オンライン採用とは?メリットと進め方のポイントを解説

テレワークの普及とともに広がっているのが、オンライン採用です。

本記事では、企業などがオンライン採用をする際にどのようにすすめていけばよいのか、また、どういったポイントがあるかについて、オンライン採用のメリット・デメリットとともに解説します。

目次[ 非表示 ][ 表示 ]

オンライン採用とは

会社説明会や面接などは従来、大きな会場や会社の会議室などで行われていました。

オンライン採用とは、こうした企業と学生との接点においてオンラインツールを活用し、一部または全部をリモートで行う採用活動のことです。

大企業だけでなく中小企業などの間でも急速に広がっている背景には、感染症の感染拡大防止策としてだけでなく、オンライン化することで企業側・応募側双方がさまざまなメリットを享受できる点があります。

オンライン採用のメリット

オンライン採用にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

企業側と応募側それぞれの視点から見てみます。

【企業側】

  • 地理的要因に縛られない応募の獲得
  • コストの削減
  • 業務効率化
  • エントリーハードルが下がる
  • テレワークでの面接が可能

地理的要因に縛られない応募の獲得

たとえば都内の実地会場で行われる合同説明会の場合、関東以外の地域に在住する求職者の参加ハードルは高く、同日に別の予定があれば参加するのは困難になります。

こうした合同説明会や面接をオンライン化することで、求職者を縛っていた地理的な要因はなくなります。地方にいても都内の企業の説明会に参加することができ、実地会場であれば獲得することの出来なかったであろう求職者を獲得できる可能性が高まります。

コストの削減(交通費・会場費)

説明会や面接のために社外の会場を用意している企業も少なくありません。

そうした会場費のほか、担当者が会場まで往復することに費やしていた交通費もオンライン採用であれば不要になります。

経費だけではなく、移動や会場設営にかけていた時間コストの削減という点でもメリットがあると言えるでしょう。

業務効率化(面接官の拘束時間の削減等)

簡単な説明会であれば、企業のPRポイントを解説した動画をオンデマンド配信することでも代替できます。

従来は実地会場で行っていたことを映像や音声で代替していくことで、求職者が足を運んでくれるまでブースで待機したりする必要もなくなります。

採用活動に関わる業務を遠隔化・効率化し、担当者や面接官の拘束時間を減少させることで、従来は不可欠だった人件費や時間コストを削減できます。

エントリーハードルが下がる

スケジュールに合わせて説明会の会場に足を運び、ブースを探して担当者に話を聞き、エントリーシートを郵送することに比べて、オンライン採用(説明会)はサイトにアクセスし、スマートフォンなどで話を聞いて、ウェブ上でエントリーが完了するのであれば、エントリーのハードルは、後者のほうが断然低くなります。

エントリーのハードルが下がれば、より幅広い層からのエントリーが期待することができるでしょう。

2022年3月卒業(修了)予定の大学生・大学院生を対象にした就職活動に関するインターネットアンケートでは、93.8%の学生が「Webセミナー・Web面接があれば参加したい」と回答したデータもあります。

出典:あさがくナビ2022「Webセミナー・Web面接」に関するアンケート

テレワークでの面接が可能

テレワークが普及したことで、採用担当者がテレワークで勤務しているといったケースも増えてきました。

オンライン化によって、社外にいても面接をはじめとする採用活動が可能になるため、新しい生活様式に沿った採用活動を行うことが出来ます。

 

【求職者側】

  • 時間、交通費などのコスト削減
  • 多くの企業の選考に参加できる
  • 遠方の企業の選考に参加できる

時間、交通費などのコスト削減

オンライン採用は応募側にもさまざまなメリットを与えます。

まず挙げられるのは、時間と交通費のコスト削減です。

採用企業側と同様に、これまで説明会や面接のたびにかけていた移動時間がほとんど不要になります。特に就職活動期間中は多くの予定が入ります。移動に関するコストを削減できるのは求職者にとって最も大きなメリットでしょう。

