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企業活動を円滑に進めていく上で、社員同士の良好なコミュニケーションは欠かせない要素です。同期や同僚といったヨコのコミュニケーションだけでなく、上司と部下といったタテのコミュニケーションも同様に重視しなければならないのは言うまでもないでしょう。


 組織は個人の集合体です。組織ではそれぞれの個人が業務を分散して事業を行っており、業務に伴う意思決定も分散しています。ということは、意思決定に必要な情報も分散されているということ。情報の共有=コミュニケーションが不足すれば意思決定に支障が生じてしまうのです。

 

 もちろん、業務上のコミュニケーションだけでなく職場の人間関係においてもコミュニケーションは重要です。そこで今回は社内コミュニケーションが企業に与える影響や良好な社内コミュニケーションを促進するための方法をご紹介いたします。

 社内コミュニケーションは企業の課題

 かの有名な経営学者であるピーター・ファーディナンド・ドラッカー氏は、企業における社内コミュニケーションについて以下のように述べています。

 

コミュニケーションは私からあなたへ伝達するものではない。

それは、われわれの中の一人から、われわれの中のもう一人へ伝達するものである。

組織において、コミュニケーションは手段ではない。組織のあり方そのものである。

(引用元:PFドラッカー 時代を超える言葉: 洞察力を鍛える160の英知

 

組織のあり方を整備し進化させるのは企業の課題そのものです。つまり、ドラッガーの言葉を借りて言うならば社内コミュニケーションは企業の課題そのものだということに他なりません。

 

これを裏付けるかのように、社内コミュニケーション不足は企業経営上さまざまな問題を引き起こしています。その代表例が社員の定着率。社内コミュニケーションに問題のある企業は社員がなかなか定着しないという課題を抱えているのです。

退職理由の53%は人間関係

実際、どのくらいの人が退職理由に人間関係を挙げているのでしょうか。

 

退職理由の本音ランキング

 

(画像引用元:リクナビNEXT

 

 転職サイト大手のリクナビNEXTが転職経験者100人に聞いた転職理由と退職理由の本音ランキングBest10によると、「同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった」や「社風があわなかった」など人間関係に起因する退職が多くを占めていることが分かります。1位の「上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった」や10位の「昇進・評価が不満だった」を広い意味での人間関係と捉えた場合、全体の53%もの転職経験者が人間関係が原因で退職しているという結果になります。

 

なお、このランキングは転職経験者の「本音」を聞いた結果です。別途「建前」のランキングも掲載していますのでそちらも見てみましょう。

 

退職理由の建前ランキング

 

(画像引用元:リクナビNEXT

 

 こちらでは、約4%が人間関係を理由にして退職しているという結果になっています。先程のデータとかなり開きがあります。対象者は同じなので、本音では人間関係を理由にして辞めている人でも表向きはその他の理由にしているということです。つまり、会社内での人間関係の不満はそれだけ表に出せないということ、そして働く社員のストレスの原因になっているということに他なりません。

8割の企業が社内コミュニケーションに課題を感じている

 ここで興味深いデータをご紹介します。

日本最大級の人事ポータルサイトHRproが行った「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告によると、8割以上の企業が社内コミュニケーションに課題があると回答しています。

 

コミュニケーション課題1

 

(画像引用元:HRpro「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告

 

 このように、社内コミュニケーションにおける課題は企業を問わず内在しており、「全くそう思わない」「あまりそう思わない」をあわせても10%に満たない企業があるほどです。

 

企業規模の大小にかかわらずこの傾向は共通であり、300名以下の企業がやや良好であるように見えますがその差は誤差といっても過言ではないでしょう。

 

コミュニケーション課題2

 

(画像引用元:HRpro「社内コミュニケーションに関する調査」結果報告

 

 同時にコミュニケーション不足が業務の障害となっているかどうかについての質問に対しては、97%もの企業が「障害となっている」と回答しています。つまり、ほとんどの企業が社内のコミュニケーション不足に対して危機感を持っており、何かしらの対策を打たなければならないと考えているのです。

社内コミュニケーションで得られる効果

 このように、社内コミュニケーション不足は企業の業績に悪影響を及ぼします。逆に言えば、社内のコミュニケーションを促進することはその企業の業績をプラスへ働かせる効果があるということです。最近では従業員エンゲージメントという概念を用いて、給与的な結びつきだけではない企業と社員との良好な関係性づくりを試みる企業も増加しています。

