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超高齢化社会、そして少子化が加速度的に進む日本。これらが企業に与える影響には、どのくらいのインパクトがあるのかを気にしている方も多いはずです。そこでこの記事では、「生産年齢人口」にスポットを当て、企業が取り組むべき課題と対策を具体的にご紹介します。

生産年齢人口とは

「生産年齢人口」とは、15歳以上65歳未満の人口のことを指し、生産活動の中核をなす人口層です。生産年齢人口以外の人口は、従属人口と呼ばれています。

日本の生産年齢人口の推移

実際に日本の生産年齢人口はどのように推移しているのか、過去のデータからさかのぼって見ていきましょう。

 

1995年をピークに減少傾向に

日本の生産年齢人口は戦後一貫して増え続け、1995年には8,726万人まで増加。しかし1995年をピークに減少、2015年の国勢調査では7,728万人となっています。今後の生産年齢人口は、10年後の2029年に7,000万人、2040年に6,000万人、2056年に5,000万人を割り、2065年には4,529万人になると推測されています。

10~15年程度で400~1,000万人の減少が見られるわけですから、大きな影響が今後20~30年で起こってくることが予想されます。

年齢3区分別人口の推移

出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」

 


また、単に人口が減っている以外の理由として、女性が働きづらい世の中であることも労働力の減少につながっています。

厚生労働省が発表しているデータによると、昭和60年時点で女性の労働力人口は2,367万人で全労働力人口の39.7%。しかし平成29年には43.7%、2,937万人と600万人近くも増加しています。しかも労働力人口があまり増えていない時期でこれだけの伸び率ですから、女性の社会進出は成功したといえるでしょう。しかし、制度が追いつかず働きながら育児をすることが難しい現状であることは、「女性の年齢階級別労働力率」を見れば明白です。

改善されつつある平成29年時点で見ても、25~29歳の時に82.1%も労働していた人がいたにも関わらず、30~34歳では75.2%、35~39歳では73.4%と子育ての時代と重なって労働力が低下しています。つまり育児との両立が難しく、女性が退職をしてしまうことも労働力の減少理由として課題視されてきました。

労働力人口及び労働力人口総数に占める女性割合の推移

女性の年齢階級別労働力率

出典:厚生労働省「働く女性の状況 第1章 平成29年の働く女性の状況」

生産労働人口自体の減少と、育児女性の労働参加は日本の大きな課題といえるでしょう。

 

そもそもなぜ女性が働きづらい世の中になっているのか?

 

慢性的な人口減少以外に、女性の労働力不足も生産年齢人口の減少に拍車をかけていることは分かりました。では、そもそもなぜ日本では女性が働きづらい世の中になっているのでしょうか。そのイメージは漠然と湧きますが、ハッキリと答えられる方も多いでしょう。ここで、改めてそれについて振り返っておきます。

 

①男性中心の企業ルール

これまでの日本は、「男性 正社員」という立場を中心に、企業を引っ張って経済成長を遂げてきました。それはつまり、企業の働き方のルールも「男性 正社員」であることを意味します。毎朝決まった時間に出社し、フルタイムで働き、残業をするという形態が当たり前になっているのが以前の企業の形でした。

 

それはつまり、ルールが男性中心になっていて、育児や介護を行いつつ働きたい女性やハンディキャップや病気と付き合いながら仕事をしたい人にとっては非常に負担の高いものになっていたということです。

 

また、「男性は働き、女性は家事を行う」というステレオタイプな考え方が未だに女性の働きづらさを助長しているのも事実です。平成28年度に厚生労働省が発表した「平成28年度版 働く女性の実情」を見てみましょう。

 

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出典:女性の視点で見直す人材育成-だれもが働きやすい「最高の職場」をつくる

 

このグラフが示すように、女性の性別役割分業意識と労働力率には大きな相関関係があることが伺えます。

 

②入社時の女性の採用方法・職場の設備問題

女性は結婚退職をすることが当たり前だと考えられていた時代もあり、入社試験の段階で総合職・一般職といったふうに分けられて採用されていた、という歴史があります。つまり、女性は入社した時点でその後のキャリアが恣意的に決定されてしまい、研修や配属に大きな影響を与えられてしまいました。

 

その上、職場が女性に配慮した設備を整えていないというのも事実です。例えば、女性の働き手が少ない建設業界において、平成27年12月に国土交通省が発表した「建設業における女性の活躍推進に関する取組実体調査」を参照してみましょう。

