オンラインイベントの基礎知識。メリット・デメリットや開催の流れを解説
新型コロナウイルスの流行を受けて出社人数を減らす動きが増え、それに伴いテレワークが急速に増加しました。
出社だけでなく、人が集まるイベントの開催も困難となり、そこで増えたものがオンラインイベントです。従来はオフラインで実施していたセミナーや展示会、総会などの社内行事なども、オンラインでの開催が目立つようになりました。
そうはいっても、まだ実際にオンラインイベントを開催したことがない企業や、よりオンラインイベントの幅を広げたいと考えている企業もあるでしょう。ウィズコロナの時代においてオンラインイベントを開催するには、どのようなポイントに着目すればよいのでしょうか。
本記事では、オンラインイベントの動向や特徴、開催の流れについて解説します。
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オンラインイベントとは
オンラインイベントとは、Web会議ツールなどを用いて実施するオンライン上のイベントのことです。
Zoom ミーティングやZoom ウェビナー、Google MeetといったWeb会議ツールを使って開催するほか、YouTubeなどの動画配信サービスを利用しても実施可能です。EventInやTouchcastなど、多種多様なイベントに対応できるオンラインイベント向けのツールも登場しています。
オンラインイベントには2種類の形式があります。1つは話者が視聴者に配信をする一方向型です。多くの視聴者が登壇者の話を聴くオンラインセミナーがこれに当たります。
もう1一つの形式は、リアルタイムでトークやチャットをしてコミュニケーションを図る双方向型です。たとえば、ランチをしながら会話をしたり、ゲームをしたりして双方向にコミュニケーションをする社内の親睦会などです。
一方向型でイベントを行ったあとに、質疑応答の時間を設けるハイブリット型でのオンラインイベントもあります。
このようなオンラインイベントは、新型コロナウイルスの流行が始まった2020年から急速に増加しました。
イベントの開催をサポートする「Peatix Japan株式会社」が2021年6月25日から7月2日までに実施したアンケートによると、2020年4月の緊急事態宣言以前はアンケート対象者のうち82.9%の主催者がオンラインイベントを開催したことがのなかったそうです。しかしそれ以降、アンケート実施時点で90%近くの主催者がオンラインイベントを開催したとわかっています。
出典:Peatix Japan株式会社」が2021年6月25日から7月2日までに実施したアンケート
これにより、新型コロナウイルスの流行がきっかけでオンラインイベントが広まったことが分かります。
オンラインイベントの開催シーン
感染症の流行を背景に近年、社外向けのセミナーや展示会だけでなく社内の行事、ライブ、授賞式など、多種多様なイベントがWeb上で開催されるようになりました。ここでは、どのようなシーンでオンラインイベントが開催されているのか、企業向けと一般向けに分けてまとめました。
企業向け
ウェビナー
ウェビナーとはWebとセミナーを掛け合わせた造語で、オンライン上で実施するセミナーを指します。セミナー形式のオンラインイベントは、感染症の影響関係なく開催可能であり、録画配信もできるというメリットから、コロナ禍においていち早く増加しました。
従来営業手法としてセミナーを取り入れていた企業も、オフラインでの開催が困難となったため、オンラインのセミナーに切り替えています。
セミナーをオンラインで配信することで、リアルのな会場では出会えなかった層にもアプローチできる可能性が高まるため、リード獲得や認知度の向上に期待できます。コロナ禍でもオンライン上でコミュニケーションを欠かさないようにすることで、顧客リレーションシップの強化にも期待できるでしょう。
展示会
企業の新商品や新サービスを発表したり、情報交換をおこなったりする展示会も、実際の展示会場ではなくオンライン上で開催されるケースがあります。オンライン展示会のほか、Web展示会やバーチャル展示会と呼ばれることも。
本来、展示会を行うには、展示する商品や什器、カタログやチラシなどの印刷物、ノベルティといったものを用意しなければなりません。言うまでもありませんが、実際に会場へ足を運んで、それらを設営する必要もあります。
オンライン展示会であれば、資料となるPDFや画像、動画を用意してネットワークにアップロードするなど、多種多様な展示物を手軽に展示できます。
