採用コストを削減する5つの方法を解説|優秀な人材を低予算で獲得しよう。
「優秀な人材を獲得したいけれども、採用にコストをかけられない」そんな悩みを抱える人事担当者や経営者も多いのではないでしょうか?
現在日本では、求職者に対して求人の需要が上回る「売り手市場」の状態が続いています。そのため従来よりも広告費や説明会費用といった採用コストをかけなければ、新たな人材を確保できないといったケースもあるのが事実です。
しかしながら、あらためて自社の採用方法を見直すと、コストを抑えながらも自社のニーズにマッチした優秀な人材を確保する方法があります。
本記事では、採用コストとは何か?といった基礎的な情報から、実際に自社の採用コストを削減する5つの方法をご紹介します。
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採用にかかるコストとは?
採用コストとは、企業が新たな人材を獲得するまでにかかるコストのことを指します。新たな人材は新卒社員や中途社員のみならず、アルバイトや契約社員といった雇用も含まれます。
採用コストは、「外部コスト」と「内部コスト」の2つに分けて考えることができます。外部コストとは、求人サイトへの掲載や会社案内の資料作成といった費用を指します。一方の内部コストは、採用にかかった人件費を指します。
採用コストというと、通常外部コストをイメージしがちですが、社員にかかる時間や工数といった要素も忘れてはいけません。後ほど、詳しく解説しますが、採用コストの削減には外部コスト・内部コストの双方で施策を行うことが大切です。
外部コスト |
内部コスト |
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採用コスト(採用単価)の算出方法
採用にかかるコストは、「採用にかかった全ての経費÷採用した人数」で算出します。仮に100万円で5人の新規人材を採用する場合、一人当たり20万円の採用コストがかかる計算になります。この数値は、「採用単価」と呼ばれます。
採用にかかった全ての経費には、先ほどお伝えした外部コストと内部コストが含まれます。外部コストは比較的把握しやすいのですが、内部コストは、社員の採用にかける工数を加味して算出する必要があります。
なお、ベンチャー企業や従業員の少ない中小企業では、採用代行サービスを利用して採用活動をアウトソーシングする場合もあります。その場合、社員の採用に関するコストや負担(内部コスト)を減らすことができます。
新卒・中途一人当たりの採用にかかるコストの平均は?
一人当たりの採用にかかるコスト(採用単価)は、新卒と中途でほぼ同じ額です。
- 新卒の採用単価:48.0万円
- 中途の採用単価:48.3万円
株式会社マイナビが国内8,000社に実施したアンケート「2019年卒マイナビ企業新卒内定状況調査」によると、新卒の入社予定者1人当たりの採用費平均は、48.0万円という結果が出ています。
一方の中途採用は、同じく株式会社マイナビが1,024社に実施した調査「2017年 マイナビ企業人材ニーズ調査」によると、中途の入社予定者1人当たりの採用費平均は、48.3万円になっています。
ただしこれらのデータは、求人広告費や説明会出展費・広報物制作費を中心に算出されており、人事担当や面接担当の人件費は含まれていません。そのため実際の採用活動には、もっと多くの採用コストがかかっていることを頭に入れておきましょう。
採用コストが高騰している背景
採用にかかるコストは、近年上昇する傾向にあります。原因は、急速に進む少子高齢化によって、市場の労働人口が不足し、人材の獲得競争が激化しているからです。
下記のグラフは、求職者1人に対して、何人分の求人があったかを示す「有効求人倍率」を示したものです。有効求人倍率が1倍を超えると、世の中に出回る求人に対して、市場に求職者が不足している「売り手市場」となります。
出典:エンジャパン [2019年度 下半期版] 採用難易度レポート
2013年まで続いた「買い手市場」が終わり、2014年からは「売り手市場」が続いています。2019年の全国の有効求人倍率は、約1.6倍となっており、近年でも非常に高い状態です。日本の労働力不足は依然解消されておらず、2020年も引き続き、有効求人倍率が高い状況が続いていくと予想されています。
