マーケティングでのウェビナー活用法と成果を上げるための4つのポイント

「ウェビナー」をビジネスシーンで積極的に活用するケースが増えています。

特にマーケティングにおいては、ウェビナーを起点にして幅広いユーザーを獲得しビジネスを推進する手法が広まっています。

本記事ではこのマーケティングにおけるウェビナーにはどのような効果が期待できるのか、また、実際に行うにあたってのポイントを解説します。

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マーケティングにおけるウェビナーの活用場面

「ウェビナー」とは、オンライン上で開催されるセミナーのことです。Web(ウェブ)とSeminar(セミナー)を組み合わせた造語で、「Webセミナー」や「オンラインセミナー」とも呼ばれます。

新型コロナウイルスの影響により、講演会や社内研修、商品やサービスの説明会、カスタマーサポート、eラーニングなどのシーンでも急速に活用が進んでいます。

このウェビナーはマーケティング活動の1つとしても取り入れられています。従来の実地会場におけるセミナーではリーチできなかった顧客をはじめ、幅広いユーザーとつながることでビジネスを推進します。

特に以下の2つの点で、大きな可能性があると言えるでしょう。

  1. 見込み客へアプローチ
  2. 既存顧客のフォロー

1.  見込み客へのアプローチ

実地会場で開催する従来のセミナーには、「わざわざ足を運ばなければならない」という物理的な距離の問題がありました。

ウェビナーではこうした地理的課題を解決できるためこれまでアプローチできなかった新規の見込み客を獲得することができます。

この点を「リードジェネレーション」「リードナーチャリング」の2つの視点からもう少し詳細に見てみましょう。

リードジェネレーション

「リードジェネレーション」とは、マーケティング活動によって見込み顧客情報を獲得する活動のことを指します。例えば、展示会で名刺を交換したり、Webサイト上で問い合わせを受けたり、テレアポやSEO対策を行ったりするビジネス活動は、全てリードジェネレーションの一部と言えます。

従来のマーケティングにおける構図は、マーケティング担当者が獲得した「リード」を営業へ渡し、そこから各営業担当がアプローチするというものでした。

しかし、現代では顧客の側がインターネット上で能動的に情報収集するように変化しています。そのため、まだニーズが顕在化していないような早い段階から顧客と接触しておくことが重要となっています。

このリードジェネレーションに効果的なのが、ウェビナーです。ウェビナーは先述の通り物理的なバリアがないため、リアル会場で開催するよりも集客力が高く、ターゲットが知りたい情報を提供するウェビナーを開催することで、リードを獲得できます。

顧客は、商品やサービスに関心があるからこそ、ウェビナーへ参加します。ということは、ウェビナーへ参加する際にアカウントの作成をしてもらったり、メールアドレスを登録してもらえば、それがそのまま顧客リストとなるのです。

リードナーチャリング

こうして獲得したリードを「育成する(nurturing)」するという考え方が「リードナーチャリング」です。

その時ニーズが無いからといって獲得したリードを放置するのではなく、まさに「育てる」感覚で、アプローチを継続することが大切になります。

このリードナーチャリングにも、ウェビナーは最適です。ウェビナーは動画や画像を使ってわかりやすく説明できることに加え、アーカイブを残すことができるので、自社のリードの興味関心を引き上げつつ、関係を継続することができます。

こうして継続的なアプローチをとることで、購買につながる可能性は高められます。

2. 既存顧客のフォロー

新規見込み客へのアプローチに加えて、既存顧客のフォローにもウェビナーは有効です。

たとえば、オンボーディングにあたって自社の製品やツールの活用法やノウハウを提供する、といった形で活用できるでしょう。ウェビナーによって常に最新の情報と状況を顧客に提供することで、「解約率の低下」「継続率の向上」「LTVの向上」「アップセル」につなげられます。

特に近年はサブスクリプション型のSaaSが増えたことで、既存顧客へのフォローが重視される状況にあります。この観点から見ても、ウェビナーのメリットは大きいと言えるでしょう。

