できます
特に以下のポイントはしっかり抑えておきましょう。
- 機材はなるべく有線で接続
- 事前にリハーサル・テストを行う
- 配信環境の整備(照明・音・ネットワーク)
- 配信前から映像と音声を配信
機材はなるべく有線で接続
スピーカーやマイクはBluetooth接続が可能なものも多く市販されています。普段づかいには全く問題ありませんが、オンライン講演会で利用する場合にはなるべく有線で接続するようにしましょう。
当日にさまざまなデバイスを同時に使うことで電波が互いに干渉してしまい、ノイズの原因や音響トラブルになることもあります。
事前にリハーサル・テストを行う
事前のリハーサル・テストも欠かせません。
本番前に実際に用いる配信ツールを使って、テスト配信をしてみることをおすすめします。
各デバイスが正しく機能しているか、用意した資料や映像が正常に共有できるか、アンケートURLがリンク切れになっていないかといった点を確認しておきましょう。
配信環境の整備(照明・音・ネットワーク)
加えて、事前のテストは、実際に配信を行う場所・環境でテストすることを強くおすすめします。
使い慣れた機材を講演会に流用する場合でも、実際に配信する場所にセッティングしたところWi-Fi環境が低速度で安定していなかった、ケーブルの長さが足りなかった、空調の音が予想以上にうるさかった、照明が想定以上に暗かった、といったことも想定されるからです。
リハーサルは本番で用いる機材を実際の配信場所・環境にセッティングして行うようにしましょう。
配信前から映像と音声を配信
たとえば午後6時開催の講演会であれば、同時刻ちょうどから映像・音声が流れるのではなく、15分くらい前から会場の様子や事前に用意したオープニング映像などを放映しておくと、参加者の離席率を抑えることができます。
開始時間直前まで映像・音声がまったく放映されないと、「本当に始まるのだろうか」「まだ始まらないからしばらく別の作業をしておこう」といったように、参加者に不安を与えたり、せっかくアクセスしてもらったのに離席する状況をつくってしまいます。
リアル会場がない場合でも、タイトル画面や関連する画像スライドなど簡単なものでもいいので放映しておくようにしましょう。
ブイキューブの配信サポートと配信スタジオ
オンライン講演会はさまざまなポイントを踏まえつつ、既存のデバイスを使って誰でも始めることができます。
ただし、やはり大規模なオンライン講演会を開催するには大きなハードルがあることも事実です。特にトラブル時の対応は、開催経験が豊富で配信に使う機器の操作にも十分慣れているといった人でないと難しいでしょう。
そうした点を踏まえ、オンライン講演会などの配信サポートを提供している会社もあります。たとえば、「V-CUBE セミナー」を提供しているブイキューブでは、以下のようなサポートを提案しています。
- 配信ディレクションのサポート
- 専用スタジオ、機材の提供
- リアル会場とのハイブリッド開催時のサポート
こうしたサポートを受けることでどのようなメリットがあるでしょうか。
機材の用意が不要
ブイキューブでは、配信に使うカメラやマイク、モニターといった機材はもとより、専門のスタッフが配信のディレクション面もサポートします。
出張での撮影・配信にも対応しているほか、専用の収録スタジオも用意しています。自身で機材を用意したりセッティングする手間も一切不要なため、オンライン化に伴う実質的な負担をほとんどゼロにすることも可能です。
安定した回線
高品質なオンライン講演会には、インターネット環境の安定性も重要です。
ブイキューブでは、専用機材だけではなく、ネット環境についてもサポートを行っており、安定したネット環境のもと、高品質な講演会の配信を可能にしています。
クロマキー合成等の多様な撮影に対応
講演中、自身の映像を別の映像の上に重ねたり、資料映像を流しながら自身の映像をワイプ
(画面の隅に小窓状に表示される別映像)に映したりといったことなども、ブイキューブのサポートなら可能です。
こうしたクロマキー合成などを自身で行う場合、グリーンバックの背景や特殊な映像処理機材が必要となりますが、サポートを受けることでこれらも自身で機材を用意することなく、配信することができます。
まとめ | オンライン講演会を開催しよう
コロナ禍の影響もあって大きな会場で大規模な講演会を開催することは難しくなっていますが、その一方でオンライン講演会は、単なるリアル開催の代替案ではなく、オンラインだからこそ得られるメリットも多く含んでいます。
配信には上記に説明したようなステップとポイントがいくつかあり、自身で行う場合にはそれらを踏まえたうえで行ってもらえればと思います。
そうした機材の選定や用意に時間コストをかけたくない場合には、専門スタッフによるサポートという選択肢もあります。
どのような講演会を行うのか、そのゴールはどこかという点を十分検討した上で、ニーズに合った適切なツールやサービスを選び、効果的で充実したオンライン講演会の開催へぜひつなげてください。