 

従業員エンゲージメントとは、従業員が自分の会社や商品に対する信頼や愛着を高めていくことで、仕事に対するモチベーションや仲間への信頼感も同時に高めていくという考え方です。

 

前提として、日本人は世界の中で最も自分の会社を嫌っているというデータがあります。

 

Employee Engagement

 

(画像引用元;東洋経済オンライン

 

 米国ギャラップ社が行ったEmployee Engagement調査によると、自分の会社をEngagementしている(信頼し愛着がある)と答えた社員の割合は7%と先進国の中でもかなり低いレベルです。日本人は世界一自分の会社を嫌っているともいわれており、従業員エンゲージメントの一環として社内コミュニケーション向上を図ることはもはや日本企業にとっての最重要課題といっても過言ではないでしょう。

 

では、具体的に社内コミュニケーションの促進によりどのようなエンゲージメント効果が得られるのかを見ていきましょう。

社員定着率の向上

アメリカの臨床心理学者であるハーズバーグ氏は、満足に関わる「動機づけ要因」と不満足に関わる「衛生要因」の2つから人間の仕事における満足度が導き出されるとする「ハーズバーグの2要因理論」を唱えています。

 

この考え方を基にすると、衛生要因を改善しなければ動機づけ要因をいくら高めても社員は会社に満足しないということになります。例えていうならば、どれだけ給与を上げても社内コミュニケーションが不足していれば社員定着率は低いままということです。

 

社内コミュニケーションの促進と社員定着率の向上(=離職率の低下)を関連付けるデータをお見せしましょう。

 

定着率

 

(画像引用元:中小企業庁

 

 こちらは中小企業庁が発表した中小企業・小規模事業者における人材の確保・育成で取り上げられた「就業者から見た、人材定着に関する取組の有効性」のデータです。

 

これを見ると、上位にある「興味にあった仕事・責任のある仕事の割当」や「職場環境への配慮」は社内コミュニケーションが活性化していなければ対応できない内容です。

 

その他、メンター制度やテレワークの導入など、コミュニケーションをテーマにした取り組みが多く取り上げられているのが分かります。

 

働いている社員は、社内コミュニケーションの活性化が定着率向上につながることを直に感じ取っているということです。

情報共有の活性化

社内の情報共有を活性化させるには、ビジネスICTツールを導入することが手っ取り早いでしょう。ここで総務省が発表したビジネスICTツールの利用状況を見てみると、面白いことが分かります。

 

ツール導入-1

 

(画像引用元:総務省 平成30年版 情報通信白書のポイント

 

 社内SNS、テレビ会議、ビジネスチャットなど、組織内での情報共有を活性化するためのツールの利用率において、日本が飛びぬけて低いことが分かります。

 

ここで先程の米国ギャラップ社によるEmployee Engagement調査と照合してみてください。これらのビジネスICTツールの利用率と自社に対する満足度との間に相関関係があることが見て取れます。

 

つまり、日本は組織における情報共有が遅れており、それが原因の一つとなって満足度が低いということになります。反証として、アメリカは会社に対する満足度が高いため社内コミュニケーションも盛んであるということが言えるのではないでしょうか。

 社内コミュニケーション活性化のポイント

 社内コミュニケーションを活性化されるには、その前提となる目的や意識をしっかりと設定し全社員が共有することが大切です。いくつか重要となるポイントがありますので、順にご説明します。

 目的の共有

 何のために社内コミュニケーションを促進するのかという目的を設定し、その目的を社員が理解・共有しなければ効果は見込めません。社内コミュニケーションが疎かになると企業経営に弊害が生じます。その弊害を解決するためのコミュニケーション促進であるということを明らかにし、適したツールや方法を選択する必要があるのです。

 

目的が社員に理解されれば、自発的にコミュニケーションを図るようになります。自発性が無ければ長く効果を発揮することは不可能です。したがって、目的の共有は社内コミュニケーションの第一歩であると言えます。

経営層の理解

 社内コミュニケーションの促進を図るには、何かしらのコストが発生します。理解の乏しい経営層は総じてそのコストだけに着目し、効果を軽視しがちです。特に社内コミュニケーションといった効果測定の難しいことに対するコストにはなかなかGOサインを出さないこともあるでしょう。