 

これによると会社に女性専用トイレを設置しているのは74.3%、現場に女性専用トイレを設置しているのは19.8%、女性専用更衣室を設置しているのは53.8%であることが読み取れます。

 

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出典:国土交通省「建設業における女性の活躍推進に関する取組実態調査

 

さらに詳しく女性の雇用問題について知りたい方は、別記事「企業が考えるべき女性活躍の推進について、働き方改革との関係を含めて解説」をお読みください。

 

2065年には人口の半分の割合に

総人口に対する生産年齢人口の割合では、1995年の69.8%から減少、2017年に60%を割っています。2065年には51.4%と予測されている状況。

 

総数、年齢3区分別総人口及び年齢構造係数:出生中位推計
出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」


さらに総務省統計局発表の人口推計によれば、2019年1月1日現在の生産年齢人口の割合は59.6%で過去最低をマークし、働き手不足が進んでいる現状が見て取れます。

世界の生産年齢人口の割合

世界の生産年齢人口に目を移してみましょう。2015年〜2030年にかけての15~64歳人口の変化率を見ると、主に東アジアで減少に転じている国が多い特徴があります。中でも特に日本の減少率は-12%と高い状況にあります。



15〜64歳人口の変化率(2015〜2030年)

出典:内閣府「15~64歳人口の変化率(2015~2030年)」

 

 

内閣府が2011年に作成した「世界経済の潮流 歴史的転換期にある世界経済:『全球一体化』と新興国のプレゼンス拡大」内では、世界の各地域と日本の「生産年齢人口の割合」「従属人口指数(年少者、高齢者の生産年齢人口に対する割合) 」について記述があります。

これによると、アフリカを除く地域では、総人口に対して生産年齢人口の割合低下や従属人口指数の上昇が見込まれていますが、それらに比べても日本の生産年齢人口割合の低下ならびに従属人口指数の上昇が非常に激しいことが見て取れます。



生産年齢人口の割合と従属人口指数

出典:内閣府「世界経済の潮流 2011年」

生産年齢人口減少の影響は?

ここまで日本の生産年齢人口が減少してきていることを世界とも比較してご紹介してきました。この章では、生産年齢人口が減ることによって具体的にどんな影響があるのか、国と企業のレベルにわけてご紹介します。

 

国レベルでは社会的・経済的課題が深刻化

これまでご紹介した通り、日本では今後ますます生産年齢人口が減少し高齢者が増え続けることは明らかです。多くの高齢者を少ない働き手で支えることになりますから、社会保険の負担が増え、年金の支給年齢も引き上げられるでしょう。また、年金を始めとした旧来の制度は人口が増える時代に作られたものであるため、今の時代にはフィットしていません。このままでは掛け金よりももらえるお金が少なくなることが予想されるため、近い将来抜本的な見直しを迫られることは間違いないといえるでしょう。

企業は労働力の確保が課題に

企業レベルでは、若年層の採用難や従業員の高齢化といった雇用問題が深刻化していくため、これまで通りの労働力を確保することが非常に難しくなると予想されます。優秀な人材を大手や注目度の高いスタートアップに取られてしまう可能性や、若い人材が採用できない場合、若手でカバーしていた仕事をどう高齢者に割り振っていくのかという業務設計などの問題が生じます。1人でやっていた業務の複数人による割り振り、あるいは業務自体の見直しや自動化など、根本的な解決策が必要になる場合もあるでしょう。

労働力が減少するなかで企業が生き残るために

このように生産年齢人口が減少し、労働力が減ってしまう状態では「働きたいけど働けない」状態を解消する環境整備、さまざまな施策による生産性向上、業務自体の見直しなどで対応することが必要になってきます。現在はテクノロジーの進歩により、多様な働き方や業務効率化が実現しやすくなっています。その中で自社にはどのような方法が合うのかを模索し、来る労働力の大幅減少に備えておく必要があるでしょう。

ではここから労働力が減る中で生き残るために必要な、3つの方法をご紹介します。

 

柔軟な働き方の実現

現在はリタイアせず働き続けている高齢者も増えてきていますが、年金がさらに減る今後の世代はしっかり生活費を稼ぐ目的で働く人も増えるでしょう。そのような中では、働きながら介護者の面倒を見る労働者が増えることも予想されます。また、少子化で減っているとしても小さな子どもを持つ家庭も一定数存在します。このように育児や介護をしながら働ける環境を作るために、テレワークや時短勤務などの柔軟な働き方を制度化していくことが不可欠になるでしょう。

