日本において「教育のICT化」が推奨される現在、学習スタイルや教材にもデジタル技術を活用する新しい分野「EdTech(エドテック)」が注目されています。
EdTechとは、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を合わせた造語で、オンライン授業もこれに含まれています。Skype英会話や、小中高生向けのスタディサプリ、タブレットを用いた予備校のLIVE授業、社会人向けのリカレント教育などが代表的です。
2020年に感染症の拡大が世界規模の問題となり、生徒や学生たちの学ぶ環境を失わないために、世界中で「オンライン授業」が取り入れられています。特に大学での導入は目を見張るものがあります。
これから5Gの時代に突入し、社会の変動に合わせて教育の在り方が変わることが予想されるため、オンライン授業は今後ますます注目されていくといえるでしょう。
本記事では、さまざまな観点から需要の高いオンライン授業の概要やメリット・デメリットを整理するとともに、その活用事例や、利用に必要なツールについてご紹介します。
基礎から実践まで!「ゼロから学べるテレワーク導入完全ガイド」
企業の課題解決に「やることはたくさんあるけど何から手をつければ良いかが分からない......」そうお困りの企業担当者さまも多いことでしょう。
そのような課題解決の一手として導入を検討していきたいのが、テレワークです。テレワークとは、
パソコンやスマートフォンなどICT技術を活用した場所や時間にとらわれない柔軟な働き方のことです。
テレワークの導入は以下のようなメリットがあります。
- ・災害や感染症の蔓延時にも通常と同じように業務を継続できる
- ・通勤や移動の時間を有効活用し、大幅なコスト削減につながる
オンライン授業とは

「オンライン授業」とは、その名の通りインターネット回線を通して遠隔で行う、時間や場所に囚われない教育手段のことです。米国のハーバード大学といった海外の有名な教育機関が先進的に取り入れ始め、近年では日本でも教育現場や企業研修などで導入されるようになってきました。
実際に予備校、一部の企業などをはじめとして講義をLIVE配信し、講師と受講者がインタラクティブにコミュニケーションを行うスタイルの授業も増えています。録画をして後から受講者が動画を視聴することもできるため、見逃してしまった授業でも好きなだけ見返せることが特徴です。
また、インターネット回線さえあればどこからでもオンライン授業は受けられるため、たとえ授業が行われている拠点から離れた場所に住んでいたとしても、自分のペースで専門講師による質の高い授業を受けることができます。
オンライン授業が注目される理由とは
それでは、なぜオンライン授業は現在注目されているのでしょうか? まず、学校や家庭におけるパソコンやタブレット端末の普及率の高まりによって「生涯学習」が当たり前の時代になっていることが挙げられるでしょう。なお、生涯学習とは、学校教育だけでなく企業内や趣味などにおける、自身の勉強全てを指します。
さらに、2020年の新型コロナウイルス感染拡大により、オンライン授業を導入する学校は急増しました。外出が制限される中でも授業を行えるオンライン授業は、教育を続けるために遠隔授業の一環として全国的に広まっています。
実際に、株式会社旺文社が「旺文社 高大コネクトサービス」会員の全国の高等学校教員1,330名を対象に2020年5月に実施したアンケートによると、「休校後に実施」が51.1%、「今後実施予定」が21.1%と、新型コロナウイルス拡大予防のために、約7割も導入率が急増しています。

出典:【高校教員の学習・進路対応調査】
インターネットへの接続環境とPCやタブレット端末があれば、場所を選ばずに自宅でも授業配信やチャット・課題提出を行うことが可能なオンライン授業は、感染症拡大の予防や、緊急の際に教育を続けるための大きな役割を果たしていると言えるでしょう。
また、オンライン授業は小中高校、大学、社会人向けのレカレント教育と幅広い教育シーンで行われています。また、緊急事態宣言の解除以降、小中高校の授業は再開される一方、大学では再開されないところも多くなっています。すでに秋以降からも、全面的に、あるいは一部の授業を除いてオンライン授業を行うという決定をした大学もあります。オンライン授業のポテンシャルは今後さらに拡大されていくでしょう。
意外と知らない?オンライン授業の種類とは