 

目的の共有の項でも書きましたが、コミュニケーション不足により生じている弊害を解消するためであるということを経営層が理解することが必要です。コストだけに着目しないよう注意しなければなりません。

 

同時に、社内コミュニケーションは経営層も自ら受信や発信をすることとなります。後述する社内報や1on1は経営層が直接関わることもあり、その目的をしっかりと理解していなければ目的を果たすことはできないでしょう。

全員が発信者になる

 社内コミュニケーションの活性化を進めていくうちに、情報発信の多い社員と全くない社員とに分かれることがあります。この状態が長く続くと社員の一部だけのコミュニケーションに終始してしまい、効果が半減してしまうでしょう。

全員が情報発信を行えるような仕組みやツールを整え、濃淡の差はあれど何かしらの情報を全員が発信できるような工夫が必要です。

 社内コミュニケーションを生む方法

 社内コミュニケーションの活性化を図るには、会社側がコミュニケーションを生む場所あるいはツールを提供する必要があります。また、社員が自発的にコミュニケーションを図る場を生み出せるような雰囲気づくりも重要です。

以下、現在多くの企業で行われている社内コミュニケーションを生み出す方法をいくつかピックアップしてまとめてみました。

社内イベント

 社内イベントとは、社員同士が集い業務時間外でコミュニケーションを深める場を指します。社内イベントには、運動会や社員旅行のような比較的大掛かりなものもあれば、ボウリング大会のような有志が集まって短時間で開催されるものもあります。また、社内サークル活動、お花見、誕生日会、忘年会も社内イベントの一環ととらえることができるでしょう。

 

一方、業務時間内に行われる創立記念パーティや社員研修会も広義の社内イベントに含まれることもあります。いずれにせよ、社員同士が何かしらの理由を持って集まり相互に交流するイベントのことを社内イベントと呼び、社内コミュニケーションの活性化を図る場として活用されています。

社内報

 社内報とは、社内の出来事や連絡事項を社員に向けて広報する媒体のことを指します。古くは冊子や新聞のような状態で社員に配布されるという形式をとっていましたが、近年ではイントラネットや社内SNSで公開されたり、メルマガのような形式をとったりすることもあります。

 

内容は会社のニュースや社員紹介、最新の業績などさまざまですが、会社のことや社員のことをより深く知るという目的で作成されているため定期的に発行されるのが通常です。

 

企業の場合、規模の大きな会社になればなるほど社員同士の面識が薄くなります。入社歴の浅い社員の場合、他の部署にどのような人がいて、どのような仕事をやっているのかを全く知らないというケースもあります。

 

社内報によりこのような情報を知ることで、以降のコミュニケーションが円滑になったり組織に対する所属意識が高まったりという効果が期待できます。中には社員の家族にも社内報を送り、家族にまで会社のことを理解し安心してもらうという取り組みを行う会社もあるほどです。

社員食堂

 社員食堂とは社員が昼食時あるいは夕食時に利用できる食堂のことです。通常、会社の敷地内に設けられている施設となります。また、食堂ではなくカフェやバーといった形態で運営されるケースもあります。

 

社員が食事をしながら、あるいはコーヒーやお酒を飲みながら気軽に話せる場として重宝されており、クオリティの高い社員食堂は採用の際にも有利に働くといわれています。

 

ただし、社員食堂は運営コストが高く、オフィススペースも圧迫されるため導入企業は多くありません。そこで最近では、オフィスビルの入居企業が利用できる職域食堂も注目を集めています。


職域食堂

 

(画像引用元:社食ドットコム

社内SNS

 FacebookやTwitterなどの公開SNSのような仕組みを持ち、社員だけで運用されるメディアが社内SNSと呼ばれるものです。多くはWeb上で運用され、社員だけがアクセス権限を持っています。

 

運用ルールは企業によってさまざまですが、主に仕事関係の情報や出来事をアップすることが多いようです。ただし、社内サークル活動や社内イベントの内容など、業務外のこともOKとするケースが多いようです。

 

上記の社内報と内容的には重なりますが、社内報が発行部署(多くは総務部などの管理部門)からの一方通行の情報であるのに対し、社内SNSは誰でも情報発信可能であるという違いがあります。社内SNSの方が活発に利用される可能性が高いといえるでしょう。

 