テレワークを導入することによるメリット

ここで、テレワークの導入によって企業にどんなメリットがあるのかを2つ解説していきます。

 

①生産性の向上・コスト削減が見込める

 

もしもオフィス勤務しか勤務形態がない場合、その日予定していなかった打ち合わせが始まり、自分の業務を進めることができない…というケースは誰しもが経験したことのある状況です。また、電話の取り次ぎに追われ、本来の業務に集中できない、ということもよく見受けられます。

 

しかし、テレワークを導入することにより、自宅やシェアオフィスなどに場所を移して同僚や上司とは距離を置いた環境で仕事をすることで、本来の業務に集中できるようになります。その結果として、生産性の向上が見込めるのです。

 

同時に、従業員が在宅勤務をするようになれば、わざわざその分の交通費の支給をする必要もなくなります。テレワークの導入を成功させれば、このようにコスト削減にも繋がるのです。

 

②「やむを得ず仕事をやめなければいけなかった」人材も確保できる

 

ワークライフバランスの徹底が難しい状況の中では、育児や介護を理由に離職を決める人も少なくありません。その結果、人材不足に陥ってしまった企業も数多いはず。しかしテレワークは、そういった人たちが在宅勤務を認められることで仕事を続けられる可能性もじゅうぶんに見込めるようになります。

 

あるいは、これまで雇用の範囲に入れてこなかった地方の人々も採用できるでしょう。テレワークは理想的な働き方の1つとして数えられている場合が多いため、うまくテレワークを活用した企業になれば、優良企業としてのブランディングも可能になると言っても過言ではありません。

 

テレワークを成功させるためのステップを分かりやすく解説した別記事「テレワーク導入を成功させるためのポイントとは」もあわせてご覧ください。

 

ITツールの活用

ITツールの活用も欠かせません。ITツールを使えば、業務効率化を簡単に実現できることも多いからです。会議ひとつをとっても、Web会議を導入するだけで移動を伴わない会議が可能ですし、Web面接を行えば都市部・地方を問わず全国的なリクルーティングができ、労働力の確保にもつながります。こうしたITツールの活用で業務効率化や採用力の向上につなげられれば、労働力減少に対応できます。

ITツールは次世代の企業が必ず導入すべき必須ツール、ともいえます。もしも、この記事を読んでいる方の中でこれからITツールを社内に導入しようと考えている方がいれば、「ビジュアルコミュニケーションの基礎知識」も是非ご活用ください。資料の請求は無料です。

 

再雇用制度の充実

今でも再雇用制度を設けている企業は多いですが、定年後、育児離職後の再雇用制度を充実させることも、労働力の確保には重要です。

再雇用制度には、経験者を雇用できる、不足している人材を確保できる、会社に愛着がある人を雇用できるなどといったメリットがあります。何も知らない未経験者を雇い入れるのではなく、慣れている人を雇えるため、教育コストをかけずに労働力を確保することが可能です。

これら3つの方法を活用しながら、日本全体で減りつつある労働力をカバーする体制を整え、少ない時間と少ない労働力で業務が成り立つように設計していけば、今後訪れる生産年齢人口の減少にも対応できるようになるはずです。

対策を講じれば生産年齢人口減は乗り越えられる

1970年と2005年の日本の人口を比べると、それぞれ1億467万人と1億2777万人で、伸び率は20%ほど。それに対し、同年のGDPを比べると73兆680億5000万円から501兆734億4000万円と約700%にまで伸びていることがわかります。これは物価の上昇などによってもたらされたものでもありますが、PCやインターネットなどのテクノロジーによって一人あたりの生産性が向上しているためともいえるでしょう。

確かに生産年齢人口は減少してきており、避けられない事態となっていることは明白です。しかし、テクノロジーの導入・活用によって生産性の向上はできるわけです。圧倒的な労働力不足になる前に今から、限りある労働力を十分に活用できる環境を整えることが重要です。

テレワーク制度や再雇用制度、各種ITツールを導入して将来に備えておき、働き手が減ったとしても運営していける組織づくりを今から進めてみてはいかがでしょうか。

 

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