オンライン授業の形式は、厳密には「録画」と「LIVE配信(生放送)」の2つに分けることができます。
ただ、どちらを使うべきなのかは状況や目的によって異なってくるため、自社にオンライン授業を使う場合は、どちらがよりその時々に対して効果的なのかを吟味することが必要です。
以下ではこの録画とLIVE配信について表にまとめて説明していきます。
録画 |
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LIVE配信 |
録画した映像をインターネットで一方向に配信
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形態 |
ネット回線や衛星回線を使ってLIVE配信するオンライン授業 |
・自分のペースで好きな時間に学習できる
・動画の巻き戻しを使って分からない部分を繰り返し視聴できる
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主なメリット |
・動画でお互いの顔を確認でき、同じ空間の共有ができる
・チャットボックスを通しての質疑応答や資料の画面共有機能で、効率よく学習できる
・大人数で同時にオンライン授業を行うことができる
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・大人数で同時にオンライン授業を行うことができる
・リアルタイムで双方向のコミュニケーションができないことから、分からない部分は講師側に質問できない
・成績を評価しようとした場合、誰の監視下にも置かれていないために受講者の集中力が散漫になってしまう可能性がある
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デメリット |
・授業進行のスムーズさが参加者全員の通信環境に左右される |
塾や予備校の授業、企業の社員教育用e-ラーニングシステム
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主な活用例 |
オンライン英会話、コミュニケーションをとりながら行う授業、生放送
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▼通信教育とはどう違うの? 遠隔授業の一つに「通信教育」があります。通信教育では、教材はテキストのみで提供されることが主流でした。一方でオンライン授業は、動画でコンテンツが配信されます。テキストと比較し動画を通じすることにより、人間の脳は、6万倍以上速度でその情報を処理する(英語ページ)ことができるといわれており、その優位性は歴然とした差です。
オンライン授業を導入する5つのメリット