また、プライベートなSNSで社内の人間と関わりたくない(フォローされたくない)という若い社員も増えています。その場合、社内SNSであればプライベートな用途で使われることがないため、気軽にフォローしあえるという利点もあります。

グループウエア

 組織内の情報共有やコミュニケーション促進を図り業務の効率化を目指すためのツールがグループウエアです。Googleが運営するG Suiteやサイボウズのkintoneがメジャーですが、他にも目的別にさまざまな機能を持ったグループウエアがリリースされています。

 

主な機能としては、ToDo管理やスケジュール共有の他、ファイル共有、稟議システム、掲示板、メッセージがあります。

遠隔地の拠点とリアルタイムに情報共有しスムーズな業務を遂行することが可能であり、社内コミュニケーションを促進する手段として幅広い企業で利用されています。

1on1

 1on1は社内の人間同士が1対1でミーティングを行うことを意味します。ミーティングルームを使って直接顔を見合わせて行う場合もあれば、後述するWeb会議システムを用いて遠隔地と行うこともあります。

 

原則として「上司と部下」という組み合わせで行うものであり、目標管理や業務進捗管理、プロジェクトのPDCA確認を行う場となります。ただし、単なる業務報告に終始しないよう、上司にはコーチングやフィードバックに関するスキルが必要です。部下に気づきを促し、個人の能力を引き出すために行うという目的を常に意識しておかなければ意味がないといえます。

Web会議の常時接続

 テレビ会議システムは、離れた拠点で働く社員同士が顔を合わせて会議を進めるためのツールです。とはいえ、会議の時だけ接続するのではなく、常時接続してまるで同じ空間で仕事をしているかのように演出することで社内コミュニケーションの活性化を図ることもできます。

 

ネットワークシステムソリューションを提供しているシステージ株式会社では、離れた2拠点をWeb会議システムで常時接続し、疑似的な空間共有により社内コミュニケーションの促進を図っています。

 

チャットやメールといった文字だけのコミュニケーションよりも、顔を見て話せる分より密度の高いコミュニケーションが図れるという効果があるとのことです。

社内コミュニケーション活性化に取り組む企業5選

 最後にこれらのコミュニケーションツールや仕組みを活用して社内コミュニケーションの活性化に取り組んでいる企業の事例を5つほどご紹介いたします。どの企業も自社の置かれた状況に応じてユニークな取り組みを行い、ある程度の成果を出している企業ばかりです。社内コミュニケーションに課題がある企業の方は、自社の取り組みの参考にしてみると良いでしょう。

1. 1on1ミーティングにより部下の目標支援と成長支援を行う

事例1

 

(画像引用元:ヤフー株式会社

 

インターネット広告事業やeコマース事業など幅広い事業分野を持つヤフー株式会社。2019年9月には株式会社ZOZOと資本業務提携を締結し、さらなる事業領域の拡大を進めています。

 

同社では2012年から上司と部下が対話する1on1ミーティングを開催しています。驚くべきはその頻度。実に週1回ペースというかなりの頻度で実施されているのです。毎回30分程度という限られた時間ではありますが、この1on1ミーティングは、単なる業績面談ではなく、「部下のための時間」として部下が自分の考えを話すことで進められるというのが特徴です。

 

このミーティングの根底にあるのは、「コミュニケーションは頻度が大事」という考え方であり、仮に気の合わない苦手な部下がいたとしても高頻度で対話することでその意識が払しょくされることもあるとのこと。キャリア形成における適切なサポートの点で徐々に効果が表れ始め、現在では約6,000人の社員が1on1ミーティングを実施しています。

2.テレビ会議システムを活用しランチ会を遠隔で実施

事例2

 

(画像引用元:株式会社あしたのチーム

 

 人事評価システムの導入支援やクラウドでの人事評価制度の運用コンサルティングを手掛けている株式会社あしたのチーム。全国各地に支社やサテライトオフィスを構え、日常的にテレビ会議システムを活用しています。

 

中でも徳島県三好市や福井県鯖江市、秋田県大館市といった雇用が少なく人口減に苦しむ自治体からの依頼を受け、自然豊かな環境でテレワークを行う雇用創出型のサテライトオフィスの開設に力を入れているため、テレビ会議システムは無くてはならない経営インフラのひとつです。

 

