社内イベントの目的はしっかり定義すべき!その効果や成功のコツとは

社内イベントは、従業員同士のつながりを強化し、コミュニケーションを促進するために必要なものです。しかし、毎年のように社内イベントを開催していると、だんだんとマンネリ化していき、当初の目的が達成できない事態も起こり得ます。

そこで、社内の課題はなにか、解決するにはどうすればよいのか再確認し、今一度社内イベントの目的を再確認してみてはどうでしょうか。今回は、社内イベントの目的としてどのようなものがあるのか、その目的を達成するコツ、成功事例などについて解説します。

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社内イベントの目的を再定義しよう

ワークショップやセミナーなど、定期的に社内イベントを開催している企業は多いのではないでしょうか。産労総合研究所の「2020年 社内イベント・社員旅行等に関する調査」によると、社内で行う業務関連行事を行なっている企業は99.4%、余暇やレクリエーション目的の行事を行なっている企業は64.0%にものぼりました。

企業としては、社内イベントで従業員同士のコミュニケーションの機会を増やしたい、従業員の能力をより高めたい、といった希望があることが一般的です。しかし、毎回イベントを行なっているうちに惰性的に開催するようになり、なぜ社内イベントを開催するのか目的があやふやになってきている企業もあるのではないでしょうか。

定期的に開催している社内イベントで大きな効果を得るためには、今一度目的を再定義し、その目的を達成するためにはどうすればよいのか検討し直さなければなりません。社内イベント開催後は、目的達成に有効だったのか、反省・評価することも重要です。

社内イベント開催の目的や効果

JTBコミュニケーションデザインの社内イベントのコミュニケーション効果に関する調査によると、社内イベントは「人と直接会って話ができる良い機会」だと答えた人が59%(20代では70%)、「社長など経営陣から直接話を聞く良い機会だと思う」人は55%にものぼりました。

また、社内イベントの効果としては、1位「職場の中でコミュニケーションが増えた」、2位「他の部門と仕事がしやすくなった」、3位「仕事に対するモチベーションが上がった」となっています。これらの情報を基に、社内イベント開催の目的としてよくあるもの、得られる効果について解説します。

コミュニケーションと相互理解の促進

社内イベントを開催すると、普段はあまり接することがない人同士がコミュニケーションをとる良い機会となります。イベント内容によっては違う部署の人と話すこともあるでしょう。

普段の業務だけでは、自分たちの業務が企業にとってどのように役立っているのか分かりにくいこともあります。社内イベントでさまざまな部署の人とコミュニケーションをとれれば、どのような部署の仕事が自分の仕事を助けているのか、把握できるようになります。

また、通常の業務中では、なかなか趣味のことや家庭のことなど、プライベートに関する話はしにくいかもしれません。社内イベントという、業務中とは違う雰囲気の中で会話することにより、お互いのことを深く知れるようになります。

社内イベントをきっかけにコミュニケーションが深まり、相互理解が促進されることが期待できるでしょう。

従業員のモチベーション向上

社内イベントでほかの部署の従業員や、普段会話しないような経営陣とコミュニケーションをとることにより、従業員それぞれが自分の意義を再確認できることがあります。

自分の業務がほかの部署にとってプラスになっているエピソードを聞ける、経営陣から感謝の気持ちを表明される、といったことがあれば、仕事のやりがいを再確認できるでしょう。自分の業務が企業にとってプラスになることを実感できると、今後のモチベーションアップに大きくつながります。

普段の業務では、他部署や経営陣とゆっくり話をする機会はあまりない、という企業も多いでしょう。社内イベントはそういったときに効果があります。

チームの結束強化

社内イベントをチーム内の結束強化のために開催することも可能です。複数人で案件を進める際、チームの結束力が高く、お互いを助け合える状況のほうが業務はスムーズに進めるようになります。

社内イベントとして、それぞれのチームごとで班を分けゲームやクイズ大会などを行うと、おのずとチームで協力するような状況にできます。その際、チームメイトの良いところや弱点を発見できれば、その後の業務に活かせるかもしれません。