録画版とLIVE配信版の双方の違いを見たところで、オンライン授業そのものには具体的にどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
オンライン授業は、ユーザー個人にとっても企業にとっても、さまざまなメリットをもたらします
1. トップクラスの講師の授業を受けられる
オンライン教育の大きなメリットは、一流の指導者の授業を多くの人が受けることができることにあります。
例えば、オンライン授業が普及すれば、地方の学生も都心の学生と同じように優れた講師の指導を安価で受けることができ、大学受験・資格試験などでのハンデがなくなります。ビジネスや趣味の分野も同じです。地域による教育格差が小さくなります。
同時通訳や翻訳テキストなどで言語の壁さえなくなれば、他国の学校や教育機関、企業の配信する教育的なオンライン授業を視聴することさえも可能です。
特にLIVE配信によるオンライン授業では、チャットなどを活用し、講師やほかの生徒と意見交換することができます。オンライン上では実際に挙手するよりも気軽に意見が発信できるため、アクティブラーニングの実践にも効果的だといえるでしょう。
2. 時間やコストを節約できる
オンライン授業には、教室が必要ありません。授業を提供する側も大規模な教室を用意する必要はなく、双方ともコストがあまりかからないメリットがあります。
近年のノートパソコンには、ほとんど内蔵カメラやマイクが搭載されています。そのため、初期投資としてマイクやカメラを別途購入する必要もなく、オンライン授業のコースを配信している教育機関などはYouTubeなどを通じて無料の動画を配信している場合がほとんどです。
これらの条件を活用することにより、授業に通うことなく、無料でお試しの動画を視聴し、パソコンさえあれば追加費用さえもほとんどかからないことになります。
3. 離島や過疎地の学校教育に貢献できる
日本は人口減少が進んでおり、地方や離島の学校はこれから存続が難しくなることが危惧されています。
文部科学省は、2017年に離島や山間部などの小規模公立小中学校にテレビ会議システムを導入し、近くの学校と一緒に授業ができるようにする計画を固めています。テレビ会議システム・Web会議システムなどを活用すれば、過疎地に住んでいる生徒にもオンラインで充実した授業が提供できます。
4. 会社の研修にも活用できる
オンライン授業は企業研修にも効果的です。一般的な研修の場合では、大勢の受講者たちを一箇所に集める必要があり、さらに会場の準備も業務の時間を割きながら行わなければなりません。
しかし、仕事には急な用事や顧客対応がつきもの。個々人のさまざまな事情により、決められた日程の研修に参加できなくなってしまう社員も少なくないはずです。
そうなると、欠席者には研修・講義内容が直接伝わらず、疑問点などが残れば指導がスムーズにいかない場合があります。また、会場とは離れたところで働く遠方の社員にとってはどうしても交通の面で負担が大きいため、時間や場所の制約が発生してしまうでしょう。
そういった問題を防ぐために、Web会議システムやテレビ会議システムを利用してLIVE配信をしたり、あるいは講義の録画を残しておいたりすれば、「研修を受けることができなかった」という人にも安心です。研修に来られずに欠席した人には録画版を見てもらうことで、自分に都合の良いタイミングで授業を受けられます。
5. 予期せぬ災害時にも、授業を継続して行えるようになる
2020年に入り、コロナウイルスの世界的な蔓延が非常に深刻な問題となっています。冒頭でも触れましたが、ウイルスの発生源で極力外出を控えている中国では、さまざまな都市の小中学校において休校を決定しました。その代わりとして、生徒が自宅でも学習できるように全ての授業をオンラインで実施しているのです。
このように、今回のような災害、あるいは緊急時にもオンライン授業は有用だといえます。学校やオフィスが閉鎖した場合、通信環境さえ整っていればどこからでも研修や学習を行えるのです。
オンライン授業の主な利用目的と活用事例5選
それでは、オンライン授業がどのようなケースに導入されているのか見てみましょう。代表的な例としては、以下の活用方法が挙げられます。
- 学校教育
- 学習塾や予備校
- 大学・大学院のサテライト校
- 社内研修
- 社会人学習(リカレント教育)
学校教育
オンライン授業の普及にあたり大きな可能性を秘めているのが、学校教育です。
感染拡大対策のために行われた緊急事態宣言の際には、多くの学校が休校を余技なくされました。一方で子供たちへの教育をとめることもできません。
そんな時、オンライン授業では自宅からでも先生の授業を受けることができます。また、双方向のコミュニケーションが行えることにより、教室のように先生や同級生と会話して孤立を解消することもできるでしょう。
さらに、文部科学省が「グローバル化に対応した英語教育改革」を進めていることもあり、昨今は公立・私立を問わずオンライン英会話を授業に導入する学校が増えています。学校教育の分野では、英語教育を皮切りに、オンライン授業が普及していくと推測できるでしょう。
▼具体的な事例は文部科学省が5月にまとめた「小中高等学校におけるICTを活用した学習の取組事例において」を参考にしてください。
学習塾や予備校
学習塾・予備校業界では、すでに多くの校舎が録画型やLIVE型のオンライン授業を提供しています。
例えば、東進ハイスクールは、一部を除いて通信衛星やインターネット回線を利用したオンライン授業(録画版)を行ってきました。オンラインによる授業を実施した先駆者でもある同校は、東大をはじめとする難関大学への合格実績がずば抜けており、オンライン授業の効果を日本全国に広めたといえます。
通信環境が今後さらに改善することで、ますますオンライン授業が普及していくと予測できるでしょう。
活用事例
出典:メガスタディオンライン公式サイト
「株式会社シンドバッド・インターナショナル」が運営するオンライン授業(LIVE型)のEdtechサービス「大学受験専門・家庭教師メガスタディオンライン」は、プロ家庭教師の個別指導を自宅・在宅にてオンラインで受けられるサービスです。地方から首都圏をはじめとする大学受験に挑む学生たちをサポートしています。
2019年度は、瀬戸内の離島からのオンライン授業参加で明治・立命館大学に合格した生徒など、遠隔授業で志望校に合格した報告が多数発表されました。
大学・大学院のサテライト校
オンライン教育のシステムを使い、サテライト校を作る大学も増えています。
実験など実務が伴う内容以外であれば、教員が実地にいなくても、画面を通して大学本拠地にいる学生と同じ授業を受講できる仕組みです。
少子化が進む日本では多くの大学の統廃合が予想されていますが、オンラインによる良質な授業を配信することができれば、日本全国はおろか世界各国から生徒を集客することも可能でしょう。
活用事例
出典:グロービス経営大大学院公式サイト
日本最大級のビジネスクールであるグロービス経営大大学院では、LIVE方式の映像授業で取得できる「オンラインMBA」の講座を提供しています。大手企業を始めとする多くの企業でもカリキュラムが導入されており、次世代リーダー、グローバルリーダーの育成プログラムで活用されています。
臨場感あふれる授業やほかの生徒とのリアル感あるやりとりが可能なシステムが活用されており、通学コースに劣らず人気のようです。
社員教育
多忙なビジネスマンにとって、通学する必要がなくスマホやタブレットでも受講できるオンライン教育は非常に効率的です。
実際にインターネット環境が普及した時期から、多くの企業は社員教育にeラーニング(LMS)を導入しています。
大人数が一堂に会する集合研修は社内調整や予算確保が難しく、頻繁に開けるものではありません。そこでオンライン授業を活用すれば、社内の知識共有や社員のスキルアップに効果を発揮します。社内報の動画配信で活用するのも良いでしょう。
また、ワークライフバランスが推奨されている昨今は、直行直帰の社員、在宅ワークの社員も増えることが予想されるため、社員教育の在り方もオンライン教育がマッチしていると考えられます。
活用事例