多くの企業の選考に参加できる

説明会や面接は、開催期間や実施時間に限りがあり、短い時間の中で複数の企業の選考に参加するのは非常に困難です。

オンライン採用を導入している企業であれば、応募側は移動時間が不要になり、手続きもオンラインで完結するため、効率よくさまざまな企業の選考に参加することができます。

遠方の企業の選考に参加できる

企業側のメリットでも触れた通り、オンライン化で移動が不要になることで、応募側は遠方の企業の選考にも参加することが出来ます。

地理的な障壁がなくなることで、より幅広い企業へ応募することができる点も大きなメリットと言えます。

オンライン採用のデメリット

一方、オンライン採用のデメリットとしては以下の事柄が挙げられます。

【企業側】

  • オンライン化にあたってのツール導入やプログラムの最適化が必要
  • 対面に比べて伝わる情報量が少ない

Web会議ツールや動画配信プラットフォームなど、当然ですがオンライン採用には採用活動をオンライン化するためのツールが必要になります。

また、エントリーシートのWeb申請などに対応したサイトを構築したり、既存のプログラムを各種のWebツールに最適化したりする必要も生じるかもしれません。

加えて、オンライン面接では、応募者の雰囲気や人柄がわかりにくいと感じる採用担当者もいます。対面に比べて情報量が少なくなる点は、企業側のデメリットと言えるでしょう。

 

【応募側】

  • 企業理解が進みにくい
  • 通信環境を整える必要がある

応募側にとっても、社内案内などがオンラインで行われた場合、会社の雰囲気や空気感が分かりにくい、ひいてはその企業への理解が進みにくいということもあります。

また、安定したインターネット環境があることが前提のため、自宅のネット環境がスマートフォンのキャリア契約のみといった場合には、通信環境を整える必要も生じるでしょう。

オンライン採用の進め方

既存の採用活動を、具体的にどのようにしてオンライン化すればいいのでしょうか。

おおまかなステップは以下の3段階となります。

  1. オンライン採用活動の決定
  2. ツールの選定・導入
  3. 採用活動の最適化

オンライン採用活動の決定

まずは既存の採用活動の中でどの部分をオンライン化するのかを検討しましょう。

採用活動といってもインターンシップの募集を含め、会社説明会、1次から数次の面接、最終面接、内定通知、その後のフォロー、さらには会社案内など、さまざまな要素があります。

このうちすべてをオンライン化するフルリモート形式、説明会から1次面接までをオンライン化する形式など、さまざまな形が考えられます。

先述のメリット・デメリットをよく踏まえた上で、どの要素をオンライン化するのかによって、どのようなWebツールを導入するかの選択肢が変わってきます。

ツールの選定・導入

そのうえで、オンライン採用を可能にするWebツールを選定しましょう。

たとえば、1次面接のみをオンライン化する場合には、一般的なWeb会議ツールを応用するだけで必要十分だと言えるでしょう。

一方、会社説明会もオンライン化する場合には、後述するようなオンラインイベントを開催するツールが最適かもしれません。

また、応募者とのコミュニケーションを測るツールの選定にも注意を払う必要があります。採用担当者の個人的なSNSツールを利用するようなことは避けるべきです。

プライベートとしっかり切り離すことができ、プライバシーを守りセキュアな環境でコミュニケーションが図れるビジネスチャットツールの導入を推奨します。

加えて、応募者の情報をWeb会議ツールなどと連携させつつ、この点もセキュアに一元管理できる管理システムもしっかり構築・導入する必要があるでしょう。

採用活動の最適化

そのうえで、既存の採用活動を必要に応じてオンラインに最適化させましょう。

先述の通り、応募者とのコミュニケーションはオフラインと比較して伝わる情報が限られます。そのことをふまえたうえで、質問の内容を変えたりするなどして、コミュニケーションの質を高める必要があります。

また、採用活動用に社員の座談会や社長メッセージなどの動画を用意するなど、映像や音声を活用した情報発信を行うことでも、情報量の少なさをフォローすることにつながり、応募者の企業理解をより深められます。

