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近年は、働き方改革が推進されるなかワークライフバランスという言葉が頻繁に使われるようになりました。今なぜワークライフバランスが官民挙げて推進されているのでしょうか? 本記事ではワークライフバランスの定義、ワークライフバランスを実現する方法について、企業と個人それぞれの観点から解説していきます。

ワークライフバランスとは?


ワークライフバランスとは、ワーク(仕事)とライフ(生活)のバランス(調和)のことであり、一人ひとりがやりがいや充実感を持ちながら働き、仕事上の責任を果たすとともに、家庭や地域生活などにおいても、子育て期、中高年期といった人生の各段階に応じて多様な生き方が選択・実現できる状態のことを指します。



日本と世界のワークライフバランス

世界に「過労死(KAROUSHI)」という言葉を輸出し、四半世紀前まで「24時間戦えますか」というTVCMが好感を持って許容されていた日本が、ほかの国々よりワークライフバランスが進んでいると想像する人は少ないと思います。実際、2017年のOECDのワーク・ライフ・バランスランキングでは日本は加盟国34カ国中30位とかなり下位ランクです。


だからといって労働生産性が高いかと言えばそうでもなく、同じくOECDの2017年「時間あたりの労働生産性ランキング」では加盟国34カ国中20位でしかありません。


実は、近年の日本人は決してハードワーカーだと言い切れないデータも出ています。労働政策研究・研修機構の「一人当たり平均年間総実労働時間」の国際比較グラフを見ると、1980年代から日本人の総労働時間は右肩下がりに減少しアメリカ、イタリアの労働者より少なくなっています。ドイツ、フランスに比べればまだ長時間労働ですが、今や普通の先進国並みに落ち着いていると言えます。

 

労働政策研究・研修機構「データブック 国際労働比較2018」

 

出典:労働政策研究・研修機構「データブック 国際労働比較2018」

 

さらに、年間休日数にいたっては祝日も合わせるとイギリス、ドイツ、フランス、イタリアより日本が多いのです。バカンスを楽しむ欧州の人たちのように長期休暇はとりにくいものの、実は日本人はかなり休んでいたのです。この世界トップレベルの休日数が生産性を押し下げているという説もあります。

 

労働政策研究・研修機構「データブック 国際労働比較2018」

 

出典:労働政策研究・研修機構「データブック 国際労働比較2018」

 

もちろん、日本の場合サービス残業という表に出ていないデータがあることも推測できます。しかし、データだけを見るに他国より猛烈に働いている国ではすでになく、ワークライフバランスも悪く生産性も高くはない国という中途半端な立ち位置になってしまっていることがうかがえます。

 

ワークライフバランス憲章

2007年に日本政府は経済界や労働界などと合意し「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」を策定しました。ワークライフバランス憲章の一行目は非常に示唆的です。

 

「我が国の社会は、人々の働き方に関する意識や環境が社会経済構造の変化に必ずしも適応しきれず、仕事と生活が両立しにくい現実に直面している」引用:内閣府

 

官民挙げてワークライフバランスを推進する背景には、日本の生産性の低さ、少子化による労働力不足、賃金の男女間格差、就業形態が多様化したことによる問題、長時間労働、過労死やうつ病等精神疾患の増加ほか、さまざまな問題があります。

 

労働者が健康な状態で働き、家庭を育くむことができなければ少子化が進み、生産性はさらに低下し、次世代へ経済を循環させることが難しくなります。ワークライフバランス憲章は、国が企業に積極的な取り組みを求めざるをえない危機的な状況にまで、日本がきている表れだと言えるでしょう。

 

生活と仕事の調和の重要性

生活と仕事が調和することで、労働者は健康的に働き仕事や人生に生きがいを感じることができます。本人はもちろん企業にとってもプラスです。国も企業も従業員もそれぞれの思惑は多少異なるものの、ワークライフバランスを望んでいることはたしかです。

 