採用コストを削減する5つのポイント
ここからは具体的に、採用コストを抑える方法をご紹介していきます。注意していただきたいのは、採用コストの削減しても、自社に適切な人材を獲得できなければ意味がありません。採用コストを抑えつつも、自社の成長や拡大に繋がる適切な人材確保に努めましょう。
1.求人媒体を見直す
求人媒体は、メディアによって特徴が異なります。エンジニアやWebデザイナーといったIT職の採用に強いメディアや営業職に特化したメディアなど特徴は様々です。
自社の採用ニーズに合っていない媒体に出稿していても、掲載コストがかかるだけで採用に繋がりません。採用したいターゲットにしっかりとアプローチできるのかを検証しましょう。
またWeb媒体は、「掲載課金型」「応募課金型」「採用課金型」など料金体系が分かれています。同じメディアを利用しても、料金体系によって費用対効果が異なります。適切なプランを選んで、採用コストを抑えましょう。
2.リファラル採用を活用する
求職者からの応募を待つ採用から、社員に関わりのある人材を積極的に紹介してもらう「攻めの採用」が注目を浴びています。
信頼できる自社の社員から紹介してもらうことによって、自社ニーズにマッチした人材を獲得できます。せっかく雇用したのに、すぐに退職する社員が多いと、採用コストの削減には繋がりません。
リファラル採用であれば、「実際に入社してみてから、社風が合わなかった」というケースが比較的少なく、早期退職者を減らすことが可能です。
また求人媒体への掲載費用がかからないので、「外部コスト」の削減を実現できます。採用コストをできるだけ抑えたいという企業には、最適な採用方法と言えるでしょう。
3.助成金制度を活用する
厚生労働省を中心に国や地方自治体が雇用に関して、事業者に助成金を設けているケースがあります。これらは地方の活性化や企業の雇用促進などを目的としており、助成金受給の条件にはさまざまなものがあります。
このような助成金は、年単位で内容が変わるので、常に情報をキャッチアップする必要があります。
主要な助成金に関しては、厚生労働省のホームページ「事業主の方のための雇用関係助成金」にまとめられています。いますぐ活用できる助成金もあるかもしれませんので、リサーチすることをおすすめします。
4.自社サイトや採用サイトを充実させる
自社サイトや採用サイトを魅力的にすることで、より多くの求職者に自社に興味を持ってもらう工夫も採用コストの削減には必要です。
求職者の多くは、求人媒体への掲載内容だけでなく企業のホームページ(コーポレートサイト)や採用特設サイトをチェックします。
企業理念やビジョン、社長のメッセージに加えて、働いている社員の様子やカルチャーを充実させることで、求職者の応募意欲を高めることができます。
また事前にしっかりと社風を知ってもらうことで、採用のミスマッチの可能性を減らせます。早期退職者を少なくできるので、採用コストの削減へと寄与するでしょう。
5.Web面接やWeb説明会を開催する
動画や音声で遠隔にいる相手とやり取りができるWeb会議システムを利用することで、面接会場のレンタル費用や面接会場までの移動コストを抑えることができます。
地方に在住する求職者に対しても、アプローチが可能。従来のように面接のために交通費や宿泊費を負担する必要がないので、外部コストも併せて削減できるようになります。
「V-CUBEセミナー」なら、求職者の集客機会の拡大や過去開催した説明会の様子をオンデマンド配信することで、採用コストを削減しながら効率よく人材確保ができます。
まとめ|採用コストを削減しつつ、優秀な人材を確保しよう
本記事では、採用コストとは何か、そして具体的な採用コスト削減の方法についてご紹介しました。
今回ご紹介した採用コストの削減方法の多くは、ただコストを減らすのではなく自社をより魅力的に見せることによって、応募を増やし、結果的に採用コストの削減が実現できるというものです。
適切なターゲットに適切にアプローチすることで、優秀な人材を低予算で獲得することができます。自社の採用方法を今一度見直して、効率的な人材確保を行いましょう。