会場へ足を運ぶ必要がない点は、開催する企業にとってだけでなく、来場者にとっても助かるポイントです。従来の展示会だと移動距離やスケジュールがハードルとなり参加できなかった人でも、オンラインであれば自宅や会社から参加できるようになります。
その結果、従来よりも数多くの来場者へ自社をアピールできたり、従来の方法ではアプローチできなかった層との接点ができたりします。なかには出展出典料が無料のオンライン展示会もあるため、オフラインの展示会と比較して出展出典料を抑えられるケースもあります。
社員総会
新型コロナウイルス感染症により、全社員が集まりにくくなったため、社員総会をオンラインで行う企業も増えています。
半期毎や年次毎といった節目に開催される社員総会は、普段の業務中には難しいコミュニケーションを実現したり、成果を出した社員を表彰したりすることで、社員のモチベーションを上げる効果があります。
会社のビジョンを共有し、社員の一体感を高めてモチベーションを上げることもできます。感染症の影響があっても何とか開催したいと考える企業は多いでしょう。
実際に2021年は、従来ホテルなどで開催していた総会をオンラインに切り替えた企業が一定数見受けられました。
パーソルプロセス&テクノロジー株式会社が2021年に行った調査によると、半数近くが社員総会をオンラインで開催してほしいと希望しています。オンラインで行う社員総会は、社員の希望を取り入れることにもなるでしょう。
社内イベント(入社式など)
社員総会以外の社内イベントもオンラインで開催することもあります。その一つが入社式です。オンライン上であれば、マイクの用意や人の移動をせずに、社長の挨拶や新入社員から挨拶をもらえます。
従来のオフラインの入社式の場合、わざわざ時間を取って場所を移動し、会社役員の面々とゆっくり対話をするような機会は設けにくいでしょう。しかしオンラインのメリットを活かし、この場をWeb上のミーティングルームに設けて、新入社員が会社役員のメンバーとコミュニケーションを取るプログラムを実現した企業もあります。
参考:株式会社 SUBARU 人事部 人財マネジメント・育成 経営と新入社員をつなぐ入社式
新人研修
新人研修をオンラインで実施するケースもあります。オンラインでもロールプレイングやディベート、ブレインストーミングなどのグループワークを取り入れられるため、オフラインのようにコミュニケーションを活性化できます。研修担当者も研修のためだけに出社する必要はなく、リモート業務も可能です。
このほか、懇親会を兼ねたランチ会や飲み会、 eスポーツ大会などをオンラインで実施する企業もあります。
カンファレンス
カンファレンスは専門家を招き、外部からも参加できるような大規模な会議を指します。こちらもオンラインでの実施の動きが見られるようになってきました。
オンラインであれば、物理的な移動が必要ないため、オフラインの開催よりも簡単に世界の専門家を招待できます。また、世界中どこにいてもインターネット環境と端末さえあれば参加が可能なため、カンファレンスの開催国の住民だけでなく、全世界に住む人々が参加者になれるでしょう。
記者発表会
記者発表会もオンラインで行われるシーンが増えました。オンラインであれば登壇者が出席する場所だけあればよいので、客席の準備は必要ありません。また、会場の受付や参加者向けの対応を省略できます。
会場への移動が必要ないオンラインは取材者がどこにいても開催できるため、メディア側のスケジュールが調整しやすいというメリットもあります。今まで1日に1つの発表しか取材できなかったメディアが1日あたり複数の発表を視聴できるようになれば、自社の発表会に取材が増える可能性が高くなります。
オンラインの記者発表会では、オリジナルの仮想空間を用いることでオフラインでは実現できないような演出が可能なのもポイントです。でオンライン記者発表会を行うなど、オフラインでは行えないような映像上の演出を施せます。
株主総会
オンライン上で実施される株主総会は、バーチャル株主総会とも呼ばれます。2020年にはリアルの株主総会を実施しつつ、会場へ行けない株主がオンラインで参加する「ハイブリッド型バーチャル株主総会の実施ガイド」が経産省により策定されました。
さらに2021年6月には産業競争力強化法などの一部を改正するなどの法律(令和3年法律第70号)の一部規定が施行され、一定の条件を満たせば完全にオンラインで株主総会を実施できます。
ハイブリッド型のバーチャル株主総会は日本で実際に実施されており、株主へのライブ配信や質疑応答、リアクションボタンを設置し、オンラインでもオフラインのような一体感を感じられるようにした取り組みがされています。