特に近年の従業員側の意識の変化は大きく、内閣府の「仕事と生活の調和に関する希望と現実(男女別)」の結果を見ると「仕事優先の生活」を望んでいる割合は男性が13.3%、女性が4.4%とわずかです。男性は仕事も家庭も大事にしたい、女性は仕事と家庭と地域や個人の生活を大切にしたいという回答が最多なのです。

 

仕事と生活の調和に関する希望と現実

 

ワークライフバランスの問題点と課題

ワークライフバランスは実現すれば企業にとっても従業員にとっても理想的な世界です。とはいえ、すでに問題点や課題も各方面から指摘されています。

 

残業代が3%減るという試算も

大和総研のエコノミスト小林俊介氏は、罰則付きの残業上限が導入されれば、残業代の削減を通じて、年間約8.5兆円、つまり雇用者報酬の3%相当が減少するリスクがあると試算しています。

 

残業時間が減ることで、高収入のサラリーマンはプライベートな時間を趣味や家族と過ごす時間にあてることができるかもしれません。しかし、残業代込で何とか生活を回していたサラリーマンにとっては打撃になることが予測できます。

 

カットされた残業代をカバーするために副業をしたくても、副業を容認している企業はまだ3割弱です。副業を解禁する企業が増えたとしても、もし多くの人が簡単なアルバイトで残業費が減少した分をカバーするのならば、長時間労働を規制する意味はなくなります。

 

中小企業にとって残業規制と業績向上の両立は難しい課題

大企業では2019年4月1日から、中小企業の場合は1年遅れて2020年4月1日から残業時間の上限規制が適用されます。今後は1カ月45時間、1年360時間の上限規制を破った場合、半年以下の懲役か30万円以下の罰金が発生します。

 

人手不足で苦しむ中小企業にとって残業規制がかかる=さらなる労働力不足という側面があります。もちろん業務を合理化し無駄な残業を減らして生産性を上げることが働き方改革の目的の一つですが、取引先の要求に従わざるをえない中小企業にとって業務の効率化は簡単ではありません。

 

働き方改革では発注企業の下請け企業に対する無茶な商慣行の見直しも奨励していますが、罰則規定はありません。悲観的な見方をすれば、大手企業が働き方改革をすすめた結果、中小企業にしわよせが及ぶ可能性もあります。

 

短時間勤務が従業員に与えるマイナスの影響も

1日の労働時間が8時間でも人間は8時間ずっと集中できる生き物ではありません。定期的に休息をとることでパフォーマンスが上がることが研究により証明されています。

 

生産性を上げるためにという意識からあまり休憩もとらず集中して仕事に取り組んだ結果、それほど生産性が上がらず、その割に従業員は疲弊してしまう可能性もないとは言えません。

 

ワークライフバランスを推進するにあたっては、長時間労働と生産性向上のみにフォーカスしないよう注意する必要があります。人間の生理的な面も考慮し、戦略的に休息をとるノウハウなどを共有するほか、従業員のマインドだけに頼らない合理化の仕組みを追求する必要があるでしょう。

なぜ今ワークライフバランスの実現に意味があるのか

ワークライフバランスを実現する意義は、現在の日本が抱えているいろいろな課題を改善することにあります。日本の人口減少は非常に大きな課題ですが、IT、ICT技術の進化により、女性、高齢者などさまざまな人材の活用が容易になっています。柔軟な働き方が社会に浸透することで、人手不足を解消できる可能性があり、かつ多くの人にとって活躍できるチャンスが広がるのです。

 

もちろん、昭和の時代に培われた成功体験もあり意識を変えるのは容易ではありません。そのため、法律の施行、助成金による支援などがこのタイミングでかなり戦略的に進められています。

 

働き方改革関連法案

まず、2019年4月1日から働き方改革関連法が順次施行されています。中小企業は2020年4月1日からとなります。大手企業はすでに時間外労働の上限規制が導入され、時間外労働の上限が45時間、年360時間が原則となっています。

 

年次有給休暇についても、10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日、時季を指定して有給休暇を与える必要があります。

 