出典:株式会社学研プラス公式サイト
株式会社学研プラスは、外国人従業員やアルバイトを対象とした社内eラーニングサービス「4Me(フォーミー)日本語ラーニング」を導入しています。
- 70本の学習動画が見放題
- 学習開始前にはレベルチェックテストを実施
- ひらがな、カタカナの学習は「復習しやすさ」を重視
- 学習効果を測定するテストも充実
上記のポイントから、日本語講師の時間的拘束を軽減しつつ、社員一人ひとりに合ったペースで言語力向上を測ることができます。
なお、コース終了時には、日本語検定N4/N5相当(「基本的な日本語を理解することができるレベル」)に到達できるそうです。
社会人学習(リカレント教育)
前章でも述べましたが、近年は多くの企業や大学が、社会人再教育を行うリカレント教育に力を入れています。
人生100年時代と言われる昨今、若手時代に経験を積み上げてきた領域外で再チャレンジに挑むように、30代、40代になっても大きく学習の門戸は開かれるようになりました。
活用事例

出典:島根大学 地域教育魅力化センター公式サイト
地域創生の核となる人材を育成している島根大学では、全国各地のふるさと活性化を志す社会人(自治体職員等)を対象とした「ふるさと魅力化フロンティア養成コース」(1年間)で、オンラインのLIVE授業を取り入れています。
このことにより、日本全国からさまざまな受講生が集まり、2019年度は13都道府県から20名の自治体職員、教育委員会関係者、企業等で勤務する社会人受講生が学習中です。
オンライン授業を導入する際に知っておくべき4つの注意点