ウェビナーのメリット

そもそもウェビナーのメリットは以下の4点に集約できます。

  • 時間や場所に限定されずに集客できる
  • 実地会場での開催と比べて手間・コストを削減できる
  • データを用いたアプローチ、改善がしやすい(視聴ログやアンケート)
  • 感染症予防

時間や場所に限定されずに集客できる

先述の通りウェビナーの最大のメリットは、集客を時間・場所に関わらず行うことができる点です。

都内でのセミナーに北海道や九州からの参加を見込むことは難しいですが、ウェビナーであれば全く問題になりません。むしろ海外からの参加も視野に入れることができます。

こうした物理的な距離に限定されない集客は、これまで見込み客にはなり得なかった潜在的な顧客を掘り起こすことにもつながるといえるでしょう。

また、当日その時間に参加できない参加者にもオンデマンド動画でウェビナーの内容を配信することで、時間に制約されず参加者を募ることが可能です。

実地会場での開催と比べて手間・コストを削減できる

ウェビナーは開催にあたって会場を用意する必要がなく、運営スタッフも最小限に留めることが可能です。

例えば、都内の会場に500人を集めてセミナーを開催する場合、会場の選定や設営、運営といった点に多大な経済的・人的コストを伴います。

ウェビナーであれば、明日急遽開催することになっても機材があれば1人で開催することも可能です。

もちろんウェビナーも周知・告知の手間はあり、アプローチする対象人数を最大化させることが重要になることは当然ですが、実地会場で行うよりも非常に少ない時間とコストで開催できます。

データを用いたアプローチ、改善がしやすい

多くのウェビナーツールにはアンケート機能が搭載されています。このアンケート機能によって視聴者・参加者の満足度や理解度を測り、改善につなげることが可能です。ウェビナーのアンケートは数クリックで完了するので、実地開催で配られるような紙アンケートよりも回答しやすく、高い回答率をもとにして調査の精度を高められます。

また、視聴時間をはじめとする視聴ログも記録として残るので、それらを分析することで理解度やウェビナーの効果を測ることもできます。

こうしたデータを用いて、より効果的でマーケティング精度の高いウェビナーを行うことが可能です。実地開催では視聴ログなどをデータとして残すことが難しいため、この点もウェビナーの大きなメリットだと言えるでしょう。

感染症予防

メリットの4点目は、新型コロナウイルスの感染拡大によってもはや必須となった感染症予防対策に関わるものです。

2021年5月現在、大勢の人が集まるイベントや催し物は全国的に中止や延期を余儀なくされています。こうした中で、1つのイベントに数百〜千人を集めることは実地会場では非常に難しいといえます。

また実施したとしても、感染症予防策として従来にはなかったコストがかかることも想定されます。そうした点からも、セミナーをオンライン化するメリットは大きいといえます。

ウェビナーとは?メリットや成功のための注意点を徹底解説!

ウェビナーの特徴やメリットについては、「ウェビナーとは?メリットや成功のための注意点を徹底解説!」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

成果を上げるためのウェビナーのポイント

では、実際にウェビナーを行う場合、どのような点に気をつけるべきでしょうか。

以下に4つのポイントを挙げて考えてみます。

  • アプローチ対象人数を最大化
  • スムーズな配信
  • 参加者の体験を向上
  • アンケートの活用

アプローチ対象人数を最大化

ウェビナーはコストダウンが図れる点でも大きなメリットがありますが、先述の通り、告知・周知が重要です。

実地会場と異なり、「たまたまやっていたから立ち寄った」というような流入はほぼないため、アプローチする対象人数をできる限り多くすることが必要になります。

SNSなどを用いた集客は言うまでもありませんが、参加申込をしているのに当日参加しない「歩留まり」への対策も必須です。メール配信ツールなどと連携させ、「3営業日前」「1営業日前」「当日」といった具合に数回に分けてリマインドメールを送るといった工夫が効果的だといえるでしょう。