正規・非正規雇用労働者(パート、契約社員、派遣社員等)との間で、基本給や賞与などの個々の待遇ごとに不合理な待遇差が禁止されます。いきなりすべてを改革するのではなく、以下のように順を追って手続きできるようなスケジュールが組まれています。

 

働き方改革関連法案施行スケジュール

 

出典:愛知労働局

 

少子高齢化と労働人口減少の現実

2018年の「人口動態調査」によると日本の生産年齢人口(15~64歳)は7484万3915人とすでに全体の6割を切っています。社会保障・人口問題研究所が2017年に公表した「将来人口推計」では生産年齢人口は2040年には6000万人を下回ることが予測されています。働きざかりの税金を納める層がハイスピードで減っているのが日本の現状なのです。

 

高齢化社会はすぐそこにある現実です。企業はこれからは働きざかりの男性だけではなく、女性、高齢者、外国人労働者などを活用しなければ事業継続が難しくなるケースもあるでしょう。幸い、テクノロジーの力により多様な働き方、効率的な働き方が可能になっています。 社内システムを見直しワークライフバランスを実現することで、多様な人材の活用し生産性を上げることが可能となるのです。

 

年齢区分別将来人口推計

 

出典:内閣府

女性活躍のススメ

女性活躍推進は働き方改革の目玉であり、いろいろな助成金や優遇施策が存在します。なぜなら、女性は日本が今まで無駄にしてきたと言っても過言ではない潜在的な労働力だからです。そして、仕事はもちろん家事、子育て、PTA、地域での役割などあまりにもたくさんの負担を背負わされてきた層でもあります。

 

企業が子育て中の女性を活用することが難しい理由の一つにフルタイムで働けないことがありましたが、ワークライフバランス推進により、ある程度のコストを国が負担してくれることで企業も女性を活用しやすくなるでしょう。

 

近年のワーキングマザー率は7割以上。もはや専業主婦のほうが少数派であり、多くの女性にとって出産後も働くことがスタンダードです。企業のワークライフバランス推進により、女性の選択肢がより増えると、さらに活躍することが期待できます。

 

男女共同参画白書 平成27年版

 

出典:男女共同参画白書 平成27年版

 

優秀な人材の獲得と囲い込み

インターネットの普及と昨今のIT技術の進歩により、いまやいつどこにいても仕事をすることが可能です。テレワークなどを導入しワークスライフバランスを実現すれば、子育て中や介護中の女性、地方や海外の人材、高齢者など、時間や場所に制約があって働けなかった人材に短時間勤務で働いてもらうことができす。

 

あるいは自社で育成できなかったような人材や大手企業の人材に副業で戦力になってもらえる可能性があります。今後は多様な人材をいかにコラボレーションしていけるかが企業の競争力につながっていくでしょう。

ワークライフバランスがもたらすメリット

ワークライフバランスを実現するメリットについて、企業と個人それぞれの観点から説明します。

 

従業員編

ワークライフバランスが実現すると、従業員は仕事だけでなく趣味やプライベートを充実させることができます。心身を健康に保ったり家族との時間を大切にしたりすることは本人にとって幸せなことはもちろん、仕事で力を発揮する原動力になります。

 

趣味、学び、プライベートの充実

昔は社会人が本格的に勉強したり資格を取得したりするためには、場合によっては会社を辞める必要がありました。しかし、長時間労働がなくなれば夜間にビジネススクールに通うことも今は可能です。MBA、公認会計士などの資格を取得してキャリアアップにつなげることもできれば、自分の専門分野について学ぶことで本業の仕事に活かすこともできます。

 

グローバルビジネスにおいてはビジネスマンでも教養があるかどうか、話題が豊富かなど会社の看板ではなく個人の魅力が問われる傾向があります。ワークライフバランスを実現し個人が豊かな時間を持つことはこれからの時代プラスです。もちろん、単純に音楽やスポーツなど趣味の世界を楽しむこともストレス解消につながり幸福度が増し活力につながるでしょう。

 