オンライン授業は、誰もが仕事やプライベートで忙しい現代のニーズに合致したものであるといえます。しかし、メリットがあれば当然デメリットもあります。
デメリットも同時に把握しておくことで、導入する場合の改善策を打ち立てられるようにする必要があるでしょう。
1. 通信環境、ICT機器の影響を受けやすい
オンライン授業を受けるには、一定の通信環境やツールが必要です。インターネットが全国的に普及したとはいえ、当然、接続スピードが遅い地域もあります。
接続が途切れたり、タブレットに資料のダウンロードがうまくできなかったりといった事態が起きると、学習の進捗度に影響をきたしかねません。
文部科学省の「平成29年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果」でも、生徒一人あたりのPC台数の不足、普通教室の無線LAN整備率や電子黒板整備率の低さなど課題が指摘されています。
オンライン教育がすべての学校に普及するには、まだまだインフラ面の課題があると言えるでしょう。
▼対策
オンライン授業を実施する際に対象となる各家庭、あるいは個人が、オンライン授業を受けるためのPCまたはタブレット端末を所持しているか確認しましょう。
もしオンライン授業を受けるための適切な環境が整わない場合には、レンタルする、受講場所を設けるなどの対処をあらかじめ図るなど、事前の準備が大切になります。
2. 学位付与には向かないという意見もある
米国では、大学がオンライン授業を提供し学位を付与することも一般的になりつつあります。しかし、その一方で「実際に就学していなくても金銭を支払えば学位を与える」という不正行為を行う教育機関、通称「ディプロマ・ミル」が課題となっています。
顔の見えないオンライン授業では、出席やテストのカンニングなどが監視しにくいからです。
近年普及してきた「顔認識システム」を活用すれば出欠確認は可能でも、映像に映らないところに協力者がいれば実力以上の力を発揮することが可能であるため、試験だけは実地で実施する教育機関も少なくありません。
▼対策
課題提出までの時間制限を設けられる、Web会議ツールを利用して、受講者に常時接続させるなどの工夫を行うことが考えられます。
また、テストの形式を代える、レポートの提出で出欠を行うなど、新しい形式をとることもよいでしょう。
オンライン授業に適切なWeb会議システムは、別記事「無料Web会議おすすめ6選を徹底比較!ブラウザ対応から有料との違い」で紹介しています。合わせてご覧ください。
3. 電子機器の長時間利用により健康を害する恐れがある
長時間のオンライン授業は、目のつかれ、肩こり、難聴などにつながる可能性があります。健康を害さないためには、電子機器の適切な使用時間を意識することが大切です。
▼対策
画面の前に座りっぱなしになるのではなく、30分おきに立ってストレッチをする、90分以上の学習をするときは画面から離れて休憩を入れるなど、オンライン授業の提供側が学習者の健康状態にも目を向ける必要が出てくるでしょう。
4. 目や耳に頼った授業が前提である
オンライン授業は健常者視点で作成されています。そのため耳の不自由な人、目の不自由な人にとっては、オンライン授業を受けるには制限があるというのが現実です。
対面では視覚や聴覚だけに頼ることなく授業を受けることも可能であり、かつ個別に対応することが比較的容易です。オンライン授業では、「当たり前」をすべてのひとに提供することが難しいといえます。
▼対策
オンライン授業を対象者によって使い分ける必要があるでしょう。聴力や視力に問題を抱えた人に対しては従来の授業を行うなど、柔軟な対応が必要です。
オンライン授業を実現するためのツール一覧
ここまで、動画を用いたオンライン授業のメリット・デメリットや、活用事例をご紹介しました。
カメラやマイクが内蔵されたパソコンを自前で準備するのも良いですが、より快適なオンライン授業のためには、専門のツールやシステムの利用をおすすめします。
そこで最後に、オンライン授業を受講する際に必要なシステムやツールをご紹介します。
1. ICTツール
インターネットを介してオンライン授業を行うにはLMS(Learning Management System)、eラーニングシステムなどと呼ばれるベースとなるICTツールが必要です。
オンライン授業に有効なICTツールには、相互コミュニケーション、資料・課題の添付や提出、授業の配信などさまざまな機能を持つものがあり、目的にあわせていくつかのツールを併用することをおすすめします。今回は、おすすめのICTツールをいくつかご紹介します。
①V-CUBEミーティング