これから新しい業務が始まり新しいチームを組むときなどにも、こういった形式の社内イベントは有効です。相互理解が深まりチームの結束強化につながるでしょう。

創造性とアイデアの促進

それぞれが一人で考えを深めても、なかなか新しいアイデアは生まれません。他人の考えや体験を聞くことにより創造性が上がり、革新的な規格考案につながる可能性があります。そのためには、やはりコミュニケーションが不可欠です。社内イベントを行えば、さまざまな立場の人と会話ができるため、新しいアイデアが生まれる可能性もあるでしょう。

また、コミュニケーションを促進するタイプの社内イベントではなく、経営陣の話を聞くものや、講師を呼んだワークショップやセミナーなどでも、このような効果を期待できます。今まで知らなかった話や体験を聞くことにより、違ったアプローチの解決策を思いつくこともあるでしょう。

新たなスキルの獲得と学習の機会

社内イベントでは、専門の講師を呼んでワークショップやセミナーを行うこともあります。こういったイベントに従業員が参加すれば、新しいことを学習できるようになるでしょう。

毎日の業務に追われていると、なかなか学習機会がないという人は多くいます。総務省統計局による「令和3年社会生活基本調査」によると、有業者の平均学習時間は週にわずか7分でした。ただ、この数値は学習をまったくしない人が多く含まれていることが予測されます。どちらにせよ、忙しい社会人にとって、学習時間を確保するのはなかなか難しいことは事実です。

社内イベントとして業務時間中、もしくは業務時間終了直後にセミナーを開催すれば、従業員も負担なく参加できます。希望者を募って、資格取得のための勉強会などもおすすめです。

社内イベントを成功させるポイント

JTBコミュニケーションデザインの社内イベントのコミュニケーション効果に関する調査では、社内イベントの効果を発揮できた開催方法について、次のような結果が出ています。
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出典:JTBコミュニケーションデザイン

「同僚との距離が縮まった」という項目を除き、すべてオンライン、オフラインよりも、「オンラインとリアルのハイブリッド」「リアル多めハイブリッド」で効果を発揮したそうです。社内イベントはリアル開催ではないと意味がないのでは?と思う担当者もいるかもしれませんが、必ずしもそうとは限りません。

さらに、同調査によると、社内イベントの良かったところの1位は「オンラインで参加しやすい」ということでした。オンライン開催であれば、出社の必要はなく密を防いだ感染症対策にもなります。また、オンラインだと、終了時間に接続を切れば離脱できることから、メリハリがついて良いという意見もあったようです。

リアルの社内イベントのほうが従業員同士の距離は縮まる傾向にありますが、従業員が参加しやすい体制をつくることも重要でしょう。

そのほか社内イベントの良かったところとして挙げられものの2位は「社員全員が同時に体験」、3位は「同僚・上司とのコミュニケーション」です。社内イベントを提供する側だけではなく、参加者としても、社内イベントに一体感やコミュニケーション促進を求める声は多いことが分かります。

また、反対に社内イベントに対してマイナスな意見が起こる要因は、1位「聞くだけで退屈」、2位「マンネリ」、3位「一部の社員のみ」となりました。せっかく社内イベントを開催しても、一方的に話を聞くだけ、毎年変わらない内容、では逆効果になるかもしれません。双方向のコミュニケーションを重視し、目新しく楽しいものにすることも必要でしょう。

こういった情報を前提に、具体的にどのように社内イベントを開催すべきか解説します。

従業員が参加しやすい社内イベントにする

まずは従業員の参加しやすさを考慮しましょう。新型コロナウイルス感染症をきっかけに、オンラインでコミュニケーションをとるハードルは大きく下がりました。実際に「オンラインイベントは参加しやすくて助かる」と考える人は多くいます。