一般向け
コンサート
コンサートやライブなどの音楽イベントも、オンラインで開催することが一般的となりました。従来のコンサートやライブは会場に人が密集することから、感染症の流行後はイベントそのものが中止になってしまうケースもありました。しかし、オンライン開催であれば3密を回避し、個人個人がプライベートな場所で安心してイベントを楽しめます。
チケット事業を行うチケットぴあは、2020年5月より「PIA LIVE STREAM(ぴあライブストリーム)」というサービスをスタートしました。このライブ動画配信サービスを通して、コンサートやライブだけでなく、トークショーや落語、朗読劇、格闘技などのイベントを配信しています。
コンサートがオンラインで配信可能となったことで、感染症の流行拡大によるイベント中止のリスクが無くなりました。また、遠い場所に住んでいるファンもイベントに参加可能で、観客数を増やせるメリットもあります。
演劇
コンサートやライブと同じく、演劇もオンライン開催されるケースが増えました。劇場に足を運ばずとも観劇できるほか、千秋楽などの人気の公演も簡単に観られる、劇場に行くよりも安価で観られるといった点で、視聴者からは評価されています。オンライン配信のおかげで、今までに観ることのなかったジャンルの作品まで目を向けるようになった人もいるようです。
そのほかのイベント
そのほかにも、従来はオフラインで行われてきた様々なイベントがオンラインで開催されるようになりました。いくつもの窯元が参加する陶器市や、ハンドメイド作家が集うハンドメイドフェスも、オンラインで開催された実績があります。
アニメイベントやコミケは、リアルの会場と同時にオンライン会場を用意するケースが多く、インターネットを利用した環境だからこそ楽しめる演出も取り入れられています。
オンラインイベントのメリット
新型コロナウイルスの影響を受け、急遽イベントをオンラインで開催せざるを得なくなったという企業も沢山ありました。公益社団法人 日本工学会が2020年に実施したアンケートによると、最初の緊急事態宣言の解除後は55%の回答者がイベントをオンライン開催に変更したそうです。
出典:公益社団法人 日本工学会が2020年に実施したアンケート
やむを得ずオンラインイベントに踏み切ったケースもあるオンラインイベントですが、従来のオフラインイベントにはないメリットがあります。
2021年の総務省の調査によると、感染症収束後もオンラインイベントを視聴・参加したいと考える層は17.6%、オンラインセミナーや展示会に参加したいと考える層は15.5%と、一定数いることも判明しています。ここでオンラインイベントで得られる3つのメリットを解説します。
場所に関係なく参加できる
オンラインイベントはどんな場所に住んでいても、インターネット環境と端末があれば参加できるという大きなメリットがあります。このことからオンラインイベントは、オフラインイベントに比べて参加者が気軽に参加しやすいという側面もあります。参加者は会場まで足を運ぶ必要がないため、移動にかかる時間的金銭的コストはかかりません。
開催者としても、距離の遠さや国境も関係なく、各地、各国から人を呼ぶことができ、幅広い層に集客できます。
さらに会場の規模に左右されず集客できることもオンラインイベントのメリットです。オフラインイベントは、会場に収容できる人数が、集客できる人数の上限でもありました。オンラインイベントなら、Web会議システムやウェビナーシステムで対応できる人数まで参加者を募れます。
「Zoom」や「V-CUBE セミナー」といったツールを活用すれば、同時に1万人の参加者に向けてイベントの開催が可能です。
コストを削減できる
オンラインイベントでは、会場をレンタルする必要がありません。その分の費用が不要になるため大幅なコストカットにつながります。
たとえば100名を超えるような大規模な会場を借りる場合には、1回の開催につき10〜50万円程度の会場のレンタル費用が必要でした。オンラインイベントに切り替えることで、Web会議システムやウェビナーシステムの月額数万円〜の利用料金にまでコストを抑えられます。
コストカットができるのは会場費用だけではありません。会場の設営を行うためのスタッフの人件費や交通費、参加者に配布する資料のコピー代や茶菓代なども削減できます。
月に数回イベントを開催していたという企業には、大幅なコストカットとなるでしょう
参加ハードルを下げられる