副業・パラレルキャリアで才能を開花、収入もUP

一企業で経験できる職種は限られています。例えば大手企業の社員が副業で異業種のベンチャー企業で勤めることで、ベンチャー企業のスピーディな意思決定、行動力などを学ぶことができます。自分で小さなビジネスを立ち上げれば商品企画や経理、その分野の法律などについて幅広い知見を得ることもできます。

また、本業以外の収入経路を得ることでリストラの不安が軽減し、本業の仕事においてリスクを恐れずにチャレンジできるようになるメリットもあるでしょう。2019年のパーソル研究所の「副業の実態・意識調査」では副業の平均月収は6万8200円です。多くのビジネスマンにとって月数万円の収入増は嬉しいものです。

 

ライフイベントを大切にできる

人生には仕事だけでなく、結婚、出産、育児、子どもの教育、病気、介護、離別ほかさまざまなライフイベントがあります。大きな喜びもあれば、避けることが難しい辛いものもありますが、共通しているのはあまり後回しにできないということです。ワークライフバランスが実現すれば個人がライフイベントを大切にできるので、彩りのある人生をおくることができるでしょう。

 

企業編

従業員に自由な時間を多く与え、常に学び成長し続けてもらうことは企業にとってもプラスになります。また、日本人の多くがワークライフバランスを意識するようになれば、企業と人の新しい関係性が生まれ、多様な人材を活用しオープンイノベーションにつながることも期待できます。

 

生産性向上 

ワークライフバランスを推進するという目的があるため、社内システムや非効率的な業務慣行を見直していくことに理解が得られやすくなります。官民挙げてのワークライフバランス推進しているムーブメントを上手に利用することで新システムへの移行もスムーズになるでしょう。

リテンション(離職防止)

ワークライフバランスを実現することで、育児や介護あるいは自分の夢を実現するという理由で退職する社員のリテンションがある程度可能になります。本人の負担にならない雇用形態や時間帯で辞めずに働いてもらえる選択肢を提供することができるからです。

 

もちろん、それにはフレックスタイム制、在宅勤務、週休3日制、短時間正社員などを可能にする人事制度を用意する必要がありますが、優秀な人材に戦力であり続けてもらうことのほうが長期的には生産性にプラスとなるでしょう。

 

従業員の健康保持

日本のビジネスパーソンの多くはあまり健康ではありません。厚生労働省のデータによると定期健康診断における有所見率は、平成20年以降は毎年5割を超えている状況です。さらに、さらに平成29年の「労働安全衛生調査」によると「現在の仕事や職業生活に関することで強い不安、悩み、ストレスになっていると感じる事柄がある労働者」の割合は59.5%にものぼります。

 

ワークライフバランスを実現することで、従業員が適切な休息時間を確保できるようになれば、健康状態が改善することも期待できます。

ワークライフバランス実現の仕方 

ワークライフバランス実現のためには、企業、個人それぞれの意識改革が必要です。また、気持ちを変えるだけでなく時代の変化に合わせた会社のインフラを整えることも必要です。この項ではワークライフバランス推進に向けての国の支援体制、それにもとづき企業ができる施策、個人が新たに身につけるべきマインドセットなどを解説します。

 

国からの支援

ワークライフバランスを推進するにあたり国がさまざまな支援策をスタートさせています。助成金を活用することで、IT機器の導入費用や人件費を抑えることができます。また、専門家に無料で相談することで、スムーズに社内体制を構築することができるようになるでしょう。

 

育児・介護プランナー(社会保険労務士、中小企業診断士)の無料支援 

ワークライフバランスに沿った体制を導入しようと計画する中小企業に対して、厚生労働省は育児・介護と仕事の両立支援のノウハウを持つ社会保険労務士、中小企業診断士などのプランナーが支援する仕組みを用意しています。Web上から「育児プランナー、介護プランナーの訪問支援」を申し込むことができます。

 

厚生労働省の時間外労働等改善助成金(テレワークコース)

テレワークを導入したくても予算が厳しいという中小企業も多いと思います。厚生労働省ではワークライフバランス推進のために在宅又はサテライトオフィスにおいてテレワークの実施に積極的に取り組む意欲があり、かつ成果が期待できる事業主には助成金を支給しています。