オンラインであれば、普段は交流がほとんど無いであろう違う支社の人と交流することもできるようになります。ZoomミーティングなどのWeb会議ツールであれば、オンラインであってもグループ通話や、質問を行うことも可能です。他部署とのコミュニケーション、チームの結束力アップのための社内イベントのほか、セミナーや社内研修にも便利でしょう。

従業員同士の双方向コミュニケーションを重視する

社内イベントの目的として多いものは「従業員同士のコミュニケーション」でしょう。しかし、イベントの開催方法や進行の仕方によりコミュニケーションを促さなければ、どうしても開催者が一方的に情報を伝えるイベントになりがちです。また、コミュニケーションをとれるような社内イベントにしても、一部の人しか話をしないようでは従業員全体の満足度は低くなるでしょう。

そのため、参加者全員が双方向にコミュニケーションをとれるように工夫しましょう。大規模社内イベントで、一人ひとりが発話しにくいのであれば、少人数でグループ分けし、それぞれ会話できる環境を整えるなどの対策が必要です。

目新しいイベントを企画する

社内イベントを毎年開催しているとマンネリ化しやすくなります。そこで、参加者が飽きないように目新しいイベント内容を企画しましょう。

例えば、社内イベントをメタバースで配信してみてはどうでしょうか。メタバースはオンライン上に作られた仮想空間に、自分の分身でもあるアバターを配置できます。これにより、まるで自分がその空間にいるような感覚になれます。

メタバースであれば背景を自由に変更できるため、現実には再現が難しい特別感も演出できます。室内では到底無理であった花火の打ち上げなども可能です。

メタバースによる配信はブイキューブが行なっています。ブイキューブは専用の自社スタジオも提供していることから、ゲストや講師を呼んだ本格的なイベント配信も可能です。双方向コミュニケーションも可能なため、参加者が一方的に話を聞くだけで飽きてしまう、といった問題も解決できます。

そのほか、ブイキューブでは3次元のコンピュータグラフィックによる3DCG配信で、リッチなバーチャル空間イベントも提供しています。2次元の動画配信にはないリアル感が出るため、いつもとは違った特別感を演出可能です。

いつもと同じ社内イベントにしたくはない、というときはメタバースや3DCG配信を活用してみてはどうでしょうか。

従業員の功績を認めるようなイベント内容にする

従業員のモチベーションを上げるためには、それぞれの功績を認める内容を取り入れるとよいでしょう。大々的に表彰式を開催してもよいですが、社内イベントの一部として、各事業の功績を紹介する、経営陣から感謝を表明する、といった内容を取り入れることもおすすめです。

「従業員が今後もこの企業でがんばろう」と思えるような内容を取り入れ、今後のやる気が上がるようにするとよいでしょう。

効果的な社内イベントの事例・具体例

効果がある社内イベントを行なっている企業は数多くあります。ここでは、社内イベントの成功事例を紹介します。
H3 3DCG配信
3DCG配信とは、奥行きのある3次元空間をコンピュータクラフィックにより作り出し、配信を行うことです。2次元よりもリアルで精巧な仮想空間となり、より新しい社内イベントを演出できます。

株式会社日立製作所では、自社の経営計画を発表する場として、ブイキューブの3DCGを採用されました。
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経営計画をそのまま説明しても、資料だけでは理解を深めにくいうえ、最後まで集中力を保てないのではないかという懸念点がありました。そこで、3DCGで作られたロボットが分かりやすく解説をするかたちを採用。画面構成も3DCGを駆使し、新鮮さと親しみを覚えるようにしたことにより、最後まで飽きないイベント開催に成功しています。

受講者の90%が「内容理解に役立った」と回答するなど、従業員の満足度も高い結果となりました。

メタバース配信

メタバース配信で仮想空間に自分のアバターを配置することにより、オンラインでもリアルのようなイベント体験が可能です。

メタバースイベントのプラットフォームとして「ZIKU」というものがあります。自社でメタバース空間を作成し、アバターの設定などを行うことはかなり難しいでしょう。ZIKUであれば、リアルな空間、近づくと声が大きくなる仕組み、その場でアバター同士で会話ができる、といった特徴を持つメタバース空間を構築可能です。