オンラインイベントは自宅や会社、コワーキングスペースなど好きな場所から参加が可能なため、参加してもらうハードルを下げられます。これまで主要都市でしか開催していなかったイベントをオンラインで実施すれば、地方や海外など遠方のユーザーも参加しやすくなるでしょう。
また、自分の好きな場所から出席できるオンラインイベントは、子育てや介護などで自宅を離れられない人にとっても参加しやすいと言えます。
その結果、従来のオフラインイベントとは違った層にアプローチできるというメリットも生まれます。今までアプローチできていなかった層へ商材やサービスをアピールしたい、という場合にも、非常に有効な手段と言えるでしょう。
オンラインイベントのデメリット
新しい時代の便利な手段として認知されつつあるオンラインイベントですが、オフラインイベントと比べた際に感じられるデメリットも存在します。デメリットまで踏まえ、オンラインイベントを開催するかどうか決定してはいかがでしょうか。開催する場合は、デメリットから予想される課題やトラブルに対策をして臨みましょう。
配信設備・ノウハウが必要
オンラインイベントを配信するには最低限パソコンとインターネット環境、PCやスマホのカメラが必要です。クオリティを上げるにはカメラやマイク、照明、必要に応じてケーブルなどの機材を用意しなければなりません。会場規模はオフラインイベントと比較すると小さめで済むケースもあります。
「Zoom ビデオウェビナー」や「V-CUBE セミナー」などのオンラインイベントでは配信ツールを使いこなすノウハウも求められます。ツールでは視聴者の申し込みの管理や、当日の動画配信、画面共有やQ&Aなどの機能の活用、お礼のメールを送るなどのアフターフォローまで可能なものもあります。
開催者だけでなく参加者にも初めてツールを使う人がいるかもしれません。使い方が分からない参加者もいることを念頭に、オンラインイベント用URLの送付メールへ参加方法を記載しておくなど、問い合わせを想定して事前に対処しておきましょう。
参加用URLが届かない場合はどうするか、など想定のトラブルに応じた対処法をマニュアルにして共有しておく方法も対処法の一つです。
インターネットや映像、音響などの環境にも配慮が必要です。インターネット環境が悪いと、映像がカクカクする、回線が落ちるといったトラブルが考えられます。Zoom ビデオウェビナーの共同ホスト機能のように、主催者の権限を他のユーザーに共有できる機能を利用しておけば、万が一主催者の通信が切れてもイベントの強制終了は防げます。
配信環境のトラブルをいち早く把握できるよう、当日は運営側のメンバーも視聴者としてイベントに参加し、トラブルが発生した時点でカメラやマイクを調整するなどの対処できるようにしておきましょう。
このようなノウハウが無い場合は、オンラインイベントの業者へ依頼するのも選択肢の一つです。
参加者が離脱しやすい
オンラインイベントは他者からも目がない自宅から参加することが一般的です。そのため、参加者がほかのサイトを見る、何か違うことをする、といったことがしやすい環境といえます。ほかのことに注意がいくことで、オンラインイベントに対する興味がそがれてしまい、離脱する人もいます。
このように、オンラインイベントは参加者が手軽に参加しやすい一方、簡単に離脱しやすいデメリットもあります。
参加者が離脱しないようにするためには、イベント中にチャットで質問を募るなどの視聴者参加型コンテンツを入れて飽きさせないプログラムを組む、適宜休憩を入れるなど、継続して視聴しやすい工夫を取り入れましょう。
オンラインイベントの動向
新型コロナウイルスの影響を受けて普及した側面のあるオンラインイベントですが、これから迎えるウィズコロナの時代にもニーズがあると考えられています。
「Peatix Japan株式会社」が2021年6月25日から7月2日までに実施した調査によると、今後、新型コロナウイルスの流行が収束してもほとんどのイベントをオンラインにしたいと回答した主催者の割合は37.8%でした。
同調査では、今後リアルの会場と同時にオンラインイベントを行うハイブリッド型のイベントを開催したいと考えている主催者が78.3%もいることも分かっています。
オンラインイベントのメリットであるコスト削減や参加障壁の低さ=集客力の強さはコロナ後も残る大きなメリットだと考えられます。このメリットを享受するために、新型コロナウイルスの流行が収束したとしても、完全なオンラインイベントやハイブリッド型イベントを開催するケースも少なくないでしょう。
オンラインイベントの開催の流れ
