テレワークのマネジメントの課題とは?対策ツールを紹介
働き方改革や在宅勤務要請によりテレワークが急速に加速し新しい働き方が生まれています。しかし、従業員それぞれの自宅などの離れた場所で業務を行うので
- 労務管理が難しい
- 社内のコミュニケーションが取れない
- テレワークに合わせた業務評価が整っていないため、人材が逃げる
テレワークの「マネジメント」はオフィス勤務形態の「マネジメント」をそのまま行うのではなく、仕組みを変えたり・ツールを駆使し、テレワークに合わせた「マネジメント」に移行することができれば十分にテレワークでも従業員の管理、評価は行えます。
今回は、テレワークにおける「マネジメント」をする際によくある管理・評価の課題と解決策を紹介します。
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マネジメントとは?ただ従業員を管理することではない。「目標・案件・プロセス」を管理すること?
初めに「マネジメント」とは一体何なのかということを理解することが管理・評価の課題を解決するために重要なポイントです。著書「マネジメント」で知られているピーター・ドラッカーは「マネジメント」の定義について
「設定した目標にそって組織を運営する」
と述べています。
さらに、「マネジメント」に求められる役割は
- 目標の設定
- 目標の設定にそった組織の構築と運営
- 成果の評価とフィードバック
と述べています。
まとめると、マネジメントは組織の「目標・案件・プロセス」を管理することであると考えられています。
つまり、ただ社員の労働・業務を管理するのではなく、目標やプロセスを成功に導くために従業員を管理することがマネジメントにおいて重要であるといえるでしょう。
では、テレワークにおけるマネジメントの困難な点について見ていきましょう。
参考:
https://www.hito-link.jp/media/column/management
テレワークにおけるマネジメントの課題
1.コミュニケーションが取りにくい
テレワークは、直接仲間と会うことができない勤務形態です。コミュニケーションの機会が少なくなり、孤独を感じでしまう場合があります。チームや他の部署、上司に質問や相談する機会が減ってしまいます。
2.労務管理が難しい
オフィスワークは決まった時間に出社し時間になったら退社する勤務形態でした。しかし、テレワークになるとオフィスに出勤せずに仕事をする勤務形態になるので勤怠の管理が困難になります。
3.評価をするのが難しい
上司に自分の労務状況を把握することが難しくなります。そのため、定量評価である数値化できるものや成果物に対しての評価は可能ですが、勤務態度や部下の教育などの定性評価は難しく、従業員に正当に評価されているか不安に思われることがあります。
結果、評価が整っていないと社員のモチベーションの低下つながるかもしれません。
4.人材流出、パフォーマンス低下に悩む可能性
テレワークは、テレワークは離れた場所で働くため、物理的に離れた状態で仕事をすることになります。上司、同期、別の部署の状況が見えず、他の社員や別の部署がどのようなプロジェクトを行っているのが把握しづらくなります。そのため、自分のスキルを活かせることがあっても周りの状況が見えないため関わることができません。結果、キャリアアップの機会が少なくなってしまうことがあります。
そのため、自分の持ってるスキルを活かせる機会が減るため転職してしまい人材を流出してしまう恐れがあります。
テレワークのデメリットの多くは、マネジメントの課題。デメリットを改善できたらテレワークはできる!