スムーズな配信

多くの人を集客できても、実際の配信が途中で途切れたり、音声にノイズが入っていたり、照明が暗すぎたりというトラブルがあると、参加者の満足度は大きく下がります。

1人でも開催可能なのがウェビナーやオンラインイベントの魅力ではありますが、ネット環境や配信機材、設備には十分な配慮が必要です。

また、配信の仕方にも工夫が必要です。

たとえば、開演前から映像・音声を放映するという点もスムーズな配信につながります。ウェビナーの開場時間を配信の15〜30分前にしておき、その際に映像と音声を流しておくと、受講者側が正しく映像と音声が流れているかを確認できます。

なお、ブイキューブでは専用の機材に習熟した専門スタッフが配信をサポートするサービスを提供しています。専用スタジオも用意されており、はじめてのウェビナーで配信が不安、といった方は「サポートサービス」という選択肢を検討してみるのもよいかもしれません。

参加者の体験を向上

ウェビナーに実際に参加してもらったら、訴求効果を最大化することに注力しましょう。

受講者側からすると、ウェビナーはPCやスマートフォンの画面を見るという動作しかしないため、講師が単に話すだけでは受講者が一方的に情報を受け取るだけになってしまい、セミナーへの没入感が下がってしまいます。

このように訴求効果を下げてしまわないために、ウェビナーならではの機能を活用したいものです。たとえば、リアルタイムチャットや後述するアンケートなど、ウェビナーならではの機能の利用を積極的に促してみましょう。

ウェビナー開始直後にウォーミングアップを兼ねたテストの意味合いでチャットツールなどを体感してもらうと、ウェビナー中の利用へのハードルを下げられます。開始直後だけでなく15分に1回程度のペースでこうした機能を活用することで、没入感の促進だけでなく離脱の抑制にもつながります。

アンケートの活用

多くのウェビナーツールでは、ウェビナー終了時に参加者にアンケートを送信できます。

アンケートの回答はレポートとしてダウンロードでき、フィードバックを簡単に集めることができるほか、フィードバックをリアルタイムで収集したい場合には、ウェビナー中にコメントを募ることも可能です。

こうしたアンケートやコメント機能を活用することで、次回以降のフィードバックを得ることができ、よりよいウェビナーにブラッシュアップできます。

ウェビナーにおけるアンケートの5つの注意点と質問項目を紹介!

ウェビナーのアンケートついては、「ウェビナーにおけるアンケートの5つの注意点と質問項目を紹介!」のページでも詳しく紹介しています。ぜひあわせてお読みください。

ウェビナーを活用したマーケティングの事例

株式会社大塚商会 様

株式会社大塚商会 様

年間500コース以上を配信する株式会社大塚商会のオンラインセミナーには、8年間で延べ3万人以上が参加しています。

数名程度の小規模なセミナーから300名規模までさまざまな形式・形態のウェビナーを行っており、従来はリーチできなかった地方の顧客もターゲットにできています。

事例の詳細はこちら

株式会社タービン・インタラクティブ 様

株式会社タービンインタラクティブ 様

BtoBビジネスのマーケティング、ブランディングに関するサービスを提供している株式会社タービン・インタラクティブでは、Web会議用の会議室をウェビナーの配信スタジオにアップグレード。1〜2名体制で本格的なウェビナーの配信を行なっています。

「お客様が何を求めているのか」という参加者の関心や動向をビジネスソフトウェア「HubSpot」などと連携させて把握し、反応に合わせてメールを配信するといった形でウェビナーマーケティングを実践しています。

事例の詳細はこちら

まとめ | ウェビナーはマーケティングに効果大

このように、現在さまざまなシーンで活用されているウェビナーは、マーケティングとの相性がよく、これまでリーチできなかった顧客にもアプローチすることが可能になる強力なツールです。

さらに、新規見込み客の獲得だけでなく、既存客へのフォローにも大きな効果を発揮する可能性があるウェビナーには、メリットも多い一方で、上に見たような開催時に抑えるべきポイントもいくつかあります。

訴求力が高く、より効果的なウェビナーを開催してそのメリットを最大化させつつ、貴社のビジネスをさらに強力に推し進めてもらえればと思います。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

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