いざ、オンラインイベントを開催しようと思っても、何から始めたら良いか分からない人も多いのではないでしょうか。オンラインイベントは以下の流れで実施しましょう。
- 企画
- ツール選定
- 集客
- 当日の役割分担
- リハーサル
- 本番
- アフターフォロー
- 振り返り
それぞれどのようなことをすべきか、詳しく解説します。
企画
オンラインイベント開催に向けて最初に行うことがイベントの企画です。オンライン・オフラインにかかわらず、イベントにはツール選定や集客、プログラム作成、役割分担、当日の進行、アフターフォローなどさまざまな工程があります。
企画の段階で十分に計画を練っておくことで、実施しなければならないタスクに落とし込みやすくなり、これら複数の工程を抜け漏れなく実行できます。
企画があれば行き当たりばったりにならないため、内容を濃密なものにすることも可能です。このように企画によってイベントの成功が左右されるといっても過言ではありません。まずはイベントで達成したい目的を洗い出し、明確にして共有しましょう。
この目的を達成できるようイベントの内容を練り、プログラムの構成や出演者など、細かい内容を詰めていきます。当日のスケジュールはもちろん、配信日までのスケジュールもここで決めましょう。
計画から逆算し、いつまでに何をすればいいのか細かく決めていきます。
ツール選定
次にオンラインイベント配信に使用するツールや機材、会場を選定しましょう。配信ツールによって実現できるイベントが異なるため、オンラインイベントの種類に合わせて選定することが失敗しないコツです。
オンラインイベントの種類 |
特徴 |
ツール例 |
Web会議型 |
参加者全員が話者となる双方向型の形式 |
Zoomミーティング V-CUBE ミーティング Google Meet |
ウェビナー型 |
参加者は基本的に聴講するのみの一方向型 |
Zoomビデオウェビナー V-CUBEセミナー |
テーブル型 |
聴講後、聴講者同士が数人のグループに分かれて会話できる形式 |
Eventin Remo |
自社で開催するオンラインイベントの種類に合わせて、適切なツールを選ぶようにしましょう。ツール選びの際は、視聴者側に立って使いやすさを考慮することも大切です。簡単にログインできるかどうか、様々なデバイスに対応しているか、専用アプリが無くても参加できるかどうかも確認しましょう。
撮影や配信に使う機材を購入やレンタルする場合は、練習やリハーサルを見越して早めの手配が必要です。
配信する場所がない場合は、この時点でスタジオの手配もしておきましょう。
オンラインイベント向けのスタジオは、撮影場所として使えるスタジオと、動画制作全般が可能な制作スタジオの2種類があります。カメラやマイク、スイッチャー、ライトなどをレンタルできるスタジオもあるため、場所も機材も必要な場合はスタジオ利用も検討してはいかがでしょうか。
株式会社ブイキューブでは、ハイクオリティな配信設備を完備している最大級のスタジオ「PLATINUM STUDIO」を東京都の白金高輪に用意しています。大阪府の堺には高級感あるスタジオ「Studio Octo 西日本」があります。いずれも充実の機材による高品質な映像配信や、配信トータルサポートを利用できる点が評価され、多くの配信者に選ばれています。
集客
オンラインイベントへ多くの人に参加してもらうために集客を実施しましょう。メールやSNS、Web広告を使って告知をするほか、ポータルサイトやプレスリリースで情報を配信します。そのほか、チラシや新聞広告、ダイレクトメール、テレアポなどのオフラインの手段で集客する方法もあります。
プロモーション方法は実施するイベントの規模、BtoCかBtoBかなどを考慮して選びましょう。たとえばSNSでの告知一つとっても、BtoCではTwitterやInstagram、TikTokなどが相性が良いのに対し、BtoBだとLinkedInやFacebookが相性が良いと言われています。企業の体制によっては、営業や広報と連携してプロモーションしたほうが効率的な場合もあります。
当日の役割分担
オンラインイベント当日の役割分担は綿密に行うことが成功のカギです。オンラインイベントに必要とされる代表的な役割を以下に記載しました。
- 司会者
- 演者
- 画面共有をする係
- スイッチのオン・オフをする係
- カメラの画面を切り替える係
- 映像の状況を確認する係
- 音声の状況を確認する係
役割をプログラムに合わせて細かく決めておきましょう。質疑応答の時間を設ける場合は、誰が質問を読み上げて誰が回答するか、といったことも考えておく必要があります。役割分担があいまいになっていると当日慌ててしまい、プログラムの進行が滞ってしまうおそれもあります。