テレワークのマネジメントを効率的に行うには改めてテレワークのメリット・デメリットを理解し、何が課題になるのか知ることが必要です。
メリット |
デメリット |
・交通費・出張費などの経費削減 |
・情報漏洩のリスクが高まる |
・多様な人材確保 |
・上司の目がないためサボってしまう |
・企業のイメージの向上 |
・部下のマネジメントがしにくくなる |
・災害時のリスクを分散(BCP対策) |
・チームワークが悪くなる |
参考:
https://www.nice2meet.us/telework-demerit-donyu-point
テレワークのデメリットはサボりの問題、部下のマネジメント、チームワークの悪化などマネジメントの課題であることが分かります。つまり、マネジメントが改善され、うまく管理・評価をことができればテレワークは機能するのではないでしょうか。テレワークだからできないという考え方からテレワークでもできるようにするという考え方に組織として変わる必要があります。
次に、マネジメントの課題を解消できる解決策や便利なツールを紹介します。
テレワークにおけるマネジメントの課題の解決策とツール
1. コミュニケーションツールを活用する
業務において意思疎通や情報共有は欠かせません。そこで役に立つのが「コミュニケーションツール」です。しかし、ただWeb会議ツールを利用するだけではコミュニケーションは円滑に行えません。場面・状況に合わせて利用することが重要です。
例えば、全体のミーティングだけではなく、チームやプロジェクト内での確認が必要な場合は、チーム専用のグループを作りより細かく分けたコミュニケーションの機会が必要です。また、上司とのコミュニケーションを取る際も1対1の時間を作ったり、業務外で雑談ができるようにする仕組みを作ることが大切です。
そこで、2つのWeb会議ツールを紹介します。
V-CUBE ミーティング
特徴
13年連続国内シェアNo.1の実績があるツールです。高画質・高音質でさらにセキュリティー性も高いのが特徴です。国内外問わず通信でき、シンプルで使いやすく、モバイルにも対応しています。
出典:
https://jp.vcube.com/service/meeting
Zoom
特徴
独自の技術で狭帯域のネットワーク回線でも途切れにくく、世界各国で75万以上の企業や組織で利用されている実績のあるWeb会議サービスです。Web会議の際に必要なライセンスは主催者のみで、会議アドレスを共有するだけで誰でも参加することができます。
価格
- プロ 月額2,200 円/ID (税抜)*5~9IDで利用の場合
- ビジネス ご相談内容に応じてお見積り致します。(税抜)*10~49IDで利用の場合
- エンタープライズ ご相談内容に応じてお見積り致します。*50ID~で利用の場合
出典:
https://jp.vcube.com/zoom/plan
Zoomの有料版を使うべきメリットとは?
Web会議ツールZoomの有料版を使うべきメリットについては、「Zoomの有料版を使うべきメリットとは?無料プランとの違いや決済方法を解説」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。
ビジネスチャットツール
Web会議に合わせてビジネスチャットツールを併用すると、リアルタイムで意思疎通・情報交換がしやすくなるのでさらにコミュニケーションの希薄化を防ぐことができるでしょう。そこで、3つのビジネスチャットツールを紹介します。
slack
特徴
75万社を超える企業がslackを利用している実績があるビジネスチャットツールです。
プロジェクト、チームごとなどチャンネルを作成することで仕事が整理され業務の状況をチーム内で共有できるようになり、仕事に集中しやすくなります。IDとデバイスの管理やデータの保護などのセキュリティだけではなく情報のガバナンスも整っているので、いかなるニーズにも対応できる十分な柔軟性のガバナンス・リスク管理機能を提供しています。
出典:
https://slack.com/intl/ja-jp/
talknote
特徴
メッセージ・グループ・タスクというコミュニケーションスタイルにより、情報共有の効率化や業務の抜け漏れを防ぎます。コミュニケーションの迅速化だけではなく、社員のSNS利用状況や利用時間帯などから労働意欲低下や睡眠不足になっていないかなど検知することができ、離職防止にも役に立ちます。
価格
お問い合わせください。
team:on
特徴