商品名:V-CUBEミーティング
提供元:株式会社ブイキューブ
「V-CUBE ミーティング」は、ビジネスにおいて顧客や取引先相手の会議にはもちろん、オンライン授業にも有用なWeb会議システムです。
このツールはお互いの顔を映像で確認し、授業中に双方向にコミュニケーションが取れるため、「動画を見せるだけでは学習効果は薄いだろう」と感じている企業担当者の方におすすめです。
また、学校同士を遠隔で繋ぐ機能も搭載。講師も生徒もインターネットさえあればどこからでも授業に参加できる上、他校と交流を図りたい場合にも効果的だといえます。
V-CUBE ミーティングの資料を無料ダウンロード
オンライン授業を行う上で、ツールの導入に迷われている方がいらっしゃいましたら、ぜひ「V-CUBE ミーティングのご紹介」をお読みください。資料のダウンロードは無料で行えます。V-CUBEミーティングは、国内シェア率13年連続No.1の信頼と実績のツールです。また、導入事例ページでは、V-CUBE ミーティングを導入して成功した企業事例を多数紹介しています。
②Qumu

商品名:Qumu
提供元:株式会社ブイキューブ
「Qumu」は、企業内で利用する動画の作成から配信まで行うことのできる、動画配信サービスです。視聴解析やレポーティングの機能まで備わっているため、一つのツールの利用で動画での情報に必要な全ての過程を抑えられます。
動画を作成することで、文面での情報よりも理解を深めることができる場面が多くあります。特に、経営トップからのメッセージや業績発表など企業内部の情報共有や、研修やトレーニングに有効でしょう。
直観的に簡単に利用でき、動画作成のための機能も充実しています。Qumuを活用することにより、動画の作成が自分で行えるようになるので、コストの削減が可能になります。
③Zoom

出典:zoom公式ページ
Zoom ミーティングは、世界各国75万以上の企業や組織で利用されているWeb会議サービスです。
通信速度が比較的低速なネットワーク回線でも途切れにくく、音声の途切れがほとんどありません。
Web会議の開催にライセンスを取得する必要があるのは主催者のみで、参加者は会議アドレスへ招待されることで、ブラウザから誰でもWeb会議へ参加できます。
投票機能やユーザー管理機能もついており、ビジネスシーンでも快適に利用することができるでしょう。
また、プランに問わずメールでのサポート体制を提供しています。エンタープライズプランでは企業に合わせて導入・運用を支援してくれるなど、利用者に最適なサポートが充実しています。
※「2020 ビデオ会議/Web会議の最新市場とビデオコミュニケーション機器・サービス動向」調べ

2. カメラ
オンライン授業はパソコン、タブレット、スマートフォンで受講可能な場合がほとんどです。
一人でオンライン授業を受講する場合にはパソコンに内蔵されているカメラで問題ありません。しかし、もし内蔵カメラがない場合や大勢で授業を受ける場合は、参加者全員の様子を映せる「外付けのカメラ」があるとより臨場感ある授業が可能になります。
高品質なカメラを使うことで映像の乱れも防げるため、オンライン授業を行う場合には導入を検討してみましょう。