映像や音声のトラブルが起こったときに状況を確認する係がどのように連絡し、対応をするかまで考えておくと、万が一の事象が起こっても対応しやすくなります。
リハーサル
本番の1週間前までにリハーサルを実施し、通信状況や配信環境、視聴者がどのように見えるのかまで、くまなくチェックするようにしてください。
音声が切れる、音声が流れない、画面共有が上手くできない、回線が落ちる、といったトラブルは、オンラインイベントで起こりがちです。
このような不具合がリハーサルで見つかったら、問題点を記載し改善していきます。問題点改善の工程のなかで、オンラインイベントがよりよくなるよう、プログラムの内容に関するアイデアも生まれるかもしれません。トラブル回避だけではなく、イベントのクオリティ向上のためにも、リハーサルはきちんと行いましょう。
本番
本番当日は配信の数時間前にもう一度機材のチェックを行えると、音声やカメラの角度、画面の明るさなどの調整ができます。最終チェックを終えたらいよいよ本番。スケジュールに沿ってイベントを実行しましょう。
アフターフォロー
イベントが終了したら、視聴者へアフターフォローを行いましょう。アフターフォローの方法としては、お礼のメッセージを添えてフォローメッセージを送ったり、アンケートを実施してフィードバックをもらったりするものがあります。
すでに関係性を築いている参加者には、個別に連絡を取ってアフターフォローを行うのも方法の一つです。
アンケートを実施する際には、イベント終了直後から遅くとも翌日までに実施したほうが、回収率が高いといわれています。資料を事後配布とした場合もこのタイミングで送信しましょう。
振り返り
最後にイベントの振り返りを実施しましょう。予定人数のうち実際に何人参加したのか、イベント終了までいたのは何人かなどのデータを確認します。アンケートを実施した場合はその結果も分析してください。フィードバックは社内のナレッジに蓄積しておき、今後の活動や次回開催するオンラインイベントに活かすようにしましょう。
オンラインイベントで利用するツールの選び方を紹介。
オンラインイベントで利用するツールの最適な選び方を知りたい方は「オンラインイベントはツール選びが肝心!最適なツールの選び方を紹介」をご覧下さい。
オンラインイベントの事例
最後に実際に開催されたオンラインイベントの事例を紹介します。成功事例をチェックして、ぜひ自社イベントにお役立てください。
ハイブリッド型バーチャル株主総会|株式会社ワコム様
液晶ペンタブレットなどを提供するワコムは、2020年の株主総会をオンライン参加型とリアル開催のハイブリッド型で開催しました。これまでオフラインだけで開催していたイベントですが、ブイキューブの「ハイブリッド型株主総会」を利用して実施。初のオンラインでの株主総会を安定的に配信することに成功しました。
専用アプリケーションのインストールが不要で、株主も簡単にアクセスできた点も評価されています。感染症拡大に対応しつつ、株主とのコミュニケーションの深化もはかれた事例です。
入社式をオンライン開催|コニカミノルタ株式会社様
複合機やプリンター、医療機器、計測機器などを開発・製造する電気機器メーカーのコニカミノルタでは、2020年4月の入社式をオンラインで実施しました。
「Qumu」を用いた入社式では、本社から映像を中継して配信することでオンライン化を実現。5,000人を超える全社員向けの配信にも対応でき、この人数にもかかわらずスムーズな配信が成功しています。
オンラインイベントの成功事例を紹介。
オンラインイベントの成功事例についてもっと知りたい方は「オンラインイベントの成功事例6選!ケース別のおすすめツールも紹介」をご覧下さい。
まとめ
オンラインイベントは、会場のレンタル費用やスタッフの人件費などを削減できるため、通常のリアルな場でのイベントよりも低コストで開催できるメリットがあります。今までアプローチできなかった地方在住の方や海外のユーザーとの接点が持てる点も大きなメリットです。
そのため、オンラインイベントは新型コロナウイルス感染症の流行状況に問わず、一定のニーズがあると考えられています。イベントマーケティングの一環として、この機会にオンラインイベントを実施する体制を整えるのも戦略の一つといえるでしょう。
一方でオンラインイベントは配信トラブルや集客面に課題を抱えてしまうこともあります。プロのサポートが受けられるサービスも併せて検討してみてはいかがでしょうか。