オンライン採用のポイント

こうしたオンライン採用を成功させる上で、いくつかポイントとなる点があります。

  • 応募者の要望に合わせた柔軟な対応
  • ツールの使い方を共有
  • プログラムを適宜変更

応募者の要望に合わせた柔軟な対応

まずは、応募者の要望や環境に合わせた柔軟な対応を可能にすることです。

オンライン化するとは言え、応募者の環境によってはインターネットへの接続が難しいこともあり得ます。

基本はオンラインとしつつも、場合よっては来社も可能としたり、さまざまなケースに柔軟に対応することが、優秀な人材の確保につながります。

ツールの使い方を共有

Web会議ツールの使い方をしっかりレクチャーする機会を設けましょう。

大学でもWeb会議ツールやオンラインセミナーツールの利用が広がってはいるものの、やはりオンラインツールに不慣れな人もいます。自社独自のアプリケーションを利用する場合はもちろん、広く普及しているアプリケーションなどについても、しっかり使い方を共有しておくべきです。

Web面接を成功に導く7つの注意点!導入プロセスと欠かせないツールを紹介

Web面接については「Web面接を成功に導く7つの注意点!導入プロセスと欠かせないツールを紹介」で詳しく解説しています。

プログラムを適宜変更

先述したように、オンライン化によって企業側・応募側が互いに伝えられる情報量は制限されます。

募集から採用に至る既存の採用活動プログラムも、実地開催を前提にした会社案内などは単に映像を撮影するだけでは必要な情報が伝わりきらないこともあります。

必要に応じて採用プログラムもオンラインに最適化し適宜変更を加えるほうがよいと言えます。

オンライン企業説明会とは?メリット・デメリットと開催時のポイントをチェック!

オンライン企業説明会については「オンライン企業説明会とは?メリット・デメリットと開催時のポイントをチェック!」で詳しく解説しています。

オンライン採用に便利なツール

以下にオンライン採用に便利なツールをご紹介します。

Zoom ミーティング

Zoom ミーティング

Zoomは、社会人や学生を問わずユーザー数がとても多いツールです。応募者にとっても使い慣れたWeb会議ツールであることが多く、誰もが使いやすいという点でオンライン採用にも最適です。

また、ミーティングでの参加者を小部屋に分けることができる「ブレイクアウトルーム」機能を使ったグループワークをさせることもでき、1次面接などでも有効に活用できるでしょう。

Eventin

Eventin

株式会社ブイキューブが提供しているEventInは合同説明会などを開催する場合に非常に有効です。

1対nの講演をクリアで高品質な音声・映像で配信しつつ、複数の小規模セッションを同時開催することが可能なプラットフォームのため、応募者は希望する企業のブースを自由に見て回ることが出来ます。

それぞれのブースは入室前に会場マップ上から中の様子を「お試し視聴」することができ、ブースからブースへの移動も1クリックで簡単。オンライン上での「回遊」を促すシステムとなっています。

まとめ | 採用活動のオンライン化で採用活動を効率化

オンライン採用にはさまざまなメリットがある反面、情報が伝わりにくいといったデメリットもあります。

採用活動をオンライン化する方法とツールは多種多様のため、メリット・デメリットをしっかり認識した上で、既存の採用活動のどの部分をどのようにオンライン化すべきか、まずは十分に検討する必要があるでしょう。

どういった人材を採用したいのかというゴールをしっかり定めたうえで、ニーズに合った適切なツールやサービスを選び、企業側・応募側双方が共にメリットを感じられる採用活動を行ってください。

山本脩太郎
著者情報山本脩太郎

ブイキューブのはたらく研究部 編集長?部長? 2018年株式会社ベーシックに新卒入社。 インサイドセールスを経て、マーケティングメディアferretの編集部でインタビュー記事を中心とした企画・執筆などを担当。 同時期に数社のコンテンツマーケティング支援・インタビュー取材を経験。 2020年3月に株式会社ブイキューブに入社。

関連記事