商品名:C270N HD WEBCAM
提供元:Logicool
小型でシンプルな形のWebカメラ「C270N HD WEBCAM」は、高解像度なオンライン授業を実現するツールです。
この製品はカメラでありながらも、カメラ内蔵のノイズキャンセラーが入ったマイクがあることにより、騒がしい環境にいても自分の声を相手にクリアに届けることができます。
3. マイク
マイクについても、一人で授業に参加する場合は自分の音声を拾えれば問題ないため、一般的なヘッドセットで十分です。
一方で、大勢で授業を受ける場合は、参加者の数や教室のスペースに応じたマイクが必要です。パソコンにUSB接続すれば使用可能な簡単なマイクがほとんどのため、導入も難しくありません。
商品名:Jabra Evolve 30 Ⅱ Stereo
提供元:Jabra
「Jabra Evolve 30 ⅡStereo」は、接続が簡単なことと音質の明瞭さが特徴のヘッドセットです。パソコンだけでなく、3.5mmジャックを使用してスマートフォンやタブレットにも接続可能。どこでも授業を聴けるようになります。
周囲のノイズを消去するノイズキャンセラーが入ったマイクのため、オンライン授業においてもスムーズなコミュニケーションが可能です。
4. タブレット保管庫
タブレットは、パソコンに比べ軽く持ち運びが簡単であり、スマートフォンよりは画面が大きく資料が見やすいため、オンライン授業に適したデバイスだといえます。
たいていのタブレットにはマイク、スピーカー、カメラが内蔵されているため、いつでもオンライン授業を受けることが可能です。
しかし、複数人が集まりタブレットを使用してオンライン授業を受ける際には、事前設定した複数のタブレットが必要になります。そのような場合には、大量のタブレットをまとめて保管、及び充電できる保管庫が活躍します。

商品名:C20i
提供元:アバー・インフォメーション株式会社
「C20i」は、20台までタブレットを収納できる保管庫です。収納仕切り板の調整が可能なため、厚手のタブレットや16インチまでのノートパソコンも収納できます。
使い方は1本の電源コードをコンセントに差し込むだけ、という簡単仕様。全てのタブレットの電池残量が均等になるように充電を行うことが可能なため、使いやすさにも優れているといえます。
まとめ|オンライン授業は時間・場所・年齢の垣根をなくし、今後も活用の幅を広げていく
オンライン授業が普及すれば、学生だけでなく、身体が不自由な人、子育てや介護で家庭から離れられない人、忙しいビジネスマンなども空いた時間に一流の授業を受けることが可能になります。
日本にいながら世界の優れた教育を受けることも、逆に海外の人たちに日本の教育をオンライン授業で提供することもスムーズになります。
オンライン教育は地域や時間、年齢の差といった垣根を限りなく小さくし、教育という市場を大きく広げていくでしょう。
より快適なオンライン授業のためには、専用ツールの導入もおすすめします。ぜひ、自社や所属団体にとって最適なオンライン授業の活用方法として、検討してみてください。
よくある質問
Q:オンライン授業にはどのような種類がありますか?
A:オンライン授業には、録画した映像を一方向に配信する「録画型」と、授業の様子をライブ配信する「ライブ型」の2種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、状況や目的に合わせた配信形態を選ぶとよいでしょう。
Q:オンライン授業では生徒とのコミュニケーションは取れないのでしょうか?
A:ライブ型のオンライン授業であれば、お互いの顔を確認しながら、チャットや会話での質疑応答などのコミュニケーションが可能です。
Q:オンライン授業にはどのようなメリットがありますか?
A:オンライン授業は、ユーザー個人・企業に以下のようなメリットをもたらします。
- トップクラスの講師の授業を受けられる
- 時間やコストを節約できる
- 離島や過疎地の学校教育に貢献できる
- 会社の研修に活用できる
- 予期せぬ災害時にも授業を継続して行えるようになる
Q:オンライン授業はどのような場面で導入されていますか?
A:オンライン授業は以下のような場面で導入・活用されています。
- 学校教育
- 学習塾や予備校
- 大学・大学院のサテライト校
- 社内研修
- 社会人学習(リカレント教育)
Q:オンライン授業を導入するにはどのようなツールが必要ですか?
A:オンライン授業を導入する際には以下のような製品を用意しておくと良いでしょう。
- ソフトウェア(Web会議システム)
- カメラ
- マイク
- タブレット保管庫