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参加者は難しい操作は必要ありません。ブラウザからログインするだけでメタバースイベントに参加できます。

メタバースで社内イベントを開催すれば、今までにないオンラインイベントの体験と、双方向のコミュニケーションが可能になるでしょう。

双方向コミュニケーション配信ツールを活用したオンラインイベント

コミュニケーション促進を目的とする社内イベントにおいて、双方向にやり取りができる配信ツールは重要です。一方的に話を聞くだけのイベントとなると、参加者の満足度が低く逆効果になるおそれもあります。

そのため、配信で社内イベントを行うときには、双方向コミュニケーションを取れるものを選ぶことがおすすめです。

ブイキューブのEventlnはオンライン上の作られた会場に複数ブースを設置し、そこを参加者が自由に回遊するための仕組みです。チャット機能、Q&A、多言語対応など、双方向コミュニケーションのための機能が充実しています。

パーソルホールディングス株式会社は、新入社員歓迎イベントの部活動紹介にEventInを採用されました。参加者への一斉配信だと、新入社員は興味がない部活動の説明を聞かなければなりません。参加者が自由に興味がある部活動のブースに行けるようにするため、このようなかたちでイベントを配信しました。

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ただ、オンライン上でのブースでは、事前に中の様子を見ることができず、いきなり入室するには新入社員にとってハードルが高くなってしまいます。Eventlnであれば、「お試し視聴機能」もあり、事前に画像と音声で室内の様子を見られるため、タイミングを見て入室することも可能です。

このような特徴を持つEventlnにより、オンラインでありながら臨場感があり社員が十分に交流できるイベントとなりました。

また、法人向けイベント企画運営事業「イベモン」というものもあります。イベモンは社内イベントの企画・運営を総合的にサポートし、成功に導きます。

アステナホールディングス株式会社はキックオフミーティングとしてイベモンを採用されました。

グループ間のつながりをより強めることを目的としたイベント開催で、従業員の仕事のこだわりを紹介するムービー、表彰式、懇親会を配信で行なっています。オンラインでありながら双方向コミュニケーションを重視するイベントであったため、コミュニケーションツールの画面構成を工夫し、参加者がクイズに回答できたり、配信内容にコメントを入れたりできるようにしました。

結果として、従業員がほかのグループ会社の雰囲気を知ることができ、一体感とモチベーションアップにつながったそうです。

ウェビナー

講師を呼び、オンライン上でセミナーを開けば、従業員がそれぞれ自宅から講習に参加できます。新たなスキル獲得や学習の機会のためにウェビナー開催は有効です。

ウェビナーはZoomミーティングなどのWeb会議ツールでも開催可能ですが、できればZoomウェビナーなどの専用ツールがおすすめです。専用ツールであれば、ホストとパネリストだけを画面にうつすことや、Q&A機能など、ウェビナーに特化した機能を利用できます。

ブイキューブではZoomウェビナーによるウェビナー開催を支援しています。導入から企画、専門スタジオによる会場準備など、シームレスにサポート可能です。

まとめ

社内イベントはさまざまな目的で行われますが、毎年惰性で行われるようになってはいないでしょうか。社内イベントの効果をより発揮させるためには、今一度どのような目的にすべきか再認識し、よりその目的を達成できるように練り直してみてください。

コミュニケーション促進のためにはオフラインのほうが効果が高いこともありますが、参加しやすさや感染症対策のことを考えるのであれば、オンラインの開催がおすすめです。ただ、オンラインだとどうしても一方的なコミュニケーションになりがちなので、双方向にコミュニケーションが取れるようなツールを活用してみてください。

池下菜都美
著者情報池下菜都美

株式会社ブイキューブに新卒入社。 ビジュアルコミュニケーションに関する複数製品のインサイドセールスを経験。現在は、マーケティングコミュニケーショングループにてイベントDX領域における広告運用およびオウンドメディアの編集、ナーチャリングを担当。趣味は映画とダンス。

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