導入されたテレビ会議システムでは、打ち合わせや研修といった業務上の用途の他に、全拠点をつないだ朝礼に利用したりランチ会を遠隔で実施したりといった社内コミュニケーション促進に活用されています。

 

同社のように拠点が全国にある場合、拠点間のコミュニケーションが希薄になりがちです。テレビ会議システムを社内コミュニケーションに活用することにより、各地のサテライトオフィスの実情や意見を交換する機会を持つことができ、距離を感じさせることなく相互の親睦を深めることができると好評です。

3. ユニークな取り組みで「グッド・アクション2016」 を受賞

事例3

 

(画像引用元:株式会社バスクリン

 

 古くから入浴剤の代名詞となっているバスクリン。製造を行っている株式会社バスクリンは、元々は津村順天堂(現 株式会社ツムラ)を起源とする会社でした。2008年にツムラから独立し、2012年にアースグループに加入。以降、同グループの中核企業として本物志向の商品を次々と生み出しています。

 

同社は会社公認の部活動として「バスクリン銭湯部」を始動。社員交流イベントとして2ヶ月に1回のペースで各地の銭湯を巡り、文字通り裸の付き合いをするというものです。

 

長い歴史を持つ同社は、銭湯文化の衰退や社員間のコミュニケーション不足により知見の伝承がうまく機能していない状態に陥っていました。バスクリン銭湯部の活動により社員の部署間を超えた新たなコミュニケーションが生まれ、その結果働きやすさやモチベーションアップに向けた取り組みを表彰する「グッド・アクション2016」を受賞するに至りました。

4.オーナーの想いを伝え相互に意見を交わす

事例4

 

(画像引用元:GARO

 

 奈良県香芝市を中心に美容室事業を展開しているGARO。美容室の経営はその性格上オーナーの考え方が大きな要素を占めます。

 

2008年のオープン以降、さまざまな手法でオーナー自身の想いをスタッフに伝えてきましたが、なかなか浸透せずに悩んでいたところ、グループウエアを導入することでその課題が一気に解決したそうです。

 

そもそも、グループウエアの導入は業務効率化が目的だったのですが、業務効率の改善や時短よりも先に、人間関係の改善が大きなメリットとして現れました。グループウエア導入によりオーナーとスタッフとの間で深い話ができるようになり、人との繋がりを大切にする文化が新たに生まれたことがその理由です。

 

社内コミュニケーションの密度が高まることによりオーナーとスタッフが理念や想いを深く共有することとなり、結果として新たな事業展開も見込まれています。社内コミュニケーションの課題は、何も大企業だけの問題ではないということがこの事例からわかります。

5.社内バーで「飲みにケーション」

事例5

 

(画像引用元:クローバーラボ株式会社

 

 クローバーラボ株式会社は、大阪に本社を置きモバイル端末向けのゲーム開発をメイン事業としている会社です。設立が2009年と比較的新しい会社ですが、『ゆるドラシル』や『魔界ウォーズ』がヒットし社員数は80名を超える規模にまで成長しています。

 

若い会社ということもあり、社員の平均年齢は29歳。年上の上司と仲良く話すということに抵抗のある世代も入社してくるようになっています。また社員の多くが開発職であるため、終日画面と向き合い、一言も話さないという日もあるそうです。

そこで同社では社員同士のコミュニケーションを促進するため社内にバーカウンターを設置。カウンターには常時100本近くのお酒が並んでいるという本格的な「酒場」となっています。

 

この社内バーでは社員同士が仕事終わりに軽く飲んだり、取引先を連れてきて交流を深めたりする目的で使われています。また月に2回は代表がバーテンダーとなり、社員とコミュニケーションを図る機会もあるとのこと。飲みにケーションという昔ながらの手法により、円滑な人間関係の構築を図っています。

まとめ

 多くの企業では社内コミュニケーションが不足しているという課題を抱えています。社内コミュニケーションが不足するとさまざまな問題を引き起こし、企業経営のものが成り立たなくなることもあるでしょう。人材不足や生産性の低下など企業を取り巻く多くの問題は、実は社内コミュニケーション不足が原因である可能性も否めません。

 

今、企業規模の大小を問わず多くの企業が社内コミュニケーションの活性化に取り組んでいます。思い当たる企業の方は、今回例示した各種ツールや手法を参考に、社内のコミュニケーション体制を見直してみるのも一手ではないでしょうか。