オンライン配信でマネタイズするためには?特徴や失敗しないコツとは?

新型コロナウイルス感染症の流行により、人が多く集まるイベントが開催しにくくなりました。しかし2022年8月現在、対面で開催されるオフラインイベントの制限は徐々になくなっており、感染対策をしつつ対面でのライブや観劇、ファンイベントなどが開催されてきています。

ただ、オフラインイベントが開催できるようになってはきているものの、ライブ配信自体はなくなっていません。現在でも、ライブストリーミングフェスといった大規模なイベントから、芸能人やYoutuberが個人的に行う小規模な配信まで、様々な形態で数多くのライブ配信が行われています。

ライブ配信は、感染症の流行状況関係なく開催できる、遠方の人も参加できる、収益化すると大きな利益も見込める、といったメリットがあり、新型コロナウイルス感染症に関わらず開催する意義があるものです。オンライン配信は収益化も可能で、成功すれば大きな利益を生み出せるでしょう。

実際に、一般財団法人デジタルコンテンツ協会の「動画配信市場調査レポート2022」によると、ライブ配信の市場規模はどんどん拡大しており、今後も伸びていくと予測されています。

そこでこの記事では、スムーズにトラブルなくオンライン配信する方法について詳しく解説します。オンライン配信をマネタイズするための方法も紹介するので、オンライン配信の業務がある方はぜひ参考にしてください。

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オンライン配信の種類と特徴

リード文

オンライン配信とはインターネットを通じて映像を配信することで、ウェビナー、オンラインイベント、オンラインライブ、SNSのライブ配信など様々な種類があります。それぞれどのような特徴があるのか、どのようなツールが最適か解説します。

ウェビナー

ウェビナーとはオンラインで開催するセミナーのことで、登壇者が行うプレゼンテーションを多くの人が視聴する形式です。基本的に登壇者からの発言を一方的に受け取る形であるため、視聴者同士がコミュニケーションをとるようなことはありません。

そのため、視聴者が登壇者に注目できる、登壇者に質問ができる、といった機能があればウェビナーは開催できます。

サービス例:Zoom ウェビナー

登壇者に質問ができるQ&Aや、リアルタイムに意見を書き込めるチャット機能、挙手や拍手などを表明できるリアクション機能など、ウェビナー開催に必要な機能がそろっています。また、ウェビナー後は参加者数や質問内容、離脱率などのレポート作成まで可能です。

出席数は5万人まで拡張できるため、大規模なウェビナーにも十分対応できます。Zoom ミーティングの有料プランに加入しているのであれば、オプションとしてZoom ウェビナーを利用可能です。

月額料金

500人 1000人 3000人 5000人 1万人
1万700円 4万5700円 13万3100円 33万4700円 87万2300円

オンラインイベント

オンラインイベントは、大規模なイベントや、企業が開催する展示会や説明会など、さまざまな形式があります。登壇者だけを映し出すウェビナーよりも規模が大きく、会場を用意してイベントを開催し、その様子を配信する形式です。

オンラインイベントを開催するなら、イベント内容によっては視聴者同士がコミュニケーションできるようにしたり、視聴者が複数のブースに移動できるようにしたりする機能があるとよいでしょう。

サービス例:EventIn

Eventlnの大きな特徴はオンラインイベント内に複数のブースを設置できる点です。1つの画面に複数のブースを表示できるなど回遊性に優れており、参加者はオフラインイベントのように、自由に沢山のブースを楽しめます。こういった交流型サービスのなかで、設置できるブース数は最多(ブイキューブ調べ)であり、大規模イベントにも対応できます。

アーカイブ配信や参加者のデータ分析もできるため、今後オンラインイベントをブラッシュアップしていくことも可能です。採用イベントや展示会、学会から、社内の交流イベントまでさまざまな用途に活用できるでしょう。

オンラインライブ・コンサート

ライブやコンサート、舞台などの様子をライブ配信することもあります。新型コロナウイルス感染症が流行し始めた2020年では、完全無観客でオンラインライブをするような形態が見られましたが、2021年、2022年では観客がいる会場でのライブやコンサートの内容を、そのままライブ配信も同時に行うことが多くなっています。

基本的に、ステージ上で複数の演者が動くため、ステージの様子は複数のカメラを切り替えつつ配信することが多いです。配信のためにはカメラスイッチャーやミキサーなどの専用機器が必要になります。

サービス例:YouTubeライブ

動画配信サイトのYoutubeではリアルタイムで配信できます。Youtubeライブはスマートフォンやタブレット、パソコンのウェブカメラを利用した簡易的な配信もできますが、エンコーダを利用すれば、映像用の外部ハードウェアを使用し、高画質で音質もこだわったプロフェッショナルなライブ配信も可能です。

臨場感のあるライブやコンサートの映像を配信するなら、エンコーダを利用したほうがよいでしょう。

SNSライブ配信

InstagramやTwitter、YoutubeなどSNSを利用したライブ配信もよく行われています。1人だけを映し出せればよいため、スマートフォン1台があれば十分でしょう。視聴者からコメントできるようにしているものが多く、感想や質問などのコメントを読むなど、視聴者とコミュニケーションをとりながらライブ配信もできます。

サービス例:Instagramのライブ配信

Instagramでは、Instagramにアカウントを作るだけで「インスタライブ」と呼ばれる無料のライブ配信ができます。同じくInstagramに登録しているアカウントと一緒にテレビ電話をしながらライブ配信もできるため、会話しながらのライブ配信も可能です。インスタライブは、ライブ配信しながら商品紹介をするライブコマースの場としても期待されています。