 

成果目標は設定されていますが、目標未達成の場合でも、多少金額は下がるものの助成金が支給されます。また、試験的に導入している事業主も対象になります。

 

■対象業種および規模

業種 A. 資本または出資額 B. 常時雇用する労働者
小売業(飲食店を含む) 5,000万円以下 50人以下
サービス業 5,000万円以下 100人以下
卸売業 1億円以下 100人以下
その他の業種 3億円以下  300人以下

出典:厚生労働省

 

■助成金の金額

 

成果目標の達成状況 達成 未達成
補助率 75% 50%
1人当たりの上限額 20万円 10万円

1企業当たりの上限額

150万円 100万円


出典:厚生労働省

 

両立支援助成金

厚生労働省では、男性が育児休暇を取得した場合、女性が育児休暇をとる間に代わりの人材を確保した場合、一度退職した従業員を再雇用した場合など、5種類の両立支援助成金を支給しています。以下に概略を記載します。

 

※以下1~5の()内は、金額は生産性要件を満たし場合の金額です。

 

1.出生時両立支援コース

①男性労働者の育児休業:男性労働者に育児休業を利用させた場合

②育児目的休暇:育児目的休暇制度を導入し、男性労働者に利用させた場合

・中小企業事業主:57万円(72万円)

・中小企業事業主以外の事業主:28.5万円(36万円)

 

2.介護離職防止支援コース 

①介護休業:介護支援プランに基づき、介護休業を取得した場合又は職場復帰した場合

②介護両立支援制度:介護支援プランに基づき、仕事と介護との両立に資する制度を利用した場合

 

休業取得時の助成金:

中小企業事業主: 28.5万円(36万円)

職場復帰時の助成金:

中小企業事業主 :28.5万円(36万円)

 

3.育児休業等支援コース

①育休取得時:

育児休業取得者1人当たり :28.5万円(36万)

 

②職場復帰時:28.5万円(36万円)

職場支援加算(当該育児休業期間中に、職場支援の取組をした場合):19万円(24万円)

 

③代替要員確保時:

・対象育児休業取得者1人当たりの助成金:47.5万円(60万円)

・対象育児休業取得者が有期契約労働者である場合:上記額に9.5万円(12万円)を加算

 

④職場復帰後支援

A:子の看護休暇制度

(制度導入時)1中小企業事業主当たり :28.5万円(36万円)

(制度利用時)休暇を取得した労働者が取得した休暇1時間当たり1,000円(1,200円)に取得時間を乗じた額※一年度において1事業主当たり200時間(240時間)が上限。

B:育サービス費用補助制度

(制度導入時)1中小企業事業主当たり28.5万円(36万円)

(制度利用時)支給額:事業主が負担した費用の3分の2の額(千円未満は切り捨て)

一年度1事業主当たり20万円(24万円)が上限

 

4.再雇用者評価処遇コース

従業員を再雇用した場合に支給されます。1事業主に対象労働者5人までが対象です。

(再雇用者1人目)

中小企業事業主 :19万円(24万円)

中小企業事業主以外の事業主: 14.25万円(18万円)

(再雇用者2人目から5人目まで)

中小企業事業主 :14.25万円(18万円)

中小企業事業主以外の事業主 :9.5万円(12万円)

 

5.女性活躍加速化コース

加速化Aコース:

数値目標を定め取組目標に取り組み、当該取組目標を2つ以上達成した場合: 38万円(48万円)

加速化Nコース:

・行動計画に盛り込んだ取組を実施した結果、管理職に占める女性の割合が上昇し、支給申請日において15%以上となった場合:47万5千円(60万円)

・上記に該当しない場合:28万5千円(36万円)

 

両立支援助成金についての詳細は厚生労働省HPでご確認ください。

※助成金の申請先:各都道府県労働局雇用環境・均等部(室)

 