グループチャットで情報共有やファイルの共有はもちろん。社内スケジュールを共有したり、会議室の予約さらにやるべきタスクも管理共有できる、幅広い使い道のをつビジネスチャットツールです。
価格
- 6~9名様の場合 月額:196円/人
- 11~14名様の場合 月額:180円/人
- 16~19名様の場合 月額:165円/人
- 21~49名様の場合 月額:150円/人
- 51~100名様の場合 月額:140円/人
- 101名様以上の場合 お問い合わせください。
出典:
https://teamoncloud.com/ja/
2.勤怠管理ツールを活用する
2019年4月に施工された働き方改革関連法によって「労働時間の客観的な把握」が企業に義務づけられています。しかし、テレワークは場所にとらわれず各々が離れた場所で働くため、管理者が従業員の勤務状況を把握することは困難です。オフィスで働くのであれば、紙のタイムカードなどで打刻することができましたがテレワークはそうはいきません。そこで役に立つのが勤怠管理ツールです。勤怠管理ツールを利用すればインターネット環境さえ整っていればテレワークでも勤怠管理をができます。
ここでは、3つの勤怠管理ツールを紹介します。
レコル
機能
シンプルな機能で誰でも簡単に利用できるのが特徴です。1つの画面で出勤状況や残業時間を確認できるだけではなく、打刻忘れや勤務表の入力間違いなども確認できます。
価格
- 初期費用 0円
- 月額料金 一人あたり100円(税抜)
- 運用・サポート費用 0円
AKASHI
機能
「36協定設定」という設定ができ、労働管理を適正に管理できます。また、他社サービスと連携によって、労務管理の負担を軽減できます。プレミアムプランでは、テレワークにも対応しており、リアルタイムで状況の確認が行えます。
価格
- タイムレコーダー 月額200円/人 初期費用0円
- スタンダード 月額300円/人 初期費用0円
- プレミアム 月額400円/人 初期費用0円
ジョブカン
機能
ジョブカンは導入実績が5万社以上でクラウド型勤怠システムでは業界No.1の実績があります。初めてでも、簡単に利用できあらゆる勤務形態に対応し運用ができるのが特徴です。必要な機能を単独で使用する機能や、万全のサポート体制が整っています。
価格
*使える機能数でプランが変わります。
- プラン1 月額200円/ユーザー
- プラン2 月額300円/ユーザー
- プラン3 月額400円/ユーザー
- プラン4 月額500円/ユーザー
3.評価方法を整える
業務の状況を把握しづらくなると、評価が成果主義に陥りやすくなります。近年、年功序列型の人事評価から成果主義に移行している企業が増えて来ています。しかし、評価が成果主義に偏り過ぎると問題も見えてきます。
人事評価サービスを運営している株式会社あしたのチーム情報によると下記のように解説しています。
成果主義のみを単に導入するだけでは、チームへの配慮や後輩の指導など、成果に直結しない頑張りが評価されなくなってしまい、社員が不公平感を抱えてしまう事態も発生してしまいます。
また、厚生労働省のテレワーク総合ポータルサイトでは下記のように解説しています。
人事評価の多くは、目標管理制度に基づく成果主義が適用されます。ただし、目標管理制度は、売上高や顧客訪問件数のように成果を数値化できる営業部門には適していますが、企画・開発等達成度を短期的に数値化することが困難な業務もあり、目標設定と成果報告を適切に実施できる仕組みと上長のスキルが必要になります。
このように目標を上司と部下の間で明確にすることによってモチベーションの維持やキャリアアップにつなげることができるでしょう。
マネジメントが変わればテレワークはできる!
働き方改革や感染症がきっかけにテレワークをはじめとする多様な働き方が社会に浸透してきました。しかし、従来のマネジメントをそのまま適用しているところが多いのが現状です。新しい働き方と同時に、新しいマネジメントに変えなければ従業員のマネジメントはうまく機能しません。
特に、コミュニケーションは一番の課題といえるでしょう。テレワークをしている従業員に孤独感や目標を見失わせないようにこまめに上司や同期、後輩とコミュニケーションを取ることが必要です。
また、従来の管理方法も機能しなくなってきているので「いつでも、どこでも」を念頭にツールを利用し新しい働き方に対して柔軟に取り組めるようになれば社員のモチベーション向上にもつながるでしょう。
このように、新しい仕組みやツールをうまく使いこなすことによって従業員の管理・評価方法が改善され、テレワークにおいてもマネジメントを行うことができるでしょう。