Cisco Webex Eventsとは?Zoom ビデオウェビナーとの比較を交えて紹介
情報通信技術の進歩や社会情勢の変化により、オンラインでのセミナー(ウェビナー)も数多く開催されるようになりました。高機能なウェビナー用ツールとして人気が高いのがCisco Systems社のWebex Eventsです。
本記事では、Cisco Webex Eventsの機能や使い方について紹介し、Zoom ビデオウェビナーをはじめとしたとの違いについても比較・解説します。
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Cisco Webex Eventsとは
Cisco Webex Events(以下Webex Events)は、ネットワーク機器で知られるCisco Systems社(以下シスコ社)が提供するウェビナーツールです。
Webex Eventsは、インターフェースや機能の違いによってWebex Events(新)とWebex Events(クラシック)に分けられます。このうち、Webex Events(新)は、2022年1月よりWebex Webinarsに名称が変更されました。
Webex Events(クラシック)としての機能も引き続き利用できますが、それに加えて、Webex Webinarsも利用可能です。Webex Events(クラシック)で最大1000人のユーザーがサポートされている場合はWebinarsで1,000人、3000人以上のユーザーがサポートされている場合は1万人のウェビナー、および10万人のWebキャストユーザーがサポートされます。
本記事では、Webex Eventsから名称が変更となった、Webex Webinarsとして紹介します。
Webex Webinarsには、シスコ社が通信事業で培った堅牢なセキュリティや効率的な配信技術が用いられており、安心・安定したウェビナーの運営が可能です。
Webex Webinarsでは、セミナーの主催者やパネリストのみが画面に表示され、一般の参加者は顔や名前が表示されることはないため、参加者同士のプライバシーを保護しつつイベントに参加してもらえます。
Cisco Webex Eventsの機能
Webex Webinarsは、ウェビナーの開催に必要な機能が含まれています。特筆すべきは、ウェビナーの前後に発生する準備や分析についても効率的に行えるようになっている点です。
Webex Webinarsでは、双方向に対話が可能なWebinarと、主催側のみが話すことができるWebcast modeの2種類のウェビナーを選択できます。
Webex Webinarsの主な機能は次のとおりです。
<全般>
- 最大参加者数は1万人の参加者及び500人の主催者
- 高解像度ビデオ(720p)&アクティブスピーカー
- ポリシーによるセキュリティ管理
<ウェビナー準備>
- スケジュール機能
- 招待状作成フォーム
- 招待・確認・リマインド用メールの自動送信
- ウェビナー収益化
<ウェビナー中の機能>
- バーチャル背景
- 画面共有
- 参加者のオーディオ管理(主催者側でマイクオフ可能)
- リアルタイム投票
- Q&A
- チャット
- リアクション(スタンプ。ジェスチャ認識で自動表示も可能)
- リアルタイム自動翻訳(最大100言語)
- ブレイクアウトルームによるグループディスカッション
<ウェビナー後の機能>
- レポート機能(参加情報、参加時間など)
- CRMへのアンケート
- 登録情報のエクスポート
ウェビナーに特化した機能が搭載されている点がWebex Eventsの強みと言えるでしょう。
Webex EventsとZoomの機能の比較
Webex Webinarsと、代表的なウェビナーツールであるZoom Eventsの主な特徴・機能を比較してみましょう。
Webex Webinars |
Zoom Events |
|
最大参加者数 |
~100,000人 (※プラン・モードによるうえ、ライセンスによっても最大参加者数は変動する) |
~50,000人 (※プランによる) |
画面共有 |
〇 |
〇 |
チャット |
〇 |
〇 |
Q&A |
〇 |
〇 |
挙手 |
〇 |
〇 |
アンケート(投票) |
〇 |
〇 |
ブレイクアウトルーム |
〇 |
〇 |
出席者のパネリスト昇格 |
〇 |
〇 |
リアルタイム翻訳 |
〇 |
〇 |
MA/CRM連携 |
〇 |
〇 |
申し込みページ作成機能 |
〇 |
〇 |
YouTubeなどの動画プラットフォームと連携したライブ配信 |
〇 |
〇 |
ウェビナーの収益化 |
〇 |
〇 |
Webex WebinarsとZoom Eventsは、両者ともに主要な機能に違いはありません。しかし、同じ機能でもインターフェースや使い勝手などには違いがあるため、実際に触れて確認するとよいでしょう。
Webex Eventsの使い方
Webexでは、簡単な設定で会議やウェビナーを開催できます。Webex Webinarsでのイベントの設定方法について紹介します。
イベントのスケジュール
イベントのスケジューリングは、WebexのWebサイトまたはアプリから行います。
1.Webサイトまたはアプリの画面左側のメニューで「Webex Events(※)」を選択
※または「Webex Webinars」。バージョンなどにより異なります。
2.メニューから「イベントの開催」下の「イベントのスケジュール」をクリック
その後、イベントに関する各種の設定を入力してイベントを準備します。
イベントの開始
スケジュールしたイベントは、WebexサイトのカレンダーやマイWebexの画面から確認可能です。イベントを開始するためには、対象のイベントの「開始」ボタンを押すだけで始められます。
招待・参加
招待はイベントのスケジュール設定画面から行えます。
「出席者と登録」下または「プレゼンタとパネリスト」下の「招待リストを作成」から、参加者の名前やメールアドレスを入力します。配信リストをインポートして使うことも可能です。
招待リストの作成が終わったら、スケジュール設定画面の下部にある「このイベントをスケジュールする」をクリックし、希望する受信者のチェックボックスをクリックして「今すぐ送信」または「後で送信」を選んで送信を行います。
参加者は、招待メールに記載されている参加用のURLから参加します。予定の日時にURLをクリックすると、設定されている権限でイベントに参加可能です。
音声を接続
Web会議のコントロール画面で、「ミュート」のボタン(マイクのアイコン)の右の矢印をクリックすると、Webexで利用するスピーカーやマイクを選択できます。
発信するコンテンツに合わせて、音声デバイスを選択してください。
ビデオに接続
Web会議のコントロール画面で、「ビデオの開始(ビデオの停止)」のボタン(ビデオカメラのアイコン)の右の矢印をクリックすると、Webexで利用するビデオデバイスの設定ができます。
発信するコンテンツに合わせて、ビデオデバイスを選択してください。
まとめ
Cisco Webex Events(Webex Webinars)は、高機能なウェビナーツールです。堅牢なセキュリティや優れた画質・音質に加え、参加者を飽きさせないためのリアルタイム投票やアンケートなどの仕組みができています。ウェビナーの前後に発生する作業も効率化できるよう工夫されていて、最後まで安心して利用可能です。
ZoomやMicrosoft社のTeamsをはじめ、ウェビナーツールは数多くあります。自社の利用状況や想定している参加者数、予算、アプリ連携などを考慮しながら、自社に合ったツールを選びましょう。