オンライン配信の主なマネタイズ方法

オンライン配信を収益化すればマネタイズも可能です。具体的にどのような方法か解説します。

オンライン配信の主なマネタイズ方法商品・サービスの販売(ライブコマース)

ウェビナーやSNSによるライブ配信で、商品やサービスを紹介して販売促進をする方法です。テレビショッピングのインターネット版ともいえますが、テレビと違いチャット欄やコメント欄で視聴者の反応を把握できる、視聴者からの質問にすぐに答えられるといったメリットがあります。

商品やサービスを購入できるページのリンクを記載しておけば、視聴者が欲しいと感じたときにすぐにクリックして購入可能です。こういった販売方式はライブコマースとも呼ばれ、中国では市場規模が17兆円にものぼっています。

※参考:クロスボーダーネクスト株式会社 【2022年】中国ライブコマースを徹底解説!事例や市場規模、インフルエンサーKOL活用する方法とは?

視聴チケット

ライブ配信を見るためには視聴チケットの購入を必須にすれば、視聴者数に応じて利益を得られます。オンラインイベントやオンラインライブ、コンサートなどでよく取り入れられているマネタイズ方法です。

視聴チケットが必要な有料オンラインライブを開催すると、生のライブに行ってみたい、安く手軽に見られて嬉しい、といったポジティブな意見も多く寄せられています。

※参考:クロス・マーケティング「有料オンラインライブに関する調査」

投げ銭

オンライン配信をしているアーティストやYoutuber、ライバーなどに対して、お金を送付する機能を「投げ銭」といいます。何か対価を得るために送るというよりも、応援する気持ちを表現したいという意味合いが強いものです。しかしながら、オンライン配信中に投げ銭をすると、自分の名前を読んでお礼をしてもらえることもあるため、視聴者にとって満足感が高いサービスでしょう。

投げ銭の市場規模は拡大しており、Fintertech株式会社の調査によると国内潜在市場規模は合計3106億円にものぼるそうです。

オンライン配信の始め方

オンライン配信を失敗せずに行うためには、ツールの選定からしっかりとした準備が必要です。具体的にどのようにすればオンライン配信ができるのか、順を追って解説します。

オンライン配信の始め方配信する形態を決める

オンライン配信といっても、ライブやイベントを配信する形態によって必要なツールは異なります。そのため、まずはどのようにライブ配信を行うのか決めましょう。ライブ配信の形態にはさまざまなものがありますが、代表的なものは先程解説した「ウェビナー」「オンラインイベント」「オンラインライブ」「SNSライブ配信」です。

どの形態にするのかは、下の表のように配信目的やマネタイズ方法によって決めるとよいでしょう。

  配信目的 マネタイズ方法
ウェビナー
  • 講演会
  • 研修会
  • ウェビナーなど
  • 配信チケット
  • 商品販売
オンラインイベント
  • 視聴者参加型イベント
  • フェスティバル など
  • 配信チケット
  • 投げ銭
オンラインライブ
  • ライブ、舞台の生配信
  • 配信チケット
  • 投げ銭
SNSライブ配信
  • 個人で行う生配信
  • 友達との会話を配信する
  • 商品販売
  • 投げ銭

配信ツール・サービスを決める

配信ツールや配信媒体はさまざまな企業から提供されています。それぞれ料金や機能は異なるため、予算や参加人数によって決めるとよいでしょう。配信チケット購入ができないツールもあるため、マネタイズ方法によっても選ぶツールは変わってきます。

しかし、それぞれ配信したい内容やマネタイズ方法は異なることもあり、自社が配信したい方法に合うツールが見つからない場合もあるでしょう。そういったときには、ライブ配信機能を自社で開発する方法がおすすめです。

自社開発するのはコストも時間もかかると思う人もいるでしょうが、最近では専門知識がなくても簡単に開発できる開発キットも提供されています。販売されているツールよりも、細かなデータを取得できるほか、自社に合ったレイアウトや機能も実装可能です。

配信機材を準備する

小規模なウェビナーや個人でのSNSライブ配信では、スマートフォンやタブレット、パソコンが1台あればオンライン配信できます。しかし、オンラインライブやオンラインイベント、登壇者が複数いるウェビナー等であれば、複数のカメラやカメラスイッチャーなど、専門の配信機材が必要です。

また、レベルの高い映像を提供するためには、高性能のマイクや音声ミキサーといったものも用意したほうがよいでしょう。けれども、配信機材は高価なうえ、操作には専門知識が必要です。コストや人材がない場合は、外注することも検討してみてはどうでしょうか。

リハーサル

小規模なSNSライブ配信以外は、本番前に必ずリハーサルを行いましょう。オンライン配信では、ネットワーク、配信機材、ツールなどさまざまな場所にトラブルが起きる可能性があります。当日にトラブルが起きないように、事前に本番同様のテスト配信を行い、問題なく配信できるかどうか確認が必要です。

何度もリハーサルしたにも関わらず、本番にトラブルが起きる可能性もあります。そのため、もしトラブルが起きたときの解決方法をあらかじめ確認し、シミュレーションをしておいたほうがよいでしょう。

リハーサルまとめ

新型コロナウイルス感染症の流行により急激に広まったオンライン配信手軽に視聴できるといったメリットがあるため、感染症の有無に関わらず今後も開催され続けるでしょう。

オンライン配信は、商品紹介、チケット販売、投げ銭といったマネタイズも可能です。オンライン配信でマネタイズしたいときには、そのような機能がある配信媒体やツールを選びましょう。もし自社の目的やマネタイズ方法に合うツールが見つからない場合は、開発キットなどを利用し、自社で開発してみてはどうでしょうか。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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