企業が国からの支援を活用しすべきこと 

ワークライフバランス実現に向けた国の支援はバラエティに富んでいます。企業は自社の課題に適した支援を活用することが大切です。

 

法令違反にならないように専門家の支援を受ける 

ワークライフバランス推進において、まず対象とすべきなのは現在勤めている従業員です。育児プランナー、介護プランナーなどの無料訪問相談を申し込み制度の概要をつかみ、どのように手続きを進めていくべきかを理解しましょう。そのうえで、育児休業支援、介護離職防止コースなどの助成金を申請する手続きを進めるとベターです。

 

副業・複業解禁 

2018年に厚生労働省はモデル就業規則を改訂し副業禁止の規定を削除しています。すでに終身雇用を維持できる時代は終わっており、多くの企業は従業員に対して年功型の賃金を保障できません。

 

プライベートな時間は本来企業ではなく個人に属しているという前提に立ち返り、従業員が収入を得られる選択肢を増やせるようにするなど、フェアな関係性を構築することが必要です。それが従業員の意識変革にもつながります。

 

フレックスワーク、テレワークの導入 

短時間勤務などの柔軟な働き方を実現するためにはテレワークシステムの活用がポイントになります。とはいえ、ある程度のコストがかかるため最初から大掛かりにはじめることが難しいケースもあるかと思います。厚生労働省のテレワーク支援金は目標未達成でもある程度の額が支給されますので、在宅ワークを本格的に導入する前段階のトライアルとして活用してもよいでしょう。

 

従業員はどのように意識改革すべきか? 

ワークライフバランスの実現は、従業員にとってメリットが多々ありますが、必ずしも受け身でいいというわけでもありません。この項では従業員が意識すべきことについてまとめます。

 

人生100年時代に向けたマインドセット

真面目に勤務さえしていれば定年まで働ける時代ではなくなりつつあります。大手企業の男性でも、50代半ばで役職定年制度などが始まるケースがあります。何も準備をしていないと急に収入がダウンしてもそれをカバーすることは難しいと言えるでしょう。さらに、年金支給開始年齢が後ろ倒しになれば定年まで勤め上げることができたとしてもブランク期間が発生します。

 

早い段階から自分のキャリアデザインを真剣に考え、転職、副業、兼業、起業という選択肢も入れた自分のライフプランを作っていくことが大切です。

 

スキルアップ、学び直し 

ビジネス環境の変化はよりスピーディになっています。昔とった杵柄で何十年も生きていくことが難しくなっているため、従業員側も常に時代に合わせたスキルを身につけることを意識する必要があります。リーダーシップやマネジメント力、コミュニケーション力などは、どんなに時代でも重要なので、人間力を継続して磨くことを意識しながら、テクニック面では新しいノウハウを学び続けることが理想です。

 

消費者としての意識改革 

従業員は労働者ですが仕事を離れれば一消費者でもあります。日本は「お客様は神様」という文化があり低価格で恵まれたサービスを受けることができますが、安いサービスの裏側には労働者が低賃金で働いているという構造があることもままあります。

 

必要なサービスに適切なコストを支払う意識、労働者を搾取している企業よりも大切にしている企業の商品を購入する意識、消費者の立場にたったときにほかの労働者に思いを馳せて行動する人が増えれば、日本全体のワークライフバランス推進につながっていくでしょう。

まとめ

 働き方改革は課題や異論も多々ある改革であることは確かです。しかし、ワークライフバランスを実現することができれば、日本の社会は大きく変わる可能性があります。

 

平成の30年間とは企業にとっては、グローバル化により新興国との競争が激化した厳しい時代であり、従業員にとっては低賃金と長時間労働に苦しんだ時代だと言えます。社会構造は昔とかなり変わっており、やはり新しい時代に合わせた新しい働き方が必要な局面にきているのです。

 

IT技術が進化したことでポジティブな変化も起きています。ITツール、RPAやAIを活用すれば単純な定型業務はかなり効率化できる時代です。新たな社会環境に適応できる会社の体制を作り、新たなマインドセットで変化に